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物流DX・トレンド 2026年5月21日

ロジザード株式会社が2026年5月に新サービス、統一番号で物流効率化に直結

ロジザード株式会社が2026年5月に新サービス、統一番号で物流効率化に直結

クラウド倉庫管理システム(WMS)のリーディングカンパニーであるロジザード株式会社が、2026年5月に発表した新サービスは、これまでの物流業界に存在していた目に見えない壁を打ち破る画期的なソリューションです。同社が新たに提供を開始するのは、独自の「統一番号」を用いて荷物情報を企業間で共通管理できる画期的なサービスです。

これまで物流現場では、荷主、倉庫事業者、配送業者といった各プレイヤーが独自のシステムと管理番号を用いて業務を行ってきました。この「情報の分断(サイロ化)」は、企業間でのデータ受け渡しの際に手入力やシステム変換の手間を生み、誤出荷や情報遅延といった重大なボトルネックを引き起こしていました。

本記事では、ロジザードが発表した「統一番号」による荷物情報の共通化がどのような背景で生まれ、物流サプライチェーンを構成する各企業にどのような具体的なインパクトをもたらすのかを徹底解説します。単なる一企業のシステムアップデートにとどまらず、業界全体で推進されている「フィジカルインターネット」の実現に向けた重要な一歩となるこの動きを、物流DXの最前線として深掘りします。

WMS市場を牽引するロジザードの新発表とその背景

物流業界では近年、慢性的なトラックドライバー不足や人件費の高騰といった構造的な課題に対し、デジタル技術を活用した効率化が急務となっています。その中で発表された今回の新サービスは、システム間の連携を劇的にスムーズにするための「共通言語」を提供するものです。

情報の分断(サイロ化)が引き起こす現場のボトルネック

これまでのサプライチェーンにおいて最大の障壁となっていたのは、各企業が最適化を追求するあまり生じた「システムのサイロ化」です。例えば、EC事業者(荷主)の受注管理システム(OMS)、3PL事業者が運用する倉庫管理システム(WMS)、そして運送会社が使用する輸配送管理システム(TMS)は、それぞれが全く異なる仕様と管理番号で荷物を認識していました。

このため、商品が倉庫から出荷されトラックに乗るまでの間に、伝票番号や追跡番号を紐付けるための複雑なデータ変換作業が不可欠でした。現場では、データの不整合によるエラーを手作業で修正する「見えない人件費」が膨張し、繁忙期における誤出荷や、配送状況がリアルタイムに反映されないといった顧客からのクレームの原因となっていました。

「統一番号」を用いた新サービスの全貌と狙い

ロジザードが発表した新サービスは、こうした情報の断絶を解消するために設計されました。独自の「統一番号」を発行し、荷物情報をクラウド上で一元管理することで、荷主、倉庫、配送業者のすべてのプレイヤーが同じIDをキーとしてデータにアクセスできるようになります。

これにより、企業間のシステム連携が強化され、これまで発生していた無駄な入力作業やデータ紐付けの不整合が根本から解消されます。特に、多頻度小口配送が主流となり、データの処理量が爆発的に増加しているEC物流においては、このデータ共通化が物流コストの削減と配送品質の向上に直結します。

以下は、従来の個別管理と新サービスにおける統一番号管理の違いを整理したものです。

項目 従来(各社ごとの個別管理) 新サービス(統一番号による一元管理) 現場にもたらす主な効果
IDの管理手法 企業ごとに異なる独自の管理番号を発行 業界を横断して使用できる独自の「統一番号」を付与 番号の不整合や紐付けエラーの根本的な解消
企業間のデータ連携 システムごとに分断されバッチ処理や手動変換が必要 クラウド基盤を介したシームレスなAPI連携が可能 データ入力負荷の軽減とリアルタイムな情報共有
配送状況の透明性 各社のシステム内で完結しブラックボックス化 サプライチェーン全体で荷物のステータスを可視化 ミスの削減による物流品質の向上と顧客対応の迅速化

参考記事: 貨物追跡システム完全ガイド|仕組みや導入メリット、他システムとの違いを徹底解説

業界全体に波及する具体的なインパクト

この「情報の共通基盤化」は、物流業務に関わるさまざまなプレイヤーに直接的な恩恵と変革をもたらします。事前分析に基づき、主要なプレイヤーごとの具体的な影響を解説します。

SaaS・テクノロジーベンダーに求められる共創モデル

物流ITソリューションを提供するSaaS・テクノロジーベンダーにとって、本ニュースは大きなターニングポイントとなります。これまで物流データは「自社システム内に閉じた情報(囲い込みの源泉)」として扱われがちでしたが、統一番号の登場により「サプライチェーン全体を流れる共通資産」へとフェーズが移行します。

今後は、他社のシステムといかにスムーズに連携できるかがシステムの価値を決めることになります。WMS、TMS、OMSといった各領域のシステムが、共通のデータプロトコルを用いてシームレスに結合するオープンなエコシステムの形成が加速していくでしょう。

