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マテハン・ロボット 2025年12月10日

NTTロジスコ/AI画像認識の自動登録・仕分けシステム導入、生産性30%向上について

NTTロジスコ/AI画像認識の自動登録・仕分けシステム導入、生産性30%向上について

【速報】物流現場の「目」と「手」が変わる。NTTロジスコがAIとAGVで生産性30%向上、仕分けミスゼロという衝撃

物流業界に激震です。2024年問題、深刻化する人手不足、そして高騰し続ける物流コスト。これらの課題に直面する多くの企業がDX(デジタルトランスフォーメーション)を模索する中、NTTロジスコが発表した一つのソリューションが、業界の未来を指し示す羅針盤となるかもしれません。

同社は、レンタル通信機器のリファビッシュ業務において、AI画像認識技術とAGV(無人搬送車)を組み合わせた「自動登録・仕分けシステム」を導入し、作業者1人あたりの生産性を30%向上、さらに仕分けミスを0%にするという驚異的な成果を達成しました。

これは単なる一企業の成功事例ではありません。これまで熟練作業者の「目」と「経験」に頼らざるを得なかった煩雑な作業を、テクノロジーが完全に代替可能であることを証明したのです。本記事では、このニュースの詳細を深掘りし、物流業界全体に与える具体的な影響、そして我々が今、何を考え、どう動くべきなのかを徹底的に解説します。

ニュースの背景:なぜNTTロジスコは「AI×AGV」に踏み切ったのか

今回の取り組みを理解するため、まずはその背景とシステムの概要を5W1Hで整理します。

  • Who(誰が): NTTロジスコ株式会社
  • What(何を): 「AI画像認識技術」とAGVの一種である「t-Sort」を組み合わせた自動登録・仕分けシステムを導入
  • Where(どこで): レンタル通信機器のリファビッシュ(再生・整備)業務を行う物流センター
  • When(いつ): 近年、本格導入・稼働を開始
  • Why(なぜ): 従来の業務が抱えていた深刻な課題を解決するため
  • How(どのように): 回収された機器をAIが画像で識別・登録し、その情報を基にAGVが指定の仕分け先へ自動搬送。WMS(倉庫管理システム)と連携し、情報とモノの動きを完全に統合。

従来の課題と今回の解決策

このシステムがいかに画期的であるかを理解するために、導入前後の業務フローを比較してみましょう。

項目 従来の課題(Before) 自動化による解決策(After)
機器登録 熟練作業員が目視で機種や状態を確認し、手作業でシステムに情報を入力。属人性が高く、新人教育にも時間がかかっていた。 AIカメラが機器を瞬時に撮影・識別し、機種やシリアルナンバーを自動で読み取りWMSに登録。作業者は機器を置くだけでOK。
仕分け 登録情報に基づき、作業員が手作業で棚やコンテナに仕分け。品番の見間違いや置き間違いなど、ヒューマンエラーが発生するリスクがあった。 登録情報と連携したAGV(t-Sort)が自動で機器を搬送し、指定のシュート(仕分け先)へ投入。仕分けミス0%を実現。
生産性 作業員のスキルや習熟度に大きく依存。物量が増加すると現場が逼迫し、残業や応援で対応せざるを得なかった。 登録から仕分けまでの一連の作業を自動化・統合。作業者は単純作業に集中でき、1人当たりの処理台数が30%向上。
品質 目視確認による見落としや、手作業による仕分けミスがゼロにはならず、品質維持が大きな負担となっていた。 システムによる自動化でヒューマンエラーを完全に排除。品質の安定化と向上を実現。

このように、AIが「目」と「脳」の役割(認識・判断)を、AGVが「足」と「手」の役割(搬送・仕分け)を担うことで、これまで人間が介在せざるを得なかった工程を劇的に効率化・高精度化しているのです。

業界への具体的な影響:倉庫、運送、メーカーはどう変わるか

NTTロジスコのこの取り組みは、対岸の火事ではありません。物流に関わるすべてのプレイヤーに、直接的・間接的な影響を及ぼすことになります。

倉庫業界:「リバースロジスティクスDX」の本格化

最も大きなインパクトを受けるのは、言うまでもなく倉庫業界です。

返品・リファビッシュ業務の標準モデルに

アパレル、EC、電子機器など、返品やレンタル返却品の処理(リバースロジスティクス)は、多品種で状態もバラバラなため、自動化が最も難しい領域とされてきました。今回の事例は、この高難易度な領域でも「AI×AGV」が有効であることを示しました。今後、同様の課題を抱える現場で、このシステム構成が標準モデルとして導入検討されるケースが急増するでしょう。

人材採用・育成のゲームチェンジ

「熟練作業者」の確保と育成は、多くの現場リーダーの悩みでした。しかし、AIが「見る・判断する」スキルを代替することで、新人作業員でも短期間で即戦力化が可能になります。これにより、採用のハードルが下がり、より柔軟な人員配置が実現します。これは、労働力人口の減少が確実な日本において、極めて重要な意味を持ちます。

運送業界:サプライチェーン全体の効率化への波及

直接的な影響は少ないものの、倉庫業務の高度化は、運送業界にも好影響をもたらします。倉庫の入荷処理能力が向上することで、トラックドライバーの待機時間が削減される可能性があります。また、仕分けミスがゼロになることで、誤出荷による再配送といった無駄な輸送コストや手間を削減することにも繋がります。

