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Home > 物流用語辞典 > 倉庫・在庫管理> 検反作業

検反作業とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:検反作業とは、衣服などの生産プロセスにおいて、仕入れた生地(反物)を裁断・縫製する前に織りキズ、汚れ、染めムラなどの欠点がないかを検査する工程のことです。B品(不良品)の発生を未然に防ぎ、生地の品質を担保するための最初の関門となります。
  • 実務への関わり:裁断後にパーツの欠点が見つかると、製品全体が不良品となり、それまでに投入した裁断・縫製工賃や副資材コストがすべて無駄になります。検反によって事前に欠点箇所をマークしておくことで、そこを避けてパターンを配置でき、ロスを最小限に抑えられます。
  • トレンド/将来予測:近年は、生地検査から欠点補修(しみ抜き等)、さらには保管や配送までをワンストップで行える「物流倉庫一体型」の検反サービスへの外注化が進んでいます。これにより、移送コストやリードタイムを削減し、アパレルサプライチェーン全体の効率化を図る動きが活発化しています。

アパレル生産において、仕入れた生地(反物)の約2%〜5%には、織りキズや染めムラといった何らかの初期欠点が存在します。これらの欠点を見落としたまま裁断・縫製工程へ投入すると、最終製品がB品(不良品)となり、それまでに投入した裁断・縫製の工賃や副資材コストがすべて損失となります。この致命的な手戻りリスクを防ぎ、生地の品質を担保するための最初の関門が「検反(生地検査)」です。検反は単なる不良品の検知に留まらず、後工程の生産効率と製品品質を維持するための不可欠なリスクヘッジとして機能します。

目次
  • 検反(生地検査)の基本役割と裁断・縫製プロセスにおける位置づけ
  • 縫製トラブル(B品発生)を防ぐ「裁断前」の必須工程
  • 生地の縮みを防ぐ「縮絨(スポンジング)」と検反をセットで行う理由
  • テキスタイル業界における「A反・B反」格付けの定義
  • 実務で使われる生地の欠点(キズ・汚れ)の種類と具体的な判定基準
  • 現場で遭遇する「織りキズ・染めムラ・汚れ」の代表的な欠点項目
  • 国際基準「4点法(Four Point System)」の減点計算式と合否判定
  • 裁断工程に欠点を伝達する「欠点マーク(矢印シール)貼り」の実務
  • 自社で検反業務を標準化するための「検反機」の種類と測定項目
  • 巻検反機と平検反機の違いと生地特性に応じた使い分け
  • 有効幅(耳内幅)の測定と生地長の正確な計測プロセス
  • 検反業務を外注(外部委託)する際の選定ポイントと物流効率化対策
  • 生地検査から「欠点補修(引き通し・しみ抜き)」まで対応できる技術力
  • 移送コストとリードタイムを削減する「物流倉庫一体型」の検反サービス
  • 現場ですぐに使える「検反チェックシート」と不良発生時の対応アクション
  • 裁断・縫製トラブルを未然に防ぐ「検反受入チェックリスト」
  • 基準超えの不良(B反)発覚時にとるべき3つのトラブル対策ステップ

検反(生地検査)の基本役割と裁断・縫製プロセスにおける位置づけ

縫製トラブル(B品発生)を防ぐ「裁断前」の必須工程

生地の織りキズ、染めムラ、汚れ、異物混入などの「欠点」は、どれほど管理されたテキスタイル工場であっても一定の割合で発生します。これらを「裁断前」に見極めることこそが、検反作業の最大の目的です。

仮に、1着あたり1.5メートルの生地を使用するジャケットの生産工程において、検反を行わずに裁断工程へ進んだ場合を想定します。裁断後にパーツの一部に織りキズ(欠点)が発覚した際、そのパーツだけを再裁断しようとしても、生地のロットブレ(色ブレ)により他のパーツと色調が合わなくなるリスクが生じます。また、縫製が完了しプレスを掛けた最終検品の段階で欠点が見つかった場合、製品そのものが「B品(不良品)」となり、それまでに投入した裁断・縫製の工賃や副資材のコストがすべて損失となります。

裁断前に検反機を用いて生地検査を行い、欠点の正確な位置を確認して目印(フラギング)をつけておくことで、裁断担当者はその箇所を避けてパターンを配置(マーキング)できます。これにより、生地のロスを最小限に抑えつつ、縫製ラインへ良質なパーツのみを安定供給することが可能になります。

