リユースパレットとは?導入のメリットや失敗しない選び方・運用戦略を徹底解説とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:リユースパレットとは、不要になったパレットを回収・洗浄・補修し、再び物流現場で使えるようにした中古パレットのことです。単なる使い古しではなく、SDGsや環境保護に貢献する戦略的な資材として再定義されています。
  • 実務への関わり:新品に比べて価格が安く、納品が早いのが大きなメリットです。物流コストの大幅な削減に直結するほか、不要になったパレットを廃棄するのではなく買取に出すことで、処分費用を利益に変えることも可能です。
  • トレンド/将来予測:原材料費の高騰や脱炭素化の動きを背景に、リユースパレットの需要は今後も拡大し続けます。将来的には、ICタグや管理システムを活用して紛失を防ぎ、長期間にわたって繰り返し利用する循環型の運用が標準化していくと予想されます。

現代のサプライチェーンにおいて、物流インフラの根幹を支える「パレット」の運用戦略は、企業の財務指標や環境対応力を左右する極めて重要な経営課題となっています。かつては単なる「荷物を載せる板」として扱われていたパレットですが、原材料費の高騰や環境規制の強化、深刻化する労働力不足を背景に、その調達と処分のあり方が根本から見直されています。本記事では、物流現場で急速に普及が進む「リユースパレット(中古パレット)」に焦点を当て、そのメリット・デメリットから、実務に即した調達基準、さらには物流DXを駆使した高度な管理戦略まで、物流専門メディアの視点で徹底的に解説します。

目次

リユースパレット(中古パレット)とは?物流業界で急拡大する背景

リユースパレットの再定義と最新の市場動向

記事の導入としてまず明確にしておくべき点は、「リユースパレット」とは一般的に言われる「中古パレット」と同義であるということです。しかし、近年の物流業界においては、単なる「使い古し」や「型落ち品」というネガティブなイメージを払拭し、環境負荷低減や循環型社会への貢献を意味する戦略的な資材として再定義されています。そのため本記事では、SDGsやサーキュラーエコノミーの文脈に沿い、以降の表記を原則として「リユースパレット」に統一して解説を進めます。

リユースパレットとは、不要になったパレットを拠点から回収・選別・洗浄(または補修)し、再び荷役用のインフラとして市場に流通させる製品を指します。インターネット上で「中古パレット 販売」と検索すれば無数の業者がヒットしますが、現場の物流担当者が真に求めているのは、安価なだけの雑多なパレットではありません。自社の自動倉庫(AS/RS)やWMS(倉庫管理システム)の高度な運用に耐えうる「品質と安全性が担保された資材」です。

現在、プラスチックパレット 中古市場および木製パレット リユース市場は、需要過多による急激な拡大を見せています。特に良質な11型(1100×1100mm)は、入荷即完売の状況が常態化しています。現場への導入にあたり、物流担当者が最も苦労するのが「品質基準(グレーゾーン)のすり合わせ」です。リユース品である以上、多少の擦れや変色は避けられませんが、致命的な割れやピンホールの有無、耐荷重のバラツキを自社の荷役工程でどう許容するかが、導入成功の最初の関門となります。

新品価格の高騰と脱炭素(CO2削減)がもたらすパラダイムシフト

経営層や物流責任者がリユースパレットの導入を急ぐ最大の理由は、マクロな外部環境の劇的な変化にあります。原油価格の上昇や為替の変動、さらにはウッドショックの長期的な余波により、新品パレットの価格は過去数年で20〜30%も高騰しました。従来の「足りなくなったら新品を買う」という調達手法では物流予算を維持できず、強力なコスト削減施策への転換が不可欠となっています。

さらに、大手製造業や小売業を中心に、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(Scope3)の開示と削減を求めるESG経営の波が押し寄せています。

  • 新規製造に伴う環境負荷の抑制:新品のプラスチックパレットを製造する際、大量の化石燃料と電力を消費します。これをリユース品へ切り替えることで、新規製造に伴うCO2排出を削減したと見なし、企業の環境価値向上(カーボンフットプリントの低減)に貢献する取り組みが高く評価されています。
  • 廃棄から循環へのシフト:産廃業者に支払うパレット 処分費用は年々上昇の一途を辿っています。不要パレットを廃棄物として焼却するのではなく、パレット 買取ルートに乗せることで、処理コストを相殺(現金化)し、同時に焼却処分によるCO2発生を直接的に抑制できます。

