Skip to content

LogiShift(ロジシフト)

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • 政策動向
  • ツール紹介
  • 統計分析
  • 用語辞典
Home > 輸配送・TMS> 鹿島建設など4社、成田で11月自動物流実証|光ファイバーで設備費削減
輸配送・TMS 2026年10月1日

鹿島建設など4社、成田で11月自動物流実証|光ファイバーで設備費削減

鹿島建設など4社、成田で11月自動物流実証|光ファイバーで設備費削減

ダイナミックマッププラットフォーム、鹿島建設、三菱電機、西濃運輸の4社は2026年9月30日、成田国際空港内の専用路を活用した自動物流道路の実証実験が国土交通省の2026年度事業に採択されたと発表しました。本実験は2026年11月から12月中旬にかけて実施され、自動運転車両「ZELOS」3台を投入して基本時速10キロおよび直線路の一部で時速30キロの走行性能や路車協調システムを検証します。

成田空港で始動する「オートフロー・ロード」実証の全容

国土交通省道路局が推進する自動物流道路「オートフロー・ロード」構想は、幹線道路の専用空間などを活用し、無人・自動の搬送機器によって荷物を連続輸送するプロジェクトです。今回採択された計画は、同省の「令和8年度(2026年度)自動物流道路の社会実装に向けた実証実験」におけるテーマ2「複数台の搬送機器の自動走行」に位置づけられています。

実証の主眼は、走行機器単体の自律走行性能の計測と、路側に敷設する光ファイバーセンシング技術を組み合わせた「インフラ協調型システム」の実効性検証にあります。

実証実験の概要と検証項目

成田国際空港内の専用路を用いた走行試験では、複数台運行に伴う安全マージンや車線運用の基準データを収集します。

項目 実証内容・検証仕様
実施期間 2026年11月〜12月中旬
実証場所 成田国際空港内の専用路など
使用機材 自動運転車両「ZELOS」3台
走行検証速度 基本時速10km、直線路の一部で時速30km
主な走行動作 追従走行、分流・合流、車線変更、指定位置停止精度
貨物環境検証 荷崩れ有無の確認、搬送機器内外の温度変化計測

走行試験では、車両の左右の揺らぎや走行ラインからの逸脱幅、対面・並走・すれ違いに必要な離隔幅員、加減速および停止性能を測定します。さらに、走行中の振動や停止動作が荷崩れに及ぼす影響、機器内外の温度推移など、商用貨物の輸送品質を維持できるかどうかも計測対象です。

光ファイバーセンシングによる路側設備削減の仕組み

本実証の独自性は、鹿島建設の光ファイバーセンシング技術を活用して路側インフラの簡略化を図る点にあります。

従来の自動走行専用道や監視空間では、落下物検知や火災監視のために一定間隔ごとの監視カメラ、照明設備、各種センサー、通信・電源ケーブルの大量敷設が前提とされていました。本システムでは、区画線(レーン境界)に沿って光ファイバーを敷設し、路面の振動特性の変化から落下物の発生位置や火災の熱異常をリアルタイムに検知します。

検知された異常発生時刻と位置情報は、ダイナミックマッププラットフォームが構築する「インフラ協調型モビリティ基盤」に送信され、高精度3D地図データと紐付けられたうえで、後続の自動運転車両へ瞬時に配信されます。車両は通知情報に基づき、車頭間隔の自動調整や障害物回避、車線復帰などの退避行動を取ります。この仕組みが確立されることで、路側カメラや照明、火災報知器の設置密度を大幅に引き下げ、建設・維持管理コストの抑制につながります。

自動物流道路構想の進捗と実証までの経緯

国土交通省が主導する自動物流道路構想は、2024年の検討会立ち上げ以降、段階的に具体化が進められてきました。

年月 主な動向・経緯
2024年2月〜7月 国交省「自動物流道路に関する検討会」で技術的要件を議論
2024年7月25日 10年以内(2034年頃)の社会実装を目指す中間とりまとめを公表
2025年5月 産官学による「自動物流道路の実装に向けたコンソーシアム」設立
2026年7月22日〜8月21日 国交省道路局が2026年度実証実験の事業者公募を実施
2026年9月30日 鹿島建設、ダイナミックマッププラットフォームなど4社連合の採択発表
2026年11月〜12月 成田空港専用路での複数台走行・路車協調実証実験を実施

国土交通省の試算によると、東京〜大阪間の幹線道路に自動物流道路が整備された場合、1日あたり最大2.4万台分のトラック交通量(ドライバー換算で1.7万人分に相当)の削減効果が見込まれています。対象となる想定貨物は農水産品や軽工業品、日用品など多岐にわたり、幹線流動の約26%を代替可能な範囲としています。成田空港での実証は、こうした大規模インフラを展開するための土台となる技術検証です。

参考記事: 国交省の自動物流道路、西濃など7陣営で2026年10月荷役実証へ

関連プレイヤーに生じる事業オペレーションの変化

成田空港での実証実験は、自動運転車両そのものだけでなく道路設備や運用体制を統合した枠組みです。参画企業および関連する各業態には、次のような具体的な影響が生じます。

