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Home > 物流用語辞典 > 輸配送> 特積み(特別積合せ貨物運送)

特積み(特別積合せ貨物運送)とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:特積み(特別積合せ貨物運送)とは、複数の荷主から集めた貨物を中継ターミナルで集約・仕分けし、拠点間を定期的なダイヤで混載輸送する仕組みです。一般的に「路線便」とも呼ばれます。
  • 実務への関わり:トラック1台を貸し切るチャーター便を使うほどではない小〜中ロットの荷物を、安価かつ安定したスケジュールで全国へ届けることができ、企業間(BtoB)物流のコスト抑制に大きく貢献します。
  • トレンド/将来予測:ドライバー不足や労働時間規制(2024年問題)に伴う運賃改定が進む中、実重量と才数(容積)計算の適正管理や、チャーター便との柔軟な使い分けによるコスト最適化が荷主企業に一層求められています。
目次
  • 特積み(特別積合せ貨物運送)の基礎知識と仕組み|路線便との違いや法的定義
  • 貨物自動車運送事業法における法的定義と「路線便」と呼ばれる理由
  • 荷物が届くまでの実務フロー(集荷・ターミナル仕分け・幹線輸送・配達)
  • 事業者に求められる許可要件と施設基準(営業所・積卸施設)
  • チャーター便・一般積合せ(合積み・相積み)との決定的な違い
  • 特積み vs チャーター便(貸切便):コスト・スピード・安全性の比較
  • 特積み vs 一般の積合せ(合積み・相積み):定期性と運行ルールの違い
  • 「合積み・相積み」の違いと「宵積み」など混同しやすい物流用語の整理
  • 特積みの料金体系と荷物制限|運賃コスト計算の仕組み
  • 「実重量」と「容積重量(才数換算)」による運賃計算のメカニズム
  • 特積みで断られる(または割増になる)荷物のサイズ・重量・形状制限
  • 【荷主向け】特積みとチャーター便の使い分け判断基準とコスト最適化
  • パレット数・重量・距離で選ぶ最適輸送手段の判断マトリクス
  • 労務規制や運賃改定が特積み運賃に与える影響と荷主のコスト対策
  • 自社に最適な輸送手段を選定するための実務チェックリスト
  • 荷姿・納期・コストから最適ルートを導く5つの確認項目

特積み(特別積合せ貨物運送)の基礎知識と仕組み|路線便との違いや法的定義

「特別積合せ貨物運送(通称:特積み)」とは、不特定多数の荷主から集めた貨物を中継拠点(ターミナル)で集約・仕分けし、拠点間を定期的なスケジュールで運行する輸送手段です。実務では「路線便」とも呼ばれ、企業間物流(BtoB)における基幹インフラとして機能しています。

1箱単位から数パレット程度の中小ロット荷物を遠隔地へ運ぶ際、トラック1台を占有する貸切便(チャーター便)を利用すると積載効率が下がり、荷物1個あたりの運賃が高騰します。一方で特積みは、同じ目的地や方向へ向かう複数の荷物を同一車両へ相積み・合積みすることで、輸送コストを分散・最適化できます。

貨物自動車運送事業法における法的定義と「路線便」と呼ばれる理由

旧道路運送法において、乗合バスと同様に指定区間を定期運行する「路線トラック事業」として定義されていた歴史的背景から、現在でも物流現場では「路線便」という通称が定着しています。その後、1990年の物流二法施行に伴い、制度上は貨物自動車運送事業法第2条第6項における「特別積合せ貨物運送」として再定義されました。

貨物自動車運送事業法における特別積合せ貨物運送の法的な定義要件は、以下の条件をすべて満たすものと規定されています。

  • 営業所その他の事業場において集荷した貨物の仕分けを行うこと
  • 集荷された貨物を積み合わせて他の事業場へ運送すること
  • 到着側の事業場において配達に必要な仕分けを行うこと
  • これらの事業場間における積合せ貨物の運送を「定期的に」行うこと

一般的な積合せ運送(不定期な混載便)や、集荷先で複数荷主の荷物を一時的に混載する手法とは異なり、特積みは「事前に設定された拠点間を、荷物の量の多寡に関わらず定期ダイヤで運行する」という法的・運用上の制約を受けます。この定期性により、荷主側は毎日決まった時刻に集荷・発送できる安定した物流ラインを維持できます。

