TUMIXコンプラとは?デジタコ連携で労務違反を防ぐ運送業向け勤怠管理の特徴と機能を解説

鈴与グループが提供する運送会社向けの勤怠管理システムです。デジタコの実績データを直接取り込んで勤務簿を自動作成し、拘束時間や休息時間の法令基準超過リスクをアラートで通知します。

公式サイト
https://tumix.co.jp/
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
物流・倉庫業 製造業

TUMIXコンプラとは?

TUMIXコンプラは、トラック運送事業者が直面する複雑な労働時間管理や改善基準告示への順法対応、集計業務の属人化といった労務課題を解決するクラウド型勤怠管理システムです。総合物流企業である鈴与グループの株式会社TUMIXが開発・提供しており、運送実務の現場目線に立った設計がなされています。デジタコや点呼機器などの運行データを取り込むことで勤務簿を自動生成し、拘束時間や休息期間の超過リスクを未然に把握できる環境を整えます。

主な機能

TUMIXコンプラは、運送現場の運行実績データを取り込み、法令遵守の判定から各種帳票の出力までをカバーする機能を備えています。主な機能は以下の3つに分類されます。

運行データ連携・精密打刻機能

  • デジタコ・点呼機器データ自動取込
    矢崎エナジーシステムや富士通などの主要メーカー製デジタコ、およびIT点呼キーパーなどの点呼システムから運行実績データを直接取り込みます。毎日の手作業による転記作業や手入力を削減し、運行実績と連動した客観的な勤怠データを収集できます。
  • マルチデバイス打刻
    点呼時のクラウド打刻をはじめ、スマートフォン、タブレット、PCを用いた電子打刻に対応しています。拠点への立ち寄りがない直行直帰や中長距離運行を行うドライバーでも正確な出退勤記録を残すことが可能です。
  • 変形労働時間制・特殊運行パターン対応
    日跨ぎ運行、2泊3日運行、乗り換え、分割休息、みなし休憩など、運送業界特有の複雑な勤務形態に柔軟に対応します。各事業者の就業規則に応じた設定を行うことで、現場の実態に即した労働時間計算を可能にします。

法令順守(改善基準告示)判定・アラート機能

  • 改善基準告示リアルタイムチェック
    取り込んだ運行データをもとに、1日・1か月の拘束時間、運転時間、休息期間、時間外労働の遵守状況をシステム上で自動判定します。ダブル連結トラックや長距離輸送などの特例基準も含めた多角的なチェックが行われます。
  • 超過リスクの事前アラート通知
    拘束時間の超過や休息不足の兆候が見られる乗務員をシステムが検知し、管理者画面上で警告を発信します。問題が発生する前に運行管理者が気付くことで、配車計画の組み替えや事前の運行指示といった未然防止策を講じられます。
  • 運行評価表・労務分析グラフ出力
    ドライバーごとの労働時間や改善基準の遵守状況をグラフィカルに可視化します。客観的な数値データをもとにした乗務員へのタイムリーな指導・教育に活用でき、定期監査や巡回指導への対応力向上を支援します。

帳票作成・外部システム連携機能

  • 勤務簿・手当簿の自動作成
    収集した打刻データや運行実績に基づき、運送業専用フォーマットの勤務簿や手当簿を自動生成します。深夜割増手当や時間外手当の計算に必要な時間を自動で割り出すため、月末の集計作業負担を軽減します。
  • クラウド台帳管理・履歴検索
    ドライバーごとの勤務実績や労務履歴をクラウドデータベース上に一元蓄積します。複数拠点間でも同一手順でデータ検索や抽出が可能になり、拠点のデータ保全や管理品質の均一化に寄与します。
  • 給与計算ソフト連携(CSV出力)
    集計された勤務実績データをCSV形式で出力し、各種給与計算システムや会計ソフトへデータを受け渡せます。勤怠締め処理から給与計算までの事務フローをスムーズにつなぎ、二重入力の防止を図れます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

