国土交通省和歌山運輸支局、和歌山県警、和歌山県トラック協会の関係者7人が2026年10月28日、阪和自動車道紀ノ川サービスエリア下り線で無許可有償運送(白トラ)の防止啓発活動を実施しました。休憩中のドライバーへチラシを配布し、2026年10月1日に施行された「初犯で120日間の車両使用停止」となる行政処分の厳罰化や、委託元への罰則規定に関する聞き取り調査を行っています。
紀ノ川SAでの合同啓発と2026年における白トラ規制強化の全容
今回の啓発活動は、和歌山県内の幹線道路である阪和自動車道の主要拠点を活用し、運行現場のトラックドライバーへ直接的な法令周知を図る目的で執筆・実施されました。国の許可を受けずに白ナンバー(自家用貨物自動車)で有償運送を行う白トラ行為に対し、行政と警察、業界団体が合同で現場介入を行っています。
活動の主幹組織および実施概要は以下の通りです。
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 実施日 | 2026年10月28日 |
| 実施場所 | 阪和自動車道 紀ノ川サービスエリア(下り線) |
| 参加機関 | 国土交通省和歌山運輸支局、和歌山県警察、和歌山県トラック協会(計7人) |
| 主な活動内容 | トラックドライバーへの啓発チラシ配布、白トラの関与・依頼経験に関する聞き取り調査 |
| 周知重点事項 | 改正貨物法(荷主罰則)の施行、行政処分基準改定(初犯120日停止)の周知 |
啓発の背景には、ドライバーの時間外労働上限規制が適用された後も続く輸送能力不足があります。幹線輸送や突発的なチャーター案件において、コンプライアンス意識の希薄な荷主や元請事業者が無許可業者を手配するリスクが懸念されていました。
2026年は、この無許可運送を取り巻く法制度と処分基準が二重に強化された年です。まず2026年4月1日施行の改正貨物自動車運送事業法第65条の2により、無許可業者に運送を委託した荷主や元請事業者に対して「100万円以下の罰金」や企業名公表が科される規定が新設されました。
さらに、2026年10月1日からは国土交通省による行政処分基準の改定が適用され、運行者に対する量定が引き上げられました。
| 違反区分 | 改正前の処分日数 | 改正後の処分日数(2026年10月1日以降) |
|---|---|---|
| 初回違反 | 車両使用停止 60日 | 車両使用停止 120日 |
| 再違反(3年以内) | 車両使用停止 120日 | 車両使用停止 180日 |
| 再々違反(3年以内に2回以上) | 車両使用停止 180日 | 車両使用停止 180日 |
初回の摘発であっても対象車両は120日間にわたりナンバープレートが領置され、物理的に稼働できない状態に置かれます。2026年7月には愛媛県の水産物輸出入会社「サントラスト」が白トラ業者への養殖魚輸送委託により荷主摘発の全国第1号事案となるなど、現場への監視体制は全国規模で強化されています。
参考記事: 白トラ規制とは?違法・合法の境界線と荷主責任強化に伴うコンプライアンス対策
参考記事: [国土交通省が白トラ初違反で120日使用停止を適用|荷主の罰金リスク急増](https://logishift.net/2026/10/11/post-9633/)
サプライチェーン各層に及ぶ実務への直接的影響
行政処分の厳罰化と荷主処罰の施行は、輸送を委託・受託するサプライチェーンの各事業者に管理責任の抜本的な見直しを課しています。
運送事業者:再委託先を含めた遵法性の担保
正規の一般貨物自動車運送事業許可を有する緑ナンバー事業者にとって、白トラの排除は不当廉売による不公正競争を抑止する要因となります。