荷物が届くまでの実務フロー(集荷・ターミナル仕分け・幹線輸送・配達)

特積みの輸送ネットワークは、中央の中継拠点と周辺の集配エリアを結ぶ「ハブ・アンド・スポーク型」で構築されています。発送元から受け取る荷物が最終目的地まで届く実務フローは、大きく4つのステップで構成されます。

  • ステップ1:集荷
    集配エリアを担当する小型・中型トラック(2t〜4t車など)が、各荷主の工場や倉庫を回って貨物を集荷します。出荷頻度の高い荷主に対しては、翌朝の集荷混雑を避けるために前日夕方に集荷を済ませ、車両にあらかじめ荷物を載せておく運用が組み込まれるケースもあります。
  • ステップ2:発ターミナルでの仕分け
    集荷された貨物は、地域の中継拠点である営業所(ターミナル)に持ち込まれます。ターミナル内では、全国各地の着ターミナルごとに荷物が自動ソーターやフォークリフトで高速仕分けされます。
  • ステップ3:幹線輸送(営業所間輸送)
    行き先別に仕分けられた小口貨物が大型トラック(10t車やトレーラー)に満載され、発ターミナルから着ターミナルへ向けて夜間を中心に営業所間輸送(幹線輸送)が行われます。あらかじめ組まれた運行ダイヤに基づき、定期便として長距離を移動します。
  • ステップ4:着ターミナル仕分け・配達
    着ターミナルに到着した貨物は、配達先の細かいエリアに再仕分けされます。最終的に地場の集配車に載せ替えられ、受取先の企業や指定納品先へ配達されます。

月間1,000件の小口出荷を処理する物流現場などの場合、この特積みフローを活用することで、自社で長距離トラックを直接手配することなく、毎日固定の時間枠で全国発送と着荷確認を完了させることが可能となります。

事業者に求められる許可要件と施設基準(営業所・積卸施設)

特別積合せ貨物運送を行う事業者は、一般的な一般貨物自動車運送事業の許可を得ているだけでなく、国土交通省が定める厳格な追加要件と施設基準を満たす必要があります。不特定多数の荷物を途切れなく安全に処理するためのインフラと運行管理体制が条件となるためです。

要件項目 法令・行政上の設置基準 実務上の機能と要求水準
積卸施設(ターミナル) 営業所または荷扱所に併設され、十分な取扱能力を有すること 単なる荷下ろしスペースではなく、荷捌き・仕分け・一時保管の3機能を有すること
運行系統および運行回数 起点と終点を結ぶ運行系統において、原則として1日1便以上の定期運行を行うこと 貨物量の変動に関わらず定期運行を維持できる安定した輸送需要と車両配置計画が必要
車両・交通安全対策 積卸施設に複数の事業用自動車が同時に停留でき、道路交通を阻害しない出入口を備えること 大型幹線の接触事故防止やターミナル周辺道路の渋滞を引き起こさない安全な敷地設計
積合せ貨物の管理体制 滅失・破損・紛失を防止するための管理体制および適切な損害補償能力を有すること バーコード検品システム等による追跡管理と、荷物事故発生時の賠償保険への加入

施設基準において特に重要な要素となるのが「積卸施設(荷扱い所)」の確保です。都市計画法や建築基準法などの関係法令に適合した敷地内において、大型トラックが複数台同時に着車できるバースと、大量の貨物を即座に仕分けるための広大な床面積を維持しなければなりません。この施設投資と運用管理の条件が存在するからこそ、特積み事業者は全国規模で安定した物流網を提供できています。

チャーター便・一般積合せ(合積み・相積み)との決定的な違い

特積み vs チャーター便(貸切便):コスト・スピード・安全性の比較

小口〜中口貨物の手配時に選択されやすい形式が「特積み(路線便)」と「貸切便(チャーター便)」です。特積みは複数荷主の貨物を1台のトラックに積載して営業所(ターミナル)を経由しながら運ぶ方式であり、貸切便は車両1台を特定の荷主が専有し、発地から着地まで直行(ドア・ツー・ドア)する輸送形式です。

