Skip to content

LogiShift(ロジシフト)

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • 事例
  • ツール紹介
  • 統計分析
  • 用語辞典
Home > 物流用語辞典 > ラストワンマイル・EC> 再配達削減

再配達削減とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:再配達削減とは、宅配便の配送時に受取人が不在などの理由で発生する「再配達」を減らす取り組みのことです。近年、ネットショッピングの普及により宅配便の量が増え、再配達が大きな社会問題となっています。
  • 実務への関わり:ECサイトを運営する企業や配送会社にとって、再配達の削減は配送コストの削減や配送スピードの向上に直接つながります。置き配の推進やコンビニ受け取りの導入、宅配ボックスの設置を進めることで、業務効率が大幅に向上します。
  • トレンド/将来予測:トラックドライバーの労働時間規制が強化される中で、再配達削減は急務となっています。今後は、自治体の宅配ボックス設置補助金の活用や、スマートロックと連動した新サービスの普及など、官民が連携した対策がさらに加速する予測です。

宅配便の取扱個数が年間50億個を超える中、配送プロセスのボトルネックとして顕在化しているのが「再配達」です。荷主・EC事業者、自治体、そして消費者がそれぞれの立場で取り組むべき削減策と、その社会的・実務的インパクトを定量的なデータから紐解きます。

目次
  • 数字で見る物流危機の現状:最新の「再配達率」推移と社会的損失の全貌
  • 国土交通省データから読み解く「再配達率」の推移と地域格差
  • 労働力6万人分・CO2 25.4万トンの損失を生む「再配達」の算出式
  • EC・物流事業者が実装すべき「再配達削減」の具体策とPR手法
  • 置き配・コンビニ受取・時間帯指定を標準化するシステム実装
  • 無料で使える「再配達削減 PR素材」を活用した販促・啓発アプローチ
  • 自治体・個人が活用すべき「宅配ボックス補助金」と地域支援制度
  • 設置費用の補助も!地方自治体の「宅配ボックス設置補助金」申請フロー
  • 個人で今すぐ始められる「指定場所配送」とスマート受取のプロセス
  • 現場視点で紐解くドライバーの労働環境改善と法規制対応
  • 走行距離と精神的ストレスを削減する「物流環境負荷低減」の重要性
  • 配達現場を救う「再配達ゼロ」実現に向けた先進自治体の官民連携事例
  • 今日から着手する「再配達削減」アクションプラン比較チェックリスト
  • 【立場別】再配達削減に向けた「今日から始めるアクション」一覧
  • 自社の対策レベルを測定する「再配達削減度」自己診断チェックリスト

数字で見る物流危機の現状:最新の「再配達率」推移と社会的損失の全貌

EC市場の急速な拡大に伴い、宅配便の取扱個数は年々増加しています。これに伴い、配送効率を大きく低下させる要因として浮き彫りになっているのが「再配達」です。国や配送事業者、荷主企業が連携して削減に取り組む中、現状を正確に把握するためには、公表されているデータと自社の数値を照らし合わせる定量的な分析が欠かせません。

国土交通省データから読み解く「再配達率」の推移と地域格差

国土交通省が年2回実施している「宅配便再配達実態調査」によると、近年のサンプル調査における再配達率の推移は以下の通りです。

調査時期 都市部(%) 地方(%) 全国平均(%)
2022年10月 13.8 11.2 11.8
2023年4月 13.6 10.4 11.4
2023年10月 13.1 9.5 11.1
2024年4月 13.9 10.1 11.7

上記の通り、都市部では再配達率が13%台後半と高止まりしているのに対し、地方では9〜10%台と明確な地域格差が生じています。この要因は、都市部における単身世帯の多さやオートロックマンションの比率、それに伴う置き配利用の難しさにあります。また、戸建て向けの「宅配ボックス補助金」制度や、公共スペースにおける「はこぽす」などの受取インフラの整備状況が、都市部の需要に対して十分に追いついていない実態も背景にあります。再配達削減PR素材を用いた住民への啓発活動や、受取方法の多様化の周知が、まだ十分に浸透しきれていないことも、この地域差に現れています。

