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輸配送・TMS 2026年5月5日

走行中給電がEVの限界打破!3kWワイヤレス充電がもたらす物流変革3つのメリット

走行中給電がEVの限界打破!3kWワイヤレス充電がもたらす物流変革3つのメリット

物流倉庫の現場リーダーや経営層の皆様。「EVトラックを導入したいが航続距離が短くて不安だ」「充電時間が長すぎて車両の稼働率が落ちてしまう」といった悩みを抱えていませんか。脱炭素(カーボンニュートラル)への対応は急務ですが、現在のEVトラックには「重いバッテリーによる積載量の減少」と「充電待機時間」という致命的な弱点が存在します。

この記事では、そうしたEVの常識を根底から覆す最新技術を解説します。EVの限界を揺るがす「走るほど充電」の仕組みとは? 回転式試験機と3kW走行中ワイヤレス給電が示す、EV開発の転換点について深く知ることで、数年後の物流インフラがどう変わるのかを先取りできます。最後までお読みいただくことで、自社の次世代車両導入計画や拠点戦略の明確なヒントが得られるはずです。

走行中ワイヤレス給電(DWPT)とは何か

「走るほど充電」という言葉が示す通り、走行中の道路から直接車両へ電力を供給する技術が本格的な実用化に向けて動き出しています。ここではその仕組みと最新の到達点を解説します。

道路から直接電力を送るメカニズム

走行中ワイヤレス給電(DWPT:Dynamic Wireless Power Transfer)は、道路のアスファルトの下に埋め込まれた送電コイルから、車両側に搭載された受電コイルへと非接触で電力を送る技術です。スマートフォンのワイヤレス充電を、走行する巨大なトラックに応用したものとイメージしてください。

従来、EVは「巨大なバッテリーに電気を貯め込み、それを消費しながら走る」という構造でした。しかしDWPTのインフラが整備されれば、車両は道路から常に電気を受け取りながら走ることができます。これによりバッテリー切れの不安を解消し、長距離輸送におけるEVの可能性を劇的に広げることが期待されています。

回転式試験機が証明した「3kW給電」の技術的ブレイクスルー

近年、東京大学や国内自動車部品メーカーの共同研究において、画期的な成果が発表されました。それが「第3世代」と呼ばれるタイヤ内(インホイールモーター)への直接給電技術です。

実際の道路環境を模した巨大な「回転式試験機」を用いたシミュレーションにおいて、走行状態のタイヤに対し3kW(キロワット)という実用レベルの電力伝送に成功したのです。

世代 給電の方式 技術的な特徴 現在の課題
第1世代 停車中ワイヤレス給電 駐車スペースの床面から車体底面へ給電。ケーブル接続が不要になる。 停車している時間しか充電できない。稼働率が下がる。
第2世代 車体底面への走行中給電 走行中の道路から車体底面へ給電。航続距離を延ばすことができる。 車高が高いトラックでは送受電の距離が離れ伝送効率が落ちる。
第3世代 インホイール(タイヤ内)給電 タイヤのすぐ近くで給電。路面との距離が常に一定で高効率。 タイヤ特有の激しい振動や衝撃への耐久性確保が必要。

この第3世代技術は、路面と受電コイルの距離を極限まで近づけることができます。回転式試験機での3kW給電の成功は、大型トラックのような車高の高い車両であっても、効率的にエネルギーを受け取れることを証明しました。まさにEV開発の転換点と言える歴史的な一歩です。

なぜ今、物流業界で走行中給電が重要視されるのか

なぜ自動車メーカーだけでなく、物流業界全体がこの技術の動向を注視しているのでしょうか。そこには業界特有の構造的な背景があります。

長距離ドライバー不足によるサプライチェーンの危機

物流業界は深刻な人手不足と、労働時間規制による「2024年問題」の長期化に直面しています。特に関東と関西を結ぶような長距離幹線輸送において、従来のディーゼルトラックによる1人乗務での運行は極めて困難になっています。

もしEVトラックを導入した場合、長距離輸送の途中で何度も充電ステーションに立ち寄る必要があります。急速充電であっても数十分から数時間の待機が発生し、ドライバーの拘束時間はさらに延びてしまいます。走行中給電は、この「充電のための非生産的な待機時間」を完全にゼロにするポテンシャルを秘めています。

カーボンニュートラルへの強烈なプレッシャー

上場企業を中心とする荷主からは、サプライチェーン全体での温室効果ガス排出量(スコープ3)の削減が強く求められています。物流企業にとって、トラックの電動化(ゼロエミッション化)は避けて通れない経営課題です。

しかし、長距離を走る大型EVトラックは、莫大な量のバッテリーを積む必要があり、車両価格が数千万円に跳ね上がります。走行中給電インフラが整えば、トラック側は最低限の小型バッテリーを積むだけで済むため、車両の導入コストを大幅に引き下げることが可能になります。

