Skip to content

LogiShift(ロジシフト)

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • 事例
  • ツール紹介
  • 統計分析
  • 用語辞典
Home > 物流用語辞典 > 輸配送> 中継輸送

中継輸送とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:中継輸送とは、1人のドライバーが長距離を全て運転するのではなく、複数のドライバーがリレーのように荷物や車両をバトンタッチして運ぶ仕組みです。これにより、ドライバーは遠くまで行く必要がなくなり、日帰りで勤務できるようになります。
  • 実務への関わり:現場では、ドライバーの労働時間を短縮し、過労を防ぐための具体的な解決策として役立ちます。トレーラーの交換やドライバーの交代など、自社に合った方法を選ぶことで、法令を遵守しながら長距離の配送網を維持できます。
  • トレンド/将来予測:トラックドライバーの時間外労働への規制が厳しくなる中、中継輸送の必要性はさらに高まっています。今後は、自社だけでなく他社と協力して中継拠点を共同利用するなど、企業間の枠組みを超えた効率化が進むと予想されます。

1回の運行で拘束時間が15時間を超える長距離トラック輸送を、日帰り運行へと転換させる仕組みが「中継輸送」です。改正された改善基準告示により、ドライバーの時間外労働上限が年960時間に制限されるなか、長距離運行の維持とコンプライアンス遵守を両立する現実的な解決策として注目を集めています。本記事では、中継輸送の基礎知識から主要な3方式、導入メリット、実務上の課題、そして導入手順までを専門的知見から解説します。

目次
  • 中継輸送の基礎知識と法改正に伴う導入背景
  • 中継輸送とは:長距離運行を複数ドライバーで分担する運行モデル
  • なぜ今必要か:改善基準告示の遵守とドライバーの労働時間管理
  • 中継輸送を成立させる3つの主要方式とそれぞれの特徴
  • トレーラー交換方式(スワップボディコンテナ・ダブル連結トラックの活用)
  • ドライバー交代方式(中継ポイントでの対面乗り換え)
  • 貨物積み替え方式(中継拠点での荷物の積み替え)
  • 中継輸送導入によるメリットと実務上の3大課題
  • 労務管理の改善とコンプライアンス遵守がもたらすメリット
  • 導入を阻むコスト負担と運用管理上の3大課題
  • 国土交通省ガイドラインに基づく「中継拠点選定」と導入5ステップ
  • 国土交通省の公的ガイドラインに見る中継拠点の選定要件
  • パートナー企業との合意形成から試験運行までの5ステップ
  • 自社への導入可否を判定する「中継輸送検討チェックリスト」
  • 自社の運行ルート・貨物適性スクリーニングシート
  • 導入検討時に荷主・運送会社間で合意すべき項目一覧

中継輸送の基礎知識と法改正に伴う導入背景

中継輸送とは:長距離運行を複数ドライバーで分担する運行モデル

中継輸送とは、1人のドライバーが発地から着地までの全行程を走破する従来型の長距離輸送とは異なり、複数のドライバーがリレーのようにつなぐ「バケツリレー方式」の運行モデルです。

例えば、東京と大阪の間(片道約500km)を輸送する場合、従来型の運行では1人のドライバーが往復し、途中で車中泊を伴う必要がありました。これに対し、中継輸送では中間地点にあたる静岡県や愛知県などに中継拠点を設けます。東京から出発したドライバーと大阪から出発したドライバーが中継拠点で合流し、荷物や車両をバトンタッチしてそれぞれ出発地へ引き返すことで、双方のドライバーが日帰りで自社に戻ることが可能になります。

長距離の運行を分割し、拘束時間を短縮するための具体的な手法としては、主に以下の4つの方式が挙げられます。

  • トラクタ(頭部)を切り離して交換するトレーラー交換方式
  • 荷台部分のみを着脱して交換するスワップボディコンテナの活用
  • 車両はそのままで運転席のドライバーのみが入れ替わるドライバー交代方式
  • 中継拠点の倉庫などでフォークリフトを用いて荷物を積み替える貨物積み替え方式

