環境省が2026年度「LD-Tech」案を公表、意見募集を開始
環境省は2026年10月26日、CO2削減効果が最も高い先導的な脱炭素技術を取りまとめる「2026年度 環境省LD-Techリスト(案)」および「水準表(案)」を公表し、記載内容の更新に関する意見募集を開始しました。冷凍冷蔵倉庫向け自然冷媒冷凍機やBEMS(ビルエネルギー管理システム)を含む41クラスでLD-Tech水準(最高性能値)の更新等が行われたほか、水準が設定されていない261クラスについて情報提供を求めています。意見募集の受付期間は2026年10月26日から11月20日までです。
環境省LD-Tech制度の位置づけと更新の経緯
環境省では、2050年カーボンニュートラル達成に向けてエネルギー起源CO2削減に最大の効果をもたらす技術・設備を「環境省LD-Tech(Leading Decarbonization Technology)」として整理・発信しています。民間事業者が設備を導入する際の参照基準とすることで導入を促すとともに、メーカー各社に対して脱炭素性能の向上に向けた技術開発を促すサイクルを構築することを目的としています。制度は毎年更新されており、2026年7〜9月に実施された個社や業界団体からの情報提供や有識者の意見を踏まえて今年度案が作成されました。
水準表案の変更点と冷凍冷蔵倉庫関連の更新内容
公表された資料における主なポイントおよび物流・倉庫設備に関連する変更内容は以下の通りです。
- リストおよび水準表の全体規模
- 2026年度水準表(案)の掲載数は計1,016クラス。
- このうち41クラスでLD-Tech水準の更新等を実施。
- 水準が未設定のクラスは261クラス存在し、今回の公募等を通じて水準設定に必要な性能情報の提供を募集。
- 物流・倉庫および産業設備に関連する主な水準更新
- 冷凍冷蔵倉庫用自然冷媒冷凍機(アンモニア/CO2二次冷媒システム)
- 庫内温度-20℃超10℃以下、CO2温度-17℃超-5℃以下、冷却水入り口温度32℃、冷凍能力100kW超200kW以下のクラス(S-054002)において、水準値としてCOP 3.24を設定。
- 自然冷媒冷凍冷蔵コンデンシングユニット
- 中温用・空冷式(冷凍能力8.0kW超16.0kW以下、S-055010)でCOP 1.9を設定。
- 低温用・空冷式(冷凍能力4.0kW超8.0kW以下、S-055015)でCOP 0.95を設定。
- エネルギーマネジメントシステム(BEMS制御サービス)
- 中央方式(S-092003)および個別方式・中央方式併用(S-268001)において、冷熱・温熱負荷の1分単位での計測や自動制御機能などの具備要件を水準として提示。
- 冷凍冷蔵倉庫用自然冷媒冷凍機(アンモニア/CO2二次冷媒システム)
- 意見募集の概要
- 募集期間: 2026年10月26日(月)〜11月20日(金)17:00必着
- 提出方法: 所定の「意見提出フォーム」(Excel形式)に記入し、電子メールで事務局(合同会社デロイトトーマツ)へ提出。水準値の提案にはカタログや性能試験結果等の根拠資料の添付が必須。
- 対象外となる事項: 設備・機器カテゴリの新規追加や水準表に対する新たなクラス拡充は、今回の意見募集の対象外(7〜9月に実施済み)。
対象となる関係事業者
- 冷凍冷蔵倉庫・物流施設を保有・運営する事業者: 冷却設備や空調、BEMS等の更新・新設時に参照する最高性能水準が提示されます。
- 冷凍機・空調・産業設備メーカー: 自社製品の性能値がLD-Tech水準に適合しているかの確認や、未設定クラスへの性能データ提供が関係します。
物流・倉庫実務への影響
- 冷凍冷蔵倉庫・物流拠点事業者
- 冷凍冷蔵倉庫向けの自然冷媒(アンモニア/CO2)冷凍機やコンデンシングユニットについて、商用化されている中でのトップクラスの省エネ効率(COP値)が把握可能になります。倉庫のZEB化やScope 1・2削減に向けた省エネ設備更新を検討する際、導入機種を選定するための定量的ベンチマークとして活用できます。
- 設備・機器メーカー
- LD-Tech水準を満たす製品は、後続の製品認証プロセスを経て「環境省LD-Tech認証製品一覧」に掲載されます。未設定となっている261クラスに該当する機器を製造・販売している場合、今回の意見募集で根拠資料とともに性能値を提出することで、自社仕様に合わせた水準設定や認証取得の機会につながります。
意見募集から確定版公表までの工程
- 2026年10月26日〜11月20日: リスト(案)および水準表(案)に対する意見募集の受付期間。
- 2026年12月中旬〜2027年1月下旬: 認証製品の募集期間。水準が設定されたクラスは「通常申請」、水準が定まらなかったクラスは性能値根拠を提示して最高性能を競う「特別申請」として受け付ける予定。
- 2027年3月末: 2026年度の「環境省LD-Techリスト」「水準表」「認証製品一覧」の確定版を公表予定。
今後の注目点
- 未設定261クラスにおける水準採択の行方: 水準が未設定のクラスについて、今回の公募を経て12月の製品募集までにどの程度LD-Tech水準が確定するか、または特別申請へ移行するかが焦点となります。
- 補助金・支援施策との連動状況: LD-Tech認証製品は自治体や金融機関、環境省の他事業との連携を通じた普及促進が目指されているものの、各補助金事業における具体的な採択加点や要件化の有無は今後の各事業公募要領を確認する必要があります。
よくある質問
Q. 今回の意見募集で、新しい機器カテゴリや新クラスの追加を提案できますか?
A. 提案できません。機器カテゴリの新規追加や水準表のクラス拡充に関する募集は2026年7〜9月に実施済みであり、今回の意見募集は既存のリスト案・水準表案の掲載情報の正誤確認や、未設定クラスのLD-Tech水準設定に関する意見のみが対象です。
Q. 冷凍冷蔵倉庫に関連する設備はどのようなものが対象になっていますか?
A. 水準表案には「冷凍冷蔵倉庫用自然冷媒冷凍機(アンモニア/CO2二次冷媒システム)」や「自然冷媒冷凍冷蔵コンデンシングユニット」が掲載されており、冷却能力や運用温度帯ごとのCOP(成績係数)が水準値として提示・更新されています。
Q. LD-Tech認証製品自体の募集はいつ開始されますか?
A. 2026年12月中旬から2027年1月下旬にかけて募集される予定です。確定版の水準表を踏まえ、水準を満たす製品を募る「通常申請」と、水準未設定クラスを対象とした「特別申請」が実施されます。
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出典
- 発表主体: 環境省 地球環境局 地球温暖化対策課 地球温暖化対策事業室 / 発表日: 2026-10-26
- 環境省LD-Tech制度の概要及び前年度からの変更点[PDF 1.7MB](PDF)
- 意見募集要項[PDF 798KB](PDF)
- 掲載ページ
