- キーワードの概要:GTINは、国や流通ルートを超えて商品を世界中で一意に特定するための共通コード体系です。日本で使われているJANコードや欧州のEANコードなどもGTINの規格内に含まれます。
- 実務への関わり:ECサイトや物流倉庫のシステムで正確な在庫管理や誤出荷防止を実現するために欠かせません。また、Amazonなどの大手モールではコードの照合が厳格化されており、適切な取得・運用が必要です。
- トレンド/将来予測:2026年から2027年に向けて従来の1次元バーコードから情報量の多いGS1 2Dバーコード(GS1デジタルリンク)への移行が進んでおり、自社システムやパッケージの改修が求められています。
GTIN(Global Trade Item Number)は、国や流通チャネルを超えて商品を一意に識別するための世界共通コード体系です。ECモールの拡大や物流拠点の自動化が進む中、JANコードやUPCなどの既存規格をGTINの体系内で正しく統合・管理する実務の重要性が高まっています。本記事では、GTINの基本構造からGS1事業者コードの取得・運用、Amazonでの厳格なコード照合への対応、さらには次世代のGS1 2Dバーコード移行への備えまで、物流・EC実務者が押さえるべきポイントを体系的に解説します。
- GTINとJAN・EAN・UPCの違いとは?コード体系とチェックデジットの仕組み
- GTINとJAN/EAN/UPCの用語対照表と利用地域・桁数
- チェックデジット(検査数字)の算出ロジックと計算ミスを防ぐポイント
- GS1事業者コード(GTIN/JAN)の取得手順と必要な費用・発行期間
- GS1 Japanへの申請ステップと必要書類
- 【年商別費用表】登録管理料の目安と申請からコード交付までのスケジュール
- Amazon出品時のGTIN運用ルールとGS1データベース照合に伴うリスク対策
- AmazonセラーセントラルとGS1(GEPIR等)のデータベース照合ルール
- FNSKU(Amazon専用ラベル)とJANコード(混合在庫)の物流運用比較
- Amazon『製品コード免除申請』の手順と商品画像要件
- 製品コード免除申請が適用できるカテゴリー・条件の整理
- 商品画像要件(合成不可・印字位置)とエラー対処法
- 【2026-2027年動向】GS1 2Dバーコード移行と自社EC・WMS連携の実務チェックリスト
- GS1デジタルリンク(2Dコード)導入に伴うパッケージ・システム変更点
- GTIN取得からAmazon出品・物流システム連携までの実務実装チェックリスト
GTINとJAN・EAN・UPCの違いとは?コード体系とチェックデジットの仕組み
GTINとJAN/EAN/UPCの用語対照表と利用地域・桁数
GTIN(Global Trade Item Number)は、国際標準化機関GS1が定めた商品識別コードの総称です。日本国内で親しまれている「JANコード」や、欧州で普及している「EANコード」、北米で広く使われる「UPCコード」は、すべてGTINの規格体系に含まれる地域ごとの呼称や下位分類にあたります。実務においては、これらを個別の規格としてバラバラに捉えるのではなく、「GTINという世界共通フォーマットの枠組みの中にJANやUPCが存在する」と理解することが基本となります。
各コードは桁数と利用目的によって以下のように分類されます。本記事では日本国内のビジネス実務に合わせて、以降の基幹コードをGTIN(JANコード)と表記します。
| GTINの呼称 | 地域別コード・名称 | 主な利用地域・用途 | コードの構成要素 |
|---|---|---|---|
| GTIN-13 | JANコード(標準)/ EAN-13 | 日本・欧州・アジア(一般消費財の単品識別) | GS1事業者コード(9桁/7桁) + 商品アイテムコード + チェックデジット |
| GTIN-8 | JANコード(短縮)/ EAN-8 | 日本・欧州(筆記具や化粧品など表示面積が狭い商品) | GS1事業者コード(6桁) + 商品アイテムコード + チェックデジット |
