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Home > 事例・インタビュー> フマキラー、伝票電子化「DD Plus」導入|4社連携で挑む物流自動化
事例・インタビュー 2025年12月20日

フマキラー、伝票電子化「DD Plus」導入|4社連携で挑む物流自動化

フマキラー、納品伝票電子化・共有システム「DD Plus」を導入 ~愛宕倉庫・TSUNAGUTE・日本パレットレンタルと連携し、自動化・省力化へ対応~

物流業界における「紙の伝票」からの脱却は、長年の課題でありながら、多くの企業が足踏みをしてきた領域です。しかし、殺虫剤大手メーカーのフマキラー株式会社が投じた一石は、その停滞感を打破する大きなインパクトを持っています。

フマキラーは、日本パレットレンタル(JPR)が提供する納品伝票電子化・共有システム「DD Plus」の導入を発表しました。特筆すべきは、これが単なるシステムの導入にとどまらず、物流委託先である愛宕倉庫、導入支援を行うTSUNAGUTEを含めた「4社連携」によるプロジェクトであるという点です。

物流2024年問題や深刻な人手不足が叫ばれる中、荷主企業が主導して物流現場のデジタル化(DX)を推進するこの事例は、今後の業界標準を占う試金石となるでしょう。本記事では、このプロジェクトの詳細と業界に与える影響、そして今後の展望について解説します。

なお、本件に関する速報的な詳細については、以下の記事でも取り上げています。
See also: フマキラー・JPRの伝票電子化|WMS連携で挑む「検品レス」の衝撃

フマキラー×JPR「DD Plus」導入プロジェクトの全貌

今回のプロジェクトは、メーカー(荷主)、倉庫事業者(3PL)、システムベンダー、導入支援企業の4社が一体となって推進している点が最大の特徴です。まずは、その事実関係と役割分担を整理します。

4社連携による推進体制のスキーム

物流DXにおいて最も高いハードルの一つが、ステークホルダー間の利害調整とシステム連携です。フマキラーの事例では、各社が明確な役割を持って連携しています。

  • フマキラー(荷主): プロジェクトの主体として導入を決定。物流効率化への投資判断。
  • 愛宕倉庫(物流委託先): 現場運用を担当。自社のWMS(倉庫管理システム)と新システムを連携。
  • 日本パレットレンタル(JPR): 納品伝票電子化・共有システム「DD Plus」の提供。
  • TSUNAGUTE(導入支援): システム導入における調整、支援、コンサルティング。

この体制により、荷主の意向だけで現場が混乱することなく、またシステム会社の理論だけで運用が乖離することなく、実効性の高いDXが実現されています。

導入の背景と狙い

プロジェクトの基本情報を以下の通り整理しました。

項目 内容・詳細
プロジェクト名 フマキラー物流DXプロジェクト(DD Plus導入)
導入システム 納品伝票電子化・共有システム「DD Plus」(JPR提供)
連携システム 愛宕倉庫のWMS(倉庫管理システム)
主な目的 納品伝票のペーパーレス化。検品作業の自動化・省力化。
解決する課題 アナログな紙伝票による入力工数の削減。伝票紛失リスクの低減。ドライバー待機時間の短縮。
フェーズ デジタルデータによるシームレスな連携基盤の構築(運用開始)

特筆すべきは、単に「紙をPDFにする」だけではなく、WMSとのデータ連携を前提としている点です。これにより、データ入力の手間そのものを削減し、業務プロセス自体を変革しようとしています。

納品伝票電子化がもたらす現場変革とメリット

「DD Plus」の導入とWMS連携は、具体的にどのような現場変革をもたらすのでしょうか。物流現場の視点からそのメリットを掘り下げます。

WMS連携によるデータ入力の自動化とミス削減

従来のアナログ業務では、紙の納品伝票を目視で確認し、手入力でWMSに登録するという作業が発生していました。これには以下のリスクが伴います。

  • 入力ミス(数量間違い、品番間違い)
  • 伝票の紛失や汚れ
  • 入力作業にかかる人件費と時間

今回、愛宕倉庫のWMSとJPRの「DD Plus」が連携することで、納品データはデジタルで即座に共有されます。手入力作業が撤廃されることで、事務作業の工数が大幅に削減されるだけでなく、ヒューマンエラーによる在庫差異などのトラブルも未然に防ぐことが可能になります。

検品作業の省力化とドライバー待機時間の削減

紙伝票を用いた検品作業は、ドライバーと倉庫担当者が立ち会い、一枚一枚伝票をめくりながら行われることが一般的でした。これがドライバーの待機時間を延ばす一因ともなっています。