デジタコ等の機器データを活用し、出勤簿の手集計や転記作業から脱却したい運送企業

  • デジタコ日報と出勤簿の二重管理による手作業負担の増大
    TUMIXコンプラは矢崎や富士通などの主要デジタコおよび点呼システムと自動連携し、運行実績データを直接勤怠データへ反映します。手作業での転記やExcelでの再集計が不要となり、事務工数の削減と入力ミスの防止を実現します。
  • 月末の勤怠締め日に集計作業が集中する事務体制の改善
    日々の打刻と運行実績から就業規則に沿った勤務簿・手当簿が自動生成されるため、月次の手計算業務を大幅に圧縮できます。導入企業では月間数十時間規模の事務工数削減を達成した事例も確認されています。

改善基準告示の遵守状況をリアルタイムに把握し、配車担当者と連携して違反を防ぎたい企業

  • 長距離運行や日跨ぎ運行でドライバーの休息期間や拘束時間の超過が見落とされやすい状況
    TUMIXコンプラは運行実績を自動解析し、拘束時間や休息不足のリスクを管理画面上で即座にアラート表示します。管理者が早期に状況を把握できるため、配車組みの変更や休息の確保といった事前対策を速やかに打つことが可能です。
  • 拠点ごとで労務管理の運用精度や監査対応力にバラつきがある課題
    クラウド上で全拠点の運行評価や労務履歴を一元管理できるため、同一基準での法令管理が可能になります。客観的な運行評価データを用いた乗務員指導を行うことで、会社全体としてのコンプライアンス遵守体制を底上げできます。

向いていない企業・現場

運送特有の拘束時間管理が不要で、内勤スタッフのみで構成される企業

  • 運送業特化の機能群が不要なオフィスワーク主体の職場
    TUMIXコンプラは改善基準告示の判定やデジタコ連携など、運送業務に特化した機能群を中心に設計されています。トラック乗務員が所属せず内勤者のみを管理する場合、機能が過剰となり、汎用的なオフィス向け勤怠管理システムの方が費用対効果に優れる場合があります。

スタンドアロン型の買い切り型パッケージで完全オフライン運用を行いたい企業

  • 月額クラウドサービスではなく一度のライセンス購入で社内完結させたい方針
    TUMIXコンプラはクラウド(SaaS)形式の月額利用モデルを採用しており、インターネット環境とWebブラウザを通じて利用します。社内サーバーやローカルPCのみで完結する買い切り型システムを希望する現場には適さないため、オンプレミス型やスタンドアロン型のパッケージソフトを検討する必要があります。

類似ツールとの比較

運送業界に特化した勤怠・労務管理システムの中から、代表的な類似ツールとの比較を行います。

ツール名 特徴 料金 向いている企業
TUMIXコンプラ 鈴与グループ提供。デジタコ・点呼機器との幅広い連携、改善基準告示のリアルタイム判定、勤務簿・手当簿の自動生成に強み 基本料 月額17,000円(1ID含む)+ 利用料(1〜10人: 5,000円/月、11〜30人: 500円/人/月〜)+ データ連携 3,000円/取込元 ※初期費用別途 デジタコ連携で出勤簿作成を自動化し、改善基準告示違反のリスクをリアルタイムに予防したい運送事業者
勤怠ドライバー 運送業経営者が開発に携わるクラウドシステム。デジタコ連携や改善基準告示チェックに加え、給与計算オプションやシミュレーション機能を搭載 基本料金 月額10,000円 + アカウント料(1〜20名: 700円/人/月、21〜50名: 500円/人/月〜)※初期費用別途 クラウド上で勤怠管理と給与計算を一貫して運用したい企業や、シフト作成時のシミュレーションを重視する企業
労働時間管理システム DiSynapseII デジタコデータを活用した運行管理・改善基準告示対策に長年の実績を持つシステム。違反内容を日報に明記し乗務員指導を支援 スタンドアロン型: 110万円(税込)〜、クライアントサーバー型: 385万円(税込)〜 ※年間保守・設定等は別途見積もり 月額課金のクラウドではなく、自社サーバーや個別PCにパッケージライセンスを導入して運用したい企業
勤怠管理 V3 運転免許証やスマホ打刻に対応した運送業向け勤怠管理ソフト。個別カスタマイズ対応や同社「運送管理V9」との連動が可能 要問い合わせ 運転免許証による打刻チェックを導入したい企業や、自社固有の就業ルールに応じた個別機能カスタマイズを希望する企業

