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Home > 倉庫管理・WMS> 月額4980円からの改正物流効率化法対応で取引維持へ、株式会社TCIが新機能
倉庫管理・WMS 2026年8月5日

月額4980円からの改正物流効率化法対応で取引維持へ、株式会社TCIが新機能

月額4980円からの改正物流効率化法対応で取引維持へ、株式会社TCIが新機能

株式会社TCIは2026年8月5日、トラック呼出・バース受付システム「ヨビトラ」において、改正物流効率化法の定期報告(様式第5別紙)に対応したExcel転記用データのワンクリック出力機能を提供開始しました。2027年7月に控える特定荷主の初回定期報告に向け、データの計測主体となる中小倉庫が月額4,980円から法準拠のエビデンスを作成可能となり、荷主との取引関係を維持・強化するための強力なツールとなります。

ニュースの背景・詳細

2026年4月に全面施行された「改正物流効率化法(物資の流通の効率化に関する法律)」は、日本の物流業界における取引慣行と現場運用を根本から塗り替えつつあります。同法に基づき、年間取扱貨物重量が9万トン以上の荷主企業や一定規模以上の物流事業者は「特定事業者(特定荷主等)」に指定され、自社の物流効率化に向けた法的義務を負うことになりました。

特定事業者に指定された約3,200社の荷主企業には、役員級の物流統括管理者(CLO)の選任や中長期計画の提出だけでなく、毎年度の物流効率化の取り組み状況を国に報告する「定期報告(様式第4・第5)」が義務付けられています。初回の定期報告書の提出期限は2027年7月末ですが、報告対象となるのは「2026年度(2026年4月〜2027年3月)の1年間の実績データ」です。つまり、今現在現場で発生しているトラックの荷待ち時間や荷役時間を正確に記録・集計できていなければ、来年提出する公式文書を作成することすらできません。

法改正に伴う提出運用とスケジュール

改正物流効率化法に基づく法対応の全体スケジュールと、現場に課される実務内容を以下の表にまとめました。

時期 制度・義務内容 対象事業者 現場に求められる実務対応
2026年4月 改正物流効率化法の全面施行 年間取扱量9万トン以上の特定荷主等(約3,200社) 荷待ち・荷役時間の計測体制の構築と運用開始。
2026年5月末 特定事業者の指定届出・CLO選任 特定荷主等 経営層から物流統括管理者(CLO)を選任し行政へ届け出。
2026年10月末 中長期計画(様式第3)の初回提出 特定荷主等 今後数年間の荷待ち削減や積載率向上に向けた計画書を作成・提出。
2026年4月〜2027年3月 初回定期報告の計測対象期間 特定荷主等およびその寄託先・納品先倉庫 12ヶ月分の拠点別・月別荷待ち・荷役等時間の実績データを集計。
2027年7月末 定期報告(様式第4・様式第5)初回提出 特定荷主等 国のe-Gov指定Excel様式に実績値を記入し行政へ提出。

なぜ「データを持っている倉庫側」に負担が集中するのか

定期報告の「様式第5別紙」には、特定荷主が利用する自社物流センターだけでなく、全国に点在する納品先や委託先(寄託先)の施設ごとの月別平均荷待ち時間および荷役等時間を記載する必要があります。しかし、発荷主であるメーカーや卸売業者が、全国に無数にある取引先倉庫のトラック入退場時刻を直接計測することは不可能です。

結果として、実際にトラックを受け入れて作業を行う「倉庫側」に対し、特定荷主から「お宅の施設でのうちの荷物の荷待ちデータを出してほしい」という依頼が押し寄せる構造となっています。倉庫業者自身にも法に基づく荷待ち時間短縮の努力義務が課されているほか、国はトラック事業者や倉庫へのアンケート調査を元に荷主の取組を評価・公表する方針を示しています。これにより、中小倉庫にとって「国が求める基準に沿った荷待ちデータを出せること」が、荷主企業から選ばれ続け、取引を維持するための必須条件となりました。

しかし、従来の手書きの受付簿やホワイトボードによる管理では、国土交通省のガイドラインやQ&A(令和8年3月版)が求める複雑な集計ルールに対応することが困難です。国の基準では、以下の計算ルールが厳格に定められています。

  • 指示時刻からの起算: 集荷や配達の指定時刻(予約枠など)があらかじめ合意されている場合、荷待ち時間は「指定時刻」から荷役開始までの時間を指す。
  • 早着分の切り捨て: トラックが指定時刻より早く到着した場合、指定時刻までの待機時間(早着分)は荷待ち時間に含めず切り捨てる。
  • 指示がない場合: 到着(または受付)時刻から荷役開始時刻までを起算する。