生地の縮みを防ぐ「縮絨(スポンジング)」と検反をセットで行う理由

織り上がったばかりの生地や、強固に巻き取られた反物の内部には、引き伸ばされた状態の熱や張力(テンション)が蓄積されています。このテンションを逃がさずに裁断・縫製を行うと、その後のスチームプレスや洗濯の段階で生地が元の形状に戻ろうとして急激に収縮し、サイズ設計から外れた「寸法不良」を引き起こします。この熱や水分による収縮をあらかじめ防ぎ、生地をリラックスさせて安定させる工程が「縮絨(スポンジング)」です。

実務においては、この縮絨と検反を以下のような一連のセットプロセスとして組み立てることで、寸法安定性と外観品質を同時に担保します。

  • 1. 解反(かいたん)・シーズニング:反物を検反機や解反機で巻き戻して重ね、テンションを完全に解放した状態で24時間から48時間静置し、保管場所の温度・湿度に馴染ませます。
  • 2. 縮絨(スポンジング):縮絨機に通し、熱と蒸気を均一に与えて強制的に生地を収縮させ、生地の組織を安定した状態に固定します。
  • 3. 検反(生地検査):縮絨によって組織が安定し、本来の「有効生地幅」が確定した状態で検反機にかけ、キズや汚れ(欠点)のチェックおよび正確な幅・長さの測定を行います。

特にウールやレーヨン、ポリウレタン混紡などの伸縮性の高い素材では、この「解反・縮絨を経てから検反を行う」という手順を踏まなければ、正確な生地幅を測定できず、裁断時の用尺不足や縫製中の寸法ズレを未然に防ぐことは困難です。

テキスタイル業界における「A反・B反」格付けの定義

検反機を通した生地は、発見された欠点の数や大きさに応じて品質の「格付け」が行われます。仕入れ取引や製品化の判断基準となるのが、業界標準の格付け概念である「A反(えーたん)」および「B反(びーたん)」です。客観的な数値で合否を判定するため、実務では「4点法(システムデメリット点数法)」などの世界共通の減点基準が用いられます。

格付け区分 判定基準の目安 裁断・縫製への影響と実務対応
A反 一定長(一般的に50メートル内)あたりの欠点数が基準以下であり、製品化に問題がない良品。 通常の裁断・縫製工程にそのまま投入可能。歩留まりが計算しやすく、生産計画のブレが最小限に抑えられる。
B反 基準を超える織りキズ、色ムラ、汚れなどの欠点が存在し、そのままでは規定の製品数を確保できない規格外品。 欠点箇所を避けて裁断するための余分な生地(差引き用尺)の要求や、仕入れ元への値引き・返品交渉が必要となる。

このように検反によって「どの位置に、どのような欠点があり、何点の減点となったか」をデータ化することで、仕入れ先とのトラブルを未然に防ぎ、後工程の裁断・縫製設計をスムーズに進めるための基盤が整います。

実務で使われる生地の欠点(キズ・汚れ)の種類と具体的な判定基準

現場で遭遇する「織りキズ・染めムラ・汚れ」の代表的な欠点項目

検反機を稼働させて生地を検査する際、検出される「欠点」は多岐にわたります。これらを見落として裁断・縫製工程に流してしまうと、最終製品の不良化やブランドの信頼失墜に直結します。現場で特に注視すべき代表的な生地の欠点項目は以下の通りです。

欠点分類 具体的な現象 主な発生原因 製品への影響
織りキズ・編みキズ 経糸・緯糸の欠落、太糸の混入、糸引き 織機・編機の調整不良、糸の結び目 製品の強度低下、外観不良
染めムラ・色ムラ 生地の左右・前後での色調のズレ(段ムラ、色違い) 染色工程での温度変化、染料の調合ミス 左右のパーツでの色ブレによるB品化
汚れ・異物混入 潤滑油 of 付着、サビ汚れ、他色の糸(コンタミ)の混入 工場機械の油漏れ、他繊維の浮遊 漂白・洗浄不可能な場合の廃棄
欠損・ネップ 繊維の塊(ネップ)の露出、ピンホール(小さな穴) 原料の異物、織り段階での引っ掛かり 穴あき、着用時の破れ原因

国際基準「4点法(Four Point System)」の減点計算式と合否判定

主観的な評価を防ぎ、生地検査における品質を客観的に「格付け」するための世界基準が「4点法(Four Point System)」です。これは、発見された欠点の長さや大きさに応じて1点から4点のペナルティポイントを付与する減点方式です。

