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サプライチェーン 2026年5月8日

SBSロジコムに学ぶ!年商3億円ECの壁を破る「物流設計」3つの解決策

SBSロジコムに学ぶ!年商3億円ECの壁を破る「物流設計」3つの解決策

「つまずくのは、『物流』じゃない。『設計』だ。」

この強烈なメッセージとともに、SBSロジコムが2024年5月7日に公開した特設サイトが、EC業界および物流業界で大きな波紋を呼んでいます。年商3億円以上の成長フェーズにあるEC事業者をメインターゲットに据え、単なる「倉庫作業の代行」からの脱却を促す本施策。EC事業が一定の規模に達した際、既存の物流オペレーションが事業成長の深刻なボトルネックになるケースは後を絶ちません。

なぜ今、物流の現場力だけでなく「設計力」が問われているのか。そして、このSBSロジコムの戦略的な動きは、荷主企業や競合の物流事業者にどのような影響を与えるのか。本記事では、最新の業界動向と専門的な視点を交え、次世代のEC物流に求められる真の姿を徹底的に解説します。

ニュースの全貌:なぜ「設計」が問われるのか?

SBSロジコムが新たに打ち出した特設サイトは、物流業界が長年抱えてきた「言われた通りに運ぶ・保管する」という受動的なスタンスから、事業戦略の根幹に入り込む能動的なパートナーへの進化を宣言するものです。まずは、発表された内容の事実関係と背景を整理します。

年商3億円以上のEC事業者を狙うSBSロジコムの戦略

新たに公開された特設サイトでは、EC事業者の事業フェーズに合わせた最適な仕組みを構築するコンサルティング的なアプローチが提示されています。

項目 詳細
公開日 2024年5月7日
対象ターゲット 年商3億円以上の成長フェーズにあるEC事業者
提供サービス 営業・システム・立ち上げの専門チームによるオーダーメイド物流設計
メインメッセージ 「つまずくのは、『物流』じゃない。『設計』だ。」

特に注目すべきは、「年商3億円以上」という明確なターゲット設定です。一般的にEC事業において年商が数億円規模に達すると、1日あたりの出荷件数が数百件を超え始めます。このフェーズでは、立ち上げ初期に通用していた属人的なエクセル管理や、スタッフの目視確認による出荷作業が物理的な限界を迎えます。SBSロジコムは、まさにこの「成長の踊り場」で苦しむ事業者に対し、ピンポイントで解決策を提示しているのです。

EC事業の成長を阻む「物流のボトルネック」

EC事業の拡大に伴い、企業は販路の多角化(自社サイト、Amazon、楽天市場などの複数モール展開)や、取扱商品(SKU)の増加に踏み切ります。しかし、フロントエンドのマーケティング施策が先行する一方で、バックエンドの物流体制が追いつかず、以下のような深刻な課題が噴出します。

課題のカテゴリ 従来の物流(インハウス・単純外注)の限界 「物流設計」による解決アプローチ
販路の多角化 複数モール展開による在庫データのズレや売り越しが頻発。 OMSと連携したリアルタイムな在庫統合とデータの一元管理。
出荷波動への対応 セール時やメディア露出時に現場がパンクし出荷遅延が発生。 柔軟な人員配置とシステムによる自動化で波動を吸収する仕組みの構築。
オペレーションの複雑化 ギフト対応やチラシの同梱などイレギュラー作業でミスが多発。 作業手順の標準化とハンディターミナル等を活用したポカヨケの徹底。

これらの課題は、現場の作業員を増やすだけでは根本的な解決に至りません。情報の流れとモノの流れを俯瞰し、ゼロからシステムとプロセスを再構築する「設計」が必要不可欠となります。

三位一体チームによるオーダーメイド支援の仕組み

SBSロジコムが解決策として提示しているのが、営業、システムサポート、立ち上げサポートが三位一体となった専門チームの編成です。
通常の物流コンペでは、営業担当者が受注した案件を現場のセンター長に引き継ぎ、いざ稼働し始めるとシステム連携の不具合や現場の混乱が生じるといったトラブルが散見されます。しかし、同社は契約前の要件定義からシステム構築、そして現場の稼働立ち上げまでを専門チームが伴走することで、机上の空論ではない「実装可能なオーダーメイドの物流スキーム」を実現します。

業界への具体的な影響:各プレイヤーに迫られる変革

このSBSロジコムの「物流設計」を前面に押し出した戦略は、同業他社や荷主企業に対して大きな刺激を与え、物流市場全体の競争ルールを変える力を持っています。

EC事業者におけるコア業務への集中とマーケティングの連動

荷主であるEC事業者にとって、物流を戦略的に設計し直す最大のメリットは「リソースの再配分」です。物流現場での誤出荷対応や在庫のズレの修正に追われていた事業責任者が、本来注力すべきマーケティング施策や魅力的な新商品の開発に専念できるようになります。
また、精緻に設計された物流システムは、顧客の購買データに基づいたチラシのパーソナライズ同梱や、即日配送による顧客体験(CX)の向上など、マーケティングと直結した武器へと昇華します。物流が単なるコストセンターから、LTV(顧客生涯価値)を最大化するプロフィットセンターへと変わるのです。