これらの方策により、長距離の車中泊を伴う運行を「日帰りの地場運行」へと再構築し、乗務員の心理的・肉体的負担を大幅に削減できます。

なぜ今必要か:改善基準告示の遵守とドライバーの労働時間管理

物流業界において中継輸送の導入検討が急速に進む背景には、法改正による労働時間制限の厳格化(改正改善基準告示の適用)があります。これにより、長距離運行を従来どおりワンマンで維持することが困難となりました。

具体的には、年間時間外労働の上限が960時間に制限されたほか、拘束時間や休息期間について以下の基準が厳格化されました。

  • 1日の拘束時間は原則13時間以内(最大15時間)
  • 1日の運転時間は2日平均で9時間以内
  • 勤務終了後の休息期間は「継続11時間以上」を基本とし、最低でも「9時間以上」を確保

例えば、片道500kmの長距離路線を運行する一般貨物自動車運送事業者の場合、高速道路を法定制限速度で走行しても実走運転時間だけで片道約6時間を要します。ここに発着地での荷待ち時間(国土交通省の調査では平均1時間34分)や、手荷役による積込・荷卸作業時間が加算されると、1日の拘束時間は15時間を容易に超過し、法令違反のリスクが高まります。また、車中泊を伴う運行では、プライベートな時間を確保できず、自宅で「継続11時間以上の休息期間」を過ごすことができません。

この課題に対し、運行ルートの中間地点(約250km地点)で折り返す中継輸送を導入することで、運行実数値を以下のように適正化できます。

比較項目 従来型長距離輸送(ワンマン) 中継輸送(バケツリレー方式)
1日の平均走行距離 500km以上(片道) 約250km(中間地点往復)
1日の平均運転時間 10時間以上(往復運行時) 約6〜7時間
1日の総拘束時間 15時間超(荷待ち・荷役を含む) 10〜12時間(基準値内)
休息期間の確保 社外(車中泊など)で9時間確保が限界 自宅で継続11時間以上を確保可能

このように、中継輸送への転換によって1日の拘束時間を12時間前後に収めることが可能となり、改善基準告示の各基準値をクリアできます。厚生労働省「職業安定業務統計」において、自動車運転の職業の有効求人倍率が全職業平均の約2倍と高水準で推移する中、「毎日自宅に帰れる」運行シフトへの転換は、ドライバーの離職防止や新規採用時のアピールにおいても有効な実務的手段となります。

中継輸送を成立させる3つの主要方式とそれぞれの特徴

中継輸送は、1人のドライバーが長距離を全行程運転するのではなく、輸送ルートの途中でドライバー、車両、または貨物を交代・変更することで、日帰り運行を可能にする輸送手法です。この仕組みを実務に落とし込むための代表的な運用パターンとして、「トレーラー交換方式」「ドライバー交代方式」「貨物積み替え方式」の3つが存在します。

自社が保有する車両アセット(単車かトラクターか)や、ドライバーの保有免許(大型免許か牽引免許か)、荷主から預かる荷姿によって、導入すべき方式は明確に異なります。それぞれの物理的な運行フローと、稼働に必要な設備・資機材の条件について解説します。

方式名 必要とされる主な資機材 中継点でのドライバーの動作 適した車両・荷姿
トレーラー交換方式 トラクター、シャーシ、スワップボディコンテナ ヘッド(トラクター)の連結・切り離し作業(約15分) トレーラー、ダブル連結トラック、コンテナ貨物
ドライバー交代方式 同等スペックの大型トラック(デジタコ等の共通化) 対面点呼、運行指示書の引き継ぎ、運転席の乗り換え 大型ウイング車(10t車)、中型車
貨物積み替え方式 フォークリフト、プラットホーム、パレット 荷下ろし、またはフォークリフトによる積み替え待ち パレット積み貨物、バラ積み貨物(要荷役人員)

トレーラー交換方式(スワップボディコンテナ・ダブル連結トラックの活用)

トレーラー交換方式は、貨物を積載したシャーシ(荷台部分)または脱着可能なコンテナを、中継地点で別のトラクター(牽引車)に繋ぎ替える方式です。トラクターヘッドを運転するドライバーは、中継地点に到着後、自車が牽引してきたシャーシを切り離し、別方向から走ってきたトラクターが牽引してきたシャーシに連結し直して、出発地へと引き返します。