| GTIN-12 | UPCコード(UPC-A) | 北米(米国・カナダの小売商品識別) | UPC事業者コード + 商品コード + チェックデジット |
| GTIN-14 | 集合包装用商品コード(ITFコード等) | グローバル(段ボール箱・ケース単位の流通識別) | インジケータ + GTIN-13/12の一部 + チェックデジット |
ECモールや物流倉庫のWMS(倉庫管理システム)に商品を登録する際、入力フォーマットとして「GTIN」が求められるケースが増加しています。例えば、JANコード(13桁)を14桁指定のシステムに入力する場合、先頭に「0」を付与して「049…」と補完することでGTIN-14互換として処理されます。こうしたコード体系の同一性を把握しておくことで、システム間連携でのデータ不整合を回避可能です。
チェックデジット(検査数字)の算出ロジックと計算ミスを防ぐポイント
GTIN(JANコード)の最末尾に配置されている1桁の数字は、バーコード読み取り時のエラーや手入力ミスを自動検知するためのチェックデジット(検査数字)です。国際標準規格(JIS X 0507)により「モジュラス10・ウェイト3・1」というアルゴリズムで算出することが定められています。
13桁のGTIN-13(JANコード標準)を例に、チェックデジット(末尾13桁目)を算出するロジックは以下の手順で計算します。
- 手順1(ウェイトの乗算): チェックデジットを除く先頭から12桁目の数字(右端)から左方向に向かって、交互に「3」と「1」のウェイト(重み)を掛け合わせます。位置として奇数桁(右から1、3、5、7、9、11番目)には「3」、偶数桁(右から2、4、6、8、10、12番目)には「1」を掛けます。
- 手順2(総和の算出): 乗算したすべての値を足し合わせ、合計値を算出します。
- 手順3(余りの算出): 合計値を「10」で割り、その余り(剰余)を求めます。
- 手順4(補数の算出): 「10」からその余りを引いた数値がチェックデジットになります(余りが「0」の場合はチェックデジットも「0」)。
自社基幹システムやWMSに商品コードを登録する際、チェックデジットの計算ミスや打ち間違いが発生すると、バーコードリーダーでのスキャンエラーや出荷停止を引き起こします。月間3,000件以上の商品データを更新するEC事業者や3PL企業では、手計算ではなくシステム側で自動検証・算出する仕組みを組み込んでおく体制が安全です。
実務で計算ミスや登録トラブルを最小化するための具体的施策として、以下の3点が挙げられます。
- Excelや基幹システムでの自動計算ロジック実装: ExcelであればMOD関数やSUMPRODUCT関数を組み合わせて、入力された12桁から自動的に正しいチェックデジットを算出・結合する数式を設定します。手入力による打ち間違いを根本から排除可能です。
- GEPIR(GS1企業検索ポータル)での事前照合: 仕入れ品やOEM商品のGTIN(JANコード)を入力する際は、GS1が提供する国際データベース「GEPIR」でコードを照会し、登録済みのGS1事業者コードおよび事業者名と整合しているか事前に確認を行います。
- ECモールでの出品形態に応じたコード識別: Amazon等のモール出品において、自社オリジナルブランド品などでコードが存在しない場合は、誤ったコードを入力せずAmazon製品コード免除を申請する手続きをとります。また、自社倉庫から納品する際にAmazon専用の識別番号であるFNSKUを使用する場合でも、元となるGTIN(JANコード)とのデータ紐付けが正しく行われているかを事前に照合することで在庫トラブルを防ぎます。
GS1事業者コード(GTIN/JAN)の取得手順と必要な費用・発行期間
商品に付与するGTIN(JANコード)を自社で発行・管理するためには、まず国内唯一の管理機関である「一般財団法人GS1 Japan」から自社専用のGS1事業者コード(9桁または10桁の事業者識別番号)の貸与を受ける必要があります。
GS1 Japanへの申請ステップと必要書類
GS1事業者コードの新規申請には「インターネット申請」と「郵送申請(書面申請)」の2種類の手順が存在します。現在、実務においては手続きの簡便さと発行スピードの速さから、多くの事業者がインターネット申請を選択しています。