労働力6万人分・CO2 25.4万トンの損失を生む「再配達」の算出式

再配達がもたらす影響は、単に個々の配送ドライバーの負担増にとどまらず、社会全体に多大な不利益をもたらします。国土交通省の試算によると、再配達によって浪費されている労働時間は年間で約6.8億時間、これは約6万人分の労働力に匹敵します。トラックドライバーの時間外労働に上限が課される「2024年問題」に直面する物流業界において、この労働力の損失は持続可能な配送ネットワーク維持の大きな障壁となっています。また、走行距離の増加に伴うCO2排出量は年間約25.4万トンと算出されており、地球温暖化への悪影響も無視できません。配送効率の悪化はドライバーの過酷な労働環境を助長し、ひいては配送運賃の上昇を招く要因となります。

このような社会的損失を防ぐため、荷主企業やEC事業者には、自社の配送プロセスにおける現状の定量把握が求められます。自社配送や委託先における再配達の状況を測定するための基本的な計算式は以下の通りです。

【再配達率の計算式】
再配達率(%)=(再配達となった回数 ÷ 総配達回数)× 100

例えば、月間に10,000個の荷物を発送するEC事業者のケースにおいて、配送データから「1回目の配達で受け取られず、再配達を行った回数」が1,200回あった場合、計算式は以下のようになります。

1,200回(再配達回数)÷ 10,000回(総配達回数)× 100 = 12.0%

この計算式を用いて自社の現状値を算出することで、物流環境負荷低減への寄与度や、コスト改善余地を客観的に判断できます。まずは自社の正確な数値を把握し、課題を可視化することが、次のステップである具体的な削減施策の立案へとつながります。

EC・物流事業者が実装すべき「再配達削減」の具体策とPR手法

ECサイトの利便性向上に伴い荷物量が増加する中、配送効率の向上と現場の負荷軽減は、事業継続における実務的な焦点となっています。事業者が配送プロセスに多様な受取選択肢を組み込み、消費者に主体的な選択を促す具体的な手法を解説します。

置き配・コンビニ受取・時間帯指定を標準化するシステム実装

配送の効率化と配送員の労働環境改善に向けて、EC・物流事業者が最初に取り組むべきは、ユーザーが購入手続きを行うカート画面のシステム改修です。配送事業者とのシステム連携を深め、初回で確実に受け取れる仕組みを標準機能として提供することが、配送効率向上の鍵となります。

具体的には、カート画面や注文完了後のマイページにおいて、以下の3つの受取選択肢をシステム的に統合します。

  • 置き配の標準化:購入手続き画面で「置き配(玄関前、ガスメーターボックス、自転車かごなど)」をデフォルト、または1クリックで選択できるUIを設計します。システム上で置き配普及率向上を図る施策は、配送員の持ち戻り数を直接的に削減する効果があります。
  • 店舗・ロッカー受取の連携:大手コンビニエンスストアや日本郵便の宅配ロッカー「はこぽす」、オープン型宅配ロッカーのAPIをカートシステムに連携させ、地図上から任意の受取場所を選択できるようにします。
  • 時間帯指定の必須促し:注文確定前に「指定なし」ではなく、あらかじめ「配送希望時間帯」の入力を促すポップアップを表示させたり、デフォルトでの時間帯選択を配置したりします。

月間1万件の発送処理を行うEC事業者の場合、これら3つの受取選択肢をシステム上に導入することで、導入前に約12%であった再配達率を5%以下に抑制した実務例が存在します。特に、集合住宅へのアプローチとして、宅配ボックス補助金制度(国の「二酸化炭素排出抑制対策事業費等補助金」など)を活用し、自社が管理する配送ハブや提携マンションにスマートロッカーを導入・普及させる動きも進んでいます。

このような配送プロセスの最適化は、トラックドライバーの労働規制強化に対応するための運行効率化のみならず、物流環境負荷低減における温室効果ガスの抑制に直結します。再配達が引き起こす余分なCO2排出量は、以下の要素を基準に算出できます。

