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トラック積載率推移グラフ|なぜ荷室は埋まらないのか?荷主の改善策【2026年最新】

レポート更新日: 2026年9月6日

この記事の要点
  • 概要:2026年2月の営業用普通トラックは実車率が62.77%(前年同月比+1.67%)の一方、積載効率は40.04%(同+2.33%)にとどまり、荷室の約6割に空きがある状況が続いています。
  • 実務への影響:10月末の改正物流効率化法の中長期計画提出に向け、特定荷主3,000社は中2日配送などリードタイム緩和やT11型標準パレット導入による積載率向上が求められます。

荷動き微増も積載率は低迷、輸送効率化が迫られる国内物流現場

国土交通省が公表した最新の自動車輸送統計によると、2026年2月の国内貨物自動車による輸送トン数は約2億9,406万トン(前年同月比+2.81%)、輸送トンキロは約173.8億トンキロ(同+3.66%)となりました。輸送需要そのものは前年を上回って推移しているものの、車両の供給能力を示す能力トンキロは約483.9億トンキロ(同+5.47%)と需要以上の伸びを示しており、輸送効率の指標となる積載効率の改善には依然として課題が残されています。

2024年4月に適用された時間外労働規制から2年が経過し、物流業界では法規制への適合が進む一方で、2026年4月に全面施行された改正物流効率化法、10月末の計画提出迫る!特定3826者の罰則回避策への実務対応が本格化しています。荷主企業に対しては、年間取扱貨物重量9万トン以上の「特定荷主」約3,000社を対象に、役員級の物流統括管理者(CLO)選任や、積載効率44%の達成・荷待ち時間短縮に向けた中長期計画の策定・提出が義務付けられました。2026年10月末には初年度の計画提出期限を迎えるため、各社の実務現場ではサプライチェーン全体の運行効率見直しが急速に進められています。

日常の配送網を維持しながらコンプライアンスを徹底し、いかに無駄のない運行を実現できるかが、荷主と物流事業者の共通課題となっています。

「走っているが荷室が埋まらない」需給の歪み

現場の実態を詳細に見ると、トラックが実際に荷物を積んで走行している割合を示す実車率は、営業用普通車で62.77%(前年同月比+1.67%、前年同月差+1.03ポイント)と安定した水準を維持しています。しかし、トラックの最大積載能力に対して実際に積んだ貨物重量の割合を示す積載率(積載効率)は40.04%にとどまっています。

これは、荷物を積載して運行してはいるものの、荷室容積や積載重量の上限に対して大幅な余白を残したまま運行している「容積勝ち・多頻度小口輸送」の構造が続いていることを示しています。特に自社で車両を保有・運行する白ナンバー(自家用トラック)においては、実働率が22.23%、積載効率が25.88%まで低下しており、自社物流の維持が困難になった荷主から緑ナンバー(営業用トラック)への委託シフトが進んでいます。このシフトが営業用トラック側の積載効率をさらに押し下げる要因にもなっており、業界全体で実効性のある対策が求められています。


営業用と自家用の乖離が進む稼働統計と積載効率の構造的課題

2026年2月の稼働状況を把握するため、主要指標の前年同月比および前期比を整理しました。

指標名 カテゴリ 期間 最新値 前年同月比 前期比
輸送トン数 全国合計 2026年2月 約2億9,406万トン +2.81% -2.79%
輸送トンキロ 全国合計 2026年2月 約173.8億トンキロ +3.66% -3.84%
能力トンキロ 全国合計 2026年2月 約483.9億トンキロ +5.47% -6.94%
実車キロ 全国合計 2026年2月 約41.2億キロメートル +3.36% -6.16%
積載効率 営業用_登録自動車_普通車 2026年2月 40.04% +2.33% +2.48%
積載効率 自家用_登録自動車_普通車 2026年2月 25.88% -16.06% +13.31%
積載効率 営業用_登録自動車_特種用途車 2026年2月 39.09% -5.85% +2.06%
積載効率 自家用_登録自動車_特種用途車 2026年2月 28.24% -13.03% -2.35%
積載効率 営業用_普通車_16トン以上 2026年2月 36.18% -6.92% +2.73%
積載効率 営業用_普通車_6.5トン以上 11トン未満 2026年2月 37.03% -8.02% -0.83%
実働率 営業用_登録自動車_普通車 2026年2月 55.33% -0.90% +2.73%
実働率 自家用_登録自動車_普通車 2026年2月 22.23% -8.06% +20.49%
実働率 営業用_普通車_16トン以上 2026年2月 49.32% +4.43% +0.22%
実車率 営業用_登録自動車_普通車 2026年2月 62.77% +1.67% +0.45%
実車率 自家用_登録自動車_普通車 2026年2月 43.20% -3.89% +2.93%