ツール選定においては、自社の運用形態(クラウドかオンプレミス・パッケージか)と、重視する連携範囲(デジタコ連携による自動化か、給与計算までの一体化か)が大きな分岐点となります。

既存の主要デジタコ(矢崎、富士通など)や点呼システムを活用しつつ、出勤簿作成の手作業を最小化し、日々の改善基準告示違反リスクをアラートでタイムリーに検知したい場合は、TUMIXコンプラが適した選択肢となります。特に鈴与グループの物流ノウハウを背景とした現場適合性の高さや、クラウドによる複数拠点の一元管理を重視する中堅〜大手運送事業者に強みがあります。

一方で、勤怠管理だけでなく給与計算機能まで同一システム内で完結させたい場合は勤怠ドライバーが候補に挙がります。また、社内ネットワーク内にシステムを構築して運用したい場合はDiSynapseIIのようなパッケージ型製品、運転免許証を用いた確実な打刻や個別カスタマイズを前提とする場合は勤怠管理 V3を比較検討するとよいでしょう。

料金・プラン・導入方法

TUMIXコンプラは、管理ID数および管理対象となる従業員数に応じた月額従量課金制(SaaS)を採用しています。公開されている標準料金体系は以下の通りです。

料金項目 金額(税抜) 対象・備考
基本料金 月額 17,000円 管理者1IDを含む。2ID目以降は追加3,000円/ID/月
サービス利用料(1〜10人) 月額 5,000円(固定) 対象従業員10名までの定額枠
サービス利用料(11〜30人) 月額 500円 / 人 11名から30名までの1人あたり加算額
サービス利用料(31人以上) 個別割引・要問い合わせ 31名以上の大規模利用時はボリュームディスカウント適用
データ取込機能利用料 月額 3,000円 / 取込元 デジタコや点呼システム等のデータ連携元1件あたり
初期費用 100,000円〜(要問い合わせ) 導入規模や初期設定・連携要件に応じて個別見積もり

※導入にあたっては、配車計画連動などのオプション機能の有無や、連携する車載器・点呼機器のメーカー・台数に応じた見積もりが必要です。契約を検討する際は、自社の対象ドライバー数、管理者アカウント数、連携対象機器の構成をもとに、公式サイトより詳細な試算を依頼してください。

導入の流れ・期間

TUMIXコンプラを導入する際の標準的なステップは以下の通りです。

  1. 問い合わせ・ヒアリング
    公式サイトのフォーム等から問い合わせを行い、自社の車両台数、ドライバー数、使用中のデジタコ・点呼機器、現在の労務管理上の課題などをヒアリングします。
  2. デモンストレーション・提案
    専任担当者より、実際の画面を用いたデモ操作や、自社の就業規則・運行形態に合わせた運用プランの提示を受けます。
  3. 見積もり・契約
    利用人数、連携機器数、オプション要件に基づいた見積もりを確認し、利用契約を締結します。
  4. 初期設定・マスター登録
    管理者アカウントの発行、従業員情報・車両情報の登録、就業規則や変形労働時間制の計算ルール、デジタコ等のデータ連携設定を行います。
  5. 運用指導・テスト運用
    管理者および現場担当者への操作説明を実施し、実際の打刻やデジタコデータの自動取込が正常に動作するか確認します。
  6. 本稼働開始
    日々の勤怠打刻および運行データ取込を開始し、勤務簿の自動作成や改善基準告示のリアルタイムチェック運用へ移行します。

