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倉庫管理・WMS 2026年10月26日

GLORY OF BRIDGEが倉庫特化の特定技能紹介|1.14万人枠に直結

GLORY OF BRIDGEが倉庫特化の特定技能紹介|1.14万人枠に直結

株式会社GLORY OF BRIDGEは2026年10月26日、在留資格「特定技能」に新設された物流倉庫分野特化型の外国人材紹介サービス「特ロジWORKS」を本格開始した。同サービスはインドネシアの自社研修拠点で入国前に約300時間の専門教育を実施し、特定技能1号の受入れ上限として設定された1万1,400人の枠に向けて実務対応力を持つ人材を供給する。

特定技能「物流倉庫」の新設と「特ロジWORKS」の供給体制

2026年1月23日に特定技能制度および育成就労制度の分野別運用方針が閣議決定され、特定産業分野に「物流倉庫」が追加された。技能評価試験の開始に伴って順次受入れが始まる特定技能1号と、2027年4月1日に施行される育成就労制度を合わせ、政府が定めた物流倉庫分野の受入れ見込数(上限)は計1万8,300人である。

物流倉庫分野における人材需給ギャップと受入れ枠の設計

国土交通省の試算によると、物流倉庫の現場では2024年時点で約1万9,000人の人材が不足しており、ハローワーク経由の有効求人数は応募者数の約2.5倍に達している。2028年度には現場作業員が約5万5,100人不足する見込みであり、省人化機器の導入や国内人材の追加確保を進めてもなお約1万8,300人の需給ギャップが生じる。政府はこの不足分を補うため、受入れ上限を設定した。

制度区分 受入れ見込数(上限) 対象期間 主な就労要件
特定技能1号 1万1,400人 2026年度〜2028年度(3年間) 技能評価試験合格+日本語能力A2相当(N4等)以上
育成就労 6,900人 2027年度〜2028年度(2年間) 就労前日本語A1相当(N5等)以上+実務研修
合計 1万8,300人 2028年度末まで 運転免許不要・構内作業(入出庫・ピッキング等)

特定技能制度では、受入れ見込数が上限として厳格に管理される。過去に外食産業分野で上限到達に伴い新規申請の受付が停止した運用と同様に、物流倉庫分野においても1万1,400人の枠に達した段階で在留資格認定証明書の交付が停止される。

「特ロジWORKS」が提供する渡航前教育と受入れ支援

株式会社GLORY OF BRIDGEは、2025年10月より展開してきた特定技能ドライバー紹介事業「特ドラWorks」のノウハウを転用し、倉庫作業に特化した供給体制を整えた。

インドネシア・ソロ市に構える自社研修施設「GLORY CAMP」において、来日前の候補生に対して約300時間のカリキュラムを実施する。一般的な日本語学習にとどまらず、日本の倉庫現場で使用される専門用語、5S(整理・整頓・清掃・清潔・躾)の概念、作業安全ルール、日本の職場マナーを事前に習得させる。業務対象は以下の通りである。

  • 入庫・出庫管理補助
  • 仕分け・ロケーションへの格納
  • オーダーに応じたピッキング
  • 荷姿に合わせた流通加工・梱包・検品
  • 構内搬送作業

同社は登録支援機関として、企業ごとの要件確認から在留資格申請手続き、社宅手配、作業手順書や構内掲示物の多言語翻訳、通院同行までを一括で引き受ける。さらに、独自のCRM(顧客関係管理)システムと巡回報告シートを用いて就労後の勤怠や生活状況を把握し、早期離職を防ぐ体制を組んでいる。

受入れ事業者に課される3つの必須要件

国土交通省の告示基準により、物流倉庫分野で外国人材を受け入れる事業者には以下の条件が義務付けられている。

  1. 対象事業者の該当性:倉庫業法に基づく登録を受けた倉庫業者、当該倉庫業者から業務委託を受けて営業倉庫内で作業を行う事業者、または貨物自動車運送事業の許可を持ち倉庫作業を行う事業者であること。
  2. 入出庫・在庫管理システムの利活用:紙伝票や表計算ソフトのみの運用ではなく、入庫・在庫・出庫の3機能を備えた情報システム(WMSなど)を現場で実稼働させていること。
  3. 雇用形態と組織参加:直接雇用契約(派遣形態の就労は不可)を締結し、国土交通省が設置する「物流倉庫分野特定技能協議会」へ加入すること。

参考記事: 国土交通省、外国人1.8万人枠にWMS義務化!倉庫DXが雇用の前提条件に

サプライチェーン各プレイヤーに生じる影響

特定技能「物流倉庫」の運用開始と専門紹介サービスの始動は、倉庫内オペレーションだけでなく、輸配送や荷主の出荷体制にも直接影響を与える。

倉庫事業者・3PL:1.14万人枠の獲得競争とシステム要件の選別

倉庫事業者や3PLにとって、特定技能1号の1万1,400人という枠は、全国の営業倉庫数に対して極めて限られた枠である。セイノースタッフサービスが2026年9月にインドネシアで現地選考を行い17人の内定を先行して出すなど、大手物流企業は制度運用開始と同時に配属できるよう事前確保を進めている。