トン数とトンキロの乖離:平均輸送距離の延伸傾向

輸送トン数が前年同月比+2.81%であるのに対し、貨物重量に輸送距離を乗じた輸送トンキロは同+3.66%と、トンキロの伸び率がトン数の伸び率を約0.8%上回っています。この数値差は、貨物1トンあたりの平均輸送距離がわずかに伸びていることを示しています。

営業用トラックと自家用トラックの輸送トン数の推移比較
出典:国土交通省・e-Stat(統計ID: 0003422293)

背景には、地域配送拠点の統廃合に伴う幹線輸送区間の長距離化や、拠点集約による広域配送の増加があります。一方、前期比(2026年1月比)で見ると、輸送トン数は-2.79%、輸送トンキロは-3.84%、実車キロは-6.16%となっており、稼働日数が少ない2月特有の季節変動が反映されています。季節的な荷動き減少期でありながらも、前年同月比ではいずれもプラス基調を維持しており、全体としての輸送需要は底堅く推移しています。

能力トンキロの先行拡大と積載効率の伸び悩み

輸送需要(輸送トンキロ:+3.66%)に対して、供給側の潜在輸送能力を示す能力トンキロは前年同月比+5.47%と拡大しました。この結果、営業用普通車の積載効率は40.04%(前年同月比+2.33%、前年同月差で0.91ポイント増)にとどまり、国が目標とする44%の水準には達していません。

営業用と自家用普通トラックにおける積載効率の推移比較
出典:国土交通省・e-Stat(統計ID: 0003426794)

車両の内訳を見ると、特に中・大型車両の積載効率低下が見られます。

  • 営業用普通車(16トン以上):36.18%(前年同月比-6.92%、前年同月差-2.69ポイント)
  • 営業用普通車(6.5トン以上11トン未満):37.03%(前年同月比-8.02%、前年同月差-3.23ポイント)

大型車において実働率が49.32%(前年同月比+4.43%)と上昇しているにもかかわらず積載効率が低下している背景には、中継輸送の導入やダブル連結トラックへの移行過程において、復路(帰り荷)の荷物確保が追いついていない運行パターンが一定数生じている実態があります。

自家用から営業用へのシフトがもたらす影響

自家用トラックの動向に目を向けると、普通車の実働率は22.23%(前年同月比-8.06%)、積載効率は25.88%(同-16.06%)と低下しています。自家用特種用途車も積載効率28.24%(同-13.03%)と低水準です。

営業用と自家用普通トラックの実車率(運行効率)の推移比較
出典:国土交通省・e-Stat(統計ID: 0003426794)

軽油価格の推移による燃料費の高止まりに加え、白ナンバーに対するアルコール検知器使用の義務化など労務管理負担が増加したことで、企業が自社配送を縮小し、営業用運送事業者への委託を進めています。しかし、営業用トラック側の実働率も55.33%(前年同月比-0.90%)と伸び悩んでおり、十分な混載や帰り荷のマッチングが行われないまま外注化が進んだ結果、双方の積載効率を押し下げる要因となっています。


運賃改定と取引是正が進む現場、荷主と運送会社に迫る構造改革

統計が示す積載効率の低迷と需給の不均衡は、荷主・運送会社・現場ドライバーの各層に対して実務上の変化をもたらしています。

荷主企業:車建て契約から実態運賃への移行とCLOの責任

荷主企業の実務においては、従来の「トラック1台あたりいくら」という車建て契約から、重量・容積や荷待ち時間に応じた契約形態への見直しが進んでいます。改正物流効率化法により特定荷主に義務付けられたCLO(物流統括管理者)の設置に伴い、物流コストの管理は経営課題として扱われるようになっています。