この方式を成立させるためには、トラクターとシャーシが分離可能な車両構造であること、もしくは脱着式の荷台であるスワップボディコンテナ車が必要です。また、全長21メートルや25メートルに及ぶダブル連結トラックを活用する場合、中継スペースとして大型トレーラーが転回・留置できる十分な広さを備えた特設エリア(高速道路のサービスエリアや専用ターミナル)の確保が必須条件となります。

ドライバーの動きとしては、中継点での手荷役(荷物の積み下ろし)が一切発生しません。到着から、脚下ろし・カプラー解放・ブレーキホースの脱着・新たなシャーシの連結確認に至るまで、実作業時間は15分程度で完了します。そのため、ドライバーの身体的負荷を低減しながら、車両の稼働率を最大化させる運行モデルを作ることができます。


ドライバー交代方式(中継ポイントでの対面乗り換え)

ドライバー交代方式は、異なる拠点から出発した2名のドライバーが、中継地点(中間地点のサービスエリアや、提携する運送会社の営業所など)で合流し、お互いの車両を交換して元の出発地へ戻る方式です。車両(トラック)自体は目的地に向かって走り続けますが、運転するドライバーのみが中継地点でUターンする形になります。

必要な資機材は、特別な仕様のトレーラーではなく、一般的な単車(10tウイング車など)で対応可能です。ただし、スムーズな乗り換えを実現するためには、交代する2台の車両スペック(ETCコーポレートカードの運用ルール、デジタルタコグラフのメーカー仕様、車載器の設定など)が統一されている必要があります。運行管理上、中継点でのアルコールチェッカーによる対面点呼や、運行指示書の確実な引き継ぎを行うためのモバイル端末・通信環境も不可欠です。

具体的な運用例として、片道約400kmの東京・名古屋間(往復800km)の輸送を検討する場合、中間地点である静岡県内のサービスエリア(片道約200km、運転時間約3〜4時間)を中継ポイントに設定します。ここでドライバーが互いの運転席を乗り換えることにより、各ドライバーの拘束時間は移動時間と点呼を含めても1日あたり8〜9時間以内に収まり、日帰り運行が可能となります。これは、長時間労働の制限への対応において、既存の単車アセットをそのまま活用できるため、導入のハードルが最も低い方式と言えます。


貨物積み替え方式(中継拠点での荷物の積み替え)

貨物積み替え方式は、輸送経路の途中にある物流センターやデポ(中継拠点)に一度荷物を下ろし、別のトラックに荷物を積み替えて最終目的地へと輸送する方式です。前述の2方式とは異なり、車両やドライバーが移動するのではなく、「貨物そのもの」が動くのが最大の特徴です。

この方式を稼働させるには、中継拠点におけるハードウェアの整備が前提となります。具体的には、大型トラックが複数台接車できるバース(プラットホーム)、フォークリフト、パレット、そして一時的に貨物を保管・仕分けするためのスペースが必要です。手積み・手下ろしのバラ積み貨物の場合、積み替えに膨大な時間と人手がかかるため、貨物は基本的にパレット化(一貫パレチゼーション)されていることが運用の前提となります。

ドライバーの動きとしては、出発地から中継拠点まで走行し、自車に積んできた貨物を拠点内の指定バースに下ろします。その後、その拠点で別方面から運ばれてきた復路用の荷物を自車に積み込み、出発拠点へと戻ります。荷役作業は拠点のフォークリフトオペレーターが担当するか、ドライバー自身がフォークリフトで行うため、中継拠点における荷役のルール決めと、作業責任の所在(自主荷役か付帯作業か)をあらかじめ荷主・配送先と合意しておく必要があります。

中継輸送導入によるメリットと実務上の3大課題

労務管理の改善とコンプライアンス遵守がもたらすメリット

中継輸送の導入は、長距離輸送を複数のドライバーで分担することにより、日帰り運行を可能にします。これにより、ドライバーの労働環境の劇的な改善と法令遵守(コンプライアンス)が同時に実現します。

