LogiSTAR配車管理簿とは?
LogiSTAR配車管理簿は、配車業務の属人化や配送計画策定における膨大な工数・配送効率の伸び悩みに悩む物流・倉庫事業者や製造・卸売企業に向け、高度な地図データと配車エンジンにより最適な輸配送計画の作成を支援するSaaS型TMS(輸配送管理システム)です。航空測量やGIS(地理情報システム)の国内大手である株式会社パスコが提供しており、同社が長年蓄積した空間情報技術やVICS統計情報をベースに開発されています。
熟練配車担当者の経験や勘、配送先固有の納品要件(接車条件や作業時間など)をナレッジデータとしてシステム内に蓄積し、デジタル化できる点が大きな特徴です。自動配車計算と直感的な手動調整を組み合わせることで、積載効率の向上、配送ルートの最適化、配車業務の平準化を強力にサポートします。
主な機能
配車計画・ルート最適化機能
- 配車計画の自動作成とドラッグ&ドロップ調整
取り込んだ注文情報と車両情報、配送条件を基に、独自の配車計算エンジンが最適な車両割り当てと配送順序を自動で算出します。作成された計画は配車表やスケジュール画面上で直感的に視認でき、急な配送追加や時間変更が発生した場合もドラッグ&ドロップの簡単な操作で柔軟に手動修正が可能です。 - VICS統計情報・走行速度データの活用
時間帯や曜日、月別などの過去の走行速度データを保持する「VICS統計情報」を配車計算に反映させます。五十日(ごとおび)の道路混雑や朝夕の渋滞、雪国の冬季走行速度などを考慮した現実に即したルートと到着予測時間を導き出すため、現場のドライバーが実行可能な配車計画を短時間で作成できます。 - 詳細な配車条件・納品要件のマスタ管理
車両の最大積載量や車格(トン数規制)、配送先の営業時間・指定納入時間帯、荷降ろし所要時間、Uターン禁止や一方通行などの道路規制情報を詳細に設定できます。熟練者が把握していた現場ごとの特殊なルールをマスタデータ化することで、経験の浅い担当者でも条件違反のない最適な配車を組み立てられます。
外部連携・運行状況可視化機能
- 動態管理システム連携による配送ステータスの一元管理
株式会社パスコの動態管理サービス「PASCO LocationService」や株式会社ナビタイムジャパンの「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」とデータ連携が可能です。計画した配車結果をドライバーのスマートフォンや端末に転送し、リアルタイムな位置情報や作業進捗(作業中・完了など)を管理画面上で把握できます。 - 佐川急便「チャーターサービス」との手配連携
自社の保有車両や定期手配便だけでは対応しきれない物量が発生した際、LogiSTAR配車管理簿の画面上から佐川急便株式会社の貸切輸送「チャーターサービス」のオーダーシステムへ伝票データを直接転送できます。電話やメールによる外部傭車への空車照会や手配調整の工数を削減し、繁忙期などの輸配送体制を安定させます。 - 基幹システム・WMSとのデータ連動
自社で利用中の基幹システムやWMS(倉庫管理システム)から出力される受注データ・伝票データをCSV形式等でシームレスに取り込むことができます。手入力による伝票転記のミスや重複確認の手間を排除し、配送完了後の配車結果データも外部出力して実績管理や運賃計算へ活用できます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
ベテラン配車担当者の勘と経験に依存し、配車業務の属人化と引き継ぎ難に悩む企業
- 特定の熟練者に配車業務が集中し他メンバーへの業務移管が進まない
LogiSTAR配車管理簿は、熟練者が頭の中で処理していた配送先の個別条件や時間帯ごとの交通状況をシステム上のルールやマスタデータとして設定できます。配車ノウハウが組織の資産として可視化されるため、配車経験の浅いスタッフでも一定品質以上の配車表を作成できるようになり、配車担当者の負担軽減と業務標準化を実現できます。 - 手書きやExcelでの配車組に何時間も費やし配送調整が後手に回っている
大量の伝票データを取り込み、自動計算エンジンが配車案を算出するため、配送コースの作成時間を大幅に短縮できます。計画作成にかかる工数が削減されることで、突発的な出荷変更や荷主からの急な依頼に対しても迅速に対応できるようになります。
配送エリアの交通渋滞や多様な納品制約が多く、現実的なルート配送計画を組みたい現場
- ナビ上の最短ルートで計画を立てても実際の道路混雑や交通規制で遅延が発生する
VICS統計情報や曜日別・時間帯別の走行速度、右折進入制限などの詳細な道路情報を踏まえて計算を行うため、実際の走行環境に近い精度高い配送ルートを作成できます。ドライバーが遅延なく巡回できる計画を出力できるため、着荷遅延リスクの防止と顧客満足度の向上につながります。 - 配送先ごとに車格制限や荷降ろし時間の制約があり配車ミスが発生しやすい