労働力不足対策としてのパレット標準化と現場のリアル

トラックドライバーの残業上限規制に伴う物流クライシス(いわゆる2024年問題)、そして今後の深刻な労働力不足を見据えた対策として、国を挙げて推奨されているのが「荷役作業のパレット化(パレチゼーション)」と「パレットサイズの標準化(T11型への統一)」です。バラ積み・バラ降ろしによる長時間のドライバー待機を無くすため、これまで手荷役を行っていた現場でも急ピッチでパレット運用へのシフトが進められています。

しかし、急激な標準化への移行は現場に予期せぬトラブルを招きがちです。特に物流DXの推進に伴い、自動搬送ロボット(AGV)やパレタイザー、ソーターを導入している最新鋭の倉庫において、サイズの異なるパレットや歪みのあるイレギュラー品が混入すると、光電センサーがエラーを検知し、マテハン設備が緊急停止(チョコ停)するリスクがあります。万が一ラインが停止すれば、現場は即座にフォークリフトでの手動バイパス運用や、ハンディターミナルを用いたローカルモードでの入出庫検品といったバックアップ体制へ切り替える必要に迫られ、膨大な工数ロスが発生します。

ラインを止めず、WMSと物理的な物流を円滑に同期させるためには、リユースパレットであっても「寸法の均一性」を厳格に求める必要があります。リユースパレットの導入は、単なる「安い資材への入れ替え」ではなく、物流標準化と機械化を根底から支え、サステナビリティとコスト最適化を両立させる「物流インフラの再構築」そのものと言えるのです。

新品とどう違う?リユースパレット導入のメリット・デメリット

【メリット】圧倒的なコスト削減効果と即納性が現場を救う

リユースパレット導入の最大のメリットは、何と言っても強烈なコスト削減効果です。特に、需要が高いプラスチックパレット 中古製品の場合、新品と比較して40%〜60%安価に調達できるケースも珍しくありません。月間数千枚規模でパレットを消費する大規模センターであれば、年間で数千万円単位の調達コスト削減が実現します。さらに、自社で不要になったパレットをパレット 買取業者に引き取ってもらうことで、従来かかっていたパレット 処分費用をゼロにするどころか、新たなパレット購入の原資へと変換する「循環型調達」が可能になります。

また、実務において見逃せないのが「圧倒的な即納性」です。新品の特注パレットや金型からの製造ロットは、発注から納品まで2〜3ヶ月を要することが多々あります。しかし、中古パレット 販売市場にある在庫であれば、早ければ即日〜数日以内でのスピード納品が可能です。「年末の繁忙期や突発的な特需で、明日までに500枚のパレットが追加で必要になった」という現場のヒヤリハット事案において、リユースパレットは最強のバックアップ手段となります。

【デメリット】品質の個体差とマテハン機器でのトラブルリスク

一方で、リユースパレットには中古品ならではのシビアなデメリットが存在します。最大の懸念事項は「品質のバラつき(個体差)」です。前ユーザーの使用環境(屋外での紫外線暴露や、過積載による負荷)によって、パレットには目に見えない疲労が蓄積しています。

  • マテハン機器でのトラブルリスク:高度な自動倉庫(AS/RS)を運用している場合、パレットの「わずかな欠け・反り・歪み」は致命傷です。センサー異常によるライン停止が頻発すれば、MTTR(平均修復時間)が悪化し、設備投資の回収計画に深刻な遅れをもたらします。
  • 木製パレットの固有リスク:木製パレット リユース品の場合、木屑の落下、ささくれによる商品の外装ダメージ、湿気によるカビや虫害(害虫の卵の付着など)のリスクがつきまといます。また、輸出用途に使用する場合、燻蒸処理証明書(ISPM15)のトレースが困難なケースがあり、通関時にトラブルになるリスクを孕んでいます。
  • 在庫の流動性(継続調達の難しさ):リユース市場は一期一会です。「1100×1100の片面四方差し・耐荷重1トン・青色」という特定スペックを継続して毎月100枚ずつ調達したい、といった規格統一の要求に対しては、市場に在庫が出回っていない欠品リスクを常に抱えることになります。

