Skip to content

LogiShift(ロジシフト)

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • 政策動向
  • ツール紹介
  • 統計分析
  • 用語辞典
Home > 輸配送・TMS> 佐川急便が8.7万㎡の関東ハブ稼働、幹線積載率向上と荷役軽減へ
輸配送・TMS 2026年8月12日

佐川急便が8.7万㎡の関東ハブ稼働、幹線積載率向上と荷役軽減へ

佐川急便が8.7万㎡の関東ハブ稼働、幹線積載率向上と荷役軽減へ

佐川急便株式会社は2026年7月21日、東京都江東区新砂において延床面積約8万7,000平方メートルの大規模中継拠点「関東ハブセンター」を本格稼働させました。分散していた関東エリアの集荷貨物を一括集約し、最新の自動化設備と「ハブ&スポーク」型のネットワーク再編によって幹線輸送の積載効率最大化とドライバーの荷役負担軽減を両立させます。

佐川急便「関東ハブセンター」稼働の全貌と自社物流網再構築の動き

佐川急便が本格稼働させた「関東ハブセンター」は、単なる荷物の保管倉庫や従来の仕分け拠点とは一線を画す、幹線輸送の最適化に特化した「大規模中継拠点(ハブセンター)」です。

2024年4月に適用されたトラックドライバーの時間外労働上限規制(年960時間)や深刻化する労働力不足により、日本の幹線輸送能力の維持は極めて緊迫した課題となっています。特に物量が集中する関東エリアでは、各営業所から個別に長距離トラックを出発させる従来の配送モデルでは、空走距離の増大や積載率の低下(「空気」を運ぶ状態)を回避することが困難でした。

この課題に対し、佐川急便は関東エリアの貨物を一カ所に集約し、行先別に再編して1台の大型トラックへ限界まで詰め込む「集約輸送」へと舵を切りました。

施設スペックと庫内自動化機能

「関東ハブセンター」は、SGホールディングスグループの不動産開発を担うSGリアルティ株式会社が手がけた大型物流施設「SGリアルティ新砂」(地上7階建て)の1~2階および3~4階に入居する2層構造の中継拠点です。

162のトラックバースと毎時約5万個(1日計画約40万個)の処理能力を誇り、庫内には最新の移動ラック、自動仕分け機(クロスベルトソータ)、ベルトソーター、トラック荷台内まで直接延伸する伸縮コンベアなどが全面的に導入されています。

項目 詳細仕様・実績数値 現場での実務機能・導入効果
施設名称 関東ハブセンター 関東エリアにおける幹線輸送の広域中継拠点
所在地 東京都江東区新砂 首都圏主要高速道路・港湾・空港への良好なアクセス
本格稼働日 2026年7月21日 2026年7月17日に公式発表
延床面積 87,561.31㎡ 広域中継センターが入居する延べ床面積
トラックバース数 162バース 大型トラックの同時接車による迅速な入出庫に対応
処理能力 毎時約5万個(1日約40万個計画) 自動ソーターによる高速かつ大量の貨物仕分け
主な自動化設備 移動ラック、自動仕分け機、ベルトソーター、伸縮コンベア パレットの自動積み替え、貨物の自動仕分け、荷役負担軽減
ドライバー支援設備 屋上駐車場(約200台分)、事務所、仮眠室 協力会社を含むドライバーの待機時間削減と環境改善

これらの高度な自動化ソリューションにより、手作業による仕分けが最小化されると同時に、ドライバーや作業員が重い荷物を持ち上げて長距離移動する身体的負担が激減します。

また、屋上には大型トラック約200台分の駐車場と協力会社も利用可能な仮眠室・事務所を配置し、接車待ちによる慢性的な荷待ち時間の解消を図っています。

参考記事: 佐川急便は8万7000㎡の関東ハブセンター本格稼働で幹線輸送最適化を加速

旗艦拠点「Xフロンティア」との明確な役割分担

本拠点の運用の鍵を握るのは、隣接する同社の巨大旗艦施設「Xフロンティア」との明確な機能分離です。

これまで首都圏の国際・国内物流を一手に担ってきたXフロンティアが主に「関東エリア内向けの配送・仕分け」を担うのに対し、新設された関東ハブセンターは「関東の各営業所から集まった貨物を、関西・北陸・中京などの他エリアへ送り出すための中継」に特化します。