車両のトン数制限や店舗ごとの納品時間帯、現場での滞在時間をマスタに登録しておくことで、制約条件を違反する割り当てをシステムが自動的にブロック・チェックします。配送現場でのトラブルや手戻りを防ぎ、積載率と走行効率を最大限に高めた配車が可能になります。
向いていない企業・現場
保有車両が少数の小規模事業者や、配送ルートが固定化されている現場
- 数台の車両で毎日決まった配送ルートを巡回するシンプルな運用を行っている
高精度なGIS解析エンジンやVICS統計情報を備えたLogiSTAR配車管理簿は、複数拠点・多数の車両や毎日配送先が変化する変動ルートの最適化で最も真価を発揮します。固定ルートの配送や小規模な運行体制では高度な機能を持て余してしまい、費用対効果を得にくい可能性があります。よりシンプルで低価格な配車ツールや動態管理アプリを検討する方が適しています。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| 高度な地図データとVICS統計を活用し、熟練者のノウハウを反映した高精度な配車計画を作成 | 要問い合わせ(SaaS/月額) | 配車業務の属人化解消や複雑な配送制約の自動化を目指す中堅〜大手企業 | |
| ロジックス | 配車から請求・支払、労務管理まで一気通貫で管理する運送業特化のクラウド型ERP | 初期30万円〜、月額10万円〜(車両50台まで) | 運送事業の収支改善や請求・労務を含めたバックオフィス全体のデジタル化を狙う企業 |
| 荷主・元請・下請間で配送案件や車両位置情報・ステータスを可視化する情報共有プラットフォーム | 要問い合わせ | サプライチェーン全体での配送進捗の共有や協力会社との受発注・連絡の効率化を求める企業 | |
| ドライバーの労働時間や積付、動態管理まで含めて輸配送現場の課題をトータル解決するTMS | 要問い合わせ | 自動配車エンジンによる計画立案に加え、厳格な労務・運行管理を行いたい企業 |
配送計画の精度と現場の運行制約への適合度を最優先し、熟練配車マンのノウハウをデジタル化して配車表の作成時間を削減したい場合には、パスコの地図技術を結集したLogiSTAR配車管理簿が有力な選択肢となります。時間帯別の渋滞情報や車格・接車制限を踏まえた現実に即したルート算出に強いアドバンテージがあります。
一方、配車計画の作成だけでなく、自社の運送事業における運賃請求や支払計算、ドライバーの労務管理や車両ごとの収支分析までバックオフィス全般を一元管理したい場合は「ロジックス」のような運送業特化型ERPが候補となります。また、荷主や多数の協力会社との間でリアルタイムな輸配送状況の可視化や受発注コミュニケーションのデジタル化を主目的とする場合は「MOVO Vista」、積付計算やドライバーの労働時間を厳密に考慮した自動配車を重視する場合は「ULTRAFIX」が検討対象になります。
料金・プラン・導入方法
LogiSTAR配車管理簿の料金体系は、月額課金形式(SaaSモデル)で提供されていますが、標準機能の構成や利用される拠点数、管理対象となる車両台数、オプション機能(動態管理システム連携や外部サービス連携など)の適用範囲に応じて個別の見積もりが実施される仕組みとなっており、公式Webサイト上では詳細な金額・初期費用・定額プランは公表されていません(要問い合わせ)。
導入を検討する際の見積もり時には、以下のポイントを事前に確認しておくことが推奨されます。
- 課金単位(1ライセンス単位か、管理対象の車両台数・拠点数に応じた従量課金・定額課金か)
- 初期費用(システム初期設定費用、マスタ登録データ作成支援、導入コンサルティング等の有無)
- オプション費用の内訳(動態管理連携機能や外部チャーター便連携機能の利用料金)
- 最低契約期間や解約時の規定
導入の流れ・期間
LogiSTAR配車管理簿の一般的な導入フローは以下のステップで進行します。
- 1. 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトの問い合わせフォーム等から連絡を行い、現状の配車課題、管理車両台数、配送先数、利用中のシステム環境(WMSや基幹システム)についてヒアリングを受けます。 - 2. 製品デモ・検討
実際の管理画面や配車計算エンジンの動きを確認し、自社の配送条件(時間指定・車格制限・作業時間など)がシステム上で再現可能か検証します。 - 3. 条件設定・見積もり・契約
運用範囲や必要な機能オプションを決定し、提示された見積書・契約条件を確認のうえ正式に契約を締結します。 - 4. マスタデータ整備・システム初期設定
配送先情報、車両スペック、拠点情報、VICS適用条件などのマスタデータを登録し、既存システムとのCSV連携等の設定を行います。 - 5. 運用テスト・操作トレーニング