項目 算出要素・基準値 計算式
1回あたりの排出量 走行距離:約0.5km / 軽貨物車両の排出係数 0.5km × 0.244kg-CO2/km = 約0.122kg-CO2
年間影響(1万個の場合) 年間1万個の再配達が発生すると仮定 0.122kg-CO2 × 10,000個 = 1,220kg-CO2(1.22トン)

国土交通省が発表している「宅配便の再配達率推移」は近年11%〜12%台で推移しており、高止まりを続けています。この推移を確実に下方向へシフトさせるためには、システム実装による受取選択肢の「標準化」が必要不可欠です。

無料で使える「再配達削減 PR素材」を活用した販促・啓発アプローチ

システムの整備と並行して、消費者の意識に直接働きかけ、受取方法の選択という行動を促すための販促・コミュニケーションが必要です。国が主導するキャンペーンと連動した「再配達削減 PR素材」を自社のWEBサイトや配送資材に実装することで、追加の広告費を抑えながら効果的な認知獲得が可能となります。

国土交通省では、消費者の行動変容を促すための「再配達削減 PR素材(バナー、ロゴ、ポスター)」を無償で一般配布しています。これらの素材を自社ECの顧客接点に組み込む実務手順と、消費者の行動変容プロセスは以下の通りです。

1. 自社メディア・顧客接点への実装手順

  • 注文完了(サンクス)画面へのバナー配置:購入確定直後の最も視認性の高いページに「1回での受取にご協力ください」といったメッセージバナーを配置します。システム的に「置き配」や「日時指定」を忘れたユーザーに対し、注文履歴からの即時変更を促す動線を作ります。
  • 発送完了メールへのロゴ挿入:「発送を完了しました」というメールの冒頭、または配送伝票番号(追跡URL)の直上にロゴマークを配置し、配送会社の提供する受取変更サービスへの遷移を促します。
  • 発送用ダンボール・テープへの印刷:オリジナルの梱包資材に、再配達削減を促す公式ロゴマークをあらかじめ印刷、または専用のシールを貼付して配送します。荷物が届いた瞬間に次の購入時の行動を意識させる仕組みを構築します。

2. 顧客接点における消費者の行動変容プロセス

  • 認知(Awareness):購入完了画面や発送メールに配置された、視認性の高い「再配達削減 PR素材」により、自身の荷物受け取りが社会や環境に与える影響を直感的に理解します。
  • 比較・検討(Consideration):発送連絡を受け取った段階で、「明日の午前中は不在にするかもしれない」という自身のスケジュールと、メール内に配置された変更リンクを照らし合わせます。
  • 行動決定(Action):配送会社のシステム等を通じて、あらかじめコンビニ受取やはこぽすでの受け取り、あるいは置き配への変更手続きを自発的に実施します。
  • 習慣化(Habitualization):複数回のスムーズな受け取り体験を通じて、次回以降の購入時にはシステム上で最初から置き配や時間帯指定を標準的に選択するようになります。

このように、無料で提供されている公的なリソースをシステム上の導線や梱包デザインに組み込むことは、自社の配送コスト削減だけでなく、環境配慮企業としてのブランディング構築にも寄与します。

自治体・個人が活用すべき「宅配ボックス補助金」と地域支援制度

国土交通省が発表した2024年4月期の宅配便再配達率は約10.4%であり、前年同月の11.4%から減少傾向にあるものの、政府目標である「再配達率6%」の達成には依然として乖離があります。再配達の増加は、配送トラックの「CO2排出量」増加による地球温暖化への悪影響だけでなく、ドライバーの「労働環境」悪化に直結します。特に輸送能力の制限に伴う物流の停滞を乗り越え、「物流環境負荷低減」を実現するためには、自治体と個人消費者が連携したハード・ソフト両面での対策が不可欠です。

