Skip to content

LogiShift(ロジシフト)

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • マテハン・ロボット
  • 海外トレンド
  • 事例
  • 用語辞典
Home > 事例・インタビュー> 現場必見!ハローズ×伊藤忠商事×シノプス、需要予測を活用した製配販連携で物流効率化を実現
事例・インタビュー 2026年3月26日

現場必見!ハローズ×伊藤忠商事×シノプス、需要予測を活用した製配販連携で物流効率化を実現

ハローズ×伊藤忠商事×シノプス、需要予測を活用した製配販連携で物流効率化を実現

日々の倉庫管理や物流現場のオペレーションにおいて、予測不能な物量の変動に頭を悩ませていませんか。

特売や天候の変化によって急に発注量が増加し、現場が混乱することは少なくありません。

本記事では、サプライチェーン全体を巻き込んだ画期的な改善事例と、その実践プロセスを詳しく解説します。

導入:よくある物流現場の悩みと課題

倉庫管理者や実務担当者の皆様は、日々の業務で以下のような課題に直面しているのではないでしょうか。

多くの物流現場では、小売店からの発注データが届いてから作業を開始する「後追い型のオペレーション」が定着しています。

この方式では、どうしても以下のような問題が発生しやすくなります。

  • 倉庫内スペースの慢性的な不足
    • 特売やキャンペーンに備えて、安全在庫を多めに確保してしまう。
    • 結果として過剰在庫が発生し、ピッキング動線が確保できなくなる。
  • 作業量の波と残業の常態化
    • 発注データが確定する夕方以降にピッキング作業が集中する。
    • 人員配置の最適化が難しく、パートやアルバイトの残業に依存してしまう。
  • トラックの長時間の荷待ち
    • 納品車両が特定の時間帯に集中し、バースが不足する。
    • 国土交通省の調査でも、トラックの平均荷待ち時間は約1時間半に及ぶとされています。
  • 発注業務の属人化と欠品リスク
    • 熟練担当者の「勘と経験」に頼った発注が行われている。
    • 担当者が不在の際に、過剰在庫や欠品が頻発してしまう。

こうした課題は、自社内のシステム導入や現場の工夫だけでは解決が難しいのが現実です。

小売業、卸売業、そしてメーカーがそれぞれ個別に予測と在庫管理を行っている「分断されたサプライチェーン」が根本的な原因だからです。

参考記事: AIで変わる、サプライチェーンのデータ管理と利活用|物流現場の課題解決ガイド

解決策の提示:製配販連携による新たなアプローチ

これらの根深い課題を解決する鍵が、企業間の垣根を越えたデータ共有とAIの活用です。

その代表的な成功事例として注目されているのが、ハローズ×伊藤忠商事×シノプス、需要予測を活用した製配販連携で物流効率化を実現した取り組みです。

このプロジェクトは、食品スーパーであるハローズ、総合商社・卸の伊藤忠商事、そして需要予測AIを提供するシノプスの3社が強力なタッグを組んだものです。

「製配販(メーカー・卸・小売)」が一体となり、以下のような仕組みを構築しました。

小売の販売データを起点とした需要予測

これまで卸売業や物流センターは、小売業から送られてくる「確定した発注データ」をもとに出荷準備を行っていました。

しかしこの事例では、シノプスのAIを活用し、ハローズの店舗ごとの販売実績や特売情報、さらには天候などの外部データを統合して解析します。

これにより、「明日、どの店舗で、どの商品が、いくつ売れるか」を事前に高精度で予測することが可能になりました。

物流センターでの事前作業の実現

高精度な需要予測データは、確定発注を待たずに伊藤忠商事の物流センターに共有されます。

物流センターでは、この予測データをもとに「事前ピッキング」や「事前仕分け」を開始できます。

作業のピークを分散させることで、少ない人員でも無理なく出荷準備を整えることができるのです。

サプライチェーン全体の在庫最適化

発注がAIによって自動化・最適化されることで、各拠点での安全在庫をギリギリまで削減できます。

メーカーも予測データを活用して生産計画を立てられるため、製造から陳列までのリードタイムが短縮され、食品ロスの削減にも直結します。

まさに、ハローズ×伊藤忠商事×シノプス、需要予測を活用した製配販連携で物流効率化を実現する革新的なモデルと言えます。

参考記事: データサイエンスが描く未来。WMS内蔵AIによる『需要予測型』出荷・配置最適化【2026年03月版】

実践プロセス:どのように導入し現場に定着させるか

では、このような製配販連携を自社の物流網に導入し、実践するにはどのような手順を踏めばよいのでしょうか。

システムを導入して終わりではなく、現場のオペレーションを着実に変革していくための3つのステップを解説します。

ステップ1:企業間のデータ連携基盤の構築

最初の関門は、異なる企業間でセキュアかつスムーズにデータを共有する仕組みを作ることです。

  • 共有すべきデータの選定
    • 小売側のPOSデータや在庫データ、特売計画。
    • 物流側の入出荷履歴や現在の庫内在庫データ。
  • フォーマットの標準化
    • 各社で異なる商品マスタや店舗コードを統一する。
    • APIなどを活用し、リアルタイムでデータを連携できるシステムを構築する。