新品vsリユース:価格・品質・納期の比較検討と投資対効果(ROI)

現場での調達判断を明確にするため、新品とリユースパレットの違いを多角的な視点で整理しました。投資対効果(ROI)を算出する際は、初期調達コストだけでなく、トラブル発生時の対応コストや最終的な処分費用までを含めたトータルコスト(TCO)で比較することが重要です。

比較項目 新品パレット リユースパレット(中古品)
価格(初期コスト) 高価(原材料費・原油高の影響を直接受ける) 安価(新品の約半額〜7割程度、大幅なコスト削減
納期(スピード) 遅い(受注生産や在庫切れ時は数ヶ月待ち) 早い(市場に在庫があれば即納・数日で現場到着)
品質(個体差) 均一(サイズ・耐荷重・外観のブレがない) バラつきあり(汚れ、軽微な割れ・反り、ロゴ印字残存)
継続調達性 安定(長期間、同じ規格・色で揃えられる) 不安定(ロットごとの色違い、形状違いが発生しやすい)
環境対応(ESG) 新規製造時のCO2排出あり CO2削減に貢献(サーキュラーエコノミーの実現)

業界別の導入ハードル(食品・薬品・製造・倉庫の品質基準)

パレットの使われ方は業界の特性によって大きく異なり、リユースパレットの受け入れハードルにも明確な差が出ます。

  • 食品・医薬品業界:最もハードルが高い業界です。前ユーザーが「何を載せていたか」が分からないため、化学物質の臭い移り、油汚れ、木製パレットの木片混入(異物混入)リスクを極度に嫌います。高圧洗浄済みを謳う中古品であっても、クリーンルームやHACCP対応工場、GMP基準が求められる医薬品倉庫への持ち込みは、品質管理部門の強い抵抗に遭うのが実情です。
  • 製造・重工業界:重量物(金属部品や機械類)を扱う現場では、パレットの「見えない劣化」による耐荷重低下が重大な労災事故に直結します。中古パレットの動荷重・静荷重のスペック表記が新品当時のものであり、現状の強度が保証されていない点がネックとなります。
  • 3PL・大型物流倉庫:高度に自動化されたマテハン設備を持つ倉庫では、パレットのミリ単位の寸法誤差がシステムエラーを引き起こすため導入は慎重になります。一方で、手荷役中心の平置き倉庫や、ワンウェイ(出荷してそのまま回収しない)輸送用としての割り切りであれば、極めて有効な選択肢となります。

「中古パレット 販売」で失敗しない!自社に最適な選び方と調達基準

自社の保管条件(動荷重・静荷重)に合致するスペックの見極め

「中古パレット 販売」市場には、標準のT11型から特殊サイズまで無数のパレットが流通しています。選定時に最も重要なのは、自社の動荷重(フォークリフト搬送時の耐荷重)静荷重(段積み保管時の耐荷重)の条件を正確に把握することです。

たとえば、飲料や建材などの重量物を扱う現場で、耐荷重ギリギリの中古品を導入すると、長期間の段積み保管中にプラスチックが徐々に変形する「クリープ現象」が発生し、大規模な荷崩れ事故に直結します。また、ネステナーやラックのビーム(梁)に載せて保管する場合、パレットの底面形状(田の字型か、四方差し型か)によって荷重の分散度合いが変わるため、自社の保管設備との物理的な適合性をシビアに確認する必要があります。

材質別ガイド:プラスチックと木製の特性・リスクと処分サイクル

中古市場における2大材質には、それぞれ明確なメリットと運用上の注意点があります。現場の商材や、将来発生する「パレット 処分費用」まで見据えたライフサイクルコストでの選定が必要です。

比較項目 プラスチックパレット 中古 木製パレット リユース
主な用途と現場の強み 食品、アパレルなど。高圧洗浄が可能で衛生的。軽量で寸法精度が高く、自動化設備との相性が良い。 建材、機械部品、輸出入貨物。摩擦に強く荷滑りしにくい。重量物の段積みに耐える高い静荷重性。
現場での注意点・リスク 一度割れると自社での修復が不可能。紫外線等の経年劣化による内部強度の見極めが難しい。 ささくれや釘の飛び出しによる商品破損、作業員へのケガのリスク。湿気によるカビや害虫の発生。
相場感と処分サイクル 新品の50〜70%程度。廃棄時は高額な「パレット 処分費用」がかかるため、再販ルートの確保が重要。 新品の40〜60%程度。補修が容易で、最終的にはバイオマス燃料等として買い取られるケースも多い。