設置費用の補助も!地方自治体の「宅配ボックス設置補助金」申請フロー

個人の住宅への宅配ボックス導入を促進するため、多くの地方自治体が独自の「宅配ボックス 補助金」制度を創設しています。例えば、山口県周防大島町では、戸建て住宅を対象に宅配ボックスの購入および設置にかかる費用の「2分の1(上限10,000円)」を補助する制度を実施しています。また、福島県福島市でも、同様に宅配ボックス購入費用の「2分の1(上限10,000円)」を補助し、地域全体の再配達削減を財政面から支援しています。

これらの補助金制度を利用する際の一般的な申請フローと必要書類は以下の通りです。

ステップ 手続き内容 主な必要書類・持ち物
1. 事前確認・購入 自治体の補助金要件(サイズ、受領印機能の有無など)を満たす対象製品を購入します。 領収書、製品の仕様書(カタログの写し)、設置前の現場写真
2. 設置・写真撮影 購入した宅配ボックスを自宅の敷地内に設置し、設置後の状態を撮影します。 設置後の写真(家屋全体と宅配ボックスの位置関係が分かるもの)
3. 交付申請書の提出 自治体の窓口または郵送・オンラインにて申請書類一式を提出します。 補助金交付申請書、住民票の写し、市町村税の納税証明書
4. 補助金の入金 自治体による審査完了後、交付決定通知書が届き、指定口座に補助金が振り込まれます。 補助金請求書、振込先口座の通帳コピー

自治体によっては、購入前の「事前申請」が必要な場合や、予算上限に達し次第受付を終了するケースがあります。そのため、居住する自治体の公式ホームページで申請要領を事前に確認し、公募状況を直接問い合わせることが確実な申請につながります。

個人で今すぐ始められる「指定場所配送」とスマート受取のプロセス

補助金を活用したハード面の整備だけでなく、既存の配送インフラをスマートに活用するソフト面の対策も、今日からできる再配達削減のアプローチです。国土交通省の調査によると、消費者の「置き配 普及率」は年々上昇しており、特に「指定場所配送」の登録手続きを行うことで、対面受取の手慢を省きながら確実に荷物を受け取ることができます。

日本郵便が提供する「指定場所配達(置き配)」サービスを例に、利用を開始するまでの具体的なプロセスを以下に示します。

  • ステップ1:指定場所配達に関する承諾書の提出
    最寄りの郵便局の窓口、または日本郵便のWebサイトから「指定場所配達に関する承諾書」をダウンロードし、必要事項を記入して郵便局に提出(または郵送)します。
  • ステップ2:受け取り場所の選定・確保
    施錠ができる宅配ボックスのほか、郵便受箱(ポスト)、メーターボックス、物置、車庫など、確実に荷物が保護される場所を指定します。
  • ステップ3:ECサイト購入時の住所入力に明記
    購入手続き時、お届け先住所の末尾に「(置き配:メーターボックス)」や「(置き配:玄関前)」のように、配達員への明確な指示を書き加えます。

また、自宅に受け取りスペースがない場合は、駅や郵便局に設置されている郵便局の宅配ロッカー「はこぽす」や、コンビニエンスストアでの受取を指定することも有効です。

消費者がこうしたサービスを利用し、再配達を1回削減するごとに、配送時の無駄なエネルギー消費を抑えて環境負荷の低減に直接貢献できます。個人が受取方法を一度登録するだけで、生涯にわたる再配達をゼロに近づけることができ、持続可能な物流の維持につながります。

現場視点で紐解くドライバーの労働環境改善と法規制対応

走行距離と精神的ストレスを削減する「物流環境負荷低減」の重要性

配送ドライバーの現場において、再配達は深刻な作業負荷を与えています。ドライバー求人メディアなどの現場の声によると、離職を検討する要因として「拘束時間の長さ」と並び「不在配達に伴う精神的ストレスや徒労感」が上位に挙げられます。1日150個の荷物を配達するルートにおいて、再配達が15個あるだけで、不在連絡票の記入・投函(約3分/件)、持ち戻り・再積載(約5分/件)、夜間の再訪問(約15分/件)が発生し、1日で合計約4.5時間もの余分な拘束時間が生じる計算になります。これが現場の労働環境を悪化させる直接的な要因です。