手動計算でこれらを毎月全車両分集計することは現場の事務負担を極度に増大させます。また、国が提示する計測手法の区分においても「(1)情報システムにより計測」が推奨されており、デジタル化によるエビデンス確保が不可欠となっていました。

ヨビトラが提供する「Excel転記用データ出力機能」の概要

この課題を解決するため、株式会社TCI(本社:大阪市淀川区、代表取締役:尾﨑俊行)は、同社が運営する物流倉庫向けトラック呼出・バース受付システム「ヨビトラ」において、国の指定する様式第5別紙へワンクリックで転記可能なデータ出力機能の提供を開始しました。

ヨビトラの新機能は、現場の運用負担を最小限に抑えつつ、行政要件を満たすデータを自動生成する仕組みを備えています。

  1. 自動記録: ドライバーが到着時にスマートフォンでQRコードを読み取る受付から、呼出、バース接車、作業完了までの各時刻をシステムがリアルタイムで自動記録。ドライバー側の事前アプリインストールは不要で、LINE、SMS、自動音声電話による呼び出しに対応します。
  2. 法定計算ルールの自動適用: 国のQ&A(令和8年3月版)に基づき、あらかじめ設定された指示時刻起算および早着分の切り捨てルールを自動計算。荷待ち時間と荷役等時間を月別に自動算出します。
  3. ワンクリック出力: 国のe-Govに掲載されているExcel別紙(Ⅳ-1/Ⅳ-2)と全く同一の行列構造および文言で、施設情報や4月始まりの12ヶ月分データを含む統合ファイルを出力。出力されたExcelの該当セル範囲をコピーし、国の提出用ファイルに「値貼り付け」するだけで転記が完了します。

ヨビトラは初期費用0円、月額4,980円(税別、ライトプラン)という低価格から利用可能であり、30日間の無料トライアルも提供されています。さらに、2026年9月8日(火)〜11日(金)に東京ビッグサイトで開催される「国際物流総合展2026」(小間番号:E8-N03)に出展し、実際の帳票出力やデモを行う予定です。

参考記事: 特定荷主とは?【2025-2026年施行】法改正の判断基準と実務担当者が押さえるべき義務・対策を解説


業界への具体的な影響

今回のヨビトラによる機能リリースと、改正物流効率化法の定期報告義務化は、物流サプライチェーンに関わる各プレイヤーに大きな波及効果をもたらします。

倉庫事業者・3PL(受入側倉庫・中小倉庫)

中小倉庫や3PL事業者にとって、荷主からのデータ提出要請は経営上の大きな脅威でもあり、機会でもあります。従来、高額なバース管理システムの導入は資金力のある大手物流センターに限られていましたが、月額4,980円から利用できるヨビトラのようなクラウド型ツールの登場により、中小倉庫でも即座にデジタル対応が可能となりました。

特定荷主側は、定期報告に記載する施設データの精度を重視しています。客観的なエビデンス(情報システムによる計測データ)を提出できない倉庫は、荷主からの信頼を失い、最悪の場合はコンプライアンスリスクを懸念した荷主から寄託先を変更される恐れがあります。一方で、正確なデータを迅速に提供できる倉庫は、「法対応を共に推進できるパートナー」として優位性を確立し、取引の維持・拡大につなげることができます。

参考記事: 荷待ち時間とは?荷役時間との定義の違いや削減に向けた実務対策を分かりやすく解説

製造業者・小売業者(荷主企業)

発荷主や着荷主となる製造業・小売業(特定荷主)にとっては、全国の社外倉庫や納品先からいかに集計負担をかけずにデータを回収するかが実務上のボトルネックとなっています。

ヨビトラのようなツールが普及し、国の指定するe-Gov標準様式(Excelフォーマット)に準拠したデータが倉庫側から提出されるようになれば、荷主側の集計・統合作業は飛躍的に効率化されます。また、ヨビトラは複数拠点やグループ会社間のデータを統合出力する機能やAPI連携機能も備えており、荷主企業全体のサプライチェーンにおける「待機時間」の可視化が促進されます。これにより、荷主企業は単なる法令遵守にとどまらず、どの拠点・どの時間帯でボトルネックが発生しているかを明確に把握し、中長期計画(様式第3)に基づく具体的な改善施策を講じることが可能になります。