※初期設定から本稼働に至るまでの具体的な導入期間は、連携する機器の種類や拠点数、既存データの移行規模によって変動するため、要問い合わせとなっています。

導入事例・実績

公式サイトやメディア等で公開されているTUMIXコンプラの主な導入事例は以下の通りです。

  • 株式会社サンワ(愛知県)
    従業員数約660名(乗務員約260名)。矢崎製デジタコやIT点呼キーパーと連携して出退勤・休憩の手入力・転記を排除し、勤怠管理のリアルタイムDX化を実現。ドライバーごとの改善基準告示の遵守状況が自動判定されるようになり、月間約242時間の業務工数削減を達成しています。
  • 山崎運輸株式会社
    保有車両約33台。富士通製デジタコと連携して労務管理業務を一新し、手集計作業の削減により月間約27時間の業務時間削減を達成。2024年問題への確実な対応体制を整備しました。
  • 丸二運輸株式会社(静岡県)
    建材・鋼材輸送を展開。矢崎製デジタコと連携して出勤簿作成を自動化し、勤怠管理の手間削減とともに月間約30時間の削減効果と残業時間の平準化を実現しています。
  • 株式会社アクティブ(東京都)
    スポット輸送等の地場運行を展開。MIMAMORI(デジタコ)と連携して出勤簿を自動化し、月間約30時間の業務時間削減およびドライバー間の残業平準化を推進しています。
  • 成美運輸株式会社(大阪府)
    保有車両約10台。デジタコ連携により改善基準告示への適合状況をリアルタイムに把握し、月間約20時間の事務削減とともに、労働時間を意識した適切な配車繰りとタイムリーなドライバー指導体制を確立しました。

導入前に知っておきたいこと

TUMIXコンプラの検討にあたり、公開されているユーザー評価やシステム仕様から確認できる注意点・留意事項は以下の通りです。

  • 給与計算機能は単体未搭載(CSV連携運用)
    TUMIXコンプラは運送業特有の勤怠管理・勤務簿作成・手当集計に特化しており、システム単体での給与明細発行や源泉徴収計算といった給与計算機能は備えていません。そのため、給与計算を行うには集計データをCSV形式で出力し、既存の給与計算ソフト(大蔵大臣、給与大臣、マネーフォワードなど)に取り込む運用設計が必要です。
  • 対応デジタコ・点呼機器の事前確認が必要
    矢崎エナジーシステムや富士通などの大手メーカー製デジタコ、IT点呼キーパーなど主要システムとの連携に対応していますが、自社で使用している機器の型番やデータ出力仕様によっては追加設定や個別確認が必要となる場合があります。検討段階で現在使用中の機器一覧を提示して連携可否を確認することが推奨されます。
  • 現場の就業規則・休憩ルールの事前整理が不可欠
    精密な勤務簿を自動作成するためには、自社の変形労働制の規定、みなし休憩の取り扱い、各種手当の支給基準などをシステムに正しく事前設定する必要があります。現場の運用ルールが曖昧なまま導入すると設定に時間を要するため、労務規定の棚卸しを並行して進めることが望まれます。

よくある質問(FAQ)

どのような規模や運行形態の運送会社が利用していますか?
一般貨物、宅配・EC、食品、建材、ダンプ、中長距離貨物、冷凍冷蔵など幅広い輸送品目に対応しており、主にトラック保有台数5台〜200台規模の中堅・中小〜大手運送会社で導入されています。
利用推奨環境やブラウザの指定はありますか?
クラウドシステムのためインターネットに接続されたPCから利用できます。公式の推奨ブラウザはGoogle Chromeとなっています(Microsoft Edgeでも動作可能)。
ドライバーが外出先やスマートフォンから打刻することは可能ですか?
可能です。営業所での点呼時クラウド打刻に加え、スマートフォンやタブレットを利用したWeb打刻に対応しており、直行直帰や中長距離運行時の出退勤管理にも対応できます。
無料トライアルやデモ体験は提供されていますか?
公式情報において定常的な無料トライアルは提供されていませんが、初回導入時の「基本料金1か月無料キャンペーン」などが実施されている場合があります。また、オンラインでの画面デモンストレーションは随時受け付けられています。
導入後のサポート体制やメンテナンス費用はどうなっていますか?
クラウドサービスのため月額費用内でシステムのバージョンアップや法改正対応が行われ、別途の保守料やメンテナンス費用は発生しません。操作方法や設定に関するサポート窓口が用意されており、全国対応が可能です。
最低契約期間や解約条件について教えてください。
公式サイト上では一律の最低契約期間や解約条件は公開されていません。契約プランや初期条件によって異なるため、見積もり・商談時にご確認ください。

参照・出典

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