国が進める働き方改革関連法による時間外労働上限規制への対応において、労働時間の削減と脱炭素の双方を同時にクリアするためには、この非効率な走行距離を縮小することが最優先されます。ドライバー個人の働きやすさと、社会全体の環境負荷低減は、完全に同調しているのです。

評価軸 再配達が発生している現状 再配達削減による改善効果
現場の労働環境 夜間帯の荷戻り、再配達対応による残業の常態化 定時退勤の促進、不在票対応の精神的ストレス軽減
配送効率・コスト 1個あたりの配送単価の低下、燃料費の増大 積載率の向上、1運行あたりの配達完了個数の増加
環境負荷 余分な走行によるCO2排出量の増加 走行ルートの最適化による脱炭素社会への貢献

配達現場を救う「再配達ゼロ」実現に向けた先進自治体の官民連携事例

ドライバーの労働負担を軽減し、国全体としての再配達率を確実に引き下げるためには、消費者側の受け取り手段の多様化が不可欠です。近年、置き配普及率は大手EC事業者の配送オプション標準化などにより上昇していますが、オートロック付きマンションや戸建住宅における物理的な受け取りインフラの不足が依然として課題です。

この課題を解決するため、先進自治体では宅配ボックス補助金制度を創設し、官民連携でのインフラ整備を急いでいます。例えば、神奈川県内の一部の自治体では、個人向け簡易宅配ボックスや戸建用宅配ボックスの購入費用の2分の1から3分の2(上限1万〜2万円)を補助する制度を導入しました。この施策を導入した地域では、設置前と比較して管轄エリアの再配達率が約5%低下したという実例もあります。

また、自宅以外での受け取り拠点整備も進んでいます。日本郵便が展開する簡易型宅配ロッカー「はこぽす」の駅や郵便局への設置拡大や、コンビニエンスストアとの提携による24時間受取体制の構築がその代表例です。さらに、自治体や地方運輸局は、消費者向けの意識改革を促すために、国土交通省が提供する「再配達削減 PR素材」(ポスターやWeb用バナー)を活用し、地域の回覧板や公式SNS、広報誌を通じて「1回での受取」を呼びかける啓発活動を強化しています。これらの官民が一体となった地道な取り組みこそが、現場のドライバーを救い、持続可能な物流網を維持する具体策となります。

今日から着手する「再配達削減」アクションプラン比較チェックリスト

国土交通省が公表する再配達率の推移は、2024年4月期において10.4%となっており、政府が目標として掲げる「再配達率6%」の達成には、すべての関係者が当事者意識を持った具体的な対策が必要です。配送を担うドライバーの労働環境改善や、ドライバーの労働時間制限に伴う輸送力不足の解消、そして脱炭素に向けた物流環境負荷低減を実現するため、各プレイヤーがすぐに取り組めるネクストアクションを整理しました。

【立場別】再配達削減に向けた「今日から始めるアクション」一覧

EC事業者、自治体、個人消費者のそれぞれが本日より着手すべき具体的な施策、および期待される効果と実行ステップは以下の通りです。

対象者(立場) 推奨アクション 期待される効果 具体的な実行ステップ
EC事業者 購入画面における「置き配」・「ロッカー受取」の標準設定化 置き配普及率の向上による初回配達での受取完了率アップ カートシステムに「はこぽす」等のロッカー連携プラグインを導入し、チェックアウト画面でデフォルトの受取方法として提示する。
自治体担当者 戸建・集合住宅向け宅配ボックス導入の財政・啓発支援 地域住民の受取環境整備によるエリア全体の再配達率低下 国の交付金を財源とした宅配ボックス 補助金制度を設計し、窓口やWebサイトで住民へ申請手続きの案内を開始する。
個人消費者 ライフスタイルに合わせた多様な受取方法の指定・固定 不在時における持ち戻り配送の抑制、ドライバーの労働環境保全 主要ECサイトの会員設定で「置き配」をデフォルトに指定し、持ち出し用の簡易宅配バッグを玄関前に設置する。

