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Home > 統計データベース > 軽油価格推移グラフ|補助金縮小で190円台?荷主と進める転嫁策【2026年最新】

軽油価格推移グラフ|補助金縮小で190円台?荷主と進める転嫁策【2026年最新】

レポート更新日: 2026年9月6日

この記事の要点
  • 概要:2026年8月の全国店頭軽油価格は159.4円/L(前年同月比+3.1%)、産業用インタンク価格は134.8円/L(同+4.9%)と高水準で推移しており、政府の激変緩和措置縮小に伴い190円台へ上昇する懸念が生じています。
  • 実務への影響:燃料費はトラック運送原価の約2割を占めるため、軽油引取税(32.1円/L)を除外した税抜価格の構造差を正しく把握し、標準的な運賃(基準120円/L)に基づく客観的な燃料サーチャージの導入・改定協議が必要です。

いま何が起きているのか:高止まりする軽油価格と補助金の縮小観測

資源エネルギー庁が公表した2026年8月の「石油製品価格調査」によると、全国の給油所店頭における軽油の月平均価格(現金・税込)は 1リットルあたり159.4円(前月比+0.1円、+0.1%)となりました。同月のレギュラーガソリン店頭価格は170.0円/L(前月比横ばい)となっています。

また、自社給油設備を持つ運送会社の実勢調達コストに近い産業用軽油インタンク価格(2026年7月公表値)は、消費税抜きの全国平均で134.8円/L(前月比-0.3円、-0.2%)でした。

軽油は長距離輸送を担う大型トラックなどの主燃料であり、燃料費の高止まりは物流事業者の損益だけでなく、サプライチェーン全体の輸送コストに影響を与えます。店頭価格が150円台後半にとどまっている背景には、政府による「燃料油価格激変緩和対策事業」による元売事業者への補助金支給があります。

しかし、2026年6月の国会答弁において、財政負担の観点から補助金制度の縮小や終了といった出口戦略の検討が示されました。補助金が縮小または廃止された場合、軽油の実勢価格は 190円台半ばまで上昇する可能性 が指摘されています(参照:日本政府が燃料補助金縮小を示唆、軽油190円台突入で価格転嫁が必須対応に)。

調達コストの上昇圧力が続く中、物流事業者と荷主企業の間では、燃料価格の変動を基本運賃と切り離して調整する 燃料サーチャージ の導入や見直しが急務となっています。


データが示す実態:店頭価格とインタンク価格の構造差と推移

最新期の前年同月比データ

石油製品価格調査の最新データにおける前年同月比は以下の通りです。

指標名 油種・区分 最新価格 前年同月価格 前年同月比
給油所店頭現金価格(全国平均) 軽油(税込) 159.4円/L 154.6円/L +3.1%
給油所店頭現金価格(全国平均) レギュラーガソリン(税込) 170.0円/L 174.5円/L -2.6%
産業用軽油インタンク価格(全国平均) 軽油(税抜) 134.8円/L 128.5円/L +4.9%
給油所店頭における軽油とレギュラーガソリン現金価格の推移比較
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」

月次変動と中長期トレンド

月次の推移をたどると、2026年1月時点の店頭軽油価格は143.5円/L(レギュラーガソリン155.2円/L、インタンク118.4円/L)でした。しかし、2026年3月に中東情勢の緊迫化に伴って原油輸入調達コストが上昇し、店頭軽油は前月比+15.6円/L(+10.8%)の160.0円/Lへ急伸しました。インタンク価格も前月比+18.1円/L(+14.9%)の139.5円/Lへ上がっています(参照:【石油製品価格】軽油の小売価格が1週間で28.6円の値上げ、ハイオクは200円台に!物流企業が急ぐべきコスト防衛策)。

2026年4月以降は、政府による緊急的激変緩和措置が本格化し、店頭軽油価格は5月に158.6円/L、6月に159.0円/L、7月に159.3円/L、8月に159.4円/Lと横ばい圏で推移しています。

前年同月比で見ると、店頭軽油が +3.1%、インタンク軽油が +4.9% の上昇を示しています。レギュラーガソリン店頭価格が前年同月比 -2.6% と下落しているのに対し、軽油価格が上昇している背景には、世界的な中間留分(軽油・ジェット燃料等)の需要増や、国内元売による卸価格設定の動向が影響しています。

