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Home > 輸配送・TMS> コスト20%削減!置き配50%時代に備える非対面配送インフラ連携3ステップ
輸配送・TMS 2026年5月6日

コスト20%削減!置き配50%時代に備える非対面配送インフラ連携3ステップ

コスト20%削減!置き配50%時代に備える非対面配送インフラ連携3ステップ

物流倉庫の現場で働く実務担当者や管理者の皆様なら、一度は「荷物は増えるのに運ぶ人がいない」という現実に直面したことがあるでしょう。
特に宅配における再配達は、利益を大きく圧迫する要因です。

物流現場を苦しめる「再配達」とドライバー疲弊の現状

トラックドライバーの労働時間を厳格に制限する働き方改革が施行され、業界はかつてない人手不足に陥っています。
さらに、労働力不足が深刻化する2030年問題を見据え、現状の配送モデルを維持することは物理的に不可能です。

現在、宅配便の再配達率は約12%前後で推移しています。
不在持ち戻りによる再配達は、現場のドライバーにとって肉体的・精神的な疲労の最大の要因です。
また、倉庫管理者にとっても、持ち戻り荷物の再仕分けや保管スペースの圧迫といった無駄な間接業務を生み出しています。

国土交通省は、この再配達率を現在の12%から6%へ半減させるという強力な目標を掲げています。
この目標達成の切り札となるのが、国主導で進められている「置き配の標準化(デフォルト化)」です。
つまり、再配達が半減するということは、実質的に利用者の半数以上が置き配を選択する時代がやってくることを意味します。

参考記事: 2030年問題(物流)とは?実務担当者が知るべき基礎知識と対策完全ガイド

解決策:「非対面配送」を前提とした次世代の拠点戦略

この急激な変化に対し、不動産投資業界でも大きなパラダイムシフトが起きています。
不動産ポータルサイトの注目記事『「置き配50%」時代が到来!2030年へ「非対面配送」を味方につける物件戦略は – 健美家』が示唆する内容は、物流企業にとっても極めて重要です。

不動産オーナーと連携するラストワンマイル網の再構築

不動産オーナーたちは入居率を維持するため、オートロックマンションにおけるスマート解錠システムや、大型の宅配ロッカーの導入を急いでいます。
つまり、エンドユーザーの住環境側から「非対面配送のインフラ」が整い始めているのです。

物流企業や倉庫管理者は、ただ荷物を出荷するだけでなく、こうした不動産側の「物件戦略」と連携しなければなりません。
非対面配送が可能な物件や設備を「自社の配送ハブ」として味方につけることで、持ち戻りリスクを完全に排除する新たな拠点戦略を構築できます。

現場で実践する「非対面配送」インフラの導入3ステップ

では、具体的にどのようにして不動産インフラと連携し、現場の配送プロセスを改善すべきでしょうか。
明日から着手すべき3つの具体的な手順を解説します。

オートロックマンションのスマート解錠API連携

都市部の配送において最大の障壁となっているのが、オートロックマンションの存在です。
不在時にはエントランスに入ることができず、置き配が物理的に不可能です。

この課題を解決するためには、マンション管理会社やスマートロック提供企業とシステム連携を行う必要があります。

  • システム改修の具体策
    • 配送業者のドライバー用端末(ハンディターミナル等)のアプリを改修する
    • スマートロック事業者が提供する共通APIと連携させる
    • 配達員が一時的なワンタイムパスワードでエントランスを解錠できるようにする

これにより、ドライバーは住人の不在時でも安全に各住戸の玄関前へ荷物を届けることが可能になります。

オープン型宅配ロッカーを活用したハブ拠点化

次に着手すべきは、個別の住宅を何度も巡回するストップ・アンド・ゴーの配送から、特定の拠点へ一括で納品する仕組みへの転換です。
駅やスーパー、あるいは大型マンションの共用部に設置されたオープン型宅配便ロッカー(PUDOステーションなど)を有効活用します。

自社の配送ルート上に存在するオープン型ロッカーを事前にマッピングし、そこを「極小の配送ハブ」として運用します。
複数の荷物を一箇所のロッカーに混載して一括納品することで、走行距離を劇的に短縮し、CO2排出量の削減にも貢献します。

国交省の補助金を活用した初期投資の圧縮

システム連携や新たなインフラ構築にはコストがかかります。
しかし、現在国は財政面から強力なバックアップを行っています。

国土交通省の「多様・柔軟な受取・注文方法の普及促進事業」では、オートロックマンションでの共同解錠システムの導入や、オープンなプラットフォームの構築に対して、最大5000万円(補助率2分の1以内)の補助金を交付しています。

経営層と現場が連携し、この補助金制度を戦略的に活用することで、システム改修にかかる初期費用を大幅に圧縮できます。

参考記事: 国交省が最大5000万円補助!再配達削減の3つの対策と物流への影響

導入後のBeforeとAfter:物流コスト20%削減の全貌

これらの「非対面配送」を前提とした物件戦略・拠点戦略を導入することで、現場にはどのような定量的・定性的な変化が起こるのでしょうか。
以下の表に改善の効果を整理します。

比較項目 導入前(Before) 導入後(After) 期待される定量的効果
配達完了率 不在による持ち戻りが多発 非対面インフラで確実に納品 初回配達完了率ほぼ100%
ルーティング 予測不能な再配達で計画崩壊 確実な納品で計画通りに進行 動的配車の精度大幅向上
間接業務 再仕分けやクレーム対応の発生 写真送信で配達証跡を自動化 倉庫内の付帯作業時間減
労働時間 長時間の残業が常態化 持ち戻り処理が完全に消滅 物流コストと残業20%削減

不確実性が排除されることで、AIを用いたルート最適化システム(TMS)が計画通りに機能するようになります。
これにより、1日の稼働時間を分単位でコントロール可能となり、無駄な残業代や燃料費をトータルで20%近く削減することが可能です。

参考記事: 国交省の置き配標準化で再配達半減へ!運送・EC業が迫られる3つの対策

まとめ:オープンなインフラ構築が物流を救う

「置き配」が一般的な受取方法として定着する時代において、自社のドライバーとトラックだけでラストワンマイルを完結させる「自前主義」は限界を迎えています。

重要なのは、不動産オーナーやシステム提供企業と手を取り合い、誰もが利用できる「オープンな協調領域」のインフラを構築することです。
非対面配送を味方につける物件戦略は、単なる効率化にとどまらず、持続可能なサプライチェーンを再構築するための最大の武器となります。

明日から自社の配送ルートとシステムを見直し、次世代の物流ネットワークへのアップデートを始めましょう。


出典: 国土交通省|「宅配の多様な受け取り方の促進に向けた検討会」の開催について
出典: LOGISTICS TODAY|国交省、再配達削減に向けた補助事業の公募開始
出典: 健美家|不動産投資の収益物件検索サイト

監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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