伝票情報が事前に電子化・共有されていれば、以下のような効率化が期待できます。

  • 事前情報の確認: 入庫前に納品内容が確定するため、受け入れ準備(スペース確保や人員配置)がスムーズになる。
  • 検品プロセスの短縮: ハンディターミナル等を用いたデジタル検品への移行が容易になり、目視確認の時間を短縮できる。
  • 受領印の電子化: 「DD Plus」の機能により、受領サインも電子化されれば、紙の受け渡しのために待つ時間がゼロになる。

See also: フマキラー・JPR等が伝票電子化|WMS連携で実現する「検品レス」への道

業界全体への波及効果と各プレイヤーへの影響

このフマキラーの取り組みは、一企業の改善活動にとどまらず、物流業界全体への波及効果を持っています。

荷主企業に求められる「物流への関与」

これまでの物流効率化は、ともすれば物流事業者(運送会社や倉庫会社)への「コスト削減要求」になりがちでした。しかし、今回の事例は「荷主が自らシステム導入に関与し、投資を行う」という姿勢を示しています。

他のメーカーや荷主企業にとっても、「物流DXは委託先任せにするものではなく、自社のサプライチェーン戦略の一部である」という認識を強めるきっかけになるでしょう。特に、ESG経営やSDGsの観点からも、ペーパーレス化やドライバーの労働環境改善は荷主の責務となりつつあります。

倉庫・3PL事業者の競争優位性となるDX対応力

一方、愛宕倉庫のような物流事業者にとっては、荷主のDX要望に応えられる「IT対応力」が新たな競争優位性となります。

  • 主要な伝票電子化プラットフォーム(DD Plusなど)に対応できるか。
  • 自社のWMSが外部システムと柔軟にAPI連携できるか。

これらが、今後の荷主からの選定基準として重要視されるようになります。「紙でしか対応できない」倉庫は、デジタル化を進める大手荷主から敬遠されるリスクが高まっていくでしょう。

LogiShiftの視点|「点」から「線」へ繋がる物流データ基盤

ここからは、本ニュースを深読みし、今後の業界動向を考察します。単なるツール導入のニュースとして読み飛ばすべきではありません。

成功の鍵は「TSUNAGUTE」の介在価値

本プロジェクトで注目すべきは、導入支援としてTSUNAGUTEが参画している点です。

通常、荷主とシステムベンダー(JPR)、そして現場(愛宕倉庫)の間には、言語や文化の違いとも言える認識のギャップが存在します。荷主は「管理」を重視し、現場は「実務」を重視し、ベンダーは「機能」を重視します。この三者の間に入り、業務フローの整理やシステム連携の要件定義をスムーズに進める「翻訳者」としての役割が不可欠です。

TSUNAGUTEのような企業が介在することで、システム導入が「絵に描いた餅」にならず、現場運用に即した形で定着したと考えられます。今後の物流DXにおいて、こうしたインテグレーターやコンサルティング機能を持つプレイヤーの重要性はますます高まるでしょう。

「検品レス」を見据えた信頼チェーンの構築

今回の「DD Plus」導入とWMS連携は、ゴールではなくスタート地点です。究極の目標は、伝票の電子化を超えた「検品レス」の世界にあると推測されます。

出荷元(メーカー工場)と納品先(倉庫)のデータが完全に同期し、かつその精度が担保されれば、入荷時の検品作業そのものをなくす(ノー検品)ことが可能になります。

  1. STEP 1: 紙伝票の電子化(今回のフェーズ)
  2. STEP 2: WMS連携による入力自動化(今回のフェーズ)
  3. STEP 3: 出荷検品データの信頼性向上による入荷検品の簡素化
  4. STEP 4: 完全な検品レス・伝票レスによる自動着荷処理

フマキラーの事例は、このSTEP 1〜2を確実に固めたものであり、将来的には業界全体の悲願である「検品レス」へ繋がる重要な布石と言えます。データ連携は単なる効率化手段ではなく、サプライチェーン上の企業間の「信頼」をデジタルで証明する基盤となるのです。

まとめ|アナログ脱却に向けた最初の一歩

フマキラー、愛宕倉庫、TSUNAGUTE、JPRによる4社連携の「DD Plus」導入は、物流業界におけるデジタル化の理想的なモデルケースです。

経営者や現場リーダーが明日から意識すべきポイントは以下の通りです。

  • 荷主主導の重要性: 物流効率化を委託先任せにせず、自社の課題としてシステム投資を検討する。
  • 連携の重視: 1社単独ではなく、システムベンダーや現場を巻き込んだチーム体制を構築する。
  • データの活用: 単なるペーパーレス化で終わらせず、そのデータをWMS等の基幹システムと連携させ、業務プロセス自体を変える。

「紙があるのが当たり前」という固定観念を捨て、デジタルデータによるシームレスな物流基盤を構築できるか。フマキラーの挑戦は、すべての物流関係者に行動を促しています。

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