Tenko-PRO2とは?
Tenko-PRO2は、東海電子株式会社が開発・提供するオンプレミス対応のIT点呼・安全管理システムです。ネットワークを介して管理拠点と現場の各事業所をリアルタイムに接続し、テレビ電話形式の映像・音声通信を活用した確実なIT点呼および対面点呼の一元管理を実現します。同社の据置型アルコール検知器「ALC-PROⅡ」と連動し、測定結果や免許証情報の自動記録、各種バイタル機器連携によって運行管理者の業務負荷軽減と法令順守の徹底を支援します。
主な機能
点呼・アルコール測定連携機能
- リアルタイムテレビ電話点呼
管理拠点と遠隔営業所のPCをネットワークで接続し、相互に顔や表情を確認しながらテレビ電話形式で点呼を実施できます。対面点呼と同様の視認性を確保し、ドライバーの顔色や健康状態の把握、なりすまし防止につながります。 - アルコール検知器「ALC-PROⅡ」連動
東海電子製の据置型アルコール検知器「ALC-PROⅡ」と連動し、点呼中の呼気アルコール濃度を自動測定します。測定値は自動でシステム内に反映されるため、手作業による記録漏れや虚偽の申告を防止できます。 - 電子点呼記録簿の自動作成・保存
対面点呼、IT点呼、中間点呼の実施結果を電子データとして自動集約し、法定要件を満たす点呼記録簿を自動作成します。紙の台帳作成やファイリング業務を削減し、過去データの検索や監査対応も効率化します。 - 点呼時録画・動画保存
点呼実施中の様子をWebカメラを通じて録画・保存できます。後から点呼状況のエビデンスを確認できる体制を整えることで、不正防止や点呼品質の標準化に貢献します。
ドライバー認証・健康管理連携機能
- IC免許証リーダー連携
運転免許証のICチップを読み取ることで、乗務員の本人確認を行うと同時に、免許証の不携帯や有効期限切れを点呼時にシステム上で自動チェックします。無免許運転や更新忘れによる法令違反リスクを未然に防ぎます。 - バイタル測定機器(血圧計・体温計)連携
通信機能付き血圧計や赤外線体温計と連動し、点呼時の測定データを自動で取り込みます。ドライバーの健康起因事故を未然に防ぐための体調スクリーニングをルーティン業務として定着させられます。 - 出帰庫・未測定者管理
当日の運行スケジュールと連動し、出庫測定と帰庫測定の実施状況を一覧で可視化します。測定を行っていない乗務員を即座に特定できるため、点呼やアルコールチェックの抜け漏れを防止します。
運用支援・設備拡張機能
- パトランプ(呼び出し灯・警告灯)連動
遠隔営業所からの点呼呼び出し時や、アルコール反応が検知された際に、光とブザーで管理者に通知するパトランプを接続できます。管理者が画面から離れて別の作業を行っている場合でも、点呼要請や異常検知の見落としを防ぎます。 - モバイル検知器「ALC-Mobile」連携
出張先や直行直帰の現場からモバイル型検知器で測定した結果や、電話点呼の記録を一元的に統合管理できます。拠点内だけでなく、長距離運行や遠隔運行のドライバーの安全管理もカバーします。 - 鍵管理システム連動
アルコール測定結果と連動するキーターミナル(鍵管理ボックス)と連携し、アルコールチェックをクリアしないと車両の鍵が取り出せない仕組みを構築可能です。点呼未実施や酒気帯び状態での出庫を物理的に阻止します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
自社専用の社内ネットワーク環境やオンプレミス設備を重視する中堅〜大手運送企業
- クラウド環境のセキュリティ制約やVPN回線を前提としたシステム運用を行いたい
自社専用の閉域網(VPN)や拠点間ネットワーク上にサーバーを配置して点呼データを自社管理するオンプレミス構成が取れるため、社内セキュリティ基準が厳格な企業でも安定した運用体制を構築できます。 - 複数営業所の点呼を一括集約して運行管理者の負担を削減したい
夜間や早朝など運行管理者が不在になりがちな営業所の点呼を、親営業所や集中管理センターからリアルタイムのテレビ電話形式で実施できるため、管理者の配置人数を最適化しながら確実な点呼体制を維持できます。 - 高精度な据置型検知器とバイタル機器を連動させて不正・健康管理を徹底したい
東海電子の高精度アルコール測定器「ALC-PROⅡ」やIC免許証リーダー、血圧計・体温計と直接接続することで、手書き運用による改ざんや記録ミスを排除し、監査にも耐えうる強固なガバナンスを確立できます。
白ナンバー車両を多数保有し、コンプライアンス管理を自動化したい企業・協同組合
- 簡易検知器による手書き記録や集計作業の負担・ヒューマンエラーを解消したい