例えば、関東・関西間(片道約500km)の幹線輸送を1名のドライバーがワンマンで運行する場合、往復で1,000kmに達するため、現地での休息期間を含めて拘束時間は2日間で20時間を大きく超え、拘束時間制限の超過リスクが常に付きまといます。しかし、中間地点で折り返す運行計画に切り替えることで、1日あたりの走行距離を約250kmの往復(計500km)に半減できます。これにより、1日の拘束時間を11〜12時間程度に抑え、確実に日帰り運行を可能にします。

このように日帰り運行化が進むことで、ドライバー職の過酷な労働環境が解消されます。「毎日自宅に帰れる」という勤務条件を提示できるようになるため、子育て世代や女性、シニア層の採用率が向上します。実際に、週1回の夜間運行を日帰り運行に切り替えた事業者の場合、中途採用における応募者数が従来の3倍以上に増加する実績も出ています。

また、荷主企業にとっては、法令を遵守した持続可能な物流体制を構築することが、企業の社会的責任(CSR)の向上に直結します。法令違反による事業停止などの運休リスクを排除し、サプライチェーンの安定性を担保できる点も、中継輸送を導入する重要なメリットです。

導入を阻むコスト負担と運用管理上の3大課題

メリットが明確である一方、実務への導入にあたっては「コスト負担」「中継拠点の確保」「運行管理の複雑化」という3つの大きな課題が障壁となります。これらは各輸送方式の特性と深く結びついています。

まずコスト面では、交換用シャーシやスワップボディコンテナなどの高額な機材投資のほか、中継拠点(共同デポや高速道路のSA/PAなど)の追加利用手数料が発生し、事業者の資金繰りを圧迫します。

次に拠点確保においては、特に高速道路のSA・PAなどを活用する場合、大型車専用の駐車スペースが限られているため、到着時間がわずか15分ずれただけでも満車で駐車できず、路上駐車や遠方への移動を余儀なくされる「中継地での待機時間発生リスク」が日常的に発生します。民間の物流デポを共同利用する場合でも、深夜・早朝の入出庫制限や追加料金といった制約が課されることが多く、最適な立地の確保は容易ではありません。

さらに運行管理面では、複数台の車両が完全に同期して動くため、一方の渋滞や荷待ちによる遅延が全体の運行計画を瓦解させるリスクを伴います。特に「ドライバー交代方式」では、自社のトラックを提携する他社のドライバーが運転することになるため、事故発生時の損害賠償責任の所在や、車内清掃・燃料補給のルール策定など、運行管理上の極めて詳細な取り決めが求められます。

3大課題 関連する輸送方式 実務における具体的なボトルネック
コスト負担の増加 トレーラー交換方式 / 貨物積み替え方式 スワップボディコンテナ専用車両や予備シャーシの購入費用、中継拠点利用料の発生。
中継拠点の確保 全方式共通 高速道路SA・PAの大型車枠不足、中継地での待機時間発生リスク。
運行管理の複雑化 ドライバー交代方式 片方の遅延が全体の運行計画を瓦解させるリスク。事故時の責任区分や車両管理ルールの策定負担。

中継輸送の導入を成功させるには、こうした運行管理上の突発的な遅延リスクに対して、事前に予備の運行ルートを策定しておくことや、スワップボディコンテナなどの最新鋭の機材を導入するための費用対効果を、荷主企業を含めて事前に検証・合意しておく必要があります。一過性の取り組みに終わらせないため、事前の実務設計を精緻に行うことが導入成功の鍵となります。

国土交通省ガイドラインに基づく「中継拠点選定」と導入5ステップ

国土交通省(中継輸送推進協議会)のガイドラインに基づく中継輸送の導入は、長距離ドライバーの拘束時間削減とコンプライアンス遵守に向けた極めて有効な手法です。しかし、中継拠点の立地や設備の適正評価、またパートナー企業との実務的な合意形成を怠ると、運行効率の低下や予期せぬトラブルを招く要因となります。公的情報に準拠した、実務で機能する拠点選定基準と具体的な導入プロセスを説明します。

