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Home > 物流DX・トレンド> ハコベル/トラック予約・受付システム、JVCケンウッドと連携|物流業界への影響を徹底解説[企業はどう動く?]
物流DX・トレンド 2025年12月15日

ハコベル/トラック予約・受付システム、JVCケンウッドと連携|物流業界への影響を徹底解説[企業はどう動く?]

ハコベル/トラック予約・受付システム、JVCケンウッドグループのシステムと連携について

【速報】物流現場の「受付」という、長らく人の手に頼ってきた業務が、ついに本格的な無人化の時代へと突入します。3年連続成長率No.1を誇るハコベルのトラック予約・受付システム「トラック簿」が、JVCケンウッド・公共産業システムの車両ナンバー認証システムと連携を開始。このニュースは、単なるシステム連携に留まりません。深刻化するドライバー不足、そして「2024年問題【1年後のリアル】物流への影響と企業の明暗を徹底検証」で疲弊する物流業界にとって、ゲームチェンジをもたらす可能性を秘めています。

本記事では、この連携がもたらす物流現場への衝撃を、業界の各プレイヤーの視点から多角的に分析。さらに、この変化の波に乗り遅れないために企業が今すぐ取るべきアクションを、独自の視点で提言します。

ニュースの全貌:ハコベルとJVCケンウッド連携が実現する「未来の物流拠点」

今回の発表の核心は、物流拠点における車両の入退場管理プロセスが、テクノロジーによって劇的に変革される点にあります。まずは、今回の連携の概要を5W1Hで整理しましょう。

  • Who(誰が): ハコベル株式会社と株式会社JVCケンウッド・公共産業システム
  • What(何を): ハコベルのトラック予約・受付システム「トラック簿」と、JVCケンウッドの車両ナンバー認証システムを連携
  • When(いつ): 2024年、連携を開始
  • Where(どこで): 全国の物流拠点(先行事例として浜松倉庫の「GX・DX倉庫」に導入)
  • Why(なぜ): 物流現場の長年の課題である「トラックドライバーの待機時間」を削減し、受付業務の「省人化・無人化」を実現するため
  • How(どのように): 物流拠点に設置したカメラで車両ナンバーを自動で読み取り、「トラック簿」の予約情報とリアルタイムで照合。認証が完了するとゲートが自動で開閉し、デジタルサイネージで指定のバースへ車両を誘導する

この連携によって、これまで当たり前だった光景がどのように変わるのか、具体的な業務フローを比較してみましょう。

項目 連携前(従来のアナログ対応) 連携後(今回のシステム連携)
入場受付 警備員や受付担当者が対面で対応。予約票や伝票を目視で確認し、手作業で記録する。 カメラがナンバープレートを自動認証。「トラック簿」の予約情報と照合し、ゲートが自動で開閉する。
バース誘導 受付担当者が口頭や内線でバースを指示。ドライバーは場内図を見ながら指定場所を探す。 デジタルサイネージに予約車両のナンバーと誘導先のバース番号が自動で表示され、スムーズに誘導する。
業務負荷 受付担当者の常駐が必須。ドライバーは受付での待機や、担当者を探す手間が発生する。 受付の無人化・省人化を達成。ドライバーはノンストップで入場でき、待機時間が大幅に削減される。

浜松倉庫の「GX・DX倉庫」では、この仕組みによって入場からバース受付、そして退場までの一連の流れがシームレスに自動化され、受付の完全無人化と車両誘導の自動化が既に実現されています。これは、未来の物流拠点の姿を具現化したモデルケースと言えるでしょう。

【プレイヤー別】業界への具体的な影響と変化

このシステム連携は、物流に関わるすべてのプレイヤーに影響を及ぼします。それぞれの立場から、具体的な変化を見ていきましょう。

倉庫事業者:コスト削減と「選ばれる倉庫」への進化

倉庫事業者にとって、この連携は単なる業務効率化ツールではありません。経営戦略そのものを左右するインパクトを持ちます。

受付業務の無人化による抜本的なコスト削減

これまで受付や警備に配置していた人員を、庫内作業や品質管理といった、より付加価値の高い業務へシフトさせることが可能になります。人件費の削減はもちろん、採用難の時代において、限られたリソースを最適配分できるメリットは計り知れません。

バース回転率の向上と生産性最大化

車両の入退場がスムーズになることで、バースの回転率が向上します。これにより、同じ時間内により多くのトラックを受け入れることが可能となり、倉庫全体の処理能力が向上。結果として、売上拡大に直結します。

DX対応力による競争優位性の確立

荷主企業は、より効率的で安定したサプライチェーンを求めています。受付が無人化され、データに基づいた運営がなされている倉庫は、「先進的な物流パートナー」として高く評価されます。今後、このようなDX対応力が、荷主から「選ばれる」ための重要な差別化要因となることは間違いありません。

運送事業者・ドライバー:長年の課題「荷待ち時間」からの解放

ドライバーにとって、待機時間の削減は収入と労働環境に直結する死活問題です。

待機時間の抜本的削減

今回の仕組みの最大の恩恵は、ドライバーが受けるものです。予約時間に到着すれば、受付での煩わしい手続きや待ち時間なく、スムーズにバースへ接車できます。これは、2024年問題で厳格化された時間外労働の上限規制を遵守する上で、極めて重要な意味を持ちます。