品質不安を払拭する!優良な販売業者を選定する4つの絶対基準

安定供給と現場の安全を担保するためには、以下の4つの基準をクリアする「パートナー企業」を見極めてください。

  • 明確な品質基準(グレーディング)の開示と限度見本の共有:
    「Aランク(新古品レベル)」「Bランク(使用感はあるが割れ・欠けなし)」といった基準が言語化されているだけでなく、現場担当者間で認識のズレを防ぐため、写真付きの「限度見本帳」を提示できる業者が理想です。過去のRFIDタグやバーコードラベルの剥がし跡まで詳細に確認します。
  • 独自の「パレット 買取」ネットワークによる安定在庫:
    仕入れを外部ブローカーに依存せず、自社で全国の物流センターから不要パレットを直接買い取るルートを持つ業者は、繁忙期の突発的な大量発注にも柔軟に対応できます。
  • 導入前のコンサルティング機能:
    単に在庫を売るだけでなく、現場のラック寸法、リフトの仕様、扱う商材をヒアリングし、「この耐荷重ならワンランク落としても問題ない」といったコスト最適化の提案ができる業者は信頼に足ります。
  • トラブル時のバックアップ体制:
    万が一納品物に不良品が混入し、自動ラインが停止した場合の即座の良品交換体制(BCP対応)が契約に盛り込まれているかも、プロの購買担当者が見るべき最重要ポイントです。

実務上の落とし穴:テスト導入(トライアル)の正しい進め方

優良な業者を見つけても、いきなり数百枚の大量発注を行うのは非常に危険です。現場の運用を止めないためには、以下の3ステップでテスト導入(トライアル)を進めるのが実務的な鉄則です。

  1. 静的テスト(数枚規模):サンプルを取り寄せ、メジャーでの寸法測定、ハンドリフトの爪がスムーズに入るか、自社の製品を載せた際のズレやはみ出しがないかを確認します。
  2. 動的テスト(数十枚規模):実際の荷物を載せた状態でフォークリフトでの旋回・急停止テストを行い、荷崩れやパレットのたわみを検証します。また、自動倉庫の入出庫コンベヤに流し、センサーの誤検知が発生しないかを重点的にチェックします。
  3. 小ロット実運用(数百枚規模):特定の出荷ルートや特定の荷主に限定して実運用を開始し、現場作業員からのフィードバック(重さ、滑りやすさ、汚れ具合)を収集し、問題がなければ全面展開へと移行します。

不要パレットの賢い手放し方:「処分」から「買取」へのシフト

膨らむ「パレット 処分費用」の経営圧迫とコンプライアンスリスク

視点を180度切り替え、不要パレットの「排出(手放し方)」について深掘りします。近年、廃プラスチックや木くずの処理費用が高騰を続けており、「パレット 処分費用」は物流現場の予算を大きく圧迫しています。かつては一枚数百円で引き取られていた産廃費用も、現在では地域や材質によって一枚1,000円〜1,500円を超えるケースも珍しくありません。月間数百枚の不要パレットが発生するセンターであれば、年間数百万円規模の純粋な「持ち出し(損失)」となります。

さらに深刻なのは、処分費用を惜しんでヤードの片隅に「野積み放置」するリスクです。トラックの待機時間削減が急務とされる中で、荷役スペースや車両の転回スペースを不要パレットが占拠することは、現場のオペレーション効率を著しく低下させます。また、消防法上の保管制限(指定可燃物)に抵触するリスクや、不法投棄への関与を疑われるといったコンプライアンス上の重大なリスクも孕んでいます。

「パレット 買取」を活用して負債(産廃)を資産(キャッシュ)へ変換する

この重たい処分コストの呪縛から逃れる最大の解決策が、「パレット 買取」の積極的活用です。産廃業者へ連絡してマニフェスト(産業廃棄物管理票)を発行する「廃棄フロー」を一旦止め、中古パレット買取業者への「有価物売却フロー」へと切り替えることで、コスト削減どころか現金化(利益創出)が可能になります。