比較軸 特積み(路線便) 貸切便(チャーター便)
コスト 小口〜中口で低コスト(重量・容積換算) 車両1台あたりの一括固定費(満載時に低単価)
配送スピード 定期運行ダイヤ(ターミナル経由による中継が発生) 最短(発地から着地へ直行)
荷物の安全性 ターミナルでの積み替えによる破損・誤配リスクに注意が必要 積み替えが一切なく荷傷み・誤配リスクが低い
柔軟性(指定・荷姿) 時間指定の制限や荷姿規格(サイズ・重量上限)がある 集配時間・特殊な搬入手順・異形物にも柔軟に対応可能

特積みの料金体系は、実際の重量または荷物の外形寸法から算出される換算重量と輸送距離に基づいて決定されます。関東から関西へパレット2枚分(重量約500kg〜1t程度)の製品を長距離輸送するような場面では、車両1台分の固定費が発生するチャーター便よりも特積みを利用する方が輸送料金を抑えられます。

反対に、大型トラックの荷台を満載にできる出荷量(パレット16枚程度)がある場合や、精密機器のようにターミナルでの自動仕分け・フォークリフト積み替えによる荷傷みを避けたい場合は、貸切便の手配が適しています。

特積み vs 一般の積合せ(合積み・相積み):定期性と運行ルールの違い

特積みと「一般の積合せ運送」の根幹の違いは、貨物自動車運送事業法に基づく「営業所間における定期的な運行」および「中継拠点(ターミナル)での仕分け機能」の有無にあります。

特積みは、集配エリア内で集荷した貨物を一度営業所に集め、他の営業所に向けて定刻に発車する幹線トラックで輸送します。この営業所間輸送は、集まった貨物の量の多寡にかかわらず、定められたスケジュールに沿って路線を走らせるルール(定時・定路線)で成り立っています。

一方で、一般の積合せ運送(スポットで行われる合積み・相積み)は、路線を持たない運送事業者が同じ方向に向かう複数の荷主の貨物を、自社のトラックの空きスペースに合わせて単発で組み合わせて運ぶ輸送形式です。

両者の実務上の違いは以下の3点に整理されます。

  • 運行の定期性:特積みは定められたダイヤで毎日定刻運行するのに対し、一般の積合せは荷物の集まり具合や配送ルートに応じて都度運行スケジュールが変動します。
  • 中継拠点の有無:特積みが「発地営業所〜着地営業所」の拠点を経由して系統的に積み替えるのに対し、一般の積合せは発地で複数箇所を集荷し、そのまま着地へ向かうか、拠点を介さずに直接配達先に届けるのが一般的です。
  • 運賃計算の標準化:特積みは公表された規定タリフに基づいて機械的に料金が決まりますが、一般の積合せはトラック荷台の占有率や時期に応じた個別交渉で運賃が決まる傾向があります。

毎日決まった時間帯に小口荷物をコンスタントに出荷するメーカーやEC事業者では特積みが適しており、月数回程度発生する大型資材の余剰スペースを活用したスポット配送などでは一般の積合せ運送が活用されます。

「合積み・相積み」の違いと「宵積み」など混同しやすい物流用語の整理

配車の手配や現場とのコミュニケーションにおいて混乱を生みやすい類似用語の定義を整理します。

まず、「合積み(あいつみ)」と「相積み(あいつみ)」に実務上の機能の違いはありません。同義の言葉であり、いずれも「1台の車両の荷台スペースを複数の荷主(または複数の出荷元)で共有して運ぶこと」を意味します。実務では「混載」も同義語として扱われます。

一方、「宵積み(よいづみ)」は積合せという輸送形態を指す言葉ではなく、作業のタイミングを指す用語です。翌日早朝の配送に間に合わせるため、出荷前日の夕方から夜間(宵のうち)にかけて倉庫側でトラックに荷物を事前積載しておく実務手順を指します。

「明日着の荷物を宵積みで手配してほしい」という指示は、前日夕方の積み込みという集荷タイミングの指定であり、輸送契約が特積みか貸切便かといった分類とは直接関係しません。用語の違いを正確に整理しておくことで、運送事業者への発注ミスや集荷時間・配送ルートをめぐるトラブルを防止できます。