ドライバーが測定と点呼操作を行うだけで記録簿が自動生成されるため、管理部門の転記・保管工数を大幅に削減し、コンプライアンス順守を確実に定着させられます。 - 拠点数やドライバー数が多く、全社的な安全意識向上を促したい
専用機器による厳格な測定と画面を介した点呼プロセスを導入することで、従業員一人ひとりの飲酒運転防止意識と健康管理意識を高められます。
向いていない企業・現場
初期費用を抑えて短期間でクラウド点呼をスモールスタートしたい企業
- サーバー構築や専用機器の購入を行わず、手持ちのスマートフォンやWebブラウザのみで点呼を完結させたい
Tenko-PRO2は専用PCソフトや据置型機器、ネットワーク設定を前提とするオンプレミス構成のため、初期投資を最小限に抑えたい小規模事業者や完全クラウド完結型を求める現場には過剰スペックとなる場合があります。その場合は、同社の「e点呼PRO」や他社の完全クラウド型SaaSを検討する方が適しています。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| Tenko-PRO2 | 東海電子の据置型検知器「ALC-PROⅡ」と連携するオンプレミス対応IT点呼システム。バイタル機器や鍵管理連携など拡張性が高い。 | 要問い合わせ(ライセンス・機器構成による) | 自社ネットワークを活用し、据置型機器で厳格なIT点呼・ガバナンス体制を敷きたい中堅〜大手企業 |
| IT点呼キーパー | 対面・電話・IT・スマホ・自動点呼など多様な点呼方式に対応する総合クラウド点呼システム。多様な検知器に対応。 | 要問い合わせ(クラウド月額制) | 多様な点呼形態を1つのクラウドシステムで柔軟にカバーし、運用形態に合わせて拡張したい企業 |
| e点呼PRO | 東海電子が提供するクラウド型統合点呼システム。遠隔点呼や顔認証、クラウド運転者台帳「Karte-PRO」と連動。 | 要問い合わせ(年間保守・利用料メニューあり) | 東海電子の測定精度を活かしつつ、サーバー設置不要のクラウド環境で遠隔点呼・多拠点管理を推進したい企業 |
| デジタル点呼マネージャー | IT点呼・遠隔点呼に対応し、車両情報や運転手台帳などの管理業務もデジタル化するトータルマネジメントシステム。 | 要問い合わせ | 点呼業務とあわせて車両・ドライバー台帳などの管理業務全般をクラウドで統合管理したい企業 |
点呼システムを選定する際の主な判断基準は、システムの提供形態(オンプレミス・自社閉域網か、完全クラウド型か)と、使用するアルコール検知機器の構成です。
自社内のネットワークインフラを活用してサーバーを管理したい場合や、東海電子の「ALC-PROⅡ」をはじめとする据置型測定器、IC免許証リーダー、血圧計、鍵管理ターミナルなどを事業所に常設して確実な対面・IT点呼を行いたい場合は、Tenko-PRO2が有力な候補となります。
一方、インフラの維持管理負担を減らしたい場合や、遠隔点呼・自動点呼への対応、外出先からのスマートフォン活用を主軸とする場合は、クラウド型の「e点呼PRO」や「IT点呼キーパー」、「デジタル点呼マネージャー」などのSaaS型点呼システムを比較検討するのが合理的です。
料金・プラン・導入方法
Tenko-PRO2の利用料金は、導入拠点数、接続するアルコール検知器(ALC-PROⅡ等)の台数、各種オプション機器(IC免許証リーダー、パトランプ、血圧計等)の構成、サーバーおよびクライアントのライセンス数によって異なるため、要問い合わせとなっています。
なお、IT点呼に必要な機器やソフトを一括導入できる「デジタル点呼パック」や「デジタル点呼IC免許パック」などのパッケージ構成も提供されています。見積もりを依頼する際は、以下のポイントを確認することをおすすめします。
- 拠点構成とライセンス体系
点呼を実施する側(管理拠点・サーバー側)と、点呼を受ける側(被点呼拠点・クライアント側)の拠点数に応じたライセンス費用およびソフトウェア費用。 - ハードウェア・周辺機器費用
PC本体、Webカメラ、ALC-PROⅡ本体、IC免許証リーダー、パトランプ、プリンターなどのハードウェア調達費用および設置・初期セットアップ費用。 - 保守サポートおよび校正メンテナンス費用
ソフトウェアの年間保守契約費用、アルコール検知器の定期的なセンサー交換・校正費用。
導入の流れ・期間
Tenko-PRO2の導入は、ハードウェアの選定とネットワーク環境の整備を伴うため、一般的に以下のようなステップで進められます。具体的な導入期間は拠点数や回線工事の有無によって異なるため、要問い合わせとなります。