国土交通省の公的ガイドラインに見る中継拠点の選定要件

中継輸送を円滑に機能させるためには、採用する運行方式に応じた「中継拠点」の適切な選定が不可欠です。国土交通省の「中継輸送導入実務用ガイドブック」等では、中継拠点の選定基準として、単なる地理的な中間地点であることだけでなく、運行方式ごとの設備要件が明確に定義されています。

運行方式 立地・設備要件 必要なインフラ・面積 主な選定基準の理由
トレーラー交換方式 高速道路IC近隣の平坦な用地 大型トレーラーが転回・右左折可能な敷地、夜間照明、防犯設備 シャーシの連結・切り離しを安全に行うため、十分な作業スペースと舗装強度が求められるため。
スワップボディコンテナ方式 高速道路IC付近または共同利用型デポ コンテナの自立脚を固定できるコンクリート舗装、夜間作業用のLED照明 アスファルト舗装では夏期に自立脚が沈み込む危険があり、強固な基礎舗装が必要となるため。
ドライバー交代方式 中間地点のサービスエリア、PA、または民間駐車場 乗用車用の駐車スペース、乗務員用の仮眠室、シャワー設備 車両の移動はなく運転者のみが交代するため、交代要員の移動手段(乗用車)の確保と休息の質向上が必須であるため。
貨物積み替え方式 共同配送センター、自社・他社倉庫 プラットフォーム(ドックレベラー)、フォークリフト、雨天対応の荷下ろし軒先 荷物を手作業またはフォークリフトで移し替えるため、荷痛みを防ぐ全天候型の荷役環境が必須となるため。

この選定を誤ると、中継拠点内での待機時間の発生や、路面破損による事後コストの増大、周辺住民からの騒音苦情など、計画時のシミュレーションを覆す問題を引き起こします。例えば、15tクラスの車両が1日20往復するような広域中継拠点では、アスファルトの陥没を防ぐために設計荷重40t以上のコンクリート舗装が施された物流施設を選択することが、長期的な維持コストを抑制するための実務的な判断基準となります。

パートナー企業との合意形成から試験運行までの5ステップ

国土交通省のガイドラインが推奨する手順に基づき、実務における中継輸送の導入を成功に導くためのプロセスを5つのステップで解説します。これらは、複数企業間での共同運行や、自社の拠点間でのシャトル運行を体系的に構築するための標準手法です。

ステップ1:ターゲット路線の選定と運行データの分析
まずは自社の長距離運行ルートの中から、中継輸送化する効果が高い路線を抽出します。デジタルタコグラフから得られる過去1年間の運行実績データを分析し、片道の平均拘束時間が13時間を超えている路線を特定します。特に、荷待ち時間と高速道路の渋滞によって労働基準法の改善基準告示を遵守できていない路線が最優先のターゲットとなります。

ステップ2:中継方式の決定とパートナー企業の選定
自社のアセット状況に応じて、最適な中継方式を1つ選択します。スワップボディコンテナの導入には専用車両の購入などの設備投資が伴うため、投資回収期間(通常3〜5年)を考慮した予算策定を行います。同時に、運行の相手方となる共同運行パートナー企業(同業他社や協力会社)とのマッチングを行います。

ステップ3:運行スケジュールの設計と運行管理システムによる可視化
中継所での到着予定時刻と出発予定時刻を分単位で設計します。ここでは、運行管理システム(動態管理ツール)を用いて運行スケジュールをデジタル上で可視化します。各車両のGPSデータから、中継所への到着誤差が前後何分以内であれば連結作業に支障が出ないかをシミュレーションします。中継所での待機・作業時間は「30分〜60分以内」としてバッファを設定し、遅延が発生した際のリカバリー手順も事前にシステム上で定式化しておきます。これにより、法的なドライバーの労働時間規制(年間時間外労働960時間上限)や改善基準告示に準拠した運行計画を担保します。

ステップ4:合意形成と協定・契約書の締結
パートナー企業との間で、実務上の運用ルールおよび責任分担を明確にした「共同運行協定書」を締結します。合意形成すべき必須項目は以下の3点です。