両拠点がそれぞれの機能に専念することで、首都圏全体の幹線中継ネットワークのボトルネックが解消され、車両の混雑緩和と配送スピードの向上が実現します。

参考記事: 佐川急便、江東区に8.7万㎡の関東ハブセンターを稼働し幹線輸送網強化が加速

佐川急便が描く「全国3大ハブ網」の全貌

佐川急便の広域ネットワーク構想は、関東ハブセンターの稼働にとどまりません。同社は日本列島の大動脈を結ぶ「3大ハブ網」の構築をロードマップに掲げており、順次拠点を展開する計画です。

稼働(予定)時期 拠点名称 所在地 スケール・処理能力等 ネットワーク上の主な役割
2026年7月21日 関東ハブセンター 東京都江東区 87,561㎡ / 5万個/時 / 162バース 関東の貨物を集約し、関西・中京・北陸等へ中継
2027年1〜2月(予定) 関西ハブセンター 兵庫県尼崎市 専有部約43,000㎡ / 10万個/時 / 290バース 近畿圏の幹線網を再編し東西間の中継機能を強化
2028年6月(予定) 九州ハブセンター 福岡県糟屋郡 約35,000㎡ / 3万個/時 / 117バース 九州全域の貨物を集約・周辺拠点再編の上本州へ結ぶ

2028年までに全国の主要3エリアを結ぶ大型中継ハブが完成することで、各地の拠点が高度なデータと自動化設備でリアルタイムに連携します。これにより、平常時の積載率最大化はもちろん、自然災害や物量スパイク(急増)発生時にも即座に迂回ルートを立ち上げられる強靭なサプライチェーン(BCP対応)が完成します。

参考記事: 物流ハブとは?ハブ&スポークの仕組みと配送網最適化の完全ガイド

大手各社が進める自社物流拠点投資の加速

佐川急便のような大手物流キャリアだけでなく、同時期には大手EC・流通・住宅系物流事業者も相次いで大規模な自社拠点の開設や機能拡張を推進しています。これらは、従来の単なる「保管庫」から「自動化設備を備えた自社物流網の要塞」へのシフトを示しています。

コメリ(コメリ関西流通センター)

  • 稼働開始日: 2026年2月23日
  • 所在地・規模: 和歌山県橋本市、延床面積82,269㎡(同社グループ12拠点中最大)
  • 特徴・目的: 運営は100%子会社の北星産業株式会社が担う。関西エリアの店舗出荷能力を底上げし、構内作業の自動化・店舗作業削減を推進。防災備蓄機能も完備。

センコー(新富士第2PDセンター)

  • 竣工日: 2025年7月15日
  • 所在地・規模: 静岡県富士市(新東名・新富士IC近接)、延床面積20,662㎡
  • 特徴・目的: 関東〜中京・関西間の中継輸送拠点「TSUNAGU STATION 新富士」として活用。ドライバーの立ち寄り・乗り継ぎを可能にし、長距離輸送の省力化を推進。

MonotaRO(水戸ディストリビューションセンター)

  • 着工日: 2025年5月8日起工(2028年5月本格稼働予定)
  • 所在地・規模: 茨城県水戸市、延床面積約74,000㎡
  • 特徴・目的: 出荷・在庫能力の大幅増強。豊田自動織機製の立体自動倉庫(ADAPTO)やAGV、自動梱包機を投入し、従来拠点比で3倍の出荷生産性を目指す。

大和物流(岡山物流センター)

  • 稼働開始日: 2025年10月1日
  • 所在地・規模: 岡山市北区、延床面積約35,000㎡
  • 特徴・目的: 岡山県内の既存2拠点を集約・再編。中国・四国エリアの旗艦拠点および関西〜九州間の中継ハブ機能を発揮。

拠点整備を後押しする「2026年4月改正・白トラ規制強化」

大手プレイヤーがこぞって自社物流網の強靭化とハブ化を急ぐ背景には、単なる人手不足だけでなく、行政によるコンプライアンス規制の厳格化が存在します。

国土交通省は2026年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法に基づき、「白トラ(自家用白ナンバー車両による無許可の有償運送)」に対する監視・規制を劇的に強化しました。

従来の規制では違法運送を行った無許可業者のみが処罰対象でしたが、新制度下では違法な白トラ事業者に運行を委託した「荷主企業・元請け事業者」に対しても、直接100万円以下の罰金が科されることになりました。

さらに「トラック・物流Gメン」による是正指導の対象となり、悪質なケースでは国土交通大臣による要請・勧告とともに企業名が公式に公表されます。

この法的リスクを回避するため、企業は不透明な多重下請けや無許可業者への依存を完全に排除し、可視化された自社物流網や佐川急便のようなメガキャリアの高度なインフラへ貨物を流す必要に迫られています。

