物流業界における「自動化」の波は、もはや止めることのできない潮流となりました。しかし、カタログスペック上の効率化だけでなく、実際に稼働する機器の連携や、災害時の事業継続性(BCP)までをセットで検証できる機会は極めて稀です。
野村不動産は2025年2月4日、千葉県習志野市の「習志野Techrum Hub」にて、最新物流機器16機種のデモンストレーションと免震体験会を開催します。
本イベントは、単なる機器展示会ではありません。物流DXの「効果検証」に特化した現場で、入庫から出庫までの自動化フローを目撃し、さらに2026年竣工予定の「Landport柏II」で採用される免震技術を肌で感じるまたとない機会です。なぜ今、このイベントに参加すべきなのか、その業界的意義を解説します。
ニュースの背景・詳細:習志野で起きる「物流DX」のリアル
野村不動産が展開する「Techrum(テクラム)」は、物流課題解決のための企業間共創プログラムです。今回のイベントは、その拠点である「習志野Techrum Hub」をフル活用し、以下の内容で実施されます。
開催概要と見どころ
今回のデモンストレーション会の基本情報は以下の通りです。
| 項目 | 詳細 |
|---|---|
| 日時 | 2025年2月4日(水) |
| 場所 | Landport習志野「習志野Techrum Hub」(千葉県習志野市) |
| 参加費 | 無料(事前登録制) |
| 主要コンテンツ | 最新物流機器16機種の実機デモ、免震体験車試乗、新物件紹介 |
| 注目物件 | Landport柏II(2026年7月竣工予定・免震・特高電力) |
網羅される物流プロセス
特筆すべきは、デモンストレーションが「点」ではなく「線」で構成されている点です。約16機種の機器が、実際の倉庫オペレーションに近い形で稼働します。
- 入庫工程: 伸縮コンベア等による荷降ろし効率化
- 保管・ピッキング: 自動倉庫システムによる高密度保管と出庫
- 流通加工・梱包: 自動開梱機、自動梱包機による省人化
- 搬送: AGF(無人搬送フォークリフト)等によるパレット搬送
「免震」を体感する稀有な機会
今回は、最新の免震技術を搭載した「免震体験車」への試乗が可能です。能登半島地震などの影響で防災意識が高まる中、実際に揺れがどのように軽減されるかを体感することは、BCP対策の投資判断において非常に重要な要素となります。
業界への具体的な影響:自動化と安全性の融合
このイベントが業界の各プレイヤーにどのような示唆を与えるのか、具体的に分析します。
荷主・メーカーにとってのメリット
「どのロボットを導入すべきか」という悩みに対し、実機での連携を見ることで解像度が一気に高まります。特に、バラピッキングから梱包、パレット搬送までの一連の流れを確認できるため、部分最適ではなく「倉庫全体の最適化」をイメージしやすくなります。
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物流事業者(3PL・倉庫会社)へのインパクト
人手不足が深刻化する中、省人化機器の導入は急務です。しかし、機器導入には多額の投資が伴います。Techrumのような効果検証拠点で稼働実績を確認できることは、稟議を通すための強力なエビデンスとなります。また、自動化機器の導入が進むほど、地震による機器転倒や破損のリスク(経済的損失)は増大するため、建物の「免震構造」はテナント誘致や荷主への提案における強力な差別化要因となります。
経営層が注目すべき「Landport柏II」
イベント内で紹介される「Landport柏II」は、2026年7月竣工予定の次世代型物流施設です。
* 免震構造: 商品と高額なマテハン機器を守る
* 特別高圧電力: 大規模なロボット導入や空調設備に対応可能
これらは、今後10年、20年先を見据えた物流拠点の「標準スペック」となりつつあります。
LogiShiftの視点:単なる「見学」で終わらせないために
今回のニュースから読み解くべき、物流業界の深層と今後のアクションについて考察します。
1. 「カタログスペック」からの脱却
多くの企業がDXに失敗する原因の一つは、現場の実情と機器のスペックの乖離です。
Techrumの価値は、ベンダー横断的な「組み合わせ」を検証している点にあります。単一メーカーのショールームでは見えない、機器同士の接続や、イレギュラー発生時の挙動など、現場リーダーは「運用上の課題」を見つける視点で参加すべきです。
2. 「自動化」と「免震」はセットで考える時代へ
かつて、免震構造は「あれば安心」という付加価値でした。しかし、高度な自動倉庫や精密なロボットが導入される現代の物流センターにおいて、地震対策は「マテハン資産を守るための必須要件」に変化しています。
自動化への投資額が増えれば増えるほど、その土台となる建物の安全性(免震)の重要性は増します。今回のイベントで両者をセットで体験できるのは、野村不動産がこの「不可分な関係」を深く理解している証左と言えます。
3. スタートアップ技術の実装拠点としての価値
Techrumには多くのスタートアップ企業も参画しています。大企業の実績ある機器だけでなく、尖った技術を持つスタートアップのソリューションを同時に比較検討できるのも大きなメリットです。
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4. 投資対効果(ROI)のシビアな目線
自動化機器の導入において最大のハードルはROIです。
デモンストレーションを見る際は、「どれだけ工数が減るか」だけでなく、「導入までのリードタイム」や「既存オペレーションとの親和性」を厳しくチェックしてください。セイノーグループとT5の事例のように、ROIにコミットする姿勢が業界全体のトレンドになりつつあります。
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まとめ:明日から意識すべきこと
2025年2月4日のデモンストレーション会は、単なる機器見学ではありません。物流DXの「現在地」を知り、自社の「未来」を構想するための重要なマイルストーンです。
- 経営層: 「自動化投資」と「BCP(免震)」をセットで捉え、資産保全と効率化のバランスを再考する。
- 現場リーダー: 個別の機器性能だけでなく、工程間の「つなぎ目」がスムーズか、自社の荷姿に対応できるかを厳しい目でチェックする。
物流の2024年問題を乗り越え、持続可能なサプライチェーンを構築するために、ぜひ現地で「リアル」を体感してください。


