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物流DX・トレンド 2026年7月3日

ロジテック25アプリで2026年義務化の実運送体制管理簿作成を効率化

ロジテック25アプリで2026年義務化の実運送体制管理簿作成を効率化

「残業規制でドライバーの労働時間が減ったのに、なぜか配車担当者の残業が増え続けている」
「協力会社に依頼した荷物が、最終的にどのトラックで運ばれているのか把握できていない」

このような悩みを抱える物流現場のリーダーや経営層は少なくありません。

長年、物流業界のブラックボックスとされてきた「多重下請け構造」ですが、法改正や相次ぐ規制強化によって、もはや「知らなかった」では済まされない時代が到来しています。

この記事では、物流業界に巣食う多重下請け構造の現状を整理し、運送の現場で急速に進むデジタルツールによる改革と、その具体的な実践ポイントを徹底解説します。この記事を読むことで、コンプライアンス違反のリスクを回避し、業務効率化とコスト削減を同時に実現する道筋が明確になります。


基礎知識:物流業界に巣食う「多重下請け構造」と「デジタルツール」による改革

日本のトラック運送業界は、約6万社におよぶ事業者のうち大半を中小・零細企業が占めています。この市場構造を背景に、大手運送会社(元請け)が引き受けた荷物が、二次請け、三次請け、さらにはその末端の実運送事業者へと流れていく「多重下請け構造」が常態化してきました。

多重下請け構造の仕組みと弊害

この構造の最大の弊害は、階層が深くなるごとに手数料(中抜き)が発生し、実際にトラックを走らせる末端の実運送事業者に適正な運賃が届かないことです。

これがドライバーの低賃金や長時間労働、過労運転を引き起こす元凶となってきました。さらに、誰が実際に運送しているのかが元請けや荷主から見えなくなる「情報のブラックボックス化」も引き起こしています。

デジタルツールによる「可視化」改革とは

この課題を根本から解決するために導入が進んでいるのが、配車管理システム(TMS)や運送現場連携アプリなどの「デジタルツール」です。

これまで電話、FAX、メール、手書きの日報などに頼っていた運行情報をデジタル化し、クラウド上で一元管理します。

デジタルツールの導入により、以下のような情報がリアルタイムで可視化されます。

  • 配送依頼と契約内容の明確化(運賃と附帯作業費の分離)
  • 運行ステータスの共有(車両の位置情報、荷待ち・荷役時間)
  • 実運送体制の把握(実際にハンドルを握るドライバー名、車番、事業者名)

多重下請け構造の可視化プロセス

【荷主企業】
    │
    ▼(配送依頼のデジタル送信 / 契約書面化)
【元請事業者】
    │
    ▼(スマホアプリ等で配送指示・実運送者の情報を一元化)
【実運送事業者(末端ドライバー)】
    │
    ▼(スマホから車番連絡・画像付き完了報告をリアルタイム送信)
【運行情報の自動連携(実運送体制管理簿の自動生成)】

複雑な情報を分かりやすく整理するため、従来の「アナログ管理」と「デジタルツール導入後の改革」を比較したのが以下のテーブルです。

管理項目 従来のアナログ管理(多重下請けの温床) デジタルツール導入後の改革 主な効果
実運送者の把握 電話やFAXによるバケツリレー。当日まで車番やドライバーが不明。 アプリ上で車番やドライバー情報を即時に紐付け。 実運送体制管理簿の自動作成。
契約と運賃 どんぶり勘定のコミコミ運賃。附帯作業はサービス扱いに。 システム上で運賃と附帯業務(荷役等)の対価を別建て登録。 適正運賃の収受。下請法遵守。
運行・完了報告 帰社後の手書き日報。トラブル時のエビデンスが残りにくい。 スマホGPSによる動態管理。画像付きの完了報告を即時送信。 「言った・言わない」の防止。

なぜ今重要なのか:2026年問題と法改正が迫る「多重下請け」へのメス

多重下請け構造の可視化とデジタルツールの導入が急務となっている背景には、2026年4月に本格施行される「トラック適正化二法」や「貨物自動車運送事業法」の改正(通称:トラック新法 2026)による強力な法的強制力があります。

1. 「実運送体制管理簿」の作成・運用義務化

2026年4月以降、元請けおよび特定利用運送事業者は、末端の実運送を担う事業者までを正確に把握し、その情報を記録・保存する「実運送体制管理簿」の作成が義務付けられます。

当日朝に急遽変更された車番やドライバーの氏名、附帯作業の有無など、全階層の情報をタイムリーに収集しなければなりません。

これを手作業のExcelや紙で管理することは実務上不可能なため、自動出力に対応したデジタルツールの導入が不可避となっています。

2. トラック適正化二法による「健全化措置」の努力義務

2026年施行の改正法では、他の事業者に運送を委託する際、相手の健全な運営を阻害しないよう配慮する「健全化措置」が盛り込まれました。

国土交通省のQ&A(問3-2)で明示された「3つの努力義務」は以下の通りです。

  • 概算費用の把握と勘案: 人件費や燃料費の概算を把握して委託の申し込みをする
  • 荷主への運賃交渉申し出: 提示運賃が下請けの概算費用を下回る場合、元請けは荷主へ交渉を申し出る
  • 委託条件の付与: 再々委託の制限や、それに代わる「費用を聞き取る場の設定」などを付与する