運送会社の実勢コストを反映する産業用軽油インタンク価格の推移
出典:資源エネルギー庁「石油製品価格調査」

店頭価格とインタンク価格を比較する際の税構造

燃料サーチャージの基準設定や原価計算において、店頭価格とインタンク価格を比較する際は税制の違いを整理しておく必要があります。

  • 軽油引取税は消費税の対象外
    軽油には1リットルあたり 32.1円(本則税率15.0円、当分の間税率17.1円)の軽油引取税が課されています。ガソリン税が本体価格に含まれた上で消費税が課される(二重課税)のに対し、軽油引取税は預かり金的な地方税であるため、消費税の課税対象になりません。消費税10%は本体価格部分のみに課税されます。
  • 消費税抜きの実質本体価格の計算
    店頭価格(159.4円/L・税込)から軽油引取税32.1円を差し引いた金額(127.3円)を消費税10%抜きに逆算すると約115.7円です。これに軽油引取税を足した「税抜本体合計価格」は 約147.8円/L となります。一方、統計上のインタンク価格(134.8円/L)は公表時点で消費税抜きの価格です。
  • インタンク価格と店頭価格の価格差の縮小
    通常、大口配送であるインタンク価格は店頭価格より割安になります。ただし、原油高の局面では店頭向けの補助金支給が先行する一方、産業用ローリー販売のフォーミュラ契約(月次見直し)では価格反映にタイムラグが生じ、実質的な価格差が一時的に縮小することがあります。

現場への影響:運送原価の圧迫と進むサーチャージの導入

燃料価格の高止まりは、物流事業者の損益と荷主企業の物流予算に影響を与えています。

運送事業者の収益圧迫

国土交通省の資料によると、トラック運送業における燃料油脂費は 運送原価の約20% を占めています。一方で、全日本トラック協会の調査などによると中小運送事業者の平均営業利益率は1%未満にとどまるケースが多く見られます。

車両30台を保有する一般的な運送事業者の場合、軽油価格が10円/L上昇すると、年間で数百万円規模のコスト増につながります。利益率が低い構造において、自社の経営努力だけで燃料費の増加分を吸収することは難しく、事業を維持するためには荷主への適正な価格転嫁が欠かせません。

物流各社における燃料サーチャージ運用の動き

燃料価格の変動リスクに対応するため、特別積合せ事業者や大手物流企業では 燃料サーチャージ の導入と定期改定が進んでいます。

  • 西濃運輸株式会社
    資源エネルギー庁が公表する「全国平均店頭軽油価格」の3か月平均を基準指標として採用し、定期的にサーチャージ料金表の改定を行っています。
  • 第一貨物株式会社
    全日本トラック協会公表の軽油価格を算定指標とし、単月および3か月平均の価格に連動した料金テーブルを毎月公表・適用しています。
  • ヤマトホールディングス・SGホールディングス(佐川急便)
    法人向け宅配便領域において、燃料価格の変動に対応するための「燃油サーチャージ(燃油特別付加運賃)」の仕組み導入に向けた検討を進めています。

航空貨物分野でも燃油高を受けた改定が続いており(参照:NCA、8月16日より米欧宛サーチャージ163円に大幅値上げ|物流コスト直撃)、陸上輸送においても同様の連動制契約が広がりつつあります。

荷主企業が直面する調達環境の変化

荷主企業にとっても、燃料費を基本運賃に含めて一律に固定する「オールイン運賃」を維持することは、契約先運送事業者の経営悪化や車両確保の困難を招く要因となります。

国土交通省が告示した「標準的な運賃」では、燃料サーチャージの基準軽油価格が 120円/L に設定されており、基準を超えた分を走行距離や車種別燃費に基づいて算出する計算式が提示されています。客観的な指標に基づいた透明性の高い契約形態への移行が進んでいます(参照:トラック運賃推移グラフ|運賃の高止まりと荷主の交渉戦略【2026年最新】)。


今後の影響・予測とウォッチすべき指標

① 短期〜中期の影響予測(3〜12ヶ月)

燃料価格の先行きは、政府の補助金政策と国際情勢によって以下の2つの展開が考えられます。

  • 補助金縮小・終了シナリオ
    政府が燃料油激変緩和措置を段階的に終了した場合、これまで補助金によって引き下げられていた金額(約26〜29円/L)が店頭価格に反映され、実勢価格は 190円/L前後 に達します。この水準になると、サーチャージ未導入の事業者では運行を維持することが難しくなる可能性があります。
  • 現行水準維持シナリオ
    原油市況が落ち着き、補助金の支給が緩やかに調整された場合でも、店頭軽油価格は 150円〜160円/L前後 で推移すると見込まれます。依然として「標準的な運賃」の前提価格(120円/L)を大きく上回るため、いずれの展開であっても燃料サーチャージの別建て合意が実務上の前提となります。