物流サプライチェーン各プレイヤーへの具体的影響

「関東ハブセンター」をはじめとする大規模中継拠点の稼働と白トラ規制の強化は、サプライチェーン全体に対して不可逆な構造変化をもたらします。

運送事業者・特積み会社:ハブ&スポークへの移行と共同配送の加速

中小の運送事業者や特積み業者にとって、自前で数十億円規模の自動化ハブ施設を建設することは不可能です。

佐川急便のような大規模キャリアが高度な中継ハブ網を全国に張り巡らせることで、個々の事業者が自社車両だけで「点から点」を結ぶ過酷な長距離直線運行は成り立ちにくくなります。今後は、自社で抱えきれない長距離幹線枠を大規模キャリアのハブ網へ流したり、同業者間での幹線シェアリングや共同配送を積極的に導入したりする「アセットライトなネットワーク利用」が生き残りの必須条件となります。

参考記事: 日本倉庫協会が2026年6月11日に総会、営業倉庫の中継ハブ化が加速

EC事業者・荷主企業:出荷能力の底上げとScope3(脱炭素)対応

EC事業者や製造・卸などの荷主企業にとって、毎時約5万個の処理能力を持つ「関東ハブセンター」の稼働は、セール時期や繁忙期における「出荷遅延リスク」の大幅な緩和を意味します。

さらに重要なのが環境価値(ESG)です。荷物を中継拠点に集中させて大型トラックの積載率を限界まで高め、無駄な運行台数を削減することは、輸送1件あたりのCO2排出量削減に直結します。

2026年現在、荷主企業にはサプライチェーン全体における温室効果ガス排出量(Scope3)の把握と削減が強く求められており、高積載・低炭素なグリーンロジスティクス網を活用すること自体が、荷主企業の企業価値や競争力を左右する要素となっています。

参考記事: 総合物流施策大綱が示す2030年度輸送力25%不足に荷主の経営改革が必須

現場ドライバー・倉庫作業員:重労働の減災と「日帰り運行」の定着

現場の作業環境にもドラスティックな改善が生まれます。

倉庫内では、クロスベルトソータや伸縮コンベアの配備により、荷物の持ち上げや庫内を何千歩も歩き回る手作業が大幅にカットされます。身体的負荷が激減することで、女性や高齢者を含む多様な人材の雇用が可能になります。

また、トラックドライバーにとっては、162バースの広大な接車スペースと屋上駐車場の存在が荷待ち時間を劇的に縮小させます。さらに、関東ハブセンターを通過点とした「中継輸送(リレー運行)」や地場シャトル運行の比率が高まることで、一人のドライバーが夜通し走る連続過酷運行が減少し、日帰り運行や拘束時間の短縮が現実のものとなります。

行政・規制当局:コンプライアンス順守の徹底と自動化インフラの推進

国土交通省をはじめとする規制当局は、「2026年4月の白トラ規制強化」や「改正物流効率化法」を通じて、個社の閉鎖的な物流から社会最適化された広域ネットワークへの転換を誘導しています。

行政は、違反荷主に対するペナルティ(名義貸し・白トラ利用への罰則)を厳しく適用する一方で、佐川急便の「関東ハブセンター」のように積載率向上と省人化を高度に実現する先進拠点を、日本の物流インフラの標準モデルとして評価・推進していく姿勢を鮮明にしています。

参考記事: 国土交通省が25%の輸送力不足へ挑む自動物流道路で倉庫の立地再編が加速

LogiShiftの視点(独自考察)

佐川急便の「関東ハブセンター」稼働と、それに続く関西・九州への展開は、単なる一企業の設備投資という枠組みを超え、日本の幹線ロジスティクスが「人海戦術の直線輸送」から「自動仕分けとデータで制御される巨大バックボーン」へと完全に移行したことを裏付けています。

「基幹ハブの超高効率化」と「ラストワンマイルの消費者協調」による双方向エコシステム

物流効率化を議論する際、幹線の輸送効率ばかりに目が向きがちですが、どれほど「関東ハブセンター」で積載率を100%に近づけても、最末端のラストワンマイルで不在持ち戻り(再配達)が多発すれば、システム全体の生産性は急低下します。