ステップ2:需要予測AIモデルの学習と調整

データ連携ができたら、AIに現場の特性を学習させ、予測精度を高めていきます。

  • AIモデルへのデータ投入
    • 過去数年分の販売データと気象データをAIに読み込ませる。
    • 特売日や季節イベントなどの特異日をAIに認識させる。
  • 現場担当者とのすり合わせ
    • 初期段階では、AIの予測値とベテラン担当者の予測値を比較する。
    • AIが考慮できていない現場特有のルール(陳列棚の制約など)をシステムにフィードバックし、精度をチューニングする。

ステップ3:物流現場のオペレーション変更と平準化

需要予測の精度が実用レベルに達したら、いよいよ物流センターの作業フローを切り替えます。

  • 事前作業のルール化
    • 確定発注の数時間前に共有される「予測発注データ」をもとに、ピッキングを開始する。
    • 予測と確定発注の間に生じた差分(数個程度のズレ)のみを、最終段階で調整・追加ピッキングする。
  • 納品スケジュールの見直し
    • トラックの到着時刻を分散させる「バース予約システム」と連携する。
    • 荷待ち時間をなくし、荷役作業をスムーズに行える体制を構築する。

参考記事: 【業界初】チルド物流の製配販行動指針が策定!改正物効法へ向けた構造改革と企業への影響

期待される効果:導入後の定量・定性的な変化

このような取り組みを通じて、現場にはどのような変化がもたらされるのでしょうか。

課題がどのように解決されるのか、導入前(Before)と導入後(After)の違いを以下の表にまとめました。

改善項目 導入前(Before) 導入後(After) 期待される定量的効果
作業のピーク 夕方以降に集中し残業発生 予測に基づく日中の事前作業 ピーク時の作業量約30%削減
トラック待機 バース混雑で長時間の荷待ち 到着分散と即時積み込み 荷待ち時間ゼロ化の実現
倉庫の在庫量 欠品を恐れた過剰な安全在庫 予測に基づく適正な在庫配置 センター在庫量約20%削減
欠品・誤出荷 手作業による発注漏れやミス AIによる高精度な自動発注 欠品率の大幅低下とミス削減

物流コストの劇的な削減

最大のメリットは、トータルでの物流コスト削減です。

事前のピッキング作業が可能になることで、深夜や夕方の割増賃金がかかる時間帯の作業を減らすことができます。

また、トラックの積載率が向上し、少ない車両数で効率よく店舗へ配送できるようになります。

ホワイト物流への貢献

トラックドライバーの労働時間規制が厳格化される「物流2024年問題」への対応としても非常に有効です。

荷待ち時間の削減と荷役作業の効率化は、ドライバーの労働環境改善に直結します。

さらに、倉庫内で働くスタッフにとっても、突発的な残業が減り、計画的に休憩を取れる働きやすい環境が整備されます。

まとめ:成功の秘訣は「部分最適から全体最適へ」

ハローズ×伊藤忠商事×シノプス、需要予測を活用した製配販連携で物流効率化を実現した事例は、これからの物流業界が進むべき方向性を明確に示しています。

成功の最大の秘訣は、自社の利益や効率だけを追求する「部分最適」から脱却した点にあります。

小売業、卸売業、メーカーが互いに情報を開示し、サプライチェーン全体を一つの大きなシステムとして捉える「全体最適」の視点を持ったことが、このブレイクスルーを生み出しました。

現場改善を目指す倉庫管理者や実務担当者の皆様も、まずは自社に連携できるパートナー企業がないか、データ共有の可能性がないかを探ることから始めてみてはいかがでしょうか。

高度な需要予測AIと製配販の強固な連携が、皆様の物流現場を劇的に変える強力な武器となるはずです。

監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

Share this article:

関連記事

Shippio/住友理工が貿易管理クラウド導入し、在庫適正化を推進について
2025年12月11日

Shippio/住友理工が貿易管理クラウド導入し、在庫適正化を推進について

【現地取材・動画】ANA Cargo、成田空港の大規模貨物上屋で活用AGVを公開
2026年3月2日

【現地取材】ANA Cargo成田新拠点|AGV60台が担う「集約×自動化」戦略の全貌

ギオン、アサヒロジスティクス/競合2社が「人手不足解消」テーマに議論・提案について
2025年12月12日

ギオン、アサヒロジスティクス/競合2社が「人手不足解消」テーマに議論・提案について

最近の投稿

  • Gaussyが1ピース課金のAGV提供|中小企業の自動化を変える3つの影響
  • 【日立がCLO向け新基盤発表】改正法対応からAI自動化へ|物流DXの全貌と影響
  • 1.2京円へ急成長する世界の卸売市場。海外物流DX事例が示す日本企業の生存戦略
  • 莫大な更新コストを回避。米欧で急増する「旧型マテハン設備のIoT化」戦略
  • 高速バス2人乗務はなぜ機能しなかったか?現場の合理性が生む管理の死角と対策

最近のコメント

表示できるコメントはありません。

LogiShift

物流担当者と経営層のための課題解決メディア。現場のノウハウから最新のDX事例まで、ビジネスを加速させる情報をお届けします。

カテゴリー

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • マテハン・ロボット

もっと探す

  • サプライチェーン
  • 海外トレンド
  • 事例
  • 物流用語辞典

サイト情報

  • 運営者情報
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • LogiShift Global
  • FinShift

© 2026 LogiShift. All rights reserved.