現場の配車担当者が実際に操作を行い、配車結果の精度調整や操作方法のレクチャー・トレーニングを実施します。 - 6. 本稼働
準備が完了した段階で実務での運用を開始し、定期的な配車結果のチューニングを行っていきます。
なお、LogiSTAR配車管理簿の導入準備から本稼働に至るまでの具体化された標準導入期間については公式に明示されていないため、自社の運用体制やマスタデータの整備状態を含めて問い合わせ時に確認することが必要です。
導入事例・実績
株式会社パスコが提供する物流ソリューションおよびLogiSTARシリーズは、全国で数多くの物流事業者・荷主企業に導入されており、10万台を超える物流トラックの効率化支援実績を有しています。公開されている主な導入事例は以下の通りです。
- SBSフレック株式会社
食品を中心とした3温度帯の低温物流を展開する同社では、複数荷主企業の共同配送化に向け、適切な配送コース組みと迅速な車両手配を実現するためにパスコの配送計画システムを導入。マスターデータの一元管理とWeb上での情報確認が可能になり、人件費削減、配車時間の短縮、配車精度の向上、荷主への提案力向上という成果を上げています。 - オイシックス・ラ・大地株式会社
生鮮食品の宅配サービスを展開する同社では、「大地を守る会」における宅配コースの管理・編集の効率化と臨機応変な対応を目指し導入。コースメンテナンスの効率が大幅に向上し、協力会社・ドライバー・荷主間でのスムーズな情報共有が実現したことで、全拠点へのシステム展開が行われています。 - 株式会社ローソン
全国に店舗網を持つコンビニエンスストアチェーンのローソンでは、2016年に「LogiSTAR配車管理簿」と動態管理システム「PASCO LocationService」を導入。物流業務全体の可視化・分析環境を整備したことで、配車時間の削減や店舗配送時の持ち戻り減少など大幅な業務改善を達成しています。
導入前に知っておきたいこと
LogiSTAR配車管理簿の検討・導入にあたって把握しておくべき留意点は以下の通りです。
高度な地図技術とVICS統計データを駆使し、時間帯別混雑や車格制限、個別の納品条件などを緻密に計算できる反面、その性能をフルに発揮させるためには各種マスタデータ(配送先の接車条件、作業所要時間、車両スペック等)を正確かつ細かく初期設定・メンテナンスする必要があります。そのため、導入初期には自社の配送条件の洗い出しと設定に一定の時間と学習コストがかかるケースがあります。
また、現時点では大手SNSや一般的なITレビューサイトにおいて、エンドユーザーからの個別なシステム不満や重大なトラブル報告等の公開口コミは確認できていません。検討時は自社の配車制約がどれだけ綺麗にマスタ化できるかを事前デモなどで綿密にチェックすることが成功の鍵となります。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンやタブレットから配車結果を確認できますか?
- パスコの動態管理システム(PASCO LocationService)や連携する「ビジネスナビタイム動態管理ソリューション」を併用することで、配車計画の結果をドライバーが所有するスマートフォンやタブレット端末に転送し、配送順の確認やモバイルナビゲーションとして活用できます。
- 無料トライアルや体験版は利用できますか?
- 過去に期間限定・機能限定で「配車状況共有機能」などの無償提供キャンペーンが実施された実績はありますが、常時提供されている無料トライアルの有無や体験条件については公式サイトから問い合わせる必要があります。
- サポート体制や問い合わせ窓口は用意されていますか?
- 提供元の株式会社パスコおよびインフォセンス等の連携販売パートナーにより、導入時のマスタ設定支援や導入後の運用サポート窓口が提供されています。詳細なサポート範囲や保守契約内容については問い合わせ時に確認が推奨されます。
- 既存の基幹システムやWMS(倉庫管理システム)とのデータ連携は可能ですか?
- CSVファイルの取り込み・出力に対応しているため、既存の基幹システムやWMSに登録されている受注伝票データをLogiSTAR配車管理簿に取り込んで配車計算を行い、作成された配車結果データを外部に出力・連動させることが可能です。
- 最低契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
- 公式サイト等で最低利用期間や解約条件の具体的な規定は公開されていません。契約形態や月額費用プランと合わせて、見積もり時に担当者への確認が必要です。
- 途中で急な配車変更や割込配送が発生した場合も柔軟に対応できますか?
- 自動配車計算で作成されたスケジュール画面上で、ドラッグ&ドロップ操作によって手動で車両の差し替えや立ち寄り順の変更が簡単に行えます。現場の状況に合わせた直感的な調整が可能です。