インターネット申請における具体的な手順と準備すべき書類は以下の通りです。
- ステップ1:GS1 Japanポータルでの初期登録とフォーム入力
GS1 Japanの公式ウェブサイトにアクセスし、連絡用メールアドレスを登録します。届いた申請用URLからログインし、事業者名(法人名または屋号)、本社所在地、代表者情報、事業内容、直近の決算期における事業者全体の年間売上高を入力します。 - ステップ2:身元確認書類のアップロード
申請事業者の実在性を確認するため、確認書類の電子ファイル(PDFまたは画像データ)を添付します。法人の場合は発行から3ヶ月以内の「履歴事項全部証明書(または登記事項証明書)」、個人事業主の場合は税務署の受付印がある「直近の確定申告書控え」や「個人事業開業届出書」の控えが必要です。 - ステップ3:登録申請料のお支払い
申請データ送信後、GS1 Japanから届く支払案内メールに従い、登録申請料(初期申請料+登録管理費)を支払います。決済方法はペイジー(Pay-easy)、主要コンビニエンスストア決済、銀行振込から選択可能です。 - ステップ4:コード交付と登録通知書の受領
入金が確認されると、通常1〜3営業日以内に「GS1事業者コード交付完了」の電子メールが届き、貸与されたコード番号(9桁または10桁)が通知されます。後日、公式証明書となる紙の「GS1事業者コード登録通知書」が郵送されます。
一方の郵送申請を行う場合は、商工会議所やGS1 Japanから事前に無料の案内冊子「はじめてのバーコードガイド」を取り寄せ、巻末の紙申請書に手書きで記入したうえで、受領証のコピーを添付して郵送します。書類の往復作業や担当者による目視確認が発生するため、インターネット申請に比べて手続き完了まで日数を要します。
交付されたGS1事業者コードと登録事業者情報は、GS1が運用する国際的なデータベース「GEPIR(Global Electronic Party Information Registry)」や国内の「GS1 Japan Data Bank」に即座に登録されます。Amazonなどの大手ECモールでは、出品時に入力されたGTINが正しい所有者によって発行されているかを、GEPIRのデータベースと自動照合して審査を行っています。
【年商別費用表】登録管理料の目安と申請からコード交付までのスケジュール
GS1事業者コードの取得および維持には、登録申請料が必要です。この費用は「初期申請料」と「登録管理費」の合算であり、事業者の総年間売上高と支払い年数(1年払いまたは3年払い)によって区分されます。
初回申請時に選択されることが多い「3年払い」および「1年払い」における概算費用と、申請手段ごとのコード交付スケジュールの目安を以下に示します。
| 年間売上高区分 | 登録申請料(3年分・税込) | 登録申請料(1年分・税込) | 交付までの所要日数 |
|---|---|---|---|
| 1億円未満(小規模EC・個人事業主) | 約27,500円 | 約16,500円 | ネット:1〜3営業日/郵送:約10日〜2週間 |
| 1億円以上〜10億円未満(中小メーカー) | 約42,900円 | 約25,300円 | ネット:1〜3営業日/郵送:約10日〜2週間 |
| 10億円以上〜100億円未満(中堅事業者) | 約90,200円 | 約50,600円 | ネット:1〜3営業日/郵送:約10日〜2週間 |
| 100億円以上(大手製造・流通業者) | 約136,400円〜 | 約80,300円〜 | ネット:1〜3営業日/郵送:約10日〜2週間 |
インターネット申請を利用してコンビニ決済やペイジーで即時支払いを済ませた場合、最短で即日〜翌営業日、遅くとも3営業日以内にはコードが交付され、即座に商品アイテムコードの設定作業へ移行できます。新商品の発売日やECモールへの出品期日が迫っている場合は、インターネット申請を選ぶのが合理的です。
コード交付後、パッケージや商品ラベルへバーコードを印刷・表示する際は、印刷不備による読み取りエラーを防ぐため、以下の技術仕様に留意してください。
