POT配車とは?熟練の経験を活かせるセミオート配車管理ソフトの機能や価値を解説

熟練ドライバーの経験を活かせるセミオートの配車管理ソフト。出荷指示から配送先を名寄せして積載量を自動計算し、共同配送での複雑な配車やピッキングリスト作成を効率化します。

公式サイト
https://ainix.co.jp/
料金モデル
オンプレミス
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
製造業 物流・倉庫業 小売・卸売業

POT配車とは?

POT配車は、共同配送や複雑な納品フローを抱える物流・製造・卸売企業向けに、配車業務の属人化解消と作業効率化を実現する輸配送管理(TMS)システムです。アイニックス株式会社が提供しており、オンプレミス型を中心に自社環境へ導入して運用します。荷主ごとに仕様が異なる出荷指示データを読み込んで配送先名を自動で名寄せし、車両ごとの積載量をリアルタイムに計算します。全自動配車に頼り切るのではなく、熟練ドライバーや配車マンの経験をドラッグ&ドロップ操作で柔軟に反映できるセミオート設計が大きな特徴です。配車計画の作成と同時にピッキングリストや運行指示書を発行できるため、倉庫作業と配車管理の連携ロスを削減します。

主な機能

配車・計画作成機能

  • セミオート配車・ドラッグ&ドロップ操作
    登録済みの車両や配送コースに対し、画面上の配送先をドラッグ&ドロップ操作で割り当てられます。全自動配車とは異なり、現場の熟練者が持つ柔軟な判断やノウハウを加味した調整が容易で、配車にかかる時間と精神的負担を軽減します。
  • 積載量のリアルタイム自動計算
    車両ごとに割り当てた荷物の重量や容積をもとに、積載量を自動で算出します。過積載のリスクを未然に防止し、最適な積載効率を維持した配送ルートを効率的に組み立てることが可能です。
  • 過去配車パターンの自動割付機能
    過去に作成した配送ルートや割り当て実績をシステムが保存・学習します。次回以降の配車時にはボタンひとつで自動割付が行われるため、新規店舗や突発的な変更箇所のみを微調整するだけで計画が完了します。

データ取込・マスタ自動生成機能

  • 出荷指示データ取込と配送先名寄せ
    荷主から届く多様なフォーマットの出荷指示データやFAX指示を取り込み、共通のマスタが存在しない配送先を自動で名寄せします。地区コードなどの不足情報を補充して共通マスタを生成するため、複数荷主が混在する共同配送でもスムーズにデータ統合を行えます。
  • 返品指示・移送指示の一括管理
    通常の出荷指示に加えて、積載量計算に直接左右されない返品指示や拠点間の移送指示も一式で登録・管理可能です。現場で生じる変則的な配送指示を同一システム上で処理できます。
  • 倉庫管理システム(POT Manager)との連携
    同社が提供するWMS「POT Manager」とデータ連携を行うことで、荷受・在庫管理から配送計画までを一貫して管理できます。支社やデポ(拠点)間における出荷指示や配車実績データのやり取りが円滑になります。

帳票発行・実務支援機能

  • 店舗別ピッキングリスト・運行指示書の即時発行
    配車計画の確定と並行して、店舗別のピッキングリストや配送ルート順の運行指示書を出力できます。配車作業の途中段階でも作成可能なため、倉庫側のピッキング手配を遅らせることなく作業を進められます。
  • 運賃計算・協力会社向けデータ共有オプション
    個建・屯建・タリフ運賃などの計算結果を出力する機能や、配車結果を定形レイアウトに変換して協力会社へ自動メール送信するオプションを備えています。庸車手配の手間や請求処理の照合工数を削減します。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

複数荷主の共同配送を扱い、名寄せやピッキング手配に追われている会社

  • 荷主ごとに配送先表記や商品コードが異なり手作業処理が限界を迎えている
    POT配車は出荷指示データを読み込んで配送先名を自動で名寄せし、マスタを生成する機能を備えています。表記の揺れやコードの違いをシステム側で整理できるため、伝票整理に費やしていた手作業時間を削減できます。
  • 配車計画が決まるまで倉庫側のピッキング作業を開始できない
    配車操作の途中段階であっても店舗別ピッキングリストや運行指示書を発行できる仕組みを備えています。配車全体の完了を待たずに倉庫作業へ着手できるため、出荷ピーク時のタイムロスを抑制できます。

