間接資材EC大手の株式会社MonotaROは、2026年8月6日より、注文時にWEB上で商品の受取日を直接選択できる「お届け希望日指定サービス」を本格導入しました。従来の出荷後における配送会社経由の手続きから注文時指定へと進化させることで、顧客の計画的な資材受入を支援し、BtoB物流における再配達削減と持続可能な配送網の構築を加速させます。
注文時の「お届け希望日指定」導入によるBtoB配送改革の全貌
株式会社MonotaROが開始した「お届け希望日指定サービス」は、間接資材を調達する企業の現場スケジュールや休業日に合わせて、受取日を自らコントロールできるようにする施策です。
従来、MonotaROの利用者が受取日時を変更する場合、商品が出荷された後に配送会社から送信されるお届け予定通知などを通じて手続きを行う必要がありました。今回の新サービスにより、注文手続きの時点でサイト上で直接受取日を指定できるようになり、調達業務の利便性が飛躍的に向上します。
サービス仕様と利用制限の整理
本サービスの対象範囲や利用条件は、現場での実務運用に即して細かく規定されています。
| 項目 | 詳細仕様・条件 |
|---|---|
| 開始日 | 2026年8月6日(2026年5月より一部顧客向けに先行導入) |
| 指定可能期間 | 最短お届け日の翌日から注文日の7日後まで |
| 対応チャネル | PC版ECサイト「モノタロウ」、購買管理ソリューション「モノタロウ ONE SOURCE Lite」 |
| 対象配送業者 | ヤマト運輸(「宅急便」「宅急便コレクト」「EAZY」) |
| 対象外エリア・商品 | 沖縄・離島宛ての配送、ネコポス配送商品、メーカー直送品、大型・重量商品 |
注文画面で設定できるのは「受取日」の指定であり、配送時間帯の指定や出荷後の日時変更については、従来通りヤマト運輸から送信される通知メール等を通じて対応する運用となります。また、現在はPC版サイトおよび法人向け購買管理ソリューションでの提供となっていますが、今後はスマートフォンサイトや専用アプリへの機能拡大も計画されています。
先行導入で確認された現場ニーズと運用の歴史
MonotaROではこれまでも置き配の導入や出荷後の配送変更連携など、受取環境の整備に段階的に取り組んできました。2026年5月から実施された一部顧客向けの先行導入では、事前の想定を上回る利用実績を記録しました。
MonotaROにおける配送利便性向上・再配達削減のロードマップ
| 年月 | 実施施策 | 施策の概要と狙い |
|---|---|---|
| 2023年11月 | 置き配サービスの開始 | 非対面受取の選択肢を広げ、現場不在時の荷受け負担を軽減 |
| 2024年6月〜8月 | ヤマト運輸との通知連携強化 | 会員属性を問わず出荷通知から受取変更が可能な仕組みの展開 |
| 2025年 | 納期可視化機能の導入 | 当日出荷対象商品の着荷予定日を注文画面で明示 |
| 2026年5月 | 受取日指定の先行導入 | 一部ユーザーを対象に注文時の受取日指定をテスト運用 |
| 2026年8月6日 | 本サービス本格開始 | PC版および購買管理システムにて正式な受取日指定機能を提供 |
先行導入を通じて浮き彫りになったのは、BtoB取引特有の明確な現場事情です。土日祝日に休業する企業が「金曜日の注文を月曜日受け取りにする」という休日回避のニーズや、施工現場・工場での「保管場所の確保や納品対応スタッフが揃う日に合わせる」という計画受入のニーズが非常に高いことが実証されました。
荷主・運送業者・製造現場に及ぶ具体的なインパクト
BtoB ECにおける「注文時の受取日指定」の導入は、荷主企業、配送を担う運送事業者、そして荷物を受け取る製造現場や建設現場のそれぞれに対して、サプライチェーン全体を最適化する大きな影響をもたらします。
資材EC・荷主企業への影響:上流での物流コントロール
EC事業者や資材販売を担当する荷主企業にとって、配送に関する要望を「注文時(サプライチェーンの上流)」で回収することは、カスタマーサマーサービスの問い合わせ削減と物流コストの抑制に直結します。
商品が出荷された後に配送先変更や日付変更が発生すると、配送会社のシステムを解した再ルーティングや倉庫・営業所での一時保管コストが発生します。注文時点で「いつ届くか」「いつ届けるべきか」が決定していれば、出荷波動の予測精度が高まり、出荷拠点でのマテハン運用やトラック手配の平準化を図ることが可能になります。
運送事業者への影響:初回配達率向上とラストワンマイルの効率化