特積みの料金体系と荷物制限|運賃コスト計算の仕組み

特別積合せ貨物運送(特積み)は、全国各地に展開された拠点を結ぶ定期的な営業所間輸送ネットワークを活用し、不特定多数の荷主から集めた荷物を仕分けて混載輸送する形態です。車両を1台丸ごと手配する貸切便に比べて小口・中口荷物のコスト削減に適している反面、他社の荷物と同一車内に合積みを行う構造上、独自の運賃算出基準や明確な荷物制限が存在します。

「実重量」と「容積重量(才数換算)」による運賃計算のメカニズム

特積みの料金体系は、荷物の実際の重さである「実重量(kg)」と、荷物の外寸体積から算出する「容積重量(才数換算kg)」を比較し、いずれか大きい方の重量(運賃適用重量)を採用する二段階のルールで計算されます。軽量だが容積が大きい荷物ばかりを積載するとトラックの荷台スペースが埋まり、輸送効率が低下することを防ぐ仕組みです。

日本国内の特積みにおいて、容積の計算には伝統的に「才(さい)」という単位が使用されます。1才は1辺が1尺(約30.3cm)の立方体を指し、容積換算すると約0.0278立方メートル(m³)です。輸送業界の一般的な才数換算ルールでは「1才 = 8kg」(または1m³ = 280kg)として重量に置き換えます。例えば、幅60cm×奥行50cm×高さ40cm(容積0.12m³)の段ボール箱を出荷する場合、才数は「0.12 ÷ 0.0278 ≒ 4.31才」となり、容積換算重量は「4.31才 × 8kg ≒ 34.5kg」として算出されます。

荷物の種類(出荷例) 実重量(kg) 容積換算重量(才数×8kg) 適用される運賃計算の重量
金属部品(小さく重い) 25.0 kg 8.6 kg(約1.08才) 25.0 kg(実重量を適用)
プラスチック容器(大きく軽い) 5.0 kg 34.5 kg(約4.31才) 34.5 kg(容積重量を適用)
アパレル段ボール箱(標準的) 12.0 kg 14.4 kg(約1.80才) 14.4 kg(容積重量を適用)

梱包資材の空洞が大きい場合、容積重量が膨らみ余計な運賃が発生する原因となります。緩衝材の過剰投入を抑え、外箱のサイズダウンを図ることが特積みのコスト削減において有効な対策となります。

特積みで断られる(または割増になる)荷物のサイズ・重量・形状制限

特別積合せ貨物運送では、営業所や大型ターミナルにおいて自動仕分け機やベルトコンベア、フォークリフトを用いて荷役作業を行います。また、深夜の幹線運行に合わせた事前積載(宵積み)作業が規則正しく組まれています。そのため、ターミナル設備や輸送車両の標準規格から外れる荷物は、引き受け不可や割増料金の対象となります。

制限項目・対象品目 具体的な限界値・特徴例 特積みでの制限理由・料金への影響
長尺物(長物) 長さ2.0m〜3.0mを超える建材・パイプ類 ターミナルの仕分けコンベアや荷台の収容効率を阻害。長尺割増の発生や受取拒否。
超重量物・単体重量物 1個口で50kg超、パレット1枚で1t超の機器 手作業での仕分け不可、フォークリフトの軸重制限オーバー。重量物割増の適用、またはチャーター便への誘導。
危険物・有毒物 消防法該当品、高圧ガス、劇物・放射性物質 混載時の他商品への引火・汚損リスクおよび法令による混載規制。原則引受不可。
精密機械・易損品 医療機器、電子計算機、裸の楽器や家具 ターミナルでの複数回の積卸による破損リスク。易損品割増の加算、または木枠梱包必須。

長尺物や2メートルを超える大型梱包品の場合、特積み事業者からは「営業所止め(荷主自身による引き取り)」を条件とされるか、または貸切便や集荷拠点から直接届ける混載便への変更を求められます。また、繁忙期においては標準規格外荷物の受託制限が厳格化されます。

【荷主向け】特積みとチャーター便の使い分け判断基準とコスト最適化

出荷物のボリュームや納期条件に応じて「特積み」と「貸切便」を正しく使い分けることが、物流コストと配送品質の適正化につながります。特積みは不特定多数の荷主の貨物を集荷し、営業所で仕分けてから幹線トラックで運ぶ仕組みのため、少量・小口の荷物を低コストで運べる強みを持っています。