これにより、これまでの悪習であった「安値での丸投げ」が法的に厳しく制限されることになります。

3. 「荷主責任」の厳格化と「トラックGメン」の監視

コンプライアンス違反に対するペナルティは運送会社だけに留まりません。違法な白ナンバートラックを利用した有償運送(白トラ行為)に関与していた場合や、長時間の荷待ち・不当な附帯作業を強要していた場合、発注元である「荷主企業」もトラックGメンによる是正勧告や社名公表の対象となります。

荷主・元請けの双方が「実運送体制の透明性」を確保しなければ、致命的なレピュテーションリスクを抱える時代が到来しているのです。

参考記事: トラック適正化二法「健全化措置」3つの努力義務と運送事業者が講じるべき対策


デジタルツール導入のメリット・効果

運送現場らくらく連携アプリ「25(ニーゴー)アプリ」(株式会社ロジテック提供)に代表される最新のデジタルツールを導入することで、現場には定量的・定性的な劇的変化がもたらされます。

定量的効果:事務工数の爆発的削減とコスト適正化

管理簿作成の自動化による残業削減

手作業では1日あたり数時間かかっていた実運送体制管理簿の作成が、配送依頼データと現場ドライバーからの完了報告の紐付けによって「自動生成」されます。これにより、配車担当者の事務負担が劇的に減少します。

附帯作業費の明確な別建て請求

システム上で検品やラップ巻き、待機時間などの附帯作業を記録することで、荷主に対して根拠のある「別料金(作業料)」を請求可能になります。どんぶり勘定から脱却し、運行原価に基づいた適正な利益を回収できるようになります。

定性的効果:荷主からの圧倒的信頼獲得とコンプライアンス強化

白トラや無断再委託の混入防止

システムを介して実運送事業者の「緑ナンバー取得」情報や許可番号を紐付けるため、違法車両や無断の再々委託を自動で検知・排除できます。

「攻めの営業カード」への転化

自社のサプライチェーンがクリーンで透明であることを客観的データとして荷主に提示できます。コンプライアンス違反のリスクに怯える大手荷主企業から、「安心して直接契約できるプライム(元請)運送会社」として優先的に指名される強みになります。

参考記事: 25アプリで実運送体制管理簿を自動化!関西物流展で見えた3つの法改正対策


実践/導入のポイント:失敗しないための3ステップ

最新のデジタルツールを導入しても、現場で使われなければ形骸化してしまいます。特に多重下請けの末端にいる高齢ドライバーや協力会社への浸透には、以下のステップと注意点が必要です。

ステップ1:徹底した「現場ファースト」のUI/UX選定

物流現場は高齢化が進んでおり、最新のITツールに対して強いアレルギーを示すドライバーも少なくありません。

ツール選定の際は、多機能さよりも「直感的に操作できるか」を最優先に評価してください。例えば、アプリを開いて数タップで車番連絡ができる、写真を撮って送信するだけで完了報告ができるといった、極限までシンプルな操作性のものが現場定着の鍵となります。

ステップ2:システム障害を想定したBCP(事業継続計画)の策定

基幹業務をデジタルへ全面的に依存する際、物流のプロフェッショナルとして絶対に怠ってはならないのが、通信障害やクラウドサーバーのダウンに備えたBCP(事業継続計画)の策定です。

「システムが停止した場合は、直ちに紙の台帳や緊急用スプレッドシート、ホワイトボードでの手書き管理に切り替えて出荷を維持し、復旧後にシステムへ一括入力する」といったエスカレーションルールを事前に整備し、定期的な避難訓練(BCPテスト)を実施しておきましょう。

ステップ3:経営層によるトップダウンのコンプライアンス宣言

営業部門が「顧客の無理な納期要求」を最優先し、物流・配車部門が「コンプライアンスを満たさない車両(白トラ等)を手配せざるを得ない」という社内対立は、多くの企業で起こる重大な組織的課題です。

これを防ぐためには、経営層が「コンプライアンス遵守は売上や納期よりも優先される」という確固たるメッセージを社内外に発信し、社内評価や取引基準を抜本的に見直すことが不可欠です。

参考記事: 白トラ規制とは?2026年トラック新法の罰則と荷主企業がやるべき実務対応を徹底解説


まとめ:アナログ管理から即時脱却し、2026年以降の覇者へ

2026年の「トラック適正化二法」の本格施行および実運送体制管理簿の義務化は、物流業界にとって避けては通れない巨大な転換点です。

「いつでも、安く、誰が運んでいるか分からなくても荷物が届けば問題ない」という昭和型の不透明な多重下請けモデルは、完全に終焉を迎えました。

経営層や現場リーダーが今すぐ起こすべきアクションは以下の3つです。

  1. 特定荷主・元請としての該当性と、現在の多重下請け構造(委託先)の棚卸し
  2. 「25アプリ」をはじめとする、現場ドライバーでも直感的に使えるデジタルツールの選定・テスト導入
  3. コミコミ運賃の廃止と、附帯作業(荷役、待機)の書面化・有償化の交渉開始

この法改正という荒波を単なる「規制強化」と捉えて守りに回るか、それとも「デジタルツールを用いた強固なコンプライアンス体制」を構築して荷主からの信頼を勝ち取る「攻めの機会」と捉えるか。明日からの決断と行動スピードが、2026年以降の御社の生存と飛躍を決定づけます。

参考記事: FedExの700億円損失に学ぶ!下請け崩壊リスクを回避する3つの対策

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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