配送を担うヤマト運輸などの運送事業者にとっては、BtoB配送における最大の非効率である「企業休業日への配達とそれに伴う再配達」を未然に防げるメリットがあります。
個人向け配送と異なり、企業の休業日に配送を試みた場合、不在による持ち戻りが確実に発生します。MonotaROの現状の初回配達率は約95%という非常に高い水準を維持していますが、残る数パーセントの不達原因の多くはこうした事業所の休業や現場不在に起因します。注文時に休日配送を自動的に回避する仕組みが定着すれば、配送ドライバーの無駄な走行や荷扱いの手間が大幅に削減され、ラストワンマイルの生産性が格段に向上します。
製造業者・現場への影響:「いつでも届く」から「必要な時に届く」受入最適化
資材を発注する製造業者や建設事業者、各種工場などの受取側においては、資材の到着日があらかじめ確定することで、現場の作業計画や荷受け体制の最適化が進みます。
資材が予期せぬタイミングで届いた場合、受入検品の人手配分が乱れたり、狭小な現場で一時保管場所に圧迫されたりする課題が生じます。「作業を実施する前日に届くように指定する」「土日の休業日を避けて月曜日の午前に受取を設定する」といった計画的な調達が可能になることで、現場の荷受対応リソースを最小限に抑え、本業の作業効率を高めることができます。
参考記事: 再配達削減とは?物流2024年問題を克服するメリットと具体的な対策を徹底解説
参考記事: ラストワンマイル完全ガイド|2024年・2026年問題に向けた実務知識と解決策
LogiShiftの視点:荷主主導による「配送平準化」への構造変化
これまでBtoB・BtoCを問わず、EC業界では「最短即日出荷・翌日配送」という「配送スピードの極小化」が競合優位性の源泉とされてきました。しかし、配送リソースの逼迫や物流関連法改正が進む中で、単なるスピード競争から「届きやすさの最適化」へと評価軸が急速にシフトしています。
今回のMonotaROの取り組みにおいて注目すべきは、すでに約95%という高い初回配達率を達成している同社が、さらに一歩踏み込んで「荷主主導による配送平準化」を推進している点です。
従来は「とりあえず最短で出荷し、不都合があれば届く直前に配送会社の通知から受取人が変更する」という、配送会社頼みの後追い調整が一般的でした。これに対し、今回の施策は「荷主側の購入手続きの中で顧客の需要(現場の休業日や作業日)をデジタルで吸い上げ、最初から最適なタイミングで荷物を流す」という、サプライチェーン上流での制御を実現しています。
これは、荷主企業が配送業者に負担を押し付けるのではなく、自社のECプラットフォームのシステム改修を通じて配送網の持続可能性を支える「攻めのDX施策」といえます。今後はBtoB資材ECにとどまらず、オフィス用品や製造用原材料など、あらゆる産業用購買プラットフォームにおいて、このような「注文時における配送制御機能」の搭載が標準要件となっていくでしょう。
参考記事: 物流2026年問題とは?2024年問題との違いや法改正、実務で必要な対策を徹底解説
明日から意識すべきBtoB物流の3つの実務指針
今回のニュースを踏まえ、物流担当者や調達部門のリーダーが明日から取り組むべき実務上のアクションを整理します。
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自社EC・受発注システムにおける「注文時受取指定」の導入検討
ECサイトや購買システムを持つ荷主企業は、出荷後の変更に依存せず、注文段階で受け取り不可の日時(休日・現場不在日)を排除するインターフェースの構築を検討してください。上流でデータを回収することで、出荷倉庫の作業平準化と持ち戻りリスクの削減を同時に達成できます。 -
発注・調達ルールにおける「現場の計画受入」の徹底
資材を購入・利用する現場側では、「最短で届かせる」発注慣行を見直し、現場の作業スケジュールや受入スタッフの配置に合わせた「計画日時指定」を発注ルールとして定着させてください。現場での荷受け業務の突発的な発生を防ぎ、作業効率を高めることができます。 -
配送パートナーとのデータ連携による「不在配達」の構造的排除
荷主企業と運送事業者は、単なる運賃交渉にとどまらず、API連携などを通じて「顧客の営業日情報」や「指定日データ」をシームレスに共有する環境を整えてください。配達現場での無駄な移動を最小限に抑えることが、中長期的な物流コストの安定化につながります。
出典: 物流(ロジスティクス)ニュース LNEWS
出典: PR TIMES
出典: MonotaRO 公式企業サイト
出典: MonotaRO ヘルプサイト