パレット数・重量・距離で選ぶ最適輸送手段の判断マトリクス

特積みの料金体系は、実際の荷物重量と外寸サイズから換算する容積換算重量(一般的に1立方メートル=280kg)の大きい方を基準に計算される従量制です。これに対して貸切便はトラック1台あたりの固定運賃となるため、荷物を荷台いっぱいに積載するほど1個あたりの輸送単価が安くなります。

輸送条件 特積み(特別積合せ) 合積み(相積み)便 貸切便(チャーター便)
パレット数目安 1〜2パレット(小口〜中口) 3〜6パレット(中ロット) 7パレット以上(大口)
出荷重量目安 500kg未満 500kg〜2,000kg程度 2,000kg以上(車両単位)
料金体系の仕組み 実重量・容積の換算重量制 占有エリア(立方メートル・枚数)制 車両1台あたりの固定貸切制
納期・時間の柔軟性 定期便ダイヤ(時間指定制限あり) 混載ルート(配送時間幅あり) 指定日時に直行・時間指定可能

1回あたりの発送が段ボール15箱(総重量200kg前後)の場合、貸切便を手配すると2トン車で約4万〜5万円の費用が発生しますが、特積みを利用すれば1万5,000円前後に抑えられます。しかし、出荷量がパレット(1,100mm角)で7枚(総重量約2.5トン以上)を超えると、特積みの換算重量運賃は貸切便の固定料金を上回るため、貸切便へ切り替えることで1配送あたり約15〜20%のコスト削減が見込めます。

また、3〜6パレット前後の中ロット貨物は、特積み事業者から荷替えに伴う破損リスクや積載枠占有を理由に引き受け拒否や割増料金適用となるケースがあります。この領域では、同一方向へ向かう他社貨物と荷台を共有する「合積み」やパレット便を活用する方がコストパフォーマンスが高くなります。

労務規制や運賃改定が特積み運賃に与える影響と荷主のコスト対策

ドライバーの時間外労働上限規制の適用や適正運賃の収受に向けた規制強化に伴い、特積み事業者の基準運賃改定や引き受け条件の厳格化が進んでいます。2メートルを超える長尺物、1トンを超える重量物、手積み・手降ろしを前提としたバラ積み貨物に対しては、割増料金の適用や集荷断りが相次いでいます。

輸送コストの上昇を抑制しつつ適切な配送枠を確保するために、以下の3つの運用改善が有効です。

  • 手積みから標準パレット化への移行による荷役時間短縮: JIS T11型などの標準パレットに荷姿を統一し、フォークリフト荷役に全面移行することで荷役時間を削減します。待機料金の発生を防ぎ、優遇運賃交渉の材料として活用できます。
  • 出荷前日準備(宵積み)と集荷負荷の平準化: 当日夕方の集荷ピーク時間を避け、前日夕方に荷物をトラックへ積み込んでおく「宵積み」を活用し、幹線便への積み込みタイミングを最適化します。また、週後半に偏りがちな出荷日を分散・平準化します。
  • 長距離輸送のモーダルシフトと共同配送の運用: 500kmを超える長距離幹線輸送において、特積み便の区間をフェリーや鉄道貨物へ切り替えるモーダルシフトを推進します。あわせて、近隣荷主との同一方向への共同配送網を構築します。

従来の当日夕方集中出荷を取り止め、宵積みの導入とフェリーを用いたモーダルシフトへ切り替えた製造拠点の実践例では、全社的な運賃上昇局面においても年間輸配送コストの増加率を低水準に抑制し、安定した配送枠の確保を維持しています。

自社に最適な輸送手段を選定するための実務チェックリスト

出荷手配を行う際、特積み、貸切便、合積みのいずれを選択すべきかは、客観的な数値と配送条件に基づいて決定することが求められます。特積み(路線便)と貸切便(チャーター便)では運賃の算出方式や運行プロセスが大きく異なるためです。