メーカー・荷主企業:物流委託先選定の新たな基準

メーカーやEC事業者といった荷主企業にとって、物流品質は顧客満足度に直結する生命線です。

  • 委託先選定基準の変化: 今後、物流委託先(3PL)を選定する際、「どのようなDX技術を導入し、品質と生産性を担保しているか」が重要な評価項目になります。価格競争だけでなく、「技術力」や「データ活用能力」が問われる時代になるでしょう。
  • リバースロジスティクスの価値向上: 返品処理の迅速化・高精度化は、顧客への返金対応のスピードアップや、再販可能な在庫の早期確保に繋がります。これまでコストセンターと見なされがちだった返品物流が、顧客体験を向上させ、収益改善に貢献するプロフィットセンターへと変貌する可能性を秘めています。

LogiShiftの視点:単なる自動化の先にある「認知・判断」のDX

このニュースを単なる「省人化事例」として捉えるだけでは、本質を見誤ります。我々LogiShiftは、この事例が物流DXの新たなフェーズの幕開けを告げるものだと考えています。

予測①:「フィジカル」から「サイバーフィジカル」への進化

これまでの物流自動化は、AGVによる「搬送」やロボットアームによる「ピッキング」など、物理的な作業(フィジカル)の代替が中心でした。しかし今回の事例の核心は、AIによる「画像認識・登録」という情報処理(サイバー)と、AGVによる物理的な「仕分け」(フィジカル)を、WMSを介して完全に融合させた点にあります。

これは、倉庫内のあらゆるモノと情報がデジタル空間で完全に同期する「サイバーフィジカルシステム(CPS)」の具現化です。今後は、検品、採寸、ダメージチェックといった、より高度な「認知・判断」業務がAIに置き換わっていくでしょう。これにより、倉庫は単なる「モノを保管・移動させる場所」から、「リアルタイムデータに基づいて自律的に動く情報処理拠点」へと進化していきます。
このような個別の自動化技術を統合し、倉庫全体の最適化を図るWES(倉庫実行システム)の重要性はますます高まっていきます。

関連情報: 【解説】YEデジタルのWES全工程自動化設備対応、2年前倒し達成がもたらす巨大インパクト

予測②:「汎用性」を持つソリューションの台頭

これまで、特定の製品に特化した自動化設備は存在しましたが、多種多様なレンタル返却品に対応できる汎用性の高さがこのシステムの強みです。AIは新たな機種が登場しても、画像データを追加学習させることで対応可能です。

これは、特定の荷主や商材に依存しない、柔軟で汎用性の高い物流センターの構築が可能になることを意味します。この「汎用性」こそが、変化の激しい現代のサプライチェーンにおいて、物流企業が生き残るための鍵となるでしょう。AGVのような柔軟なマテハン機器の活用は、この流れをさらに加速させます。

参考記事: 中国産AGVとは?メリットと注意点を物流担当者向けに徹底解説

提言:経営層・現場リーダーが今すぐ着手すべきこと

この大きな変化の波に乗り遅れないために、企業はどのように動くべきでしょうか。

経営層へ:DX投資を「コスト」から「未来への投資」へ

「まだうちは大丈夫」「費用対効果が見えない」といった声も聞こえてきそうですが、もはや躊躇している時間はありません。NTTロジスコの事例が示すように、DXへの投資は人件費削減という短期的な視点だけでなく、品質向上、属人化の解消、そして新たなビジネスチャンスの創出といった、企業の持続的成長に不可欠な「未来への投資」です。特に、これまで見えにくかった返品処理や検品といった工程のデータ化・自動化にこそ、競争優位性を築くヒントが隠されています。

現場リーダーへ:業務プロセスの「聖域なき見直し」を

テクノロジーは魔法の杖ではありません。導入するだけで全てが解決するわけではないのです。重要なのは、「AIやロボットが働くこと」を前提とした業務プロセスの再設計です。熟練者の暗黙知をいかにデータ化し、AIに学習させるか。AGVが効率的に動けるレイアウトはどのようなものか。現場のリーダーこそが、既存のやり方にとらわれず、聖域なき見直しを主導する必要があります。

まとめ:明日から意識すべきこと

NTTロジスコが実現した「生産性30%向上」と「仕分けミス0%」は、もはや遠い未来の話ではありません。AIとロボティクス技術は、我々の想像を超えるスピードで進化し、物流現場の常識を次々と塗り替えています。

今回の事例から我々が学ぶべき最も重要な教訓は、「人間がやるべき仕事」と「機械に任せるべき仕事」の境界線が大きく変わったという事実です。

  • 見る・覚える・判断する: これらはもはや人間の専売特許ではなく、AIの方が高速かつ高精度に実行できる領域になりつつあります。
  • 運ぶ・仕分ける: 単純で反復的な物理作業は、AGVやロボットが得意とするところです。

では、人間に残される仕事とは何でしょうか。それは、「新しい仕組みを考案し、改善し続けること」です。自社のどの工程に課題があるのかを見つけ出し、どのような技術を適用すれば解決できるのかを構想し、実行する。そのクリエイティブな役割こそが、これからの物流パーソンに求められる真の価値となるでしょう。

明日から、ぜひ自社の現場を改めて見渡してみてください。「これは熟練者でないとできない」と思い込んでいるその作業、本当にそうでしょうか?NTTロジスコの挑戦は、その「思い込み」こそが、成長を阻害する最大の壁なのかもしれないと、私たちに強く問いかけているのです。

最新のテクノロジーがどのような進化を遂げているか、まずはその目で確かめてみるのも良いでしょう。

あわせて読みたい: 【速報】国際ロボット展/過去最多673社が出展、ロボット×AIで進化する最新技術が集結について|物流DXへの影響を速報解説

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