ストレス軽減と運行計画の精度向上

「いつ受付が終わるか分からない」という不確実性がなくなることで、ドライバーの精神的負担は大幅に軽減されます。また、待機時間が計算できるため、次の配送先への移動など、1日の運行計画をより正確に立てられるようになります。

荷主(メーカー・小売):サプライチェーン全体の最適化

物流を委託する荷主にとっても、この変化は無関係ではありません。

サプライチェーンの可視化とリードタイム短縮

パートナーである倉庫の入出荷プロセスが効率化されることで、自社のサプライチェーン全体のリードタイム短縮と安定化に繋がります。車両の正確な入退場データは、在庫管理や生産計画の精度向上にも貢献するでしょう。

物流パートナー選定基準の変化

今後は、トラック予約システムの導入有無だけでなく、「どこまで自動化されているか」が物流パートナーを選定する上での重要な基準となります。非効率なアナログ管理を続ける倉庫は、次第に取引先として敬遠される可能性があります。荷主は、自社の物流品質を維持・向上させるためにも、パートナーのDX化を促していく必要があるでしょう。詳細については、関連記事「荷主必見!値上げ・規制強化を乗り切る対策を徹底解説」もご参照ください。

LogiShiftの視点:これは「点のDX」から「線のDX」への進化である

今回のハコベルとJVCケンウッドの連携を、単なる新機能の追加と捉えてはいけません。私たちは、これを物流DXが新たなフェーズに入ったことを示す象徴的な出来事だと考えています。

物流拠点の「入口」の完全デジタル化が意味すること

これまで、トラック予約システムは予約情報を管理する「点」の効率化でした。しかし、今回の連携は、「ゲート通過(物理)」→「予約システム(デジタル)」→「バース誘導(物理)」という一連のプロセスを、データでシームレスに繋ぐ「線のDX」へと進化させた点が画期的です。

物流拠点の「入口」という、物理的な世界とデジタルの世界が交わる最も重要な接点が、完全に自動化・データ化されるのです。これにより、これまで取得が難しかった「車両が実際にゲートを通過した正確な時刻」「バースへの到着時刻」「構内での滞在時間」といったデータが、人手を介さず自動で蓄積されていきます。

「データドリブン物流」の本格的な幕開け

この自動収集された高精度なデータは、経営の羅針盤となります。

  • KPIの高度化: 「バース回転率」「平均滞在時間」といったKPIを、感覚ではなく実データに基づいて正確に把握・分析できます。
  • 予測と最適化: 蓄積されたデータをAIに学習させることで、将来的には曜日や時間帯、貨物の種類に応じた最適なバース割当の自動化や、入出荷量の予測精度向上が期待できます。
  • 新たな価値創造: 例えば、ドライバーの待機時間をゼロに近づけた倉庫は、その実績をデータで証明し、運送会社に対して優位な条件で交渉を進めることも可能になるでしょう。

今、物流業界は人手不足とコスト高騰の嵐の中にいます。【緊急解説】物流企業の倒産が過去最多!その背景と生き残り戦略で解説したように、旧態依然とした経営を続ける企業が淘汰される時代です。このような状況下で、データに基づいた意思決定と業務改善を行えるかどうかが、企業の生存を分ける分岐点となります。

企業は今、何をすべきか?

この大きな変化の波に対し、企業は以下の視点で行動を起こすべきです。

  • 経営層: この動きを単なるコスト削減策としてではなく、競争優位性を確立するための「戦略的投資」と位置づけるべきです。自社の物流拠点が、ドライバーや荷主から「選ばれる場所」になるためのDX戦略を早急に再構築してください。
  • 現場リーダー: 新システムの導入は、現場のオペレーションを根底から変えます。導入効果を最大化するためには、従業員への丁寧な説明と教育、そしてスムーズな移行計画の策定が不可欠です。また、受付業務から解放された人員を、検品精度の向上や5S活動といった、より付加価値の高い業務へいかに導くか、明確なビジョンを示すリーダーシップが求められます。

まとめ:変化を傍観するのか、主導するのか

ハコベルの「トラック簿」とJVCケンウッドの車両ナンバー認証システムの連携は、物流拠点の受付業務における「無人化・自動化」を現実のものとし、業界全体を新たなステージへと引き上げる大きな一歩です。

もはやトラック予約・受付システムは「あると便利なツール」ではありません。サプライチェーン全体の効率を左右し、企業の競争力を決定づける「必須インフラ」へと変化しつつあります。

この記事をお読みの経営者、現場リーダーの皆様に問いたい。あなたの会社の受付は、まだ紙の伝票と電話に頼り、ドライバーを待たせていませんか?

明日からぜひ、自社の入退場管理プロセスを改めて見直し、「どこにボトルネックがあるのか」「デジタル化によって何が解決できるのか」を議論する場を設けてください。この変化をただ傍観するのか、それとも自ら主導してチャンスに変えるのか。企業の未来は、その判断にかかっています。

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