荷姿・納期・コストから最適ルートを導く5つの確認項目

物流担当者が配車計画や見積もり手配を行う際は、以下の5つの確認項目に沿って判断を行います。

  • 項目1:荷姿・サイズ・換算重量の確認
    才数換算ルール(1才=8kg換算など)に基づき、実重量と容積重量のどちらが適用されるかを算出します。2tトラックの積載容量を超える量(パレット5〜8枚以上)や長尺物の場合は、貸切便の車建料金と比較します。
  • 項目2:納品時間指定とリードタイムの厳格さ
    特積みは営業所間輸送の定期ダイヤで運行するため、「午前9時必着」などの厳格な時間指定には対応できない場合があります。時間指定が厳格な場合や、前日夕方に荷物を積み込み翌朝一番で納品先へ直行させる「宵積み」が必要な場合は貸切便を選択します。
  • 項目3:配送コストと積載効率のバランス
    1台を満車にできないものの、特積みで運ぶと容積換算で割高になる中規模ロット(パレット2〜4枚程度)の場合、一般の積合せ運送(合積み)を検討します。
  • 項目4:荷物の破損リスクと梱包状態
    特積みはターミナルでの積み替えやマテハン機器・フォークリフトによる荷扱いが複数回発生します。精密機械や裸の金属部材など、破損リスクが高い荷物は積み替えのない貸切便を選択するか、木枠梱包を徹底します。
  • 項目5:集配地域のネットワークと発送頻度
    全国の取引先へ小口荷物を分散発送する場合、特積み事業者のネットワークが強みを発揮します。月間数百件規模の小口出荷を分散地域へ送る場合、路線便の定期集配契約を結ぶことで手配工数と拠点の管理コストを削減できます。
選定の観点 特積み(路線便) 貸切便(チャーター便) 合積み(相積み)
サイズ・重量 小口〜中口(段ボール1箱〜パレット1〜2枚程度)。実重量と容積重量の大きい方を適用。 大口・重量物(2t・4t・10t車満載、パレット5枚以上)。トラック1台単位の車建運賃。 中規模ロット(パレット2〜4枚前後)。貸切車の一部のスペースを占有。
納品条件・時間指定 日付指定は可能だが、細かな時間指定は対応不可または割増。 発着時刻の完全指定が可能。「宵積み」からの早朝直行便にも対応。 到着ルートの制限があるため、おおまかな時間帯指定に限定。
予算・コスト構造 荷物1個・1パレット単位のタリフ計算。小口発送ほど単価が安価。 距離・時間に基づく車両1台あたりの定額運賃。大量輸送時のスケールメリットが大きい。 チャーター料金の割り勘(占有スペース比率)。中規模ロットの単価抑制に有効。
破損リスク・梱包 ターミナルでの積み替えが複数回発生。厳重な段ボール梱包やパレット梱包が必須。 積込みから納品まで積み替えなし。精密機器や簡易梱包の荷物でも安全性が高い。 他社荷物と同乗するが積み替え回数は最小限。接触事故防止の仕切りや固定が必要。

例えば、パレット3枚分の建材を翌日午前8時に建設現場へ届ける場合、特積みでは時間指定が難しく積み替えリスクがあるため、合積みで時間調整を行うか、貸切便で前日夕方に宵積みを行い現地へ直行させる選択が適しています。荷姿・納期・コスト・破損リスクの4観点を基準化しておくことで、客観的な輸送手段の最適選定が可能になります。

よくある質問(FAQ)

Q. 特積み(特別積合せ貨物運送)とは何ですか?路線便との違いも教えてください。

A. 特積みとは、不特定多数の荷主の貨物を集め、ターミナルで仕分けして幹線輸送する配送の仕組みです。一般に「路線便」とも呼ばれ、実質的に同じ意味で使われます。トラック1台を貸し切るチャーター便と異なり、複数荷主の小口貨物を混載して定期運行するため、輸送コストを大幅に抑えられるのが特徴です。

Q. 特積みとチャーター便(貸切便)の違いは何ですか?

A. 主な違いは運賃コストと車両の占有性です。特積みは複数荷主の貨物を混載して定期運行するため、小・中口の荷物を安く配送できます。一方、チャーター便はトラック1台を貸し切って直送するため、大口貨物や時間指定・壊れやすい荷物に適していますが、コストは高くなります。出荷量や納期に応じて使い分けるのが一般的です。

Q. 特積みの運賃はどのように計算されますか?

A. 特積みの運賃は「実重量(実際の重さ)」と「容積重量(荷物の寸法から算出した換算重量)」を比較し、数値が大きい方が適用されます。容積重量は一般的に「1才(約0.028㎥)=8kg」の基準で換算されます。そのため、実際の重量が軽くても、かさばる荷物は容積重量が採用され運賃が高くなる仕組みです。

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