買取をスムーズに進めるための具体的な実務ステップは以下の通りです。

  • 現場在庫の可視化:WMS(倉庫管理システム)の機能を応用し、一定期間動いていないパレットの枚数とサイズをデータ化します。
  • 事前の画像査定:現場のスマートフォンで「全体像」「メーカー刻印」「ダメージの激しい箇所」を撮影し、中古パレット 販売や買取を手掛ける専門業者へ送信して事前査定を受けます。
  • 回収ロットの集約:運送費の採算を合わせるため、大型トラック1便分(約300〜400枚)が貯まったタイミングで引き取りを依頼し、輸送効率を最大化します。

高価買取が成立するサイズ・状態のボーダーラインと査定の裏側

リユース市場では「買い手がつきやすい(需要がある)パレット」ほど高額で取引されます。特に、JIS規格である「1100mm × 1100mm(T11型)」は、あらゆる業界で使い回しが効くため、引く手あまたです。現場担当者が買取可否を見極めるための実践的なボーダーラインは以下の通りです。

種類・材質 高価買取の対象(Aランク) 買取可〜無料引き取り(Bランク) 買取不可・産廃扱い(Cランク)
プラスチックパレット 中古 1100×1100サイズ。割れ・欠けなし。屋内で保管され、泥汚れや日焼けによる退色がないもの。 サイズ問わず(特殊サイズ含む)。フォークの爪による軽微な削れがあるが、耐荷重に影響しないもの。 デッキボードの貫通割れ、致命的な変形、化学薬品や油汚れの付着があるもの。
木製パレット リユース 1100×1100サイズ。板の折れや欠損がなく、釘の飛び出しがない。乾燥した状態で保管されているもの。 多少の黒ずみや軽微な板の欠けがあるが、補修(釘打ち直し等)で再利用が見込めるもの。 腐朽菌(カビ・腐れ)の発生、白アリの被害、真っ二つに割れているもの。

自社名やロゴのシルク印刷・焼き印が施されているパレットでも、買取業者が「削り落とし」や「黒塗り」を行うことで売却可能なケースが多くあります。独自のマスキング処理技術を持つ業者を選ぶことで、買取率を大幅に引き上げることができます。

他部門を巻き込んだ売却フロー構築の組織的課題

不要パレットの売却を進める際、物流現場だけで完結しないのが「組織的課題」です。産廃として処理していたものを有価物として売却するためには、経理部門との連携(売却代金の雑収入計上などの処理ルール策定)や、環境・コンプライアンス部門との調整(廃棄物処理法違反にならないための契約書締結)が必須となります。これらの部門間調整を突破するためには、「産廃費用が年間〇〇万円削減でき、さらに〇〇万円の利益を生む」という明確な定量効果を提示し、全社的なプロジェクトとして推進するリーダーシップが求められます。

リユースパレットの運用を極める物流DX・管理戦略

導入後の紛失・流出(シュリンク)を防ぐトレーサビリティ管理

「中古パレット 販売」市場を活用し、安価に調達して初期のコスト削減を達成したとしても、物流現場における真の戦いは「導入後」に始まります。多くの企業が陥るのは、安く仕入れたパレットがいつの間にか現場から消え(シュリンクし)、再び不足に悩まされるという負のスパイラルです。一般的な業界水準でも、年間数%〜10%のパレットが紛失・流出していると言われています。

特に、耐久性が高く使い勝手も良いプラスチックパレット 中古は、納品先の倉庫でそのまま自社用として滞留させられたり、他社のパレットと混載されて流出したりするリスクが極めて高くなります。これを防ぐためには、どのパレットが、いつ、どこへ出荷され、いつ戻ってくる予定なのかを個体レベルで追跡する「トレーサビリティ管理」が不可欠です。出荷元・輸送業者・納品先の3者間で「パレットはリターナブル(返却前提)資産である」という運用協定を厳格に結び、未返却時のペナルティ規定を含めたルール作りが現場の第一歩となります。