ここで注目すべきは、佐川急便が「上流(幹線ハブの全自動化)」と「下流(消費者の受取行動変容)」を対で進めている点です。

同社は2026年夏より、東京都中野区の集配拠点において「顧客が営業所で荷物を受け取った場合、次回送料を15%割り引く」実証実験を開始しています。

上流では関東ハブセンターの毎時5万個という超高効率な自動仕分けでコストとドライバー負荷を削り、下流ではインセンティブを用いて消費者を営業所受け取りへと誘引する。この「基幹インフラの極致」と「末端の役割分担」が合流して初めて、労働力が劇的に減少する2030年代においても持続可能な配送エコシステムが確立されます。

白トラ規制強化と自社物流強靭化が迫る「昭和型物流」の完全終焉

2026年4月にスタートした改正白トラ規制によって、コンプライアンスを軽視した格安運送会社への買い叩き発注や、不透明な多重下請け構造に依存していた荷主企業は、事業継続そのものが不可能になりました。

コメリ、センコー、MonotaRO、大和物流といった大手プレイヤーが相次いで最新の自社物流センターを稼働させているのは、単に規模を誇るためではなく、自社のサプライチェーンからコンプライアンス違反や輸送遮断のリスクを完全に排除する「強靭化(レジリエンス)」の動きに他なりません。

自前のアセットを持つ企業は高度なマテハンで自動化を進め、持たない企業は佐川急便のような高度な中継ハブ網へ貨物を統合する。「安さだけに頼る昭和型物流」は完全に終焉を告げ、コンプライアンスと自動化を兼ね備えたプロフェッショナルな物流網だけが残る時代へ突入しています。

まとめ:明日から意識すべき3つの実践アクション

佐川急便の「関東ハブセンター」本格稼働と、業界全体で進む拠点投資・規制強化の動向を踏まえ、物流に関わる経営層や現場リーダーが明日から取り組むべき3つのアクションを提言します。

  1. 自社幹線輸送における「積載率」と「コンプライアンス」の緊急監査を行う
    委託先トラックの平均積載率(空気の運搬がないか)や、2026年4月施行の白トラ規制・多重下請けに抵触するリスクがないかをデータで直ちに可視化する。
  2. 全国3大ハブ網の完成を見越した「拠点配置と在庫戦略」の再設計
    佐川急便が2028年にかけて構築する「関東・関西・九州のメガハブ網」へのアクセス性を考慮し、自社倉庫の立地や在庫配置を見直す中長期ロードマップを策定する。
  3. ラストワンマイル負担を軽減する「受取受容性の拡大」とシステム連携
    自社ECや出荷システムにおいて、営業所受取、置き配、店舗受取などを選択した顧客へインセンティブを付与する仕組みを整え、配送キャリアとの協調体制を構築する。

2026年から2030年にかけて加速する物流ネットワークの再編を先取りし、自社のサプライチェーンをいかに高度なインフラへと適合させていくかが、これからの企業の成長を左右します。

出典: 物流ウィークリー
出典: 佐川急便株式会社 公式プレスリリース
出典: 株式会社コメリ 公式プレスリリース
出典: トラックニュース
出典: パイ・アール(物流・運行管理コラム)
出典: ロジエボ

Share this article:

監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

関連記事

国土交通省が2026年5月29日発表の白書で自動走行明記、物流自動化が加速
2026年5月29日

国土交通省が2026年5月29日発表の白書で自動走行明記、物流自動化が加速

ローソン、常温・冷凍LTを1日延長し月120台の運行削減へ
2026年9月2日

ローソンが常温・冷凍の納品を翌々日(LT2)へ延長、月120台のトラック削減へ

物流倒産が52件に急増、帝国データバンク調査が示す選ばれる荷主への転換期
2026年6月28日

物流倒産が52件に急増、帝国データバンク調査が示す選ばれる荷主への転換期

AD LogiShiftへの広告掲載を募集中 媒体資料をダウンロード »
表示できるコメントはありません。

LogiShift

物流担当者と経営層のための課題解決メディア。現場のノウハウから最新のDX事例まで、ビジネスを加速させる情報をお届けします。

カテゴリー

  • 物流DX・トレンド
  • 倉庫管理・WMS
  • 輸配送・TMS
  • マテハン・ロボット
  • サプライチェーン

もっと探す

  • 政策動向
  • ツール紹介
  • 海外トレンド
  • 事例
  • 統計分析
  • 物流用語辞典

サイト情報

  • 運営者情報
  • お問い合わせ
  • 媒体資料
  • プライバシーポリシー
  • TechShift
  • ConShift

© 2026 LogiShift. All rights reserved.