- 印刷サイズと倍率制限(80%の壁): JANシンボルの基本寸法(1.0倍)は横37.29mm×縦25.93mmです。JIS規格(JIS X 0501)により、縮小・拡大の範囲は0.8倍(横29.83mm)〜2.0倍までと定められています。デザインの都合で80%未満に過度な縮小を行うと、ハンディスキャナーでのスキャンエラーを引き起こします。
- クワイエットゾーン(左右余白)の確保: バーコードの左右には、光学スキャナーがコードの開始と終了を認識するための無印刷領域「クワイエットゾーン」(左側最小2.31mm、右側最小1.65mm)が不可欠です。余白部分に文字やアイコンを配置したり、裁断線にかかる位置へ配置したりすることは厳禁です。
- スキャナーの光学特性とコントラスト比(PCS値): 一般的なバーコードスキャナーは「赤色レーザー光」を発して反射率を読み取ります。スキャナーの構造上、赤色光は赤・ピンク・オレンジ色を「地(白)」と判定するため、バーの色に赤系インクを使用すると読み取り不能になります。「白地に黒バー」「白地に濃紺バー」など、光学コントラスト比(PCS値)が高い組み合わせを設定します。
Amazon出品時のGTIN運用ルールとGS1データベース照合に伴うリスク対策
AmazonセラーセントラルとGS1(GEPIR等)のデータベース照合ルール
Amazonセラーセントラルで新規商品(ASIN)を登録する際、入力されたGTIN(JANコード、EANコード、UPCなど)は、単にコード末尾のチェックデジットが計算上正しく並んでいるかを検証するだけではありません。Amazonのシステムは、国際本部および各国GS1が管理するデータベース(GEPIRやGS1 Registry Platform)とリアルタイムで照合を行う仕組みを採用しています。
この照合プロセスでは、GTINに含まれるGS1事業者コードの所有者情報(事業者名)と、出品者がAmazonに入力した「ブランド名」または「メーカー名」の一致が厳格に検証されます。第三者から購入した未承認のコードや、GS1データベース上の事業者名とAmazon上のブランド名が異なるコードを使用した場合、即座に「無効なGTIN(Invalid GTIN)」エラーが検出されます。
照合エラーが発生した場合、単に出品手続きが中断されるだけでなく、以下の懸念が生じます。
- ASINの削除・カタログ抹消: 審査によって無効と判断されたコードに紐づく商品ページは即座に非表示処理が実行されます。
- 新規ASIN作成権限の制限: 不正なコードの使用を繰り返すと、アカウント全体の新規商品登録機能が一時的または永久にブロックされます。
- FBA在庫の受入停止と返送コスト: 該当ASINですでにフルフィルメントセンター(FC)へ納品された在庫は販売不可(Unfulfillable)となり、返送または廃棄の対応を迫られます。
こうしたリスクを回避するためには、自社で独自商品を展開する場合、GS1 Japan等の正規機関からGS1事業者コードを取得し、GS1のデータベース(GEPIR等)に正確な企業名およびブランド名を登録する運用が求められます。一方、OEM製品やノベルティグッズなど独自の事業者コードを持たない場合は、無理に不整合なコードを使用せず「Amazon 製品コード免除」の手続きを事前に申請することが適切な対応となります。
万が一、正規のGTINを使用しているにもかかわらず不一致エラーが発生した場合は、GS1から発行された「GS1登録証明書」のPDFデータと、ブランド所有者との取引関係を示す書類(ライセンス契約書やメーカーの公式発表資料など)を揃え、Amazonテクニカルサポートへ異議申し立てを行うことで出品権限を復旧可能です。
FNSKU(Amazon専用ラベル)とJANコード(混合在庫)の物流運用比較
Amazon FBA(フルフィルメント by Amazon)へ商品を納品する際、物流現場では商品を識別するために「FNSKU(Amazon専用ラベル)」を貼付して管理するか、「メーカーのバーコード(JANコード/UPC/EANなど)」を利用するかを選択する必要があります。