② 実務でウォッチすべき指標・スケジュール

運送会社および荷主企業の物流担当者が定期的に確認すべき指標は以下の通りです。

指標名・制度 確認元 更新頻度 実務上の確認ポイント
石油製品価格調査(店頭・インタンク) 資源エネルギー庁 毎週水曜(店頭) / 毎月下旬(インタンク) 燃料サーチャージの算定根拠、給油形態に応じたコスト把握
激変緩和対策事業の支給単価 資源エネルギー庁 毎週 翌週以降の卸価格動向、補助金縮小のスケジュール
標準的な運賃の告示内容 国土交通省 改定時 基準軽油価格(現在120円/L)と車種別の増減算出式
物流効率化法の指定・計画 国土交通省 随時 特定荷主・特定事業者におけるCLO選任と取引適正化基準

輸入物価全体と運賃の連動については、燃料サーチャージ推移グラフ_なぜ下がらないのか?今後の見通しと対策【2026年最新】 でも詳しく解説しています。

③ 活用可能な公的支援制度

コスト抑制や設備導入に活用できる制度として、以下が挙げられます。

  • 自家用燃料供給施設整備支援助成事業(全日本トラック協会)
    自社インタンクの新設に100万円、増設・代替に30万円が助成されます。割高なスタンド給油からインタンク給油へ切り替えることで、調達単価の低減につながります。
  • 自治体による運輸事業者向け緊急支援金
    各自治体において、緑ナンバーの運送事業者を対象とした燃料費高騰対策支援金が随時公募されています。管轄自治体の支援策を確認しておくことが有効です。

まとめ:今後の対策

2026年8月の給油所店頭軽油価格は159.4円/Lと、補助金による抑制下でも前年同月比+3.1%と高い水準が続いています。補助金縮小の可能性が現実味を帯びる中、固定運賃のまま放置することは双方の事業継続にとってリスクとなります。

荷主企業(CLO・物流調達部門)が取り組むべきこと

  • 燃料サーチャージの別建て導入:基本運賃と燃料費を分離し、公的統計に連動するサーチャージ契約を取り交わします。
  • 給油形態の実態把握:運送事業者の給油方法(インタンクかスタンドか)を確認し、軽油引取税(32.1円/L)や消費税の構造に沿った原価設定を行います。
  • 積載効率と運行の改善:実車率や積載率の向上、荷待ち時間の短縮を進め、運行全体の燃料消費量を抑制します(参照:【2026年最新】国内トラック輸送の需給バランスと積載効率の動向)。

物流事業者・運送会社が取り組むべきこと

  • 燃費と走行距離のデータ化:保有車両のタイプ(2t、4t、大型)ごとに平均燃費と走行距離を整理し、軽油価格が1円変動した際の収支影響額を算出します。
  • 公的統計に基づく協議要請:資源エネルギー庁の統計や国土交通省の「標準的な運賃」資料を添えて、客観的な数値に基づいたサーチャージ協議を行います。
  • インタンクや共同調達の活用:全日本トラック協会の助成金などを活用したインタンクの整備や、燃料共同購買による単価引き下げを検討します。

まず最初の一手:
現行の運賃契約を確認した上で、「軽油価格が10円上昇した場合の月間コスト影響額を試算し、公的統計データを添付したサーチャージ見直しの協議要請書を作成すること」 から進めてみてください。


出典: 資源エネルギー庁「石油製品価格調査」 / 統計最終更新: 2026年8月

よくある質問(FAQ)

Q. 軽油の店頭価格とインタンク価格の主な違いは何ですか?

A. 店頭価格は一般の給油所で給油する価格で、消費税(10%)と軽油引取税(32.1円/L)を含んだ税込表示が基本です。一方、インタンク価格は運送会社が自社の燃料タンク向けにローリーで一括購入する産業用卸価格で、公表統計では消費税抜きの本体価格で示されます。通常は大口調達であるインタンクのほうが割安ですが、補助金の波及タイミングや契約形態によって価格差が変動します。

Q. 軽油引取税の計算で注意すべき点(二重課税との違い)は何ですか?

A. ガソリン税は本体価格に上乗せされて消費税が課税される「二重課税」の構造ですが、軽油引取税(32.1円/L)は地方税の預かり金という性質を持つため、消費税が課税されません。そのため、店頭価格から原価を逆算する際は「店頭税込価格から軽油引取税32.1円を引き、残りの本体部分のみ消費税10%を割り戻す」という計算手順を踏む必要があります。

Q. 燃料サーチャージを荷主と合意するためのポイントは何ですか?

A. 自社都合の感覚的な値上げ要請ではなく、公的統計を用いた客観的な根拠を示すことが大切です。資源エネルギー庁の「石油製品価格調査」や国土交通省が告示した「標準的な運賃(基準軽油価格120円/L)」をベースに、自社の車種別燃費と走行距離を掛け合わせた影響額を提示します。基本運賃と燃料費を切り離して増減させるルールにすることで、双方が納得しやすい契約を結べます。

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この統計レポートは政府統計局公開(e-Stat)に基づき、LogiShift が独自に解析・生成したものです。

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