3PL・倉庫事業者へ突きつけられた「提案力」のハードル

競合となる中堅・中小の3PL事業者や倉庫会社にとっては、非常に厳しいベンチマークが提示されたことになります。
「坪いくら」「出荷1件いくら」といった表面的なコスト競争や、単に預かった荷物を言われた通りに発送するだけの「物流代行」モデルは、早晩コモディティ化し淘汰されます。顧客の事業フェーズを理解し、OMS(受注管理システム)とWMS(倉庫管理システム)の連携をリードし、ECの成長痛を取り除く「コンサルティング能力」を持たなければ、優良な荷主を獲得することは難しくなるでしょう。

システムベンダーや運送事業者との新たな連携構築

物流設計が高度化するにつれ、倉庫内のオペレーションだけでなく、その前後のサプライチェーン全体を巻き込んだ最適化が進みます。
システムベンダーには、より柔軟なAPI連携やイレギュラー処理の自動化機能が求められます。また、運送事業者にとっても、出荷データが事前に精緻に設計・共有されることで、トラックの手配や積載率の向上が図りやすくなります。物流2024年問題で輸送力が制限される中、出荷の平準化を考慮した物流設計は、輸配送ネットワークを維持するための必須条件となります。

LogiShiftの視点:システムと自動化を統合する次世代戦略

ここからは、SBSロジコムの属するSBSグループ全体の戦略や、物流業界のメガトレンドを踏まえ、今後の企業の生存戦略を独自に考察します。

SBSグループが描く「EC物流」の高収益化と新中計の符合

SBSホールディングスは、2026年度から2030年度に向けた新中期経営計画「Harmonized Growth 2030」において、物流事業の営業利益率を大幅に引き上げる高収益化戦略を掲げています。その中核を担う成長領域の一つが「EC物流」です。
同グループは近年、「EC物流お任せくん」に代表される包括的なフルフィルメントサービスの拡充や、物流技術(LT)を検証する「LTラボ」の開設など、最先端のロボティクスとシステムを現場に実装する投資を強力に推し進めています。今回のSBSロジコムによる特設サイトの公開は、こうしたグループ全体の高度なインフラとノウハウを、年商3億円規模のミドル層のEC事業者へ一気に横展開し、優良顧客を囲い込むための極めて戦略的な布石と読み解くことができます。

労働力不足を打ち破る「全体最適」のオーケストレーション

特設サイトのメッセージである「物流設計」の本質は、自動化設備(LT)、情報システム(IT)、そして現場の作業員という3つの要素を高度に同期させる「オーケストレーション」にあります。
多くの企業が物流改善に失敗する理由は、単に最新の倉庫管理システムを導入したり、無人搬送ロボットを購入したりする「部分最適」に陥るからです。真の物流設計とは、ECカートから受注データがどのように流れ、どう例外処理を弾き、どのタイミングでピッキング指示を出し、どのような資材で梱包するかという一連のプロセスを、淀みなくデータでつなぎ合わせる設計図を描くことです。この青写真が描けて初めて、深刻化する労働力不足に打ち勝つ省人化オペレーションが実現します。

究極の差別化となる「4PL的コンサルティング」の台頭

SBSロジコムの提供する三位一体の伴走型サポートは、従来の3PL(サードパーティ・ロジスティクス)の領域を超え、荷主の経営戦略に深くコミットする4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)的なアプローチと言えます。
自社の資産(アセット)を提供するだけでなく、システム構築や業務プロセスの再構築(BPR)までを含めたコンサルティング機能を提供できる物流事業者は、国内でも限られています。荷主企業は今後、単なる外注先を探すのではなく、事業成長のロードマップを共に描ける戦略的パートナーを選ぶ視点が不可欠になります。

参考記事: 3PL(サードパーティ・ロジスティクス)完全ガイド|基礎知識から導入メリット・失敗しない選び方まで
参考記事: 4PL(フォースパーティ・ロジスティクス)とは?3PLとの違いや導入メリットを徹底解説

まとめ:明日から事業者が意識すべきアクション

SBSロジコムが投じた「つまずくのは、『物流』じゃない。『設計』だ。」という一石は、急成長するECビジネスにおいてバックヤードの設計がいかに重要であるかを業界全体に再認識させました。

この変革期において、経営層や現場リーダーが明日から意識すべき具体的なアクションは以下の通りです。

  • 荷主企業(EC事業者)の視点
    • 自社の物流現場が、特定の担当者に依存した「ブラックボックス」になっていないか点検する。
    • 売上目標の達成だけでなく、それに耐えうるシステム連携と出荷キャパシティの設計図を事前に描く。
  • 物流事業者(3PL・倉庫会社)の視点
    • 荷主からの指示を待つ「請負業」から脱却し、システム連携や現場改善を主導する「提案型」の組織体制を構築する。
    • 自社の強みを明確にし、立ち上げや運用を支援する専門チームの育成に投資する。
  • 未来への備え
    • 物流2024年問題や今後の2026年問題を見据え、労働力に依存しない持続可能なサプライチェーンを設計する。

物流はもはや、裏方でコストを削るだけの部門ではありません。精緻に「設計」されたロジスティクスこそが、企業を次の成長ステージへと押し上げる最強の競争優位性となるのです。


出典: 物流(ロジスティクス)ニュース LNEWS
出典: SBSロジコム 特設サイト

監修者プロフィール
近本 彰

近本 彰

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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