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倉庫管理・WMS 2026年10月23日

セイノースタッフサービスが倉庫特定技能で17人内定|免許不要枠を早期確保

セイノースタッフサービスが倉庫特定技能で17人内定|免許不要枠を早期確保

セイノーグループのセイノースタッフサービスは2026年10月22日、2027年4月に運用開始が予定されている特定技能「物流倉庫分野」を見据え、インドネシア現地で採用面接を実施し17人に内定を出したと発表した。内定者は10月中旬から現地のトレーニングセンターで日本語学習を開始し、同社請負現場からグループ各社、全国の一般企業へと段階的に配属される予定だ。

ドライバー充足率3.2%の停滞と物流倉庫分野への先行着手

国土交通省および出入国在留管理庁のデータによると、先行して導入された自動車運送業分野の特定技能在留者数は、2026年7月末時点で703人にとどまり、受入見込み数に対する充足率は3.2%と低迷している。技能評価試験の合格者は2026年6月末時点で累計6,566人に達しているものの、合格者がそのまま現場配属に至らない要因として「運転免許取得の壁」が存在する。

2025年10月1日に施行された道路交通法施行規則の改正により、外国運転免許から日本の運転免許への切替(外免切替)審査が全国で厳格化された。住所確認での住民票提出が原則必須となったほか、知識確認の試験形式が従来のイラスト10問形式から文章形式50問(正答率90%以上で合格)へと難化し、合格率は厳格化前の92.5%から施行後3か月間で42.8%へと急落した。トラックドライバーの受入では在留資格「特定活動」による6か月の猶予期間内に免許を取得する必要があるが、免許切替の手続き長期化や不合格により、特定技能への移行が滞る事態が生じている。

対照的に、2026年1月23日に閣議決定され2027年4月に運用開始が予定されている「物流倉庫分野」は、業務に運転免許の保有が求められない。入出庫貨物の受渡しや検品、保管庫への格納、ピッキング、流通加工といった構内作業が対象となるため、免許取得のボトルネックを回避できる。

項目 自動車運送業分野(トラック) 物流倉庫分野
運用開始時期 2024年 2027年4月(予定)
主な就労要件 第1種運転免許(日本の普通免許等)+評価試験+日本語N4以上 評価試験+日本語N4(A2相当)以上(運転免許は不要)
在留者数・枠 在留者703人(2026年7月末、充足率3.2%) 受入見込み枠1万8,300人(特定技能1号は1万1,400人)
業務内容 貨物自動車の運転、荷役作業等 入出庫検品、ピッキング、格納、流通加工等

セイノースタッフサービスが2026年9月16日・17日にインドネシアで実施した採用面接では、応募者42人の中から現地の日系企業勤務経験者を中心に17人を選抜した。学研ホールディングス監修の教育プログラムを用いて来日前から日本語教育を進めており、制度運用開始と同時に現場へ配属できる体制を整えている。同様に澁澤倉庫も2026年7月、フィリピン人ドライバーの人材供給事業を開始すると同時に、2027年度の倉庫分野解禁を見据えた作業員供給の展開方針を公表している。

参考記事: 国土交通省、外国人1.8万人枠にWMS義務化!倉庫DXが雇用の前提条件に

供給枠の早期上限到達リスクと各プレイヤーの対応

特定技能「物流倉庫分野」の創設と主要企業の先行採用は、物流サプライチェーンの各事業者に異なる実務対応を求めている。

倉庫事業者・3PL:1.14万人枠の早期争奪戦とWMS要件の充足

国土交通省の試算では、2028年度末に物流倉庫分野で約5万5,100人の人材不足が見込まれている。これに対し、WMS等の利活用による生産性向上(2万300人分)と国内人材の確保(1万6,500人分)を差し引いた結果として設定された特定技能1号の受入見込み枠は、3年間で1万1,400人(育成就労枠6,900人を合わせると1万8,300人)である。この数値は、2028年度に必要な倉庫就業者数約34万人の3%強にすぎない。