- 問い合わせ・ヒアリング
営業所数、運用形態(対面点呼・IT点呼・中間点呼など)、連携させたい機器(免許証リーダー、血圧計等)のヒアリングを実施します。 - システム構成・見積もりの提案
管理拠点と各営業所のネットワーク構成(VPN接続等)や必要機器を設計し、見積もりが提示されます。 - 契約・機器手配
正式契約後、アルコール測定器や専用ソフトウェア、周辺機器の手配・出荷準備を行います。 - ネットワーク設定・システムインストール
対象PCへのソフトウェアインストール、Webカメラ・検知器の接続、拠点間ネットワーク(IP設定やVPN設定)の構築を行います。 - マスタ登録・操作研修
運行管理者マスタやドライバーマスタ、車両情報、点呼ルールの設定を行い、運用担当者向けの操作確認を実施します。 - 運用開始・点呼申請
貨物・旅客運送事業者がIT点呼を実施する場合、所轄の運輸支局への申請書(IT点呼実施報告書など)の届出を行い、認可後に正式なIT点呼運用を開始します。
導入事例・実績
東海電子の発表によると、Tenko-PROシリーズは2008年の発売以降、累計665社・3,499拠点以上への出荷実績(2022年1月末時点)を持ち、多拠点を運営する事業者を中心に広く採用されてきました。
また、国土交通省の「自動車事故対策支援推進事業(過労運転防止のための先進的な取り組みに対する支援)」におけるIT点呼機器としても認定を受けています。
さがみ農業協同組合(JAさがみ)様
- 導入背景
2023年12月の道路交通法改正による白ナンバー車両のアルコールチェック義務化に伴い、複数拠点の点呼・測定管理体制を構築するために導入。簡易型検知器による手作業の記録・管理では管理者の負担が大きく、ヒューマンエラーのリスクがあったため、自動記録が可能なTenko-PRO2が選定されました。 - 導入効果
「点呼する」ボタンを押すだけで測定結果や必要項目が自動記録されるため、管理部門の運用負担が大幅に軽減。また、厳格な測定管理体制を整えたことで、従業員自身の飲酒に対する配慮や安全意識の向上につながっています。
導入前に知っておきたいこと
導入を検討するにあたり、以下の運用上の留意点や前提条件を確認しておく必要があります。
- ネットワーク環境とハードウェアの要件
各営業所間を安定した通信で結ぶため、推奨スペックを満たすPCの準備や、拠点間通信(VPN環境など)の整備が必要となります。 - アルコール検知器の定期交換・校正メンテナンス
検知精度の維持のため、一定期間または規定の測定回数ごとにセンサーユニットの交換や定期校正(有償メンテナンス)が必要です。保守スケジュールとランニングコストをあらかじめ把握しておくことが重要です。 - 遠隔点呼・自動点呼との制度上の違い
Tenko-PRO2は「IT点呼」に対応したシステムです。国土交通省が定める「遠隔点呼」や「業務後自動点呼」など最新の緩和制度への対応状況や自社に必要な点呼方式については、東海電子の製品ラインナップ(e点呼PROやe点呼セルフ等)を含めてベンダーに要件を確認することが推奨されます。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンからの点呼や測定には対応していますか?
- Tenko-PRO2はPC端末と据置型検知器「ALC-PROⅡ」を主軸としたシステムですが、オプションのモバイル測定器「ALC-Mobile」シリーズを組み合わせることで、出先からの測定データや電話点呼結果を統合管理することが可能です。
- 動作環境や必要なPCスペックはどのようになっていますか?
- Windows OSを搭載したPCに対応しています。接続するカメラや検知器、ネットワーク環境に応じた推奨スペックが設定されているため、詳細はメーカー提供の「PCスペック表」や製品資料をご確認ください。
- 無料トライアルやデモは利用できますか?
- オンプレミスおよび専用機器を伴う構成のため、デモ実演や詳しいシステム説明の可否についてはメーカーへの問い合わせが必要です。各地の営業所やオンラインでの製品説明・ウェビナーが実施されています。
- 導入後のサポート体制はどうなっていますか?
- 東海電子では製品総合窓口(フリーダイヤル)を設けており、電話サポートや遠隔サポート、オンサイト修理対応、代替機の提供などの保守体制が用意されています。
- 契約期間や解約条件はどうなっていますか?
- ソフトウェアライセンスや機器の購入契約、年間保守契約など導入形態によって契約条件が異なります。見積もり時に契約期間・保守更新条件等をご確認ください。