また、受入れ要件であるWMS等のシステム利活用は、中小倉庫事業者にとって参入障壁となる。現場のデジタル化が進んでいない事業者は外国人材の申請資格を得られず、国内のパート・アルバイト採用難と相まって現場の稼働維持が困難になる。一方で、WMSを稼働させて作業手順を平準化している事業者は、渡航前教育を受けた外国人材を即戦力としてシフトに組み込み、構内処理能力を維持できる。

参考記事: セイノースタッフサービスが倉庫特定技能で17人内定|免許不要枠を早期確保

運送事業者:保管荷役の内製化と外国人キャリアパスの複線化

貨物自動車運送事業の許可を持ち、自社で配送デポや保管倉庫を運営する運送会社にとって、倉庫作業員の直接雇用が可能になった点は輸配送と保管の一貫受託体制を強固にする要因となる。

先行した自動車運送業分野の特定技能では、2025年10月の外免切替審査厳格化(文章問題50問化、住民票提出必須化)により知識確認の合格率が42.8%に低下し、在留資格取得の停滞が起きている。これに対し倉庫分野は運転免許の取得が不要であるため、就労開始までの手続きリスクが極めて低い。運送事業者は、まず倉庫作業員として特定技能人材を採用し、構内実務を通じて日本の交通法規や職場環境に慣れさせながら中長期的に国内運転免許を取得させるといった、段階的な人材育成ルートを構築できる。

参考記事: 特定技能採用に53.9%が前向き!G.A.グループ調査が示す現場の必須対応

EC事業者:波動対応力の維持と委託先3PLの選別基準変化

EC事業者の物流拠点は、多品種小ロットのピッキングや流通加工など、マテハン機器だけでは自動化しきれない人手依存の工程を多く抱えている。セール期や季節波動における作業員の欠員は、出荷遅延や配送リードタイムの長期化に直結する。

特定技能人材を直接または委託先を通じて安定配置できるようになれば、日雇い派遣やスポットワーカーに過度に依存した高コスト体質から脱却できる。同時に、荷主であるEC事業者が3PLを選定する際、「特定技能受入れの要件を満たすWMSを運用しているか」「事前教育を受けた専任外国人材を直接雇用で確保しているか」が、出荷能力の継続性を判断する指標となる。

LogiShiftの視点:WMS導入義務と運転免許不要枠が生む採用構造の転換

物流倉庫分野への特定技能新設は、自動車運送業分野で生じた「資格取得の停滞」を回避しつつ、業界全体のデジタル化を不可逆的に進める契機となる。

自動車運送業分野では、試験合格者が多数存在しながらも、入国後の運転免許切替手続きの難化によって2026年7月末時点の在留者が703人(充足率3.2%)にとどまっている。この教訓から、公的免許を要しない物流倉庫分野へ物流各社の採用リソースが急速にシフトしている。GLORY OF BRIDGEがドライバー特化型の「特ドラWORKS」から倉庫特化型の「特ロジWORKS」へと展開を拡大させた動きは、実務配属までの確実性を重視する物流現場の需要を捉えた構造的転換といえる。

さらに国土交通省が告示で定めた「WMSの利活用」という要件は、外国人材雇用をデジタル投資のインセンティブへと変貌させた。従来は作業者の勘や経験値、紙の伝票に依存していた構内オペレーションでは、日本語能力A2(N4)水準の人材を安全かつ正確に稼働させることはできない。システム管理画面やハンディターミナルの指示に基づき、所定のロケーションから指定バーコードを読み取る標準化されたプロセスが整備されて初めて、渡航前教育を受けた外国人材の能力が発揮される。

枠上限が1万1,400人に制限されている以上、制度が完全始動した後に動き出す企業は定員超過による申請受付停止のリスクを負う。外国人材の活用は単なる労働力補填ではなく、自社の管理システム要件を充足させ、事前教育インフラを持つ事業者と連携して枠を先抑えする「制度適応スピードの競争」へと移行している。

明日から意識すべき3つの実務アクション

特定技能「物流倉庫分野」を活用し、現場の出荷・保管能力を維持するために着手すべき項目は以下の通りである。

  1. 自社現場におけるWMSの稼働実態と告示要件の照合
    入庫・在庫・出庫の3機能を備えたシステムが実際に庫内で稼働しているかを確認する。紙伝票や表計算ソフトによる手動管理が残っている工程がある場合、特定技能外国人の受入れ申請基準を満たせないため、クラウド型WMSの導入や機能改修の検討を優先する。
  2. 構内作業手順の多言語化とピクトグラム表示の整備
    事前教育を受けた人材であっても、入社直後の指示伝達ミスを防ぐ体制が欠かせない。ピッキングリストやロケーション案内、安全喚起の表示において、専門用語の平易な日本語化やピクトグラムの導入を進め、現場リーダーの属人的な指示出しを排除する。
  3. 現地研修機能を持つ支援機関を通じた受入れ枠の事前確保
    特定技能1号の上限1万1,400人枠は早期に埋まる可能性が高い。GLORY OF BRIDGEのように渡航前から300時間規模の実務・日本語研修を実施している登録支援機関を精査し、技能評価試験の本格稼働に合わせた採用選考スケジュールを逆算して策定する。

出典: 時事ドットコム
出典: PR TIMES
出典: 国土交通省

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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