一方で、元請・利用運送事業者として他社へ再委託を行う場合の法的リスクは大幅に跳ね上がっています。繁忙期や突発案件で下請け多重構造が発生し、三次請けや四次請けの末端に白ナンバー車両が混入した場合、元請事業者も貨物自動車運送事業法第65条の2の委託禁止規定に抵触する恐れがあります。庸車ネットワーク内の車両番号と許可番号の突合確認が完了するまで配車を確定させないオペレーションへの変更が求められます。
倉庫事業者・3PL:元請責任と拠点出入り車両の監視
物流拠点や配送センターの運営を担う3PL事業者は、荷主企業から輸送手配を一括受託する元請の立場となるケースが多く、最も直接的な確認責任を負います。
センターに入出庫するトラックのナンバープレート(緑・白・黒・黄)の照合を怠り、白トラによる出荷や横持ち輸送を看過していた場合、荷主への管理報告義務違反に問われるだけでなく、3PL事業者自身が是正勧告や罰金刑の対象となります。守衛所やバース受付時における車検証確認や運送引受書の提示義務付けなど、現場レベルのチェックフローが必須です。
製造業者・メーカー:調達ガバナンスの刷新と監査プロセスの導入
発注元であるメーカーや荷主企業は、「運送会社に手配を任せていたため、白ナンバー車が実運送しているとは知らなかった」という理由での免責が通用しません。
委託先運送事業者の安全管理体制や許可状況を定期的に確認する取引先監査プロセスの導入が必要です。相場を著しく下回る運賃で契約を結んでいる路線や、突発便の発注プロセスにおいて、実運送管理簿の提出を義務付ける調達管理体制の構築が不可欠となります。
参考記事: 自家用トラックと事業用の違いとは?白ナンバーの維持費・安全管理と選び方を徹底解説
LogiShiftの視点:制度連動による「追放網」とデジタル確認の必須化
和歌山運輸支局や県警によるSAでの聞き取り調査は、路上点検と荷主監視がシームレスに結びついた規制運用の具体例です。ドライバーへの直接ヒアリングで得られた依頼元や荷主の情報は、運輸支局を通じてトラック・物流Gメンへと共有され、荷主企業への立ち入り調査や是正勧告の端緒となります。
1台あたり120日間の車両使用停止は、単なる罰則にとどまらず、中小運送事業者や個人事業主にとっては4か月間の売上遮断による事業継続の停止を意味します。また、荷主企業にとっても、委託先が摘発され社名公表処分を受ければ、CSR調達基準を重視する上場企業等との取引停止に直結します。
この状況下で企業が取るべき現実的な対応は、多重下請け構造に依存した場当たり的な庸車手配を遮断し、配車・受付システムのデジタル化によって「緑ナンバーの登録番号」と「実運送事業者」の照合をシステム上で自動判定する仕組みへの移行です。書面や口頭での確認に頼る旧来の管理手法は、人的ミスによる法令違反を誘発するため、データ連動型の調達ガバナンスへの刷新が不可避となっています。
参考記事: 国土交通省、白トラ使用停止を初犯120日に倍増|荷主の委託罰則も強化
現場で明日から着手すべき確認項目
法令違反と車両停止リスクを未然に防ぐため、以下の手順で管理体制を点検する必要があります。
- 自社拠点へ出入りするトラックのナンバー区分確認
入退場記録システムや受付簿を見直し、納品・引き取りに来訪する車両が事業用(緑ナンバーまたは軽貨物の黒ナンバー)であるかを記録・確認する手順を現場ルールに組み込みます。
- 運送委託契約書における再委託先の適法性条項の確認
下請け運送会社との基本契約書において、無許可業者(白トラ)への再委託を明確に禁止し、違反発覚時の契約解除および損害賠償条項が盛り込まれているかを法務部門と点検します。
- 実運送体制管理簿の運用徹底と提出フローの確立
元請運送事業者や利用運送事業者に対し、実際に輸送を担当した実運送会社名と車両番号が記載された管理簿の定期提出を義務付け、不透明な多層下請けを排除します。
出典: テレビ和歌山
出典: mlit.go.jp
出典: pai-r.com