ベテラン配車マンのノウハウに依存しており属人化を解消したい会社

  • 配車業務を担当できる人材が限られており業務の引き継ぎが困難になっている
    直感的な操作性とともに過去の配車パターンを自動割り当てする機能を活用できます。熟練者の配送ノウハウをシステム上で再現・共有できるため、配車業務の標準化と担当者の負担軽減につながります。実際に株式会社拓洋の導入事例では、配車にかかる月間作業時間を250時間から113時間へ55%削減した実績があります。

向いていない企業・現場

クラウド型SaaSによる初期費用を抑えた導入や完全自動配車を求める会社

  • 自社内にサーバーを持たず、ブラウザのみで即座に運用を開始したい
    POT配車はオンプレミス(サーバー・クライアント型)の導入モデルを中心としています。サーバー構築や初期インフラの準備が必要となるため、資産を持たずに月額料金のみで運用したい企業はクラウド専用TMSの検討が適しています。
  • AIによるルート・積載の完全自動最適化のみで配車を完結させたい
    配車マンの経験を活かすセミオート方式を基本設計としているため、人の判断を挟まない全自動計算エンジンを第一優先とする現場では、全自動配車に特化した他社ツールを比較検討することをおすすめします。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
POT配車 名寄せ機能やピッキングリスト作成を備えたセミオート型TMS。熟練者の経験を活かした配車が可能 要問い合わせ 共同配送を行う企業や、ベテランのノウハウを活かしつつ配車を効率化したい企業
ロジックス 配車から請求、労務管理までを一気通貫でデジタル化する運送業特化型クラウドERP 初期30万円〜、月額10万円〜(車両50台まで) 配車だけでなく案件管理や収支分析、労務管理まで一括管理したい運送事業者
MOVO Vista 荷主・物流企業間の輸配送状況や動態をリアルタイムに可視化するクラウドプラットフォーム 要問い合わせ 関係者間での配送ステータス共有や到着予測(ETA)の可視化を重視する荷主・物流企業
ULTRAFIX 労働時間を加味した自動配車エンジンや動態管理オプションを備えた総合型輸配送システム 要問い合わせ 大規モデルの配送計画自動化や法令遵守、運行管理まで統合的に導入したい中堅・大手企業

共同配送における配送先の名寄せや、倉庫側でのピッキングリスト作成まで一貫して現場主導で効率化したい場合は、POT配車が有力な選択肢となります。配車マンの判断をベースにドラッグ&ドロップで柔軟に調整できる点が強みです。

一方で、全自動配車エンジンによるルート最適化や、動態管理・労務管理・請求管理までを含めたクラウド上での一気通貫処理を重視する場合は、ロジックスやULTRAFIXなどのクラウド型ERP・自動配車TMSを併せて検討すると自社に最適な選定が行えます。

料金・プラン・導入方法

POT配車の料金プランおよび導入費用は、公式サイト上で金額が提示されていないため要問い合わせとなっています。

本システムはオンプレミス(サーバー・クライアント型)での導入が基本構成となるため、検討時には以下のポイントをベンダーへ確認することをおすすめします。

  • 基本パッケージライセンス費用と追加クライアントライセンス費用
    利用するPC端末(クライアント)の台数に応じたライセンス体系を確認する必要があります。
  • サーバー・データベース等のインフラ構築費用
    自社内に設置するサーバー機器やデータベース(MS-SQL Server等)の用意・構築にかかる初期コストを確認します。
  • 年間保守・サポート費用
    導入後のバージョンアップ対応や障害時の問い合わせサポートに含まれる範囲と年間契約料を確認します。

導入の流れ・期間

POT配車の導入は、一般的なオンプレミス型輸配送管理システムの構築フローに沿って進行します。

  • ヒアリング・デモ体験
    現在の配車フローや荷主からの指示データ形式、運用課題のヒアリングを受け、システムのデモ画面を確認します。
  • 要件定義・見積もり提示
    必要な機能モジュールやライセンス数、WMS(POT Manager等)との連携要件を整理し、導入見積もりと導入計画の提示を受けます。
  • 環境構築・初期設定
    自社サーバーへのシステムインストール、配送先・車両・コースなどの初期マスタの登録およびインターフェース調整を実施します。
  • 運用テスト・操作トレーニング
    実際の出荷指示データを用いた配車シミュレーションと、配車担当者および倉庫作業者向けのマニュアル確認・操作トレーニングを行います。
  • 本番稼働
    旧運用からの切り替えを行い、本番運用を開始します。稼働初期はサポート体制のもとで運用状況を確認します。

なお、POT配車の具体的な標準導入期間については公式サイトに明示されていないため、自社のデータ連携要件と合わせて直接問い合わせの上での確認が必要です。

導入事例・実績

株式会社拓洋(食品・飲料の共同配送)