特定技能制度では、外食産業分野において上限5万人に達する見込みとなったため、2026年4月に特定技能1号の新規受入れが停止した前例がある。物流倉庫分野も運用開始の2027年4月から2028年度末までの実質2年間で枠が埋まる公算が大きく、制度開始後に採用活動を始める企業は枠を確保できない可能性がある。さらに、受入企業には国土交通省告示第787号・第788号により、入庫・在庫・出庫の3機能を備えたWMSの利活用や直接雇用(派遣禁止)が義務付けられており、アナログ管理を続ける現場は申請資格から除外される。

運送事業者:倉庫を起点としたドライバー育成ルートの模索

運送事業者にとっては、外免切替の厳格化に伴うドライバー直接採用の難航を受け、物流倉庫分野を外国人材確保の足がかりとする動きが出ている。運転免許を必要としない倉庫分野の特定技能人材としてまず日本国内に迎え入れ、現場業務に従事させながら日本の交通規則や日本語能力を習得させ、中長期的に第1種運転免許や自動車運送業分野の評価試験を受験させるキャリアパスである。

ただし、特定技能1号の在留期間は通算5年が上限であり、倉庫分野から自動車運送業分野への分野間移行には双方の評価試験合格と運転免許の取得が必要となる。在留期間の残り年数と免許取得にかかる期間の採算性を慎重に見極める必要がある。

SaaS・テクノロジーベンダー:多言語対応WMSの標準装備化

外国人作業員の現場配属に伴い、倉庫管理システムやピッキング支援システムを提供するSaaSベンダーには、多言語UIや直感的な操作画面の開発が求められている。日本語能力A2(N4)水準の作業員が正確に作業を行えるよう、文字情報に頼らないピクトグラム表示や音声ピッキング、多言語切り替え機能の実装が受注の必須要件となりつつある。受入要件としてWMSの導入が義務付けられたことも、未導入中小倉庫へのシステム提案における追い風となっている。

参考記事: 特定技能採用に53.9%が前向き!G.A.グループ調査が示す現場の必須対応

LogiShiftの視点:免許障壁がもたらす「倉庫起点」の人材獲得モデルへの構造転換

物流領域における外国人材の活用戦略は、運転免許取得の難航によってドライバー単独での確保モデルが事実上機能不全に陥った結果、「物流倉庫」を第一段階の受入拠点とする構造へと転換している。

自動車運送業分野の充足率3.2%という数字は、海外現地で試験合格者を出しても、日本国内の免許切替制度(知識確認合格率42.8%への急落)という法制面の壁によって現場稼働へ直結しない構造的欠陥を示している。対して倉庫分野は、入国即戦力化を阻む公的資格の取得工程が存在しない。セイノースタッフサービスが制度運用開始の半年以上前に現地内定を出し、澁澤倉庫がドライバー事業と並行して倉庫展開を表明したのは、2028年度末までの1万1,400人という狭い枠が開始直後に枯渇することを見越した合理的な先手である。

今後の成否を分けるのは、受入要件であるWMSの運用体制を早期に整え、2027年4月の運用開始と同時に申請を行える状態を構築できているか否かである。ドライバー不足の解消を目指す運送事業者であっても、まずは自社倉庫やグループ内の保管拠点を活用した受入スキームを先行して確立することが、外国人労働力確保の実効策となる。

まとめ:明日から自社で取り組むべき準備

特定技能「物流倉庫分野」の2027年4月スタートに向け、倉庫事業者および物流企業が講ずべき実務対応は以下の通りである。

  1. 自社WMSの機能要件確認

入庫・在庫・出庫の3機能を備えたシステムが現場で実稼働しているかを棚卸しし、紙やExcelのみによる管理体制から脱却する。

  1. 送出し機関・教育機関の早期選定

セイノースタッフサービスのように制度開始前の現地選考と日本語教育を進めるため、実績のある登録支援機関や現地送出し機関との提携交渉を開始する。

  1. 構内作業の標準化と多言語表示の整備

日本語N4水準の人材が迷わず作業できるよう、ピッキングリストやロケーション表示のピクトグラム化および業務マニュアルの多言語化に着手する。

出典: note(ノート)
出典: 国土交通省
出典: 読売新聞オンライン

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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