従来利用されていた「混合在庫(FBAバーチャル追跡)」は、メーカーバーコードのみで納品された同一商品を、異なるセラー間でも共通在庫として倉庫内で一括管理する仕組みでした。しかし、他セラーが納品した不良品や偽物が自社購入者へ発送されるリスクが考慮され、混合在庫プログラムは2026年3月31日をもって終了しました。現在はブランド登録を行っていない再販事業者はFNSKUの貼付が必須となり、メーカーバーコードのみで納品できるのはAmazonブランド登録を完了しているブランド所有者に限定されています。
| 管理方式 | 適用対象 | 物流作業(貼り替え工数) | 在庫管理リスク・品質保証 |
|---|---|---|---|
| FNSKU(Amazon専用ラベル) | 再販事業者、およびブランド未登録の出品者 | 商品ごとに元々のJANコードを完全に覆い隠す形で「X00」から始まる専用ラベルを貼付する作業が発生。 | 自社がFBAに納品した在庫のみが厳密に区別されて出荷されるため、他社在庫の不具合に巻き込まれるリスクを排除できる。 |
| メーカーバーコード(JANコード等) | Amazonブランド登録済みのブランド所有者のみ | パッケージ印刷済みのJANコードをそのまま読み取るため、出荷前のラベル貼り替え作業が不要。 | 自社管理の純正在庫のみが発送される。ただし、出荷・入庫時のバーコード読み取り精度(印刷かすれや位置)の厳格な管理が必要。 |
月間5,000個の商品をFBAへ納品する3PL倉庫の現場を想定した場合、FNSKUラベルの貼付作業には1個あたり約10〜15秒の工数がかかります。これは月間で約14〜20時間に相当する手作業が発生することを意味します。専用ラベルを貼る際は、既存のJANコードやチェックデジットが印刷されたバーコード領域を完全に隠すように貼らなければ、Amazon倉庫での入庫時スキャンエラー(受入拒否)の原因となります。
物流責任者やEC管理担当者は、自社が「ブランド所有者」としてメーカーバーコード納品が可能な条件を満たしているかを整理し、FNSKU貼付にかかる倉庫作業コストと品質管理リスクのバランスを考慮した運用設計を行う必要があります。
Amazon『製品コード免除申請』の手順と商品画像要件
Amazon出品において、GTINが付与されていない商品を新規登録する際の公式な代替ルートが「Amazon 製品コード免除」申請です。通常、商品流通における誤読や重複を防ぐため国際標準コードの入力が求められますが、規定の条件を満たすことでコードなしでの新規ASIN作成が可能になります。
製品コード免除申請が適用できるカテゴリー・条件の整理
Amazonでは原則として全商品へのGTIN付与を義務付けていますが、独自のプライベートブランド(PB)商品やノーブランド品など、構造的にコードが存在しない商品に対して免除措置を設けています。申請が認められる主な適用区分と条件は以下の通りです。
| 免除対象区分 | 対象商品の具体例 | 申請の適用可否 | 実務上の確認・注意点 |
|---|---|---|---|
| 自社ブランド品(OEM/ODM) | 自社で企画・製造したオリジナル商品、ハンドメイド品 | 適用可能 | 商品またはパッケージにブランド名が恒久的に印字されていること |
| ノーブランド品 | 特定のブランド名を持たない汎用アクセサリやパーツ類 | 適用可能 | ブランド名フィールドに「ノーブランド品」または「Generic」を指定する |
| オリジナルセット品 | 複数メーカーの既製品を組み合わせた独自の同梱商品 | 適用可能 | 構成品それぞれにGTINがあってもセット全体として免除を申請する |
| 既存GTINが存在する商品 | GS1登録済みのメーカー既製品や流通品 | 適用不可 | GEPIR等のGS1データベースで検索可能なJANコード/EANコードを使用する |
免除申請が承認されると、GTINの入力なしで商品登録(ASIN発行)が行えます。ただし、Amazon FBAを利用して自社倉庫や3PLからFBA倉庫へ納品する場合は、GTINバーコードの代わりにAmazon専用の識別バーコードであるFNSKUラベルを自社で印刷し、商品1点ごとに貼付して出荷する手順となります。
