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Home > 輸配送・TMS> ボックスチャーターの共配モデル|カゴ台車1本単位で積載率4割の壁を突破
輸配送・TMS 2026年11月2日

ボックスチャーターの共配モデル|カゴ台車1本単位で積載率4割の壁を突破

ボックスチャーターの共配モデル|カゴ台車1本単位で積載率4割の壁を突破

パレット2〜4枚程度の中ロット貨物を出荷する際、トラック1台を貸し切ると積載率が4割前後に低迷し、運賃コストが割高になる課題があります。ヤマト運輸や西濃運輸、日本通運など大手物流15社が出資するボックスチャーター株式会社の共同輸配送サービスを活用すれば、規格化されたカゴ台車単位でスペースを調達し、積載効率の向上と荷役時間の大幅短縮を両立できます。

ボックスチャーターが提供する「JITBOXチャーター便」の基本構造

宅配便と貸切便の間に存在する「空白領域」を埋める輸送モデル

企業間物流(B2B)における輸送手段は、長年にわたり段ボール単位で送る宅配便・特別積合せ便(路線便)と、トラックを1台丸ごと専従させる貸切便(チャーター便)の二者択一になりがちでした。

しかし実務の現場では、「宅配便では扱えない容積だが、4トン車や10トン車を満載にするほどではない」という中量ロット(中ロット)の貨物が日常的に発生します。こうした荷物を貸切便で運ぶと、荷台の半分以上が空いたまま走行することになり、容積あたりの輸送費が高騰します。

ボックスチャーター株式会社が運営する「JITBOXチャーター便」は、この空白領域を埋めるために規格化されたロールボックスパレット(カゴ台車)を1本単位で販売する「スペース売り」の共同輸配送サービスです。

項目 宅配便・路線便 JITBOXチャーター便 一般貸切便(チャーター便)
主な対象ロット 小口(箱単位) 中ロット(カゴ台車1〜数本) 大口(トラック1台満載)
課金単位 重量・個口単位のタリフ ボックス(カゴ台車)1本単位 車両1台単位(距離・時間制)
荷役方式 手作業による仕分け キャスター移動(ロールオン・オフ) 手バラ積みまたはフォークリフト
積載率への影響 拠点集約による高積載 複数社混載による高積載 荷量不足時に大幅低下
荷物破損リスク 中継仕分けが多く中程度 鉄柵保護・積替なしで低い 直行輸送のため低い

カゴ台車1本単位のユニットロードと共同輸配送の運用フロー

JITBOXチャーター便の輸送単位は、内寸が底面104cm×104cm(底面約1平方メートル)、高さ170cmの規格化されたカゴ台車です。

荷主は自社倉庫でカゴ台車内に直接貨物を積み込み、付属の鉄柵を閉めて封かんします。集荷から幹線輸送、納品先での荷下ろしまで、荷物を台車から積み替えることなく「ユニットロード」として一貫搬送します。

複数荷主のカゴ台車は1台の大型トラック(10トンウイング車など)に最大16本積載され、幹線ネットワークを通じて効率的に運ばれます。集荷と配達は、各都道府県の地域事情に精通した加盟運送会社が担い、幹線輸送は主に長距離輸送能力の高い西濃運輸などが分担する水平連携体制が敷かれています。

参考記事: 共同配送とは?仕組みと混載便との違い・導入メリットをわかりやすく解説

物流規制下で共同輸配送ネットワークが求められる背景

ドライバー拘束時間の上限規制と「手荷役」の物理的限界

時間外労働の上限規制(年間960時間)や改正改善基準告示の適用により、トラックドライバーの拘束時間は原則として1日13時間以内(最大15時間以内)に厳格化されています。

国土交通省の実態調査によると、大型トラックへの手作業によるバラ積み・バラ下ろし作業には1運行あたり往復で2〜3時間以上を要する事例が一般的です。荷役作業に長時間を費やすと、走行可能時間が物理的に削られ、片道400kmを超える中長距離輸送の日帰り運行や定時運行が成立しなくなります。

荷主企業に対しても、トラック1運行あたりの荷待ち・荷役時間を2時間以内(将来的には1時間以内)に抑える努力義務や中長期計画の策定が求められており、手荷役の廃止とユニットロード化への移行が実務上の必須要件となっています。

国交省試算「2030年輸送力34%不足」と平均積載率4割の壁

国の検討会およびNX総合研究所の試算では、抜本的な対策を講じなかった場合、2030年度には営業用トラックの輸送能力が34.1%(約9.4億トン相当)不足すると推計されています。

輸送力不足が進行する一方で、国土交通省の『自動車輸送統計調査』によると、日本の営業用普通トラックの平均積載率は約38〜40%にとどまります。特に中ロットの貨物を個社ごとにチャーター便で手配している場合、荷台スペースの約6割に「空気」を載せて走っている状態が常態化しています。

