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Home > 物流DX・トレンド> 三菱電機デジタルイノベーション、誤差5%の積載率3D計測を10月1日開始
物流DX・トレンド 2026年9月30日

三菱電機デジタルイノベーション、誤差5%の積載率3D計測を10月1日開始

三菱電機デジタルイノベーション、誤差5%の積載率3D計測を10月1日開始

三菱電機デジタルイノベーションは、LiDARスキャナを搭載したiOS端末でトラック荷台の積載率を計測するクラウドサービス「Rulerless Truck」を2026年10月1日より提供開始します。独自の特許アルゴリズムにより自社検証環境で誤差5%以内の精度で荷室と積荷を3Dモデル化し、Webブラウザ上で積載状況の確認やCSV出力を行えます。

LiDAR技術による積載率計測の仕組みと公表データの背景

国土交通省の「自動車輸送統計年報(2025年度)」によると、営業用トラックの積載効率は約39.08%にとどまり、輸送能力の約6割が活用されていません。積載効率は「積載率×実車率」で算出される指標であり、トラックの走行距離や保有台数に対して実際に運ばれた貨物量が半分以下にとどまっている実態を示しています。

積載状況の把握は、従来は荷台を確認したドライバーや現場管理者の目視、あるいは積載実績に基づく経験則に依存してきました。荷主企業が運送事業者に運行を委託している場合、自社貨物が荷室スペースをどれだけ占有しているのかを客観的な数値で把握できず、改善に向けた定量的な協議が進みにくい課題が存在していました。

こうした実務上の障壁に対し、三菱電機デジタルイノベーションは2024年に米国「CES 2024 イノベーション・アワード」を受賞した3次元計測アプリ「Rulerless」の空間計測技術を応用し、「Rulerless Truck」を開発しました。本サービスの提供開始に先立ち、株式会社クボタの物流関連部門が有償トライアルとして先行導入し、実際の物流現場における計測精度の検証を行っています。

サービスの仕様および運用環境は以下の通りです。

項目 内容
計測方式 LiDARスキャナ搭載端末による荷室・積荷の3Dスキャン
計測精度 実測値との誤差5%以内(自社検証環境)
推奨動作端末 LiDARスキャナ搭載iPhone、iPad(有償レンタル対応)
管理環境 PCブラウザ(Microsoft Edge、Google Chrome)、CSV出力対応
提供形態・価格 クラウドサービス(SaaS)、拠点数に応じた月額オープン価格

荷台の計測データはクラウド上に蓄積され、専用ソフトウェアのインストールを行わずに現場と管理部門で同一データを共有できます。

参考記事: 積載率とは?計算方法や実車率との違い・改善に向けた実践アプローチを解説

荷主・運送・倉庫の各層に及ぶ実務インパクト

荷台容積が誤差5%以内の精度で3Dデータ化される運用は、サプライチェーンを構成する製造業、運送会社、倉庫会社の日常業務に実質的な変化をもたらします。

製造業者・メーカー(発荷主)における便統合と荷姿変更

製造業者やメーカーは、自社製品を出荷するトラックの積載率を路線別・曜日別・品目別に把握できるようになります。3Dモデルとして残る空間データを確認することで、天井付近のデッドスペースやパレット間の隙間が視覚的かつ数値的に判明します。

実測データが揃うことで、生産管理部門や販売部門との間で出荷ロットの拡大協議を進めやすくなります。外装段ボールの寸法見直しやパレットへの積み付けパターンの改定を行う際も、改善前後の容積変化を数値で比較検証できるため、輸送便の統合や契約台数の適正化に向けた社内調整が成立しやすくなります。

運送事業者における余剰容積を活用した混載提案

運送事業者は、日々の運行における空き容積を荷主に対してデータで証明できるようになります。従来はドライバーの感覚で「まだ荷物が入る」と判断していた空間を、立方メートル単位の空きスペースとして提示可能です。

定期便で恒常的に空きスペースが生じている区間を特定できれば、その路線と同方向の荷物を持つ別の荷主に対して混載便の営業提案を行えます。空き枠のデータ提示によって荷主側の安心感を担保できるため、新規案件の獲得や1運行あたりの実質運賃収入の引き上げにつながります。

参考記事: 共同配送とは?仕組みと混載便との違い・導入メリットをわかりやすく解説

倉庫事業者・3PLにおけるデータ基盤型の物流改善

荷主と運送事業者の結節点となる倉庫事業者や3PL企業は、入出荷バースでのスキャン計測を通じて、双方に対する中立的な運行管理者として機能できます。荷積み完了時にスマートフォンで荷台を数分スキャンするオペレーションを組み込むことで、出荷ごとの積載実績が自動集計されます。

蓄積されたデータをもとに、荷主へは出荷単位の適正化を助言し、運送会社へは車両サイズの最適化を提案するコンサルティング業務が可能になります。現場の属人的な判断を排除した客観的数値を提示することで、荷役効率の向上とバース滞在時間の短縮を両立させる運行設計が実現します。

参考記事: 改正物流効率化法2026年義務化!特定荷主に課される3大義務と生存リスク

LogiShiftの視点:属人的な容積判断から企業間をつなぐ共通言語へ

「流通業務の総合化及び効率化の促進に関する法律(改正物流効率化法)」は、2025年4月に全事業者への努力義務が課され、2026年4月には特定荷主・特定運送事業者に対する中長期計画の策定やCLO(物流統括管理者)の選任が義務化されました。この法的枠組みにおいて、営業用トラックの積載効率約39%という未活用領域の解消は、定期報告で進捗を示さなければならない必須項目です。

これまで積載効率の向上を阻んできた要因の一つは、荷台容積に対する「共通言語」の欠如でした。重量ベースの積載量は車検証上の最大積載量と伝票で計算可能でしたが、かさ高貨物(容積勝ち貨物)の容積積載率は、ドライバーの「ほぼ満載に見える」という主観と、荷主の「まだ積めるはずだ」という認識のズレを生み出していました。

「Rulerless Truck」のように、汎用端末のLiDAR機能を用いて誤差5%以内で容積を確定させる技術は、主観的な議論を解消します。双方が同一の3Dデータと容積率を共有することで、改正法が求める荷主・運送会社間の取引適正化や、複数荷主による共同輸配送における按分計算が成立する基盤が整います。

明日から取り組むべき実務対応

積載率の客観データを自社の物流改善や法改正対応へ組み込むため、現場および管理部門では以下の手順で準備を進めることが有効です。

  1. 主力出荷ラインにおける容積勝ち便の特定

重量制限に達する前に荷室スペースが埋まっている便や、逆に容積が大幅に余っている定期便を抽出し、現状の推計積載率と目視判定のギャップを現場でヒアリングします。

  1. 計測用ハードウェアの配備状況の確認

事業所内または協力運送会社の現場において、LiDARスキャナを搭載したiOS端末(iPhone 12 Pro以降、iPad Pro等)が利用可能かを確認し、必要に応じて有償レンタル等の調達経路を検討します。

  1. 運送委託先との積載データ共有ルールの策定

積載率の計測データをペナルティ判定ではなく、便統合や混載提案、荷姿変更などの協調的な改善協議にのみ使用することを運送パートナーと合意し、運用フローを定義します。

出典: ベストカーWeb
出典: 三菱電機デジタルイノベーション株式会社 ニュースリリース

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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