参考記事: EVトラック完全ガイド|導入メリットと補助金活用、失敗しない選び方を徹底解説

走行中ワイヤレス給電が物流現場にもたらす3つの変化

この技術が社会実装された場合、物流の現場にはどのようなパラダイムシフトが起きるのでしょうか。具体的な変化を3つの視点で解説します。

巨大バッテリーからの脱却による積載量の最大化

現在の大型EVトラックの最大の弱点は「バッテリーの重量」です。長距離を走るために大容量バッテリーを積めば積むほど車両総重量が増加し、肝心の「荷物を積める量(最大積載量)」が減ってしまうという矛盾を抱えています。

走行中給電が実現すれば、高速道路を走っている間は電力が外部から供給されるため、車両側は「一般道を走るための最低限のバッテリー」だけを積めばよくなります。バッテリー重量が数トン単位で軽くなることで本来の積載量を取り戻し、輸送効率を最大化することができます。

充電待機時間の消滅と24時間稼働の実現

物流センターや配送拠点での運用も劇的に変わります。現状では、トラックが拠点に戻るたびに充電ケーブルを接続し、車両を休ませる時間が必要です。

しかし、幹線道路上で走りながら充電できるようになれば、拠点での充電時間は不要になります。ドライバーが交代するだけで、あるいは将来的に自動運転システムと組み合わせることで、車両を24時間365日休ませることなく稼働させ続けることが可能になります。これにより、高価な車両の投資対効果(ROI)は飛躍的に向上します。

自動物流道路構想との強力なシナジー

国土交通省が推進する「自動物流道路(オートフロー・ロード)」構想においても、走行中給電は極めて重要な要素技術となります。

道路のコンベア化やリニアモータによる無人搬送インフラが現実味を帯びる中、走行するユニットへの連続的な電力供給は不可欠です。道路インフラそのものがエネルギーの供給源となることで、物流は点と点の移動から、途切れることのない「線」のネットワークへと進化します。

参考記事: 【Cuebus株式会社「自動物流道路」実証実験|最大積載1t・100m連続搬送の衝撃】

実装に向けて物流企業が直視すべき課題と対策

夢のような技術である走行中給電ですが、明日すぐにすべての道路に導入されるわけではありません。企業は来るべき未来に向けて、今からどのような準備をしておくべきでしょうか。

道路インフラと車両の協調領域の構築

走行中ワイヤレス給電は、トラック単体の性能だけでは成立しません。道路側にコイルを埋め込む大規模なインフラ投資が必要不可欠です。

当面は、新東名高速道路の一部区間や、港湾から大規模物流施設を結ぶ特定の専用レーンなど、限定されたエリアから実装が始まると予想されます。物流企業は、国や自治体が進めるインフラ整備の動向を常にウォッチし、どのルートであれば自社の輸送網と合致するのかを見極める必要があります。

導入を見据えた車両計画とルート再編のステップ

インフラの恩恵を最大限に受けるためには、自社のオペレーションを見直す必要があります。具体的な準備ステップは以下の通りです。

  1. 定時定路線ルートの洗い出し
    走行中給電は、毎日同じ高速道路を往復する幹線輸送と最も相性が良い技術です。まずは自社のルートの中で、インフラ化の恩恵を受けやすい路線を特定します。
  2. スワップボディやトレーラーの活用
    充電の概念がなくなる未来を見据え、車両の稼働率を極限まで上げるため、「荷役(手積み・手降ろし)」の時間をなくすことが急務です。トラクターと荷台を切り離せる車両の導入を進めます。
  3. デジタルデータの蓄積
    現在の車両が「どこを」「どのような速度で」「どれだけの電力を消費して」走っているかという運行データをテレマティクスで収集し、次世代車両導入時のシミュレーションに備えます。

まとめ:インフラ主導の次世代EVシフトへ備えよう

EVの限界を揺るがす「走るほど充電」の仕組みとは? 回転式試験機と3kW走行中ワイヤレス給電が示す、EV開発の転換点は、単なる自動車技術の進化にとどまりません。道路というインフラそのものが進化することで、物流のビジネスモデルを根本から書き換えるインパクトを持っています。

重いバッテリーと長い充電時間という制約から解放された時、トラックは「究極の効率」を手に入れます。物流現場のリーダーや経営層の皆様は、現在のEVの欠点だけを見て導入を先送りするのではなく、数年後に完成する新しいインフラを前提とした中長期的な拠点戦略と車両計画を、今すぐ描き始めるべきです。技術の進化を味方につけた企業だけが、次世代のサプライチェーンを牽引していくでしょう。


出典: 東京大学 大学院新領域創成科学研究科 プレスリリース

監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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