積載率を改善し、限られたドライバーリソースを有効活用するためには、競合他社とも同一車両を共有する共同輸配送の確立が不可欠です。

参考記事: 積載率とは?計算方法や実車率との違い・改善に向けた実践アプローチを解説

JITBOXチャーター便導入による定量・定性効果

大型車1台の積み込み作業を約7分に短縮

JITBOXチャーター便の最大の定量的効果は、発着拠点における荷役時間の大幅な圧縮です。

底面にキャスターを備えたカゴ台車をパワーゲート(テールゲートリフター)やプラットフォームからそのまま積み降ろしできるため、大型トラック1台分(16本)の積み込みが約7分で完了します。手作業によるバラ積みで1〜2時間を要していた現場と比較して、作業時間を9割以上削減できます。

ドライバーの待機時間や身体的負荷が劇的に軽減されるため、拘束時間制限の超過リスクを回避し、車両回転率を向上させることが可能です。

荷物事故率0.04%と時間指定順守率99.8%がもたらす品質維持

混載輸送でありながら、貸切便と同等の高い輸送品質を維持できる点も特徴です。

強固な鉄柵で四方を囲まれたロールボックス内で荷物を保護するため、輸送中の荷崩れや中継時の衝撃による破損を防止できます。実績値としての荷物事故発生率はわずか0.04%に抑えられています。

また、都道府県ごとに最適な配送網を持つ加盟会社が集配を担当するため、時間指定順守率は99.8%に達します。機械工業品(取扱全体の約30%)をはじめ、食品・飲料、日用雑貨、さらには厳格な温度管理を伴う半導体関連貨物(クールBOXチャーター便)など、欠品や遅延が許されない生産ライン直結の部材輸送でも広く採用されています。

評価指標 従来の手バラ積み貸切便・混載便 JITBOXチャーター便の実績
大型車1台の積み込み時間 1〜2時間(手荷役) 約7分(ロールオン・オフ)
トラックの平均積載率 約38〜40%(空き枠発生) 複数荷主の混載により高水準を維持
荷物事故率 中継回数に応じて上昇 0.04%(鉄柵による保護)
配達時間指定の順守率 配送会社の混載事情に依存 99.8%(地域加盟網の活用)
環境負荷削減 ストレッチフィルム等の使い捨て 年間約27トンの梱包廃材削減

使い捨てのストレッチフィルムや段ボールを多用せず、リターナブルなカゴ台車を使用することで、年間約27トンの梱包廃材排出削減にも寄与しています。

参考記事: かご車(ロールボックスパレット)とは?2024年問題を克服する活用法と選定ポイント

自社物流への導入手順と失敗を防ぐ3つの実務ポイント

自社貨物の容積・出荷ロットとカゴ台車規格の適合性検証

導入検討の第1ステップは、自社の出荷データから「中ロット」に該当する運行を抽出することです。

JITBOXの内寸規格(幅104cm×奥行104cm×高さ170cm、耐荷重約500kg)に対し、自社製品の段ボールサイズが効率よく収まるかを検証します。外寸に対して隙間が大きくなりすぎる場合は、2024年11月に展開された標準パレット(1,100mm×1,100mm)対応の「JITパレットチャーター便」の併用も検討対象となります。

納品先バースの受入設備(プラットフォーム・段差)の確認

カゴ台車の運用にあたっては、納品先(着荷主)側の荷受け環境を事前に確認する必要があります。

トラックバースにプラットフォームが整備されているか、ない場合はパワーゲート付き車両の手配が必要となります。また、バースから倉庫内部への動線上に段差や急なスロープがないか、キャスター搬送に支障がない床面状態かを確認しておくことで、納品当日のトラブルを防止できます。

運賃構造の変動費化と配車プラットフォームの連携活用

貸切便の「車単位の固定運賃」からカゴ台車の「ボックス単位の従量運賃」へ切り替えることで、物量の繁閑に応じた輸送費の変動費化が実現します。

2026年10月には、運送手配プラットフォーム「ハコベル運送手配」においてJITBOXチャーター便の取り扱いを同年11月より開始すると発表されました。デジタル配車ツールを併用することで、急な出荷増減に対しても即座にカゴ台車単位での配車手配が可能となり、業務負荷を増やすことなく共同輸配送網の恩恵を享受できます。

参考記事: ハコベルが全国48社のJITBOX網と提携|中量貨物の運賃を変動費化

中ロット物流を見直すための検討ステップ

自社専用のトラックを手配して空気を運ぶ輸送モデルは、運賃コストの観点からも輸送能力確保の観点からも持続が困難になっています。

まずは直近3か月分の出荷伝票をもとに、積載率が5割を下回っている貸切便や、路線便で破損事故が発生している貨物のリストアップから着手することをお勧めします。カゴ台車や標準パレットを活用した共同輸配送ネットワークへの転換を検討し、自社の輸送体制を強靭化させましょう。

出典: TECH+(テックプラス)
出典: jitbox.co.jp
出典: shachomeikan.jp

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編集責任者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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