欠点の長さに対する点数の割り振りは、以下のルールに基づいて厳密に決定されます。

欠点の長さ(大きさ) ペナルティポイント 判定の適用例
3インチ(約7.5cm)以下 1点 局所的な小さな織りキズ、単一の小さな汚れ
3インチ超 〜 6インチ(約15.0cm)以下 2点 数センチに及ぶ糸引きや色引き
6インチ超 〜 9インチ(約23.0cm)以下 3点 顕著な染め段や筋状のキズ
9インチ(約23.0cm)超 4点 生地の幅方向にわたる欠点、または生地の穴あき

※生地に発生した「穴(ホール)」や「破れ」については、その大きさに関わらず一律で最大点数である「4点」が課されます。また、1ヤード(約0.91m)あたりの最大減点は4点を超えません。

合格・不合格を決定するための格付け評価は、検査した生地全体の面積あたりに換算したポイント数で計算します。日本国内の実務で一般的な「100平方メートル(㎡)あたり」の減点ポイント計算式は以下の通りです。

100平方メートルあたりの換算ポイント式:
(総ペナルティポイント × 10,000) ÷ (検査した生地の合計長さ (m) × 生地幅 (cm))

例えば、生地幅150cm(1.5m)、長さ50mの生地を検反し、合計で18点のペナルティポイントが記録された場合、計算は以下のようになります。
・(18 × 10,000)÷(50 × 150) = 180,000 ÷ 7,500 = 24ポイント

アパレルメーカーや繊維商社が設定する合否基準(格付け)の目安として、一般的には100平方メートルあたり「20ポイント〜28ポイント以下」を合格(ファーストクオリティ(一等品))と判定します。これを超える数値が算出された生地はB品(セカンド品)となり、製造ラインから除外される、または仕入れ値の減額対象となります。

裁断工程に欠点を伝達する「欠点マーク(矢印シール)貼り」の実務

検反機を稼働させて生地検査を行う際、欠点を発見した時点でその都度「格付け」を行うだけでなく、後工程である「裁断・縫製」の現場に欠点の位置を確実に伝える実務が不可欠です。どれほど精緻に検反を行っても、その情報が裁断担当者に伝わらなければ、欠陥部分がそのまま製品パーツとして裁断されてしまうからです。

この情報伝達のために行われるのが「欠点マーク(一般的に赤や黄色の矢印シール)貼り」の実務です。

1. 欠点箇所への直接貼付と耳(セルビッジ)へのマーキング
検反機のガラス面を通過する生地に欠点が見つかった際、検反作業者は一時停止または低速運転に切り替え、欠点そのものの位置に「丸シール」や「矢印シール」を貼います。同時に、生地を巻き取った際にも外側から位置が確認できるよう、生地の端(耳)の同じ緯線上(横のライン)に、はみ出す形でカラーシールやシグナルタグを貼り付けます。

2. 積層(スプレッディング)時のロス最小化ノウハウ
縫製工場では、裁断時に生地を何十枚も重ね合わせる「積層(反物引き)」を行います。この際、生地の端に貼られた矢印シールが目印となります。
裁断担当者は、シールの位置を基準に以下の2つのアプローチで用尺(生地の使用量)ロスを最小化します。

  • ジョイント割(継ぎはぎ)の適用:コートやパンツなどの大きなパーツを裁断する際、欠点が含まれる層だけをあらかじめカットし、パターンが欠点に重ならないように生地を継ぎ合わせる(ジョイントする)ことで、余分な生地の廃棄を防ぎます。
  • マーキングパターンの差し替え:欠点の位置が、製品の「見返し」や「ポケットの内布」といった目立たない小さなパーツ、または裁断の隙間(ロス部分)に収まるよう、裁断図(マーカー)の配置を微調整します。

このように、検反機による生地検査から矢印シール貼付、そして裁断工程での用尺管理までが一気通貫で標準化されることで、アパレル生産における不良品混入率を極めて低い水準に抑える高精度な生産体制が維持されます。

自社で検反業務を標準化するための「検反機」の種類と測定項目

巻検反機と平検反機の違いと生地特性に応じた使い分け

自社で検反業務を標準化するには、扱う生地の組織構造や仕立て状態(丸巻か平畳みか)に合わせて、適切な検反機を選定する必要があります。主に用いられる「巻検反機」と「平検反機」の特性は以下の通りです。