RFIDとパレット管理システムによる循環型運用の構築

属人的な管理工数の爆発を防ぎ、パレットの循環型運用を成功させる鍵が物流DXの導入です。具体的には、パレットに耐環境型のRFIDタグ(UHF帯)や二次元バーコードを装着し、クラウド型のパレット管理システムと連携させます。ドックシェルターの入出荷ゲートにRFIDリーダーを設置すれば、フォークリフトが通過するだけでパレット数十枚分の情報を一瞬で読み取り、自動で受払記録が更新されます。

RFID導入時の実務的な壁となるのが、「電波の反射・吸収問題」です。水分を多く含む飲料品や、金属部品を積載している場合、電波が干渉して読取率が低下します。これを回避するためには、パレットの四隅にバンパー型の特殊タグを埋め込む、あるいはリーダーのアンテナ角度を現場環境に合わせて緻密にチューニングするなどの専門的なノウハウが必要となります。

成功のための重要KPIとシステム障害時のBCP(事業継続計画)対応

物流DXを定着させるためには、明確なKPI(重要業績評価指標)の設定が必要です。例えば、「RFIDゲートの読取率99.9%の維持」や、「パレットの年間紛失率(シュリンク率)を3%未満に抑える」といった数値を現場と共有します。

また、実務者が最も懸念するのが「システム障害時に現場の物流をどう止めずに回すか」という点です。通信エラーで上位のWMSが停止した場合に入出荷作業自体が止まってしまうのは致命的です。そのため、導入時には必ず以下のようなバックアップ体制(BCP対応)を構築しておく必要があります。

  • エッジ処理の導入: ゲート側のローカルPC(エッジコンピューティング)で一時的に読み取りデータを蓄積し、ネットワーク復旧時にWMSへバッチ送信する仕組みを構築します。
  • オフライン対応ハンディ端末: クラウド通信が途絶しても、ハンディスキャナの内部メモリにRFIDデータを保存(CSV化)できる機材を配備します。
  • 目視フォールバック運用: タグの物理的な破損に備え、パレット側面に視認性の高いシリアルナンバー(高耐久ラベル)を併記し、最悪の場合は紙とペンで記録できるアナログな逃げ道を用意します。

コスト削減とESG経営を両立する次世代パレット戦略の全体像

労働力不足の時代において、手荷役を減らす「パレチゼーション」の推進は避けて通れません。しかし、パレットの購入・廃棄を繰り返す一方通行の物流は、財務的にも環境的にも既に限界を迎えています。不要になったパレットに高いパレット 処分費用を支払って廃棄するのではなく、専門業者へのパレット 買取依頼による現金化で市場へ還流させつつ、自社内でもRFIDを活用した高度なリターナブル運用を構築することが求められます。

パレットを単なる「荷物を載せる板」から「動態データを取得するデバイス」へと昇華させることで、物流ネットワーク全体のボトルネックが可視化されます。これは、サプライチェーン全体でのCO2削減に直結し、企業のESG経営を強力に牽引する要素となります。「リユースパレットの調達」から「物流DXを駆使した循環型エコシステムの構築」へ。この視点の転換と実行力こそが、次世代の物流インフラを生き抜くための最強の管理戦略となるのです。

よくある質問(FAQ)

Q. リユースパレット(中古パレット)とは何ですか?

A. リユースパレットとは、物流現場で一度使用された後に回収・再利用される中古のパレットのことです。近年、原材料費の高騰や脱炭素(CO2削減)への対応、労働力不足を背景に需要が急拡大しています。企業のコスト削減だけでなく、環境対応力を高めるための重要な運用戦略として注目されています。

Q. リユースパレットと新品の違いや導入メリットは何ですか?

A. リユースパレットは新品に比べて圧倒的なコスト削減効果があり、即納性に優れているのが最大のメリットです。一方で、品質の個体差が生じやすく、自動化されたマテハン機器でトラブルが起きるリスクがある点が新品との違い(デメリット)です。導入の際は価格や納期と投資対効果(ROI)を比較検討する必要があります。

Q. 中古パレット(リユースパレット)の失敗しない選び方は?

A. 失敗しないためには、自社の保管条件(動荷重・静荷重)に合致するスペックを見極めることが重要です。また、プラスチックや木製といった材質ごとの特性・リスクを理解し、用途に合わせて選ぶ必要があります。品質への不安を払拭するため、優良な販売業者を選定し、まずはテスト導入(トライアル)を行うのがおすすめです。


監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。