首都圏で物流事業を展開する株式会社拓洋では、食品・飲料の共同配送における配車業務を紙と手書きから「POT配車」へ移行しました。導入前は配車マン2名で毎日約5時間を費やしており、配車ノウハウの属人化によって担当者の休暇取得が難しい課題を抱えていました。

導入後は配車履歴の参照や名寄せ機能の活用により、配車業務を1.5名で約3時間に短縮することに成功しました。月間の作業時間に換算すると延べ250時間から113時間へ55%削減され、年間で約329万円(平均時給2,000円換算)のコスト削減効果を達成しています。配車時間の短縮によって出荷指示の変更へ柔軟に対応できるようになり、空いた時間を現場管理や営業業務へ充てられるようになりました。

大手飲料系3PL会社(拠点を経由する共同配送)

デポ(拠点)を活用して食品・飲料の共同配送を行う大手飲料系3PL会社では、WMSと配車システムが連携しておらず、支社からデポへの指示伝達や配車確認を電話やFAXで行う手間が発生していました。

WMSである「POT Manager」と「POT配車」を連携させて導入した結果、支社の出荷指示データをスムーズに配車システムへ転送可能となり、デポでの配送ルート確定と店舗別仕分けが迅速化されました。デポの配送実績を支社へ送り返す仕組みにより、車両の配送順や進捗状況を本部側で容易に把握できるようになり、業務の迅速化を実現しています。

導入前に知っておきたいこと

POT配車の導入を検討する際、現場環境や運用方針に関して留意すべき点があります。

  • オンプレミス構成によるインフラ管理が必要
    クラウド型SaaSとは異なり、社内にサーバー環境やネットワークを整える必要があります。サーバーOSの保守更新やデータのバックアップ作業など、自社内またはベンダー支援のもとで保守体制を組む必要があります。
  • 配車マンの手作業・判断を前提とした設計
    完全にシステムへ全自動任せにする設計ではないため、配車マンによるドラッグ&ドロップ調整や判断が一定数発生します。人の手を一切介さないフルオート配車を求める場合は運用イメージに乖離が生じる可能性があります。
  • 社外アクセスや端末追加時のネットワーク調整
    社内LANベースでの利用が基本となるため、拠点を跨いだ利用や外部からのアクセスを行う場合は、適切なネットワーク設計やセキュリティ環境の構築をあらかじめ検討しておく必要があります。

よくある質問(FAQ)

スマートフォンやタブレットから配車画面を操作できますか?
POT配車はWindows OS(サーバー・クライアント型)上で動作するデスクトップアプリケーションが基本構成となります。スマートフォン等のブラウザからの直接配車操作については、公式サイトでの最新動作環境の確認または提供元への問い合わせを推奨します。
無料トライアルや事前デモの実施は可能ですか?
無料トライアルの実施状況については公式に明示されていませんが、事前のシステムデモや打ち合わせによる画面確認に対応しています。検討時はアイニックス株式会社へ問い合わせることでデモの相談が可能です。
完全自動配車とセミオート配車の違いは何ですか?
完全自動配車はAIや計算エンジンが自動でルートや積載を完結させる仕組みです。一方、POT配車のセミオート配車は、過去のパターンをもとに自動割付を行った上で、熟練配車マンがドラッグ&ドロップ操作で細かい調整を加えられる仕様になっており、現場の柔軟なノウハウを反映しやすいメリットがあります。
運賃計算機能や協力会社への連絡機能は標準で含まれていますか?
運賃計算結果データの出力(個建・屯建・タリフ対応)や、協力会社宛の出荷指示データ自動メール配信機能などはオプションとして用意されています。必要な業務範囲に応じて選択が可能です。
他社のWMSや自社基幹システムとのデータ連携は可能ですか?
荷主からの出荷指示データの取込機能やEDIデータ変換ソフトとの連携に対応しています。また、同社製のWMS「POT Manager」とは標準で一貫連携できる仕組みを備えています。独自の基幹システムとの連携については個別のカスタマイズ可否をメーカーに確認することが推奨されます。
最低契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
オンプレミス型のパッケージソフトウェアであるため、月額契約のSaaSとは契約形態が異なります。ライセンス購入費用や保守契約条件の詳細は、見積もり時にアイニックス株式会社へご確認ください。

参照・出典

他の配車システム・TMSと比較する

POT配車の特徴を含むTMS(輸配送・配車管理)の21製品を、料金・機能・対象規模で比較できます。

配車システム・TMS比較19選