検反機の種類 適した生地・素材 メリット テンションの影響と対策
巻検反機 織物(ウーブン)、高密度のポリエステル、デニムなど ハイスピードな巻き取りと検査が可能。長尺のロール状生地に最適。 巻き取り時の張力管理を誤ると生地が伸びた状態で巻かれ、後に縮む原因となるため、張力自動制御が不可欠。
平検反機 編物(ニット・カットソー)、ストレッチ素材、極薄手素材など 生地を無緊張に近い平置き状態で送り出せるため、変形を防げる。 送り出しと巻き取りのスピードを完全に同調させやすく、生地の伸びや歪みを最小限に抑えられます。

テンションによる生地の伸びを防ぐため、実際の現場ではインバーターモーターによる送り出し・巻き取りスピードの微調整(シンクロ制御)機能や、テンションセンサーを搭載した検反機が導入されています。これにより、裁断後のキックバックによる寸法変化トラブルを未然に防ぎます。

有効幅(耳内幅)の測定と生地長の正確な計測プロセス

裁断・縫製時のパーツ配置(マーキング)において、実際に型紙を配置できる「有効幅(耳内幅)」の把握は、生地の歩留まり(用尺)を確定させるための最重要項目です。生地の端(耳)には、製造工程で生じる針穴や織り組織の乱れがあるため、これらを除いた「実用可能な幅」を正確に測定しなければなりません。

手動での測定では、1ロール(約50メートル)につき数箇所をメジャーで測るため、幅の微細な変動(中だるみや蛇行)を見落とすリスクがあります。そこで、標準化された生地検査ラインでは、検反機に搭載されたセンサーやカウンター機能を利用し、以下のプロセスで有効幅と生地長を測定します。

  • 有効幅(耳内幅)の連続測定:検反機の検査台(ガラス面)の下部、または上部に設置された「幅測定センサー(光電センサーやカメラ方式)」により、生地の両端を常に検知します。耳部分を除外した有効幅が設定値(例:140cm)に対して許容範囲内(例:±1cm以内)に収まっているかを、生地の始端から終端までリアルタイムで監視・記録します。
  • メジャーリングローラーによる生地長計測:生地長(反長)の計測には、生地と同期して回転する「メジャーリングローラー(計測ロール)」と「ロータリーエンコーダー(電子カウンター)」を使用します。滑りやすい超極細繊維やテフロン加工生地の場合、ローラーとの間にスリップ(滑り)が生じて計測値が実際より短く(または長く)表示される原因となります。そのため、ローラー表面に高摩擦のゴムやコルクを巻いた仕様を選択し、かつ上下から生地を挟み込むダブルローラー方式を採用することで、100メートルあたり±0.1%以内の誤差に抑える高精度な測定を行います。
  • 欠点箇所のマーキングとマップ作成:4点法に基づき検出されたキズや汚れといった「欠点」の位置(始端からの距離および幅方向の座標)を、検反機と連動した「検反システム」にボタン入力します。これにより、生地長に対する欠点の発生位置が可視化された「欠点マップ」が自動生成され、後の裁断工程におけるロス箇所の自動回避に活用されます。

月間5,000反以上の生地を処理するようなアパレル特化型3PLの現場では、これらの測定データ(有効幅の推移、正確な生地長、欠点情報)をラベルプリンターから「検反合格証(検反ラベル)」として自動出力し、反物の端に貼付することで、出荷後のトレーサビリティを確保しています。

検反業務を外注(外部委託)する際の選定ポイントと物流効率化対策

アパレル製品の品質を左右する検反業務は、専門的な設備と熟練した技術が必要となるため、外部の専門業者へ委託することが一般的です。しかし、委託先の選定を誤ると、リードタイムの遅延や余計な横持ちコスト(拠点間の移動コスト)が発生し、かえって生産効率を低下させる要因になります。特に物流の「2026年問題」に直面する現代においては、輸送力の低下や運賃上昇を見据え、単に「検査をする」だけでなく、サプライチェーン全体の最適化に貢献できる委託先を選ぶ必要があります。実務担当者が重視すべき選定基準を解説します。

生地検査から「欠点補修(引き通し・しみ抜き)」まで対応できる技術力

外注先を選定する最初の基準は、検反機を用いた「生地検査」による格付けだけでなく、発見された欠点(織りキズ、染めムラ、汚れなど)をその場で「補修」できる技術力があるかどうかです。検反の国際的な判定基準である「4点法」などを用いて厳格に欠点をチェックしても、補修対応ができない業者に委託した場合、欠点のある生地(要補修品)は一度アパレルメーカーに差し戻されるか、別の補修専門業者へ再配送しなければなりません。