荷室の半分を空けた状態で運行を依頼すれば割高な運賃負担を招くだけでなく、運送事業者から受託を断られるケースも増えています。長時間荷待ちの是正や付帯作業の別料金化に応じない場合、トラック・物流Gメンによる調査や勧告の対象となる実務リスクも高まっています。

物流事業者:適正原価の確保と事業許可更新制への備え

物流事業者側では、収益構造と運行管理の再設計が進められています。2025年6月に成立した「トラック適正化二法」に基づき、2026年4月からは荷主に対する白トラ利用の取締り強化や、元請事業者による多重下請けの再委託制限(努力義務として2回以内)が施行されました。

さらに、国土交通省が2026年7月10日に交通政策白書を発表|許可更新制で淘汰が加速した通り、2028年に向けて導入が予定されている「適正原価」を下回る運賃受託の制限や「5年ごとの事業許可更新制」を見据え、採算性の低い運行の見直しが進んでいます。特に往路のみ実車で復路が空車となる「片荷輸送」を続けている事業者は、実車率の低下が採算悪化に直結するため、空車回送を減らし帰り荷を確保するアライアンスや求荷求車データの活用が必須となっています。

ドライバーと運行形態:拘束時間管理と中継輸送の拡大

現場ドライバーの労務管理においては、1運行あたりの実走行距離と拘束時間の短縮が定着しつつあります。ドライバーの日帰り運行を可能にするため、幹線輸送における中継拠点の活用が広がっています。

中継拠点でのトレーラーヘッド付け替えや荷物の積み替えを円滑に行うためには、パレット規格の統一や荷姿の標準化が欠かせません。標準化が遅れると荷役作業に時間を取られドライバーの運転時間を圧迫するため、運送会社と荷主の双方が協力した荷役効率化への投資が進められています。


輸送力不足の予測シナリオと注視すべき指標・先行事例

労働時間規制に続き制度面の施行が進むなか、輸送力不足への対応は重要な局面を迎えています。

短期〜中期の影響予測(3〜12ヶ月):シナリオ別の動向

国の検討会における試算では、実効性のある対策を行わない場合、2030年問題(物流)として国内輸送力の最大約25%(約7.2億トン)が不足する恐れがあると試算されています。今後3〜12ヶ月における主な需給シナリオは以下の通りです。

  • 改善シナリオ
    2026年10月末の中長期計画提出を機に、特定荷主3,000社において発注ロットの大型化や共同輸配送の計画が具体化します。帰り荷マッチングの進展により営業用トラックの積載効率が42%台へ回復し、実車率の上昇とともに輸送力不足が局所的な発生にとどまります。
  • 停滞シナリオ
    荷主側の商慣行見直しが進まず、小口多頻度配送が継続します。自家用トラックの廃止に伴う緑ナンバーへの単純委託が集中し、実働率が50%台前半へと落ち込む一方でスポット運賃がさらに上昇します。繁忙期に特定地域で幹線輸送枠が確保できず、工場の出荷調整や店頭欠品が生じる可能性があります。

注視すべき主要指標・政策スケジュール

需給バランスの変化と政策動向を把握するため、実務者が定期的に確認すべき指標は以下の通りです。

指標名 確認元 確認頻度
自動車輸送統計月報(輸送トン数・積載効率・実車率) 国土交通省 毎月

| 石油製品価格調査(軽油店頭現金小売価格) | 経済産業省 資源エネルギー庁 | 毎週 |
| トラック・物流Gメンの是正指導実績・社名公表 | 国土交通省 | 四半期・適時 |
| 改正物流効率化法 中長期計画提出状況 | 国土交通省・経済産業省・農林水産省 | 2026年10月末(年1回) |