幹線運送事業者:拠点間輸送の共同化と集配ドライバーのシフト

西濃運輸が参画している点に表れているように、特別積合せ事業者をはじめとする幹線輸送企業は、拠点間輸送のパイプライン化を前提とした運用設計に着手しています。

東京〜大阪間などの長距離幹線区間において無人搬送機器の走行が定着した場合、自社トラックと長距離ドライバーを往復運行させる運行管理モデルは縮小します。運送事業者は、高速道路結節点に整備される専用ポート(接続拠点)までの近距離集配や、顧客ごとの積載・荷役作業を伴うラストマイル輸送へ専任乗務員を集中的に割り振る体制への再編を進めることになります。

SaaS・テクノロジーベンダー:地図基盤と運行管理(TMS)のリアルタイム統合

ダイナミックマッププラットフォームと三菱電機の連携は、高精度3D地図と路車間通信を連動させた新たな制御基盤の構築を意味します。

ソフトウェアベンダーにとっては、車両の位置・速度を管理する従来の運行管理システム(TMS)にとどまらず、路面側の光ファイバーから送られる微細な振動データや落下物警報をミリ秒単位で処理し、走行ルートを動的に再計算するアルゴリズムの開発が必須となります。道路インフラ側のセンシングデータと、荷主・倉庫側の入出荷スケジュールを接続するAPI連携基盤の需要が高まります。

物流施設デベロッパー:専用ポート接続を見据えた施設設計

自動物流道路が接続するポート周辺では、施設スペックの前提条件が変わります。

従来の大型トラックが接車するバース構造に加え、分刻みで到着する無人搬送機器を受け入れ可能な自動積み下ろし設備や、無人搬送車(AGV/AMR)と直結する入出庫レーンの確保が求められます。インターチェンジへの距離だけでなく、将来的な自動物流道路の分岐線や連絡路を敷地内に引き込めるかどうかが、物流不動産の中長期的な資産価値を左右する評価軸となります。

参考記事: 国土交通省が2026年10月開始の自動物流道路実証で拠点再編が加速

LogiShiftの視点:インフラ協調型への転換が解く「導入コスト」の壁

自動走行の社会実装を巡っては、これまで車両側にLiDARや高性能カメラ、冗長化コンピューターをフル装備する「車両完結型」の設計思想が先行してきました。しかし、1台あたり数千万円規模に達する車載センサーの導入・保守費用は、運送事業者がフリート単位で投資回収を行う際の大きな障壁となっていました。

本実証が示す鹿島建設の光ファイバーセンシングとダイナミックマッププラットフォームの連携は、センサーの負荷を道路インフラ側へ分散させ、トータルコストを下げる現実解です。区画線沿いに通した1本の光ファイバーが数キロ〜数十キロにわたる路面異常を一括監視できれば、車両側の検知センサーを簡素化できると同時に、高コストな路側監視カメラや照明設備の設置基数を削減できます。

2027年度に予定される新東名高速道路の建設中空間を活用した社会実験、さらには2030年代半ばの東京〜大阪間での本格運用に向けて、インフラと車両の役割分担をどこまで最適化できるかが、事業採算性を成立させる分岐点となります。

参考記事: 井林辰憲国土交通相、2027年無人運行へ支援表明|輸送力不足34%に直結

まとめ:明日から自社オペレーションで見直すべき着眼点

自動物流道路構想は、基礎検討のフェーズを終え、実道路に近い環境での物理的な走行・センシング検証の段階に入りました。物流企業の経営層や現場リーダーは、単なる将来構想として静観するのではなく、自社ネットワークへの接続を見据えた準備を進める必要があります。

まずは自社が運行する長距離幹線便のうち、パレット化・コンテナ化によって無人搬送機器へ積み替え可能な荷物比率を把握することが第一歩です。あわせて、将来的な自動物流道路の接続ポート候補地と自社中継拠点の位置関係を照らし合わせ、長距離ドライバーの運行ダイヤを地場集配へとシフトさせる組織体制の再設計に着手することが求められます。

出典: logi-today.com
出典: kajima.co.jp
出典: mlit.go.jp

Share this article:

監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

関連記事

センコー×福通の福島中継拠点!TSUNAGU STATIONがもたらす3つの波及効果
2026年4月19日

センコー×福通の福島中継拠点!TSUNAGU STATIONがもたらす3つの波及効果

渋滞約7%減データを東日本高速道路らが発表、幹線輸送の定時性確保に直結
2026年5月31日

渋滞約7%減データを東日本高速道路らが発表、幹線輸送の定時性確保に直結

福山通運・メニコンら、CO2を48.5%削減した九州共配の全容
2026年9月1日

メニコン×シードが九州で競合共配|福山通運の特積網でCO2約48.5%削減

広告枠募集 物流専門メディアLogiShift月2万円〜 媒体資料を無料ダウンロード »
表示できるコメントはありません。

LogiShift

物流担当者と経営層のための課題解決メディア。現場のノウハウから最新のDX事例まで、ビジネスを加速させる情報をお届けします。

カテゴリー

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • マテハン・ロボット
  • サプライチェーン

もっと探す

  • 政策動向
  • ツール紹介
  • 海外トレンド
  • 事例
  • 統計分析
  • 物流用語辞典

サイト情報

  • 運営者情報
  • お問い合わせ
  • 媒体資料
  • プライバシーポリシー
  • TechShift
  • ConShift

© 2026 LogiShift. All rights reserved.