参考記事: 改正物流効率化法2026年義務化!特定荷主に課される3大義務と生存リスク

運送事業者・トラックドライバー

運送事業者にとって、倉庫やバースでの計測がデジタル化され、指示時刻起算などの正確なデータが記録されることは、不当な長時荷待ちの改善に向けた客観的な証拠となります。

国は1回の受渡しにおける荷待ち時間と荷役等時間の合計を「原則2時間以内(目標1時間以内)」とする基準を設けています。ヨビトラによって可視化されたデータは、荷主・倉庫・運送事業者の3者が共通の数値に基づいて運行管理や納品スケジュールの調整を行うための前提条件となります。荷待ち時間が削減されることで、ドライバーの拘束時間が短縮され、労働環境の改善と輸送効率の向上が同時に達成されます。

参考記事: 国土交通省が示す改正物流効率化法2026年成果|平均拘束時間1時間33分短縮と経営層の必須対応


LogiShiftの視点(独自考察)

今回のニュースが本質的に示しているのは、物流現場における「時間データ」の性格が劇的に変化したという事実です。これまでトラックの到着時刻や待機時間は、現場の運用管理や改善活動における「社内のローカル指標」に過ぎませんでした。しかし、改正物流効率化法の施行に伴い、時間は法令に基づいて国へ提出される「公式な財務報告に近い重要データ(公的エビデンス)」へと昇格しました。

これまでバース予約・受付システムなどの物流DXツールは、「作業効率化」や「人件費削減」といった費用対効果(ROI)で導入が検討されてきました。そのため、利益率の低い中小倉庫や寄託倉庫では優先度が低く見送られるケースが散見されました。しかし、法的な報告義務が発生し、データ提出が取引継続の前提条件となった今、これらのツールは「業務効率化ツール」から「事業継続のための法対応インフラ(コンプライアンス対応)」へと役割を変容させています。

特筆すべきは、株式会社TCIの「ヨビトラ」が取った戦略です。国の算定ルールである「指示時刻起算」や「早着分の切り捨て」は、現場の運用を知り尽くしていなければシステムロジックに組み込むことが難しい複雑な仕様です。これを月額4,980円という、中小事業者でも意思決定しやすい価格帯で標準機能として提供した点は、業界全体のデジタル化の底上げにおいて極めて大きな意味を持ちます。

今後は、単に受付時間を記録するだけの簡易ツールと、行政の要求水準を満たす法定集計ロジックを備えたシステムとの間で淘汰が進むでしょう。データを取り扱う主体が中小倉庫であれ大手3PLであれ、収集された「時間データ」の信頼性が荷主企業のESG評価や法令遵守評価に直結する時代に入っています。企業はツール選定において、単なる操作の容易さだけでなく、国の最新ルール(Q&Aの改訂等)に柔軟に対応できるアップデート体制を備えているかを見極める必要があります。

参考記事: 2028年度に1万1500拠点へ、矢野経済研究所が示すバース予約システム導入加速


まとめ

改正物流効率化法による「定期報告」の初回提出は2027年7月ですが、報告の根拠となるデータ計測は「2026年度(今現在)」の実績が対象です。データ未計測のまま時間を過ごすことは、来期の定期報告において「未報告」や「根拠なき推計値」という重大なコンプライアンスリスクを負うことを意味します。

明日から現場および経営層が意識すべきアクションプランは以下の通りです。

  1. 自社施設における荷待ち・荷役時間の計測体制の現状点検
    自社および寄託先倉庫において、トラックの「受付〜呼出〜着車〜作業完了」が1分単位かつデジタルで記録されているか、手書き台帳に依存していないかを確認する。
  2. 国の定める集計ロジック(指示時刻起算・早着切り捨て)への適合確認
    手動集計ではミスが発生しやすい「指示時刻起算」や「早着分の切り捨て」を、自動で正確に処理できるシステム(ヨビトラ等)の導入および無料トライアルでの検証を行う。
  3. 荷主・倉庫間におけるデータ共有プロセスの事前構築
    特定荷主からのデータ提出依頼に即座に応じられるよう、国のe-Gov指定Excel様式(様式第5別紙)に対応したデータ出力フローを確立し、取引先との関係強化を図る。

制度への対応を単なる行政手続きの「負担」と捉えず、現場の時間を可視化し、サプライチェーン全体での取引環境を適正化するための「戦略的投資」と位置付けて迅速に行動を起こすことが求められます。

出典: PR TIMES
出典: ヨビトラ公式サイト

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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