先行事例と国の支援策

輸送効率の向上に向けて、業種を超えた共同運行やデジタル技術を活用した取り組みが進んでいます。

  • 建材・製紙・飲料メーカーによる異業種3社共同輸送
    往路のみ実車で復路が空車となる片荷輸送を解消するため、物流ネットワークを活用して各社拠点を循環接続する運行体制を構築しました。実車率の向上により、年間CO2排出量を約34%(71.6トン)、ドライバーの運転時間を年間約43%(1,992時間)削減する見込みが公表されています。
  • 走行データを活用した実積載重量の可視化
    車両の減速度合いなどの走行データから、トラックの「実積載重量」をリアルタイムに推定する実証実験が開始されています。荷室容積だけでなく実際の積載重量を客観データとして把握することで、過積載を防ぎつつ重軽混載による積載率向上を図る試みです。

あわせて、国土交通省の「物流効率化推進事業」(中継輸送支援など、運行経費支援として上限1,000万円等)や、「地域の事業者間連携を通じた物流生産性向上推進事業」(共同輸配送実証に最大計7,500万円補助)などの補助金制度も交付されており、実務現場での初期負担を軽減する枠組みが用意されています。


荷室の空洞化を解消するために荷主・事業者が着手すべき具体策

2026年2月の統計において、営業用トラックの実車率が62.77%であるのに対し、積載効率が40.04%にとどまっている事実は、実質的に荷室の約6割に空間を残したままトラックが走行している現状を示しています。物流2026年問題に対応し、安定した輸送体制を整えるため、実務担当者は以下の施策を進めることが重要です。

荷主企業が取り組むべき施策

  1. 出荷データの容積・重量換算と運行実態の可視化
    車建て発注を前提とした管理を見直し、製品ごとの実重量と実容積を算出して便ごとの積載率を正確に把握します。
  2. 納品リードタイムの緩和と発注ロットの適正化
    翌日配送や特定時間指定を見直し、中2日配送への緩和やまとめ発注へ移行することで、1運行あたりの積載効率を引き上げます。
  3. パレット規格の標準化(T11型)と荷姿の調整
    標準パレット(1,100mm×1,100mm)の利用を基本とし、外装段ボールのサイズを見直すことで荷室のデッドスペースを減らします。

物流事業者が取り組むべき施策

  1. 帰り荷を前提とした運行ダイヤの再構築
    片道運行の配車から脱却し、同業他社との連携や求荷求車ネットワークを活用して復路の積載を確保するルートを整えます。
  2. 重軽混載による配車計画の導入
    TMS(輸配送管理システム)を活用し、重量物と容積物の組み合わせ配車を行うことで、許容積載重量と荷室容積をバランスよく活用します。
  3. 運行データに基づく契約条件の見直し提示
    実車率や荷待ち時間の実績データを提示し、適正原価に基づく適正な運賃・料金収受に向けた協議を進めます。

実務における最初の一手

実務担当者がまず着手すべき行動は、「直近3ヶ月における自社発注・自社運行便の平均積載効率を算出し、荷室の空き状況を数値で特定すること」です。現状の積載実態を把握することが、荷主と物流事業者が協力して実効性のある改善計画を策定するための出発点となります。


出典: 統計ID: 0003422293 / 統計ID: 0003422413 / 統計ID: 0003426794(政府統計の総合窓口 e-Stat) / 統計最終更新: 2026年2月

よくある質問(FAQ)

Q. トラックの実車率が高いのに積載効率が低いのはなぜですか?

A. トラック自体の稼働は維持されているものの、小口多頻度配送の増加や荷室容積に対して軽量な荷物を運ぶケースが多く、荷室スペースや最大積載重量に余白を残したまま運行しているためです。

Q. 改正物流効率化法で荷主企業に求められる積載効率の目安はありますか?

A. 特定荷主(年間取扱貨物重量9万トン以上)に対し、国は積載効率44%の達成や荷待ち時間の短縮を盛り込んだ中長期計画の策定・提出(初年度は2026年10月末期限)を義務付けています。

Q. 白ナンバー(自家用トラック)から緑ナンバー(営業用)へのシフトが進む理由は何ですか?

A. 軽油価格の高止まりや白ナンバーに対するアルコール検知器使用義務化など労務管理コストが増大し、自社配送網の維持が難しくなった荷主企業が営業用運送会社への委託を進めているためです。

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この統計レポートは政府統計局公開(e-Stat)に基づき、LogiShift が独自に解析・生成したものです。

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