例えば、検反・格付け後に見つかった「織段(横糸の密度不均一による段)」や「飛び込み(異原糸の混入)」に対して、専用の道具を用いて糸を整える「引き通し」や、特殊な溶剤を使った「しみ抜き」などのリペア技術を持たない業者に委託した場合、以下の実務トラブルとコストが発生します。

  • 補修専門業者への「再配送」に伴う配送費の二重発生
  • 運送の手配と送り状作成、荷札貼りなどの付帯作業コスト
  • 裁断・縫製ラインへ生地が投入されるまでのリードタイムが3日〜5日遅延

したがって、委託先を選定する際は、検反機による欠点のマーキングと、それらの欠点をその場で修復して縫製工場へ即座に出荷可能な状態にできる「一貫補修体制」を備えているかを確認することが必須条件となります。

移送コストとリードタイムを削減する「物流倉庫一体型」の検反サービス

法改正に伴う長距離輸送の制限やトラックドライバー不足へ対応するためには、中間輸送を極限まで減らす構造作りが不可欠です。従来の「生地メーカー → 検反・縮絨工場 → 縫製工場 → 製品検品所 → 物流倉庫」という分散型のフローに対し、アパレル専門の物流倉庫内で一括処理を行う「物流倉庫一体型サービス」との比較は以下の通りです。

比較項目 従来の分散型フロー 物流倉庫一体型フロー 導入効果(実務上のメリット)
輸送回数 4回〜5回(各工場間) 1回〜2回(生地入荷〜製品出荷) 輸送コストを約30%〜40%削減
総リードタイム 平均10日〜14日間 平均5日〜7日間 販売機会ロスの防止、納期厳守
データ連携 紙の検反反票を個別送付 WMS(倉庫管理システム)へリアルタイム反映 裁断・縫製指示の自動化、在庫の可視化

物流倉庫一体型サービスでは、入荷した反物に対して即座に検反機による生地検査を行い、検反データをWMS(倉庫管理システム)へダイレクトに連携できます。月間3万メートル以上の反物を取り扱うアパレルメーカーの実務においては、生地の横持ち運賃を大幅にカットできるだけでなく、指示出しにかかる事務手続きの工数を削減し、裁断・縫製開始までのリードタイムを劇的に圧縮することが可能です。

現場ですぐに使える「検反チェックシート」と不良発生時の対応アクション

裁断・縫製トラブルを未然に防ぐ「検反受入チェックリスト」

生地の受入段階で不具合を見落とすと、裁断後にパーツの寸法が合わなくなったり、縫製ラインに生地を投入した後にキズが発覚してラインがストップしたりします。こうしたロスを未然に防ぐためには、生地検査の段階で必要な確認事項を網羅したチェックシートが不可欠です。以下に、現場の受入検査でそのまま活用できるチェックリストを示します。検反機を用いた目視確認や事前の仕込み時にご利用ください。

確認項目 具体的な検査内容 裁断・縫製への影響 検反後のアクション
外観品質 検反機を適切な速度で稼働させ、織りキズ、汚れ、色糸混入などの「欠点」を目視と触診で確認。 身頃(みごろ)や袖など、製品の目立つ部分に欠点が混入し、製品不良による廃棄が発生。 4点法に基づいて欠点ごとに減点ポイントを付与し、生地全体の「格付け」を判定。
生地有効幅 生地の両端(耳端)を除いた有効な生地幅が、設計パターン(型紙)の指定幅を満たしているか、3点(巻頭・巻中・巻尾)を測定。 マーキング(型入れ)時にパーツが幅に収まらず、裁断不能になる。またはパーツの端が欠落する。 規定の有効幅より1cm以上狭い場合は即座に生産管理に報告し、マーキングデータの再調整を依頼。
縮率・斜行 試験反を蒸気プレスまたは水洗いし、縦・横方向 of 寸法変化を測定。必要に応じて「縮絨」プロセスの要否を判断。 縫製後のアイロンプレスや仕上げ段階、または納品後の湿気によって衣服が型崩れ・縮む。 縦横の縮率が3%を超える場合、裁断前に生地を解反して一定時間放置(エージング)するか、縮絨加工を実施。
色差(カラーロット) 同一ロット内、または異なるロット間で、生地の左右(両端)や前後(巻頭・巻尾)での色差(中希・両端色差)がないか確認。 左右の袖で微妙に色が異なる「左右異色(ソーイングカラーミキシング)」の不具合を招く。 色差が目立つ場合は同一ロール内の生地であっても段積みを分け、縫製ラインに混入しないよう識別ラベルを貼付。