倉庫事業者・3PLにおける業務の汎用化と競争力強化

複数の荷主の業務を請け負う倉庫事業者や3PL企業にとって、荷主ごとに異なる管理ルールや独自のラベルフォーマットに対応することは、大きな負担となっていました。

統一番号という標準化されたIDが普及すれば、荷主ごとの個別カスタマイズ要件を大幅に減らすことができます。システムの入力作業や、伝票の貼り替えといった付帯作業が削減されるため、庫内オペレーションの汎用化が進みます。結果として、パートやアルバイトといった現場スタッフへの教育コストも下がり、人員が流動的な環境下においても高いコスト競争力とサービス品質を維持することが可能になります。

EC事業者が享受するCX(顧客体験)の飛躍的向上

荷主であるEC事業者にとって最大のメリットは、配送・在庫プロセスの完全な透明化です。統一番号によって情報のタイムラグが解消されれば、消費者は「自分の荷物が今どこにあり、いつ届くのか」を正確かつリアルタイムに把握できるようになります。

EC市場の競争が激化する中、物流の役割は単に「モノを安く運ぶコストセンター」から、「確実で安心な配送体験を提供するCX(顧客体験)の要」へと変化しています。情報の断絶をなくすことは、顧客からの問い合わせに対する回答スピードを上げ、再配達の削減やブランドへの信頼感向上といった戦略的な武器に変わります。

LogiShiftの視点:個別最適から全体最適へ移行する構造的変化

ロジザードの発表は、単なる一企業の機能追加という枠を超え、物流業界全体の構造的なパラダイムシフトを象徴しています。ここからは、独自の視点でこのニュースが持つ真の意義と今後の予測を考察します。

「情報の共通基盤化」とフィジカルインターネットへの第一歩

現在の日本の物流は、各社が自社の利益を最大化しようとする「個別最適」の限界に直面しています。国土交通省をはじめとする官公庁が推進している次世代の物流モデル「フィジカルインターネット」は、企業間でトラックの空きスペースや倉庫の在庫情報を共有する究極の共同物流ネットワークです。

しかし、物理的なモノ(トラックや倉庫)を共有するためには、その前提として「データ(情報)」が標準化されていなければなりません。ロジザードが提唱する「荷物情報の標準化・共通化」は、まさにこのフィジカルインターネットを実現するための最も重要なインフラ整備と言えます。各企業が同じ言語(統一番号)でデータをやり取りできるようになって初めて、企業間の壁を越えたダイナミックな配車マッチングや共同配送が可能になります。

参考記事: フィジカルインターネットとは?2024年問題と物流崩壊を救う革新モデルの全貌

次なる危機「2026年問題」を見据えたデータ戦略の重要性

物流業界は今、労働時間の上限規制による「2024年問題」の対応に追われていますが、真に恐れるべきは生産年齢人口の減少がさらに深刻化する「2026年問題」です。現場の人手不足を補うためには、自動仕分け機(ソーター)や自律搬送ロボット(AMR)といったロボティクスの導入が不可欠です。

そして、これらの自動化機器を正確に稼働させるための「血液」となるのが、クリーンで標準化されたデータです。統一番号の導入によってデータのゆらぎや紐付けエラーが排除されれば、AIによる需要予測や配車計画の精度は飛躍的に向上します。企業は「自社独自の管理方法」に固執するのではなく、いかに早く業界の標準基盤に乗り、データを「協調領域」として活用できるかが、数年後の生き残りを分ける決定的な要因となるでしょう。

参考記事: 物流標準化推進とは?実務担当者が知るべき基礎知識と最新トレンド

参考記事: 物流2026年問題とは?2024年問題との違いや法改正、実務で必要な対策を徹底解説

まとめ:明日から企業が意識すべき3つのアクション

ロジザードによる荷物情報を共通化する新サービスの発表は、物流DXが「自社内のデジタル化」から「サプライチェーン全体の接続」へと次元を引き上げたことを示しています。この変化の波に乗り遅れないために、物流担当者や経営層が明日から実行すべきアクションは以下の通りです。

  • 自社のシステム間連携の現状を棚卸しする
    現在使用しているWMS、TMS、OMS間で、手入力によるデータ変換や二度手間が発生していないかを洗い出し、APIを活用したシームレスな連携への移行を検討する。

  • 「個別カスタマイズ」から「業界標準」へのシフトを推進する
    荷主や取引先に対して過度な独自ルールの対応を求める・受ける運用を見直し、標準化されたIDやフォーマットを採用することで、業務の汎用化を図る。

  • オープンなデータ連携を前提としたパートナーシップの構築
    システムベンダーや物流事業者を選定する際、単なる機能の豊富さだけでなく、「外部システムとの連携のしやすさ(オープン性)」を最重要の評価基準として組み込む。

物流はもはや一社単独で完結する業務ではなく、データを介してつながる巨大なエコシステムです。統一番号という新たな共通言語を積極的に取り入れ、全体最適を見据えた次世代のサプライチェーン構築へと歩みを進めていきましょう。


出典: 日本ネット経済新聞|新聞×ウェブでEC&流通のデジタル化をリード
出典: ロジザード株式会社 公式サイト

監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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