商品画像要件(合成不可・印字位置)とエラー対処法
製品コード免除申請において、審査否認の主な要因となるのが「提出画像データの不備」です。Amazonの審査チームは、提出された画像が実際の現物商品であるか、およびブランド表記が正しく行われているかを厳格に確認しています。
審査をスムーズに通過させるための撮影要件は以下の3点です。
- CG・合成画像の不可(実写撮影): CADデータや画像編集ソフトでロゴを重ね合わせた画像、背景を白抜き加工したCG画像は受付不可となります。実際に手で持っている状態や、卓上に置いた状態で撮影した加工のない写真を複数枚準備します。
- ブランド名の恒久的な表示: ブランド名は剥がせるシールやステッカーの貼付では認められません。商品の外箱への直接印刷、洋服の布タグの縫い付け、金属・樹脂へのレーザー刻印など、容易に除去できない印字状態であることが条件となります。
- パッケージと本体の全角度撮影: 商品本体だけでなく、外箱や包装材の側面、裏面まで含めた全体像を撮影します。型番やメーカー情報が記載されている場合は、テキストが判読できる鮮明度(解像度1000px以上推奨)を確保します。
セラーセントラルで新規商品登録や免除申請を行う際、代表的なエラーコードが発生した場合は以下の手順で対処します。
【エラーコード 5665 への対処法】
ブランド名を入力した際に表示されるエラーで、Amazonシステム上でそのブランド名がまだ使用承認されていない状態を示します。解消するには、画面上の申請リンクから「ブランド名が恒久的に印字された商品・パッケージの実写画像」をテクニカルサポートへ提出し、先にブランド使用の事前承認を得る流れとなります。
【エラーコード 5461 への対処法】
登録しようとしたブランドに対して「新規ASINを作成する権限がない」場合に表示されるエラーです。Amazonブランド登録(Brand Registry)完了直後や、既存ブランドのバリエーション追加時に発生しやすくなります。対処として、問い合わせフォームから商品名、カテゴリ、ブランド名、および商品の全側面画像を添付し、新規ASIN作成権限の付与を申請します。GS1データベースとの照合時にも不整合が起きないよう、ブランド表記の大文字・小文字、スペースの有無を完全に一致させることがポイントです。
【2026-2027年動向】GS1 2Dバーコード移行と自社EC・WMS連携の実務チェックリスト
国際標準化団体GS1が推進する世界的な取り組み「GS1 Sunrise 2027」に基づき、従来の1次元バーコード(JANコード、EANコード、UPC)から2次元バーコード(GS1 QRコード、GS1データマトリックス等)への移行が進められています。これに伴い、従来の単一な商品コード読み取りから、Web URL形式の識別子を用いる「GS1デジタルリンク(GS1 Digital Link)」を活用したデータ共有構造への転換が進んでいます。
GS1デジタルリンク(2Dコード)導入に伴うパッケージ・システム変更点
GS1デジタルリンクは、WebのURL形式(例: https://id.gs1.org/01/04512345678901)のデータ構造の中にGS1識別コードを組み込む国際標準規格です。従来のJANコードやEANコード、UPCといった1次元バーコードは、商品識別コードであるGTINのみを保持する仕様でした。これに対し、GS1デジタルリンクをエンコードした2Dコードは、1つのコード内にGTINだけでなく、ロット番号、有効期限、シリアル番号などの属性情報を集約して管理できます。
この規格変更に伴い、自社のパッケージやシステム側で発生する主な変更点は以下の3点です。
- パッケージデザインと印字プロセスの変更: 販促用QRコードと決済・物流用JANコードを1つの2Dコードへ統合可能です。ロット番号や有効期限といった動的データをコード内に含める場合、工場や倉庫の出荷ラインにおけるダイレクト印字(インライン印字)の導入と品質管理が必要となります。
- 読み取り機器のハードウェア更新: 1次元レーザースキャナでは2Dコードを読み取れないため、画像センサーを搭載した2Dイメージスキャナやカメラ内蔵型ハンディターミナルへの切り替えが前提となります。
