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ニュース・海外 2025年12月16日

iREX 2025: From programmed to perceptiveに学ぶ海外物流DX

iREX 2025: From programmed to perceptiveについて

【Why Japan?】なぜ今、日本の物流企業が「知覚するロボット」に注目すべきなのか

2024年問題による輸送能力の低下、そして深刻化する労働力不足。日本の物流業界は、今まさに構造的な変革を迫られています。こうした中、先日開催された「iREX 2025(国際ロボット展)」は、過去最高の出展社数(673社)と来場者数(156,110人)を記録し、市場の活況と課題解決への強い期待感を示しました。

本展が提示した中心テーマこそ「From programmed to perceptive」、つまりロボットが「プログラムされた動きを繰り返す機械」から「周囲を認識し、自ら判断する知覚的存在」へと進化する未来です。

「それはまだ先の話だろう」と感じるかもしれません。しかし、このトレンドはすでに米国や中国の物流現場で現実のものとなり、競争力の源泉に変わりつつあります。本記事では、海外の最新動向と先進事例を深く掘り下げ、日本の物流企業が今すぐ取り組むべき次の一手を具体的に解説します。

海外の最新動向:AIがロボットの「頭脳」となる時代

iREX 2025で示された「知覚するロボット」へのシフトは、世界的な潮流です。特に米国と中国では、AI技術を核としたエコシステムの構築が急速に進んでいます。

米国:NVIDIAが牽引する「ロボットOS」競争

米国では、GPU大手のNVIDIAがロボット開発のプラットフォーム競争をリードしています。同社の「Isaac」プラットフォームや、ヒューマノイドロボット向け基盤モデル「GR00T」は、いわば「ロボット界のWindowsやAndroid」。多くのロボットメーカーがこの基盤上で開発を行うことで、AI搭載ロボットの開発速度と性能が飛躍的に向上しています。

このエコシステムからは、Amazon RoboticsやBoston Dynamicsといった巨人に加え、Covariant(AIピッキング)、Figure AI(人型ロボット)など、ユニコーン企業が続々と誕生。彼らは巨額の資金を調達し、実証実験(PoC)の段階を終え、実際の物流倉庫への大規模導入フェーズへと移行しています。

中国:「世界の工場」から「世界のロボット輸出国」へ

かつて「世界の工場」と呼ばれた中国は、今や「世界のロボット輸出国」としての地位を確立しつつあります。iREX 2025でも中国企業の出展は2023年の50社から84社へと急増。世界のロボット輸出に占めるシェアも、2016年の3-4%から2024年には約10%まで拡大しました。

その強みは、圧倒的な価格競争力を持つ協働ロボット(コボット)に加え、政府主導で開発が進むヒューマノイドロボットです。単なるハードウェアの製造に留まらず、AIソフトウェアやオープンな開発環境をセットで提供することで、世界中の企業の自動化ニーズに応えています。これは、日本の物流企業にとっても、導入の選択肢が大きく広がることを意味します。

先進事例:iREX 2025で示された「知覚するロボット」の実力

では、具体的に「知覚するロボット」は物流現場をどう変えるのでしょうか。iREX 2025で注目を集めた事例から、その可能性を探ります。

国/企業 技術的特徴 物流現場へのインパクト
日本/米国 (Yaskawa) 人間模倣学習、NVIDIA AI ティーチング不要で不定形物対応。熟練作業の継承。
台湾/米国 (SOLOMON) 自然言語理解、汎用AI (GR00T) 未学習タスクへの対応。究極の柔軟性と省人化。
中国 (JAKAなど) 低コスト協働ロボット、オープンエコシステム 中小企業でも導入可能な価格。AI連携で高機能化。

ケース1:安川電機「MOTOMAN NEXT」― 熟練工の技を“見て”学ぶロボット

安川電機が展示した双腕ロボット「MOTOMAN NEXT-NHC 10DE」は、まさに「知覚するロボット」の象徴です。

ティーチングからの解放

従来、ロボットに複雑な作業をさせるには、専門家が膨大な時間をかけて動きをプログラム(ティーチング)する必要がありました。しかしこのロボットは、人間が実際に行う箱詰め作業をカメラで見るだけで、その繊細な動きを模倣学習します。

