横浜港で危険品「白紙」のCyber Port運用が開始
国土交通省港湾局は2026年9月1日、港湾手続のデータプラットフォーム「Cyber Port(サイバーポート)」において、危険品関連書類のデジタル化運用を全国で初めて横浜港で開始したと発表しました。
第一段階として、港湾貨物運送事業労働災害防止協会(港湾労災防止協会)横浜支部において、「危険物・有害物事前連絡表(通称:白紙)」をサイバーポート経由で受領する運用が始まりました。今後は名古屋港や大阪港への展開および「危険物明細書(通称:赤紙)」の電子化も順次進められる方針です。
FAXやバイク便に頼っていた危険品手続の背景
港湾で危険品を取り扱う際は、関係法令や規程に基づき「危険物・有害物事前連絡表(白紙)」および「危険物明細書(赤紙)」などの書類を作成・提出する必要があります。
これらの書類は荷主や海貨業者が作成し、白紙は港湾労災防止協会へ、赤紙はコンテナヤード(CY)へ提出されますが、実務上は依然として紙媒体が中心で、FAX送信やバイク便による配送が行われていました。港湾局では港湾物流DXの推進に向け、関係事業者や港湾労災防止協会とのヒアリング、システム構築、トライアル運用を経て今回の運用開始に至りました。
白紙・赤紙の概要とデジタル化による効果
サイバーポートを活用した危険品書類の電子化に関する取り組み内容は以下の通りです。
- 対象書類の概要と法的根拠
- 危険物・有害物事前連絡表(通称:白紙)
- 労働安全衛生規則第455条を根拠とする港湾貨物運送事業労働災害防止規程第292条に基づき、荷役作業を行う日の3日前までに荷役対象の危険物・有害物の種類、性状、数量、荷姿等を港湾労災防止協会に通報する書類。
- 危険物明細書(通称:赤紙)
- 危険物船舶運送及び貯蔵規則第17条に基づき、危険物の荷送人が品名、等級、隔離区分等を記載して船舶所有者や船長(ターミナル経由)に提出する書類(通常は英語表記)。
- 危険物・有害物事前連絡表(通称:白紙)
- 期待される導入効果
- 荷主・海貨業者・倉庫等
- 白紙と赤紙で共通する項目の再入力が不要となり、テンプレート機能による登録済み情報の再利用が可能。
- ペーパーレス化に伴うバイク便等の書類配送コストを削減。
- 港湾労災防止協会
- 書面確認作業のデジタル化による効率化。
- コンテナターミナル
- 赤紙受領後の後続作業である危険物明細一覧(DGリスト)作成作業の大幅な効率化。
- 荷主・海貨業者・倉庫等
対象となる関係事業者・団体
- 輸出入危険品貨物を取り扱う荷主・荷送人
- 海貨業者(フォワーダー、乙仲)
- 港湾運送事業者および倉庫事業者
- コンテナターミナルオペレーター(コンテナヤード運営業者)
- 港湾貨物運送事業労働災害防止協会
立場別の実務への影響と業務効率化
- 荷主・海貨業者・倉庫事業者
- 白紙作成時の入力二重化が解消され、テンプレート活用による反復作業の負荷軽減が見込まれます。バイク便送付やFAX送信の手間・配送コストの削減につながります。
- コンテナターミナルオペレーター
- 今後予定されている赤紙のデジタル連携が進むことで、危険物明細一覧(DGリスト)のデータ作成作業が迅速化され、ヤード内での船積み・蔵置計画立案業務の効率化が期待されます。
- 港湾労災防止協会
- 電子データによる申請受領・事前チェック体制へ移行し、内容確認の迅速化と業務負担の軽減が図られます。
名古屋港・大阪港への展開と今後のスケジュール
- 白紙の全国展開
- 名古屋港および大阪港:2026年度(今年度)中の運用開始を目指す方針です。
- 四日市港:2027年度(来年度)以降の運用開始を目指す方針です。
- 赤紙のデジタル化
- サイバーポート経由での運用開始に向けた取組が引き続き進められます。
赤紙の対応時期など今後の確認点
- 赤紙(危険物明細書)の運用開始時期
- 赤紙のサイバーポート対応について、具体的な開発スケジュールやターミナルでの受取開始時期は現時点で明示されておらず、今後の動向が焦点となります。
- 主要港以外への展開計画
- 現在示されている横浜港・名古屋港・大阪港・四日市港以外の地方港湾等における白紙・赤紙の電子化スケジュールは今後の発表事項となります。
サイバーポートの普及状況と関連動向
- サイバーポートの利用実績
- 国土交通省の公表データによれば、サイバーポートの導入企業数は2026年8月1日時点で1,241社となっています。
- 上位施策での位置付け
- 政府の「総合物流施策大綱(2026年度~2030年度)」等においても、港湾物流DXの推進施策としてサイバーポートの機能強化や標準化の進展が位置付けられています。
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出典
- 発表主体: 国土交通省 港湾局 / 発表日: 2026-09-01
- 報道発表資料(PDF)
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