各ステークホルダーが連携して上記のステップを同時並行で進めることで、地域やサプライチェーン全体の再配達率を効果的に引き下げ、配送に伴う温室効果ガスの抑制にも直結させることが可能です。特にEC事業者や自治体においては、国土交通省などが配布する再配達削減PR素材を購入確認メールや広報誌に掲載し、ユーザーへの行動変容を促すことが重要です。

自社の対策レベルを測定する「再配達削減度」自己診断チェックリスト

自社や自組織が現在、再配達削減に対してどの程度の実効性ある取り組みを行えているかを自己診断するための評価基準です。現在の状況と照らし合わせ、次の段階へ進むための目安として活用してください。

診断項目 未導入(レベル1) 一部実施(レベル2) 連携・システム化(レベル3)
受取チャネルの選択肢 自宅配送(日時指定のみ)しか選べない 住所記入欄などの備考に「置き配希望」と手動で入力させる形式にとどまる 「はこぽす」などの受取ロッカーやコンビニ指定機能がシステム連携され、地図上から選択できる
消費者へのアプローチ 再配達削減に関する案内を特に行っていない 購入確認メールや発送通知に「再配達防止のご協力」というテキストのみを記載している 購入完了画面や梱包資材に再配達削減 PR素材を視覚的に配置し、日時指定の変更リンクをわかりやすく導線設計している
実績値の可視化と改善 自社の再配達率やそれに伴うコスト増、CO2排出量を算出していない 配送業者からの月報で再配達率の数値のみを確認している 再配達率の推移をリアルタイムで把握し、削減されたCO2排出量を算定して自社サイト上で定期公表している

診断結果においてレベル1やレベル2に該当する項目がある場合は、まずは追加コストがほとんど発生しない「既製のPR素材の活用」や「発送通知メールにおける日時変更リンクの強調」から着手してください。その後、中長期的なシステム改修ロードマップに受取ロッカー連携などのシステム統合(レベル3)を組み込むことで、実効性の高い再配達削減体制を構築できます。

よくある質問(FAQ)

Q. 「再配達」はどのような社会問題や損失を引き起こしていますか?

A. 年間50億個を超える宅配便の中で発生する「再配達」は、深刻な社会的・環境的損失を生んでいます。具体的には、再配達の対応により年間約6万人分の労働力が余分に必要となり、約25.4万トンものCO2が余分に排出されています。これらは配送ドライバーの長時間労働や精神的ストレスの主因となり、物流の持続可能性を脅かす深刻な問題です。

Q. ECサイトや消費者が今すぐ取り組める「再配達削減」の対策は何ですか?

A. EC事業者は、置き配やコンビニ受け取り、細かな時間帯指定を標準機能としてシステム実装することが有効です。消費者は、自宅への宅配ボックスの設置や、配送時の「指定場所配送」の選択、確実に受け取れる日時の事前指定などが効果的です。双方が協力して「1回で受け取る」仕組みを構築することが、再配達削減の鍵となります。

Q. 宅配ボックスの設置に利用できる「補助金制度」とはどのようなものですか?

A. 多くの地方自治体が、再配達削減によるCO2削減や物流負荷軽減を目的に「宅配ボックス設置補助金」を提供しています。これは個人宅やマンションへの設置費用の一部を補助する制度です。自治体によって申請要件や補助金額が異なるため、購入・設置前に居住する自治体の公式情報を確認し、申請フローに沿って手続きを行う必要があります。

関連する物流用語

  • D2C(ダイレクト・トゥ・コンシューマー)
  • MFC
  • O2O
  • OMS
  • PUDOステーション
表示できるコメントはありません。

LogiShift

物流担当者と経営層のための課題解決メディア。現場のノウハウから最新のDX事例まで、ビジネスを加速させる情報をお届けします。

カテゴリー

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • マテハン・ロボット
  • サプライチェーン

もっと探す

  • ツール紹介
  • 海外トレンド
  • 事例
  • 統計分析
  • 物流用語辞典

サイト情報

  • 運営者情報
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • LogiShift Global
  • FinShift

© 2026 LogiShift. All rights reserved.