- WMSおよび基幹システムのデータ処理改修: スキャンした2DコードからGTIN、ロット番号、有効期限を自動で切り分けて解析するデータマッピング処理(パーサー機能)の実装が必要です。月間10,000件の出荷を処理する物流拠点などでは、1回のスキャンで複数属性をWMSへ自動送信することにより、検品作業時間の削減に繋がります。
GTIN取得からAmazon出品・物流システム連携までの実務実装チェックリスト
GTINの定義理解・取得から、AmazonなどのECモールへの出品、自社WMSでの在庫管理連携までを漏れなく実行するための実務実装チェックリストです。各フェーズの手順と使用ツールを確認し、業務プロセスの構築に活用してください。
| フェーズ | 実施ステップ | 具体的な作業内容とチェックポイント | 利用ツール・参照先 |
|---|---|---|---|
| 1. 取得・管理 | GS1事業者コード申請とGTIN割り当て | GS1 Japanへ申請してGS1事業者コードを取得する。商品ごとにアイテムコードを割り当て、末尾のチェックデジットを計算してGTIN(GTIN-13等)を確定させる。国際データベース「GEPIR」にて事業者情報が正しく登録・公開されているか確認する。 | GS1 Japan / GEPIRデータベース / チェックデジット計算ツール |
| 2. ECモール出品 | Amazon等への登録と例外対応 | 商品登録画面で確定したGTINを入力する。バーコードが存在しない場合は「Amazon 製品コード免除」を申請する。Amazon FBAを利用する場合は、専用識別コードである「FNSKU」ラベルの発行および貼付ルールを策定する。 | Amazon セラーセントラル / FNSKU発行機能 |
| 3. WMS連携 | 物流システムマスター登録と検品設定 | WMSの商品マスターにGTINとFNSKUを紐付けて登録する。入荷・出荷時にハンディターミナルでスキャンした際、正しく照合されるか実機テストを実施する。ケース出荷が存在する場合は、GTIN-14(ITFコード)と単体GTINの紐付けロジックを設定する。 | 自社WMS / ハンディターミナル設定ツール |
| 4. 次世代規格対応 | 2Dバーコード・GS1デジタルリンク準備 | 商品パッケージ上にGS1 2Dコードの表示領域を確保する。WMSおよび読み取り機器が、2Dコード内の文字列から「GTIN」「ロット番号」「有効期限」などの属性情報を自動分離して格納できる仕様か確認する。 | 2Dイメージスキャナ / WMSデータ解析モジュール |
特にECモールへ出品する際、入力したGTINとGEPIR上の事業者情報が一致しないことによる出品エラーが発生するケースが見られます。商品展開時には、まずGS1事業者コードの有効期限を確認し、GTINの割り当て情報をWMSおよびEC基幹システムへ滞りなく反映させる運用フローを確立しておくことが重要です。
よくある質問(FAQ)
Q. GTINとJANコードの違いは何ですか?
A. JANコードは日本国内で主に使用される商品識別コードですが、GTINはJANやUPCなどの各国の規格を包括する世界共通の総称です。実務上、日本の13桁のJANコードはGTINの体系内で「GTIN-13」として扱われ、グローバルな流通においてそのまま世界共通の識別コードとして機能します。
Q. Amazonで出品する際にGTIN(JANコード)は必要ですか?
A. 原則として出品時に必要です。Amazonでは登録されたコードがGS1のデータベースと厳格に照合されるため、自社で正しく取得したGS1事業者コードに基づくGTINが必要です。ただし、オリジナル商品などでコードがない場合は「製品コード免除申請」を行うことでGTINなしでも出品可能です。
Q. GS1事業者コード(GTIN)の取得方法と費用・期間はどのくらいですか?
A. GS1 Japan(一般社団法人流通システム開発センター)の公式サイトからオンラインで申請できます。必要な費用は自社の年商に応じた登録管理料となり、申請からコードが交付されるまでの期間は通常約1週間程度です。