これはNVIDIAのAIプラットフォームが可能にした革新であり、これまで自動化が困難だった「大きさや形の異なる商品を、傷つけないように隙間なく箱に詰める」といった属人性の高い作業の自動化に道を開きます。

ケース2:SOLOMON ― 自然言語で会話する未来の汎用ロボット

台湾のSOLOMON社は、NVIDIAのヒューマノイド向け基盤モデル「GR00T」を活用したデモを披露し、大きな注目を集めました。

未学習タスクへの挑戦

このロボットの最大の特徴は、「この棚にある赤いリンゴを、あちらのバスケットに入れて」といった自然言語での曖昧な指示を理解し、一度も教えられていないタスクを自律的に実行できる点です。

日々扱う商品や倉庫のレイアウトが変わる物流現場において、その都度プログラムを修正する必要がない「汎用ロボット」の登場は、究極の柔軟性と省人化を実現する可能性を秘めています。この技術動向は、当メディアの別記事「1XとEQTの提携最前線|ヒューマノイド1万体導入の衝撃と日本への示唆」でも詳しく解説しています。

日本への示唆:海外トレンドから学ぶべきこと、今すぐできること

これらの海外事例は、日本の物流企業にとって多くのヒントを与えてくれます。単に技術を眺めるだけでなく、自社にどう活かすかを考えることが重要です。

「脱・自前主義」とオープンイノベーション

今回のiREXでFANUCがNVIDIAと提携し、オープンソースのROS 2(Robot Operating System 2)ドライバを公開したように、もはや1社ですべての技術を開発する「自前主義」は限界を迎えています。

日本の企業は、NVIDIAのようなグローバルなAIプラットフォームやROS 2のようなオープンな開発エコシステムに積極的に参加し、外部の優れた技術を迅速に取り込む「オープンイノベーション」の姿勢が不可欠です。

「教える」から「見せる」へのマインドシフト

安川電機の事例は、ロボットの導入・運用方法が根本的に変わることを示唆しています。

  • 従来: 専門のロボットエンジニアが、専用のティーチングペンダントで複雑なプログラムを作成。
  • 未来: 現場の熟練作業員が、ロボットに「お手本」を見せるだけで作業を移管。

これは、IT人材不足に悩む企業にとって朗報であると同時に、熟練技能のデジタル化と継承という課題に対する新たな解決策となります。

日本企業が今すぐ真似できること

海外の壮大な事例を前に、何から手をつければよいか迷うかもしれません。しかし、今すぐ始められることは数多くあります。

  1. 自社工程の「知覚度」診断:
    自社のピッキング、梱包、検品といった各工程をリストアップし、「単純な繰り返し作業(プログラム型で対応可)」なのか、「状況判断が必要な作業(知覚型が必要)」なのかを仕分けしてみましょう。自動化の優先順位が見えてきます。

  2. スモールスタートでのPoC実施:
    中国メーカーの台頭により、高性能な協働ロボットが数百万円から導入可能になっています。全社展開を前提とせず、まずは特定の工程に1台だけレンタルやリースで導入し、費用対効果を検証する「スモールスタート」が有効です。

  3. グローバルな情報収集の習慣化:
    iREXのような国内展示会だけでなく、海外の物流・ロボティクス関連のニュースやウェビナーにアンテナを張ることが重要です。海外の「物流DX 事例」を学ぶことで、自社の5年後、10年後を見据えた戦略を立てることができます。

AIロボットが活躍する海外物流センターの具体的なレポートについては、「物流の最前線|AIロボットが動かす海外物流センター徹底レポート」も併せてご参照ください。

まとめ:ロボットは「機械」から「パートナー」へ

iREX 2025が明確に示した「From programmed to perceptive」という潮流は、物流業界における人とロボットの関係を根底から変えるものです。ロボットはもはや、人間が命令した通りに動く「機械」ではなく、状況を自ら理解・判断し、人間と協力して課題を解決する「パートナー」へと進化を遂げようとしています。

この大きな変化の波に乗り遅れないために、日本の物流企業は、海外の成功事例から学び、固定観念を捨て、新たな技術を柔軟に試していく姿勢が求められています。その第一歩が、自社の課題を正しく認識し、世界の潮流に目を向けることから始まるのです。

監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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