  • 事故発生時の責任分担:中継拠点内、および中継後の運行中における貨物破損や車両接触事故の責任負担比率。
  • 遅延時の対応ルール:一方の車両が渋滞で1時間以上遅れた場合の、他方の待機限界時間(例:最大90分)とその後のキャンセル料金規定。
  • 運賃・費用の按分:中継拠点の使用料、高速道路料金、燃料費、および各社の運行労力に応じた運賃収入の分配比率(発地側運送会社と着地側運送会社での作業手間に応じた按分など)。

ステップ5:試験運行の実施と効果検証
合意した運行計画に基づき、まずは「週1〜2回」の頻度で2週間から1ヶ月程度の試験運行を実施します。試験運行中は、運行管理システムに記録される実走行データ、荷役作業時間、ドライバーの休息時間を毎日抽出し、計画値との乖離(ギャップ)を測定します。例えば、中継所でのトレーラー交換作業に計画上30分を想定していたところ、実際には暗所での作業や手戻りにより50分かかっていた場合、照明設備の増設や作業手順書の再整備という具体的な改善アクションを実行します。この5ステップにより、運行上のリスクが事前に可視化され、実運用開始後のトラブル発生率を大幅に低下させることができます。

自社への導入可否を判定する「中継輸送検討チェックリスト」

中継輸送の導入は、ドライバーの労働時間短縮に直結する一方で、運行ルートの設定やパートナー企業との連携など、事前にクリアすべき実務的条件が多数存在します。自社の運行便が中継輸送に適しているか、またどの方式を選択すべきかを判断するための具体的な診断基準を整理しました。長距離運行の持続可能性を高めるための検討材料としてご活用ください。

自社の運行ルート・貨物適性スクリーニングシート

中継輸送には主にトレーラー交換方式、ドライバー交代方式、貨物積み替え方式、そしてスワップボディコンテナを活用した方式があります。運行距離、荷姿、保有車両の特性から、自社に最適な手法をスクリーニングするための判定基準は以下の通りです。

判定項目 スクリーニング基準 適した方式 判断の理由と実務上の留意点
運行距離・時間 片道の運行距離が400km〜600km(拘束時間が13時間を超えるルート) ドライバー交代方式、トレーラー交換方式 中間地点(片道約200km〜300km)でドライバーが交代、またはシャーシを交換して引き返すことで、全行程日帰り運行が可能になります。
荷姿・積み替え負荷 パレット貨物(荷姿が均一で、フォークリフトによる荷役が可能なもの) 貨物積み替え方式 1車あたり30分以内で積み替えが可能な場合に有効です。手積みのバラ積み貨物は中継地での荷役時間が2時間以上かかり、拘束時間短縮の効果が相殺されます。
保有車両・設備 同一規格 of トラクターヘッドおよびシャーシを自社またはパートナー企業が保有 トレーラー交換方式 連結ピンやカプラの規格(高床・低床、電気配線のピン数など)が一致していれば、車両の乗り換えを伴わず、中継地でシャーシを切り離して連結するだけで運行を引き継げます。
初期投資の許容度 車両・コンテナへの投資予算(1台あたり数百万円規模)の確保が可能 スワップボディコンテナ方式 荷台(コンテナ)の脱着により、荷役分離とドライバーの交代を同時に実現できます。ただし、専用の脱着仕様車と複数台のコンテナを導入する初期コストが発生します。

例えば、仙台〜東京間(約350km)や、東京〜名古屋間(約350km)などの長距離ルートにおいて、中間地点の中継拠点で自社便同士またはパートナー企業の車両と合流し、シャーシの交換もしくはドライバーの乗り換えを行います。これにより、労働時間の上限規制(年960時間以内の時間外労働規制)の遵守と、乗務員の日帰り勤務の両立が実現します。

導入検討時に荷主・運送会社間で合意すべき項目一覧

中継輸送を実務に落とし込む際、単独での実施は難しく、荷主企業の協力や共同運行パートナーとの詳細な取り決めが不可欠です。運行を開始する前に必ず合意しておくべき5つの項目を以下に示します。