例えば、月間1万メートルのテキスタイルを扱う縫製工場では、このリストに沿って「生地有効幅」と「縮率」を事前に確認することで、裁断工程におけるパーツ裁ち直しの発生率を従来の3分の1以下に抑制できます。チェック結果は必ず数値化して記録を残すことが、その後のトラブル交渉を円滑にする鍵です。

基準超えの不良(B反)発覚時にとるべき3つのトラブル対策ステップ

生地検査の結果、あらかじめ取引基準として合意していた減点数を超える不良(B反)が発覚した場合、ただちに仕入先(テキスタイルメーカーや繊維商社)や縫製工場と調整に入らなければ、生産スケジュールが崩壊し、店頭への納期遅れに直結します。4点法の判定基準を共通言語として、スムーズに責任分解とコスト交渉を進めるための3つのステップを実践してください。

ステップ1:4点法に基づく「欠点」の定量化とエビデンスの確保

感覚的な「汚れている」「キズが多い」というクレームでは、仕入先との交渉が平行線をたどります。まずは客観的な定量データを用意します。検反機による生地検査時に作成した「検反マップ(欠点位置の記録)」をもとに、100平方メートルあたりの総減点数を4点法で算出します。例えば、「100平方メートルあたりの減点数が20点を超え、事前に取り決めたA格の基準を上回ったため、B反と判定した」という定量的な根拠と、欠点箇所の詳細写真を添えた報告書を速やかに仕入先へ送付します。

ステップ2:代替生地(A反)の即時請求とコスト負担の仮押さえ

B反のデータをもとに、仕入先に対して以下のどちらを選択するか早期に合意を取り付けます。

  • 代替品の手配が間に合う場合:合格基準(A反)を満たす代替生地を無償かつ即時(〇月〇日午前着など期限を指定)に縫製工場へ納品するよう請求。
  • 追加手配では納期に間に合わない場合:B反生地の使用を余儀なくされるため、欠点部分を避けて裁断することによって生じる「生地の追加ロス分(通常5%〜10%の余剰メーター消費)」および「型入れの再調整にかかる人件費」を仕入先に負担させる旨を書面で合意(デビットノートによる仕入値引き請求)。

ステップ3:縫製工場との裁断レイアウト調整と工数補償の確定

B反生地をそのまま縫製工場に流すと、現場の裁断工数がはね上がり、追加工賃の請求をめぐる二次トラブルに発展します。そのため、ステップ1で作成した「検反マップ」を縫製工場の現場責任者に共有します。裁断オペレーターは、キズや汚れが身頃などの目立つパーツに重ならないよう、マーキングのレイアウトを事前に調整します。この作業調整によって発生する「1着あたり数十円から数百円の追加裁断工賃」については、ステップ2で仕入先と合意した交渉用予算(値引き分)から充当し、縫製工場側の不利益をカバーすることで、生産ラインの優先的かつスムーズな稼働を担保します。

よくある質問(FAQ)

Q. 検反(生地検査)とは何ですか?どのような目的で行われますか?

A. 検反とは、裁断・縫製前に生地(反物)の織りキズや染めムラなどの初期欠点を確認する作業です。仕入れた生地の約2%〜5%には何らかの欠点が存在するため、これを見落として製品化すると全て不良品(B品)となり、多大な損失が生じます。この致命的な手戻りリスクを防ぎ、製品品質と後工程の生産効率を担保することが主な目的です。

Q. 生地の「A反」と「B反」の違いは何ですか?

A. 生地の品質格付けを示す業界基準です。「A反」は検査基準をクリアした良品(合格品)を指し、「B反」はキズや染めムラ、汚れなどの欠点が規定値を超えて見つかった規格外品(不合格品)を指します。この格付けは、一般的に国際基準である「4点法(Four Point System)」などの減点法を用いて客観的に判定されます。

Q. 検反作業とセットで実施される「縮絨(スポンジング)」とは何ですか?

A. 縮絨とは、生地に蒸気や熱を加えてあらかじめ強制的に収縮させ、裁断・縫製後の型崩れや洗濯による縮みを防ぐ工程です。検反と縮絨をセットで行うことで、生地の欠点除去と寸法安定性の確保を同時に実現できます。これにより、仕上げ後のサイズ狂いや歪みなどのトラブルを防ぎ、アパレル製品の品質を劇的に高めることができます。

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