  • 中継地点における到着遅延時の待機ルール
    • 先行車が事故や渋滞で中継地(目安として予定時刻から30分以上)に遅れる場合、後続ドライバーの待機時間をどのように管理するか、また遅延連絡のルートを事前にマニュアル化します。後続ドライバーの拘束時間が制限を超えるのを防ぐため、一定時間以上の遅延時は運行を中止して翌日便に振り替えるなどのバックアッププランが必要です。
  • 貨物の破損・紛失時の責任分界点
    • 中継地点(特に貨物積み替えやトレーラー交換時)における貨物の外観チェック方法を規定します。交換時に「チェックシート」を用いて破損の有無を相互確認し、どの運行区間で破損が発生したかを明確にすることで、運送保険の適用や損害賠償の負担割合におけるトラブルを防ぎます。
  • 運賃・料金の按分方法と支払い基準
    • 1本の運行便(例:発地から着地まで)の運賃に対し、走行距離比率だけでなく、中継地での作業(積み替え作業や拠点の管理費用など)にかかる手間を考慮した公正な按分比率を決定します。中継地を所有・提供する側に加算される「施設使用料」の合意も必須です。
  • 荷主による出荷・受領時間の猶予(リードタイムの緩和)
    • 中継輸送の導入に伴い、中継地での連結・積み替え作業やドライバーの点呼・引き継ぎに約1時間〜1.5時間の追加時間が発生します。荷主企業に対しては、従来よりも出荷時間を1時間前倒しするか、着地への納品指定時間を後ろ倒しにする交渉を行い、運行スケジュールに現実的な余裕を持たせる必要があります。
  • 緊急時の運行引き継ぎ・代車手配フロー
    • 車両故障や急な体調不良が発生した場合に備え、代替のトラクターヘッドやドライバーを派遣する担当範囲を、中継地点を境界として「東側エリアは自社、西側エリアは共同運行パートナー」のように地理的に分割して決定しておきます。

これらの項目をあらかじめ契約書や「運行実施協定書」の形で書面化しておくことで、複数の運送会社が関わる運行であっても責任の所在が曖昧にならず、トラブル発生時も迅速な対処が可能となります。事前のルール設計こそが、中継輸送を一時的な取り組みで終わらせず、持続可能な運行体制として定着させるための鍵となります。

よくある質問(FAQ)

Q. 中継輸送(ちゅうけいゆそう)とは何ですか?

A. 中継輸送とは、1人のドライバーが長距離を走りきるのではなく、複数のドライバーでリレーのように分担して荷物を運ぶ輸送方式です。法改正による労働時間制限への対応策として注目されており、長距離運行を日帰り運行へと転換して労務環境を改善する目的があります。

Q. 中継輸送を導入するメリットは何ですか?

A. 最大のメリットは、ドライバーの拘束時間を短縮し、日帰り運行を可能にすることで労働環境を大幅に改善できる点です。これにより、改善基準告示などの法規制を遵守しながら長距離の輸送網を維持でき、ドライバー不足の解消や採用力強化にもつながります。

Q. 中継輸送のやり方(運行方式)にはどのような種類がありますか?

A. 主に3つの方式があります。コンテナ部分のみを交換する『トレーラー交換方式』、中継ポイントでドライバー自身が互いの車両を乗り換える『ドライバー交代方式』、拠点で荷物を別のトラックへ積み替える『貨物積み替え方式』があり、自社設備や貨物の特性に応じて選択します。

関連する物流用語

  • IT点呼
  • 積合(あいのり)
  • 一般貨物運送
  • 温度帯管理
  • 帰り便

関連する物流ツール

配車システム・TMSを、料金・機能・対象規模で比較。自社に最適な製品選びにお役立てください。

配車システム・TMS比較19選を見る
表示できるコメントはありません。

LogiShift

物流担当者と経営層のための課題解決メディア。現場のノウハウから最新のDX事例まで、ビジネスを加速させる情報をお届けします。

カテゴリー

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • マテハン・ロボット
  • サプライチェーン

もっと探す

  • ツール紹介
  • 海外トレンド
  • 事例
  • 統計分析
  • 物流用語辞典

サイト情報

  • 運営者情報
  • お問い合わせ
  • プライバシーポリシー
  • LogiShift Global
  • FinShift

© 2026 LogiShift. All rights reserved.