有限会社M.L.Sに対する事業停止7日間および370日車の処分概要
関東運輸局は令和8年9月10日、有限会社M.L.S(千葉県山武市)の本社営業所に対し、貨物自動車運送事業法に基づき一般貨物自動車運送事業の全部停止(7日間)および輸送施設の使用停止(370日車:5両×74日)の行政処分を行いました。
令和7年2月14日、2月27日および3月11日に実施した監査において、疾病のおそれのある運行の業務をはじめとする計18件の法令違反が確認されたことによるものです。
本処分により、同営業所および事業者に対して44点の違反点数が付与されました。
事業の全部停止および輸送施設使用停止処分の内容
| 処分・命令の種類 | 根拠条文 | 事業者にとっての意味 |
|---|---|---|
| 一般貨物自動車運送事業の全部停止(7日間) | 貨物自動車運送事業法第33条 | 対象営業所における運送事業の運行が指定期間にわたり完全にストップする状態 |
| 輸送施設の使用停止(370日車:5両×74日) | 貨物自動車運送事業法第33条 | 対象となる事業用自動車5両が74日間にわたり稼働停止となる状態 |
監査で認定された疾病運行・不実記載など18件の違反事実
一次資料において確認された違反事項は以下の18件です。
- 乗務時間等告示の遵守違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第4項)
- 疾病のおそれのある運行の業務(貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第6項)
- 点呼の実施義務違反等(貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条)
- 点呼記録の不実記載(貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条第5項)
- 業務記録の記載事項違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条第1項)
- 業務記録の不実記載(貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条第1項)
- 運行記録計による記録義務違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条)
- 運行記録計による記録の不実記録(貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条)
- 運転者台帳の記載義務違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第9条の5第1項)
- 運転者に対する指導監督違反等(貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条第1項)
- 初任運転者に対する適性診断受診義務違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条第2項)
- 定期点検整備の実施違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条の3)
- 点検整備記録簿の記録義務違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条の3)
- 運行管理者に対する指導及び監督違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第22条)
- 運行管理者の講習受講義務違反(貨物自動車運送事業輸送安全規則第23条第1項)
- 事業計画の変更認可違反(貨物自動車運送事業法第9条第1項)
- 事業計画事前届出違反(貨物自動車運送事業法第9条第3項)
- 自動車に関する表示義務違反(道路運送法第95条)
輸送安全規則および運送事業法が求める運行管理・健康管理基準
貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第6項は、疾病、疲労その他の理由により安全な運転ができないおそれがある運転者を事業用自動車に乗務させてはならないと定めています。
また、同規則第7条では乗務前後の点呼実施と結果の記録・保存が義務付けられており、虚偽の記載を行う不実記載は禁止されています。
さらに同規則第3条第4項に基づく勤務時間等基準告示の遵守や、第10条に規定された初任運転者等への指導監督・適性診断受診、事業計画の変更認可・届出の手続きなど、安全運行と運行管理体制の根幹を維持するための遵守事項が法令上規定されています。
点呼・疾病乗務防止・労務記録に関する自社点検ポイント
| チェック項目 | 根拠条項 | 確認の方法 |
|---|---|---|
| 健康状態に疑義のある運転者の乗務除外 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第6項 | 定期健康診断結果の確認および点呼時における体調・問診記録の照合 |
| 点呼の確実な実施と虚偽記載の排除 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第7条 | アルコール検知器の客観ログや日時データと点呼記録簿の突き合わせ照合 |
| 拘束時間・休息期間の基準遵守 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条第4項 | 運行記録計(デジタコ)データおよび業務記録と改善基準告示基準との照合 |
| 業務記録および運行記録計の適正管理 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第8条、第9条 | タコグラフの記録欠落や不実記録の有無、運転日報の記載項目の点検 |
| 初任運転者に対する適性診断の受診 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第10条第2項 | 採用時における大臣認定適性診断(初任診断)の受診票および受診台帳の確認 |
| 定期点検整備の実施と記録簿保存 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第3条の3 | 点検整備記録簿の記載事項、定期点検サイクルの実施状況の突合 |
| 運行管理者の講習受講管理 | 貨物自動車運送事業輸送安全規則第23条第1項 | 運行管理者講習の修了証明書と定期的な受講スケジュールの照合 |
| 事業計画の認可・届出状況の確認 | 貨物自動車運送事業法第9条 | 営業所・車庫等の現状設備と認可・事前届出書類の内容の整合確認 |
関東運輸局管内における行政処分の重罰化動向と累積リスク
- 関東運輸局が発表した2025年度の行政処分実績では、延使用停止日車数が1万3,377日車(前年比14.2%増)となり、1件の許可取消しおよび9件の事業停止処分が科されています。
- 行政処分の累積点数は同一運輸局管内で過去3年間累積され、51点〜80点で事業停止処分、81点以上で事業許可取消処分の対象となります。
- 行政機関による監査は、適正化実施機関による巡回指導結果、労働局や公安委員会からの通報、フォローアップ監査など多角的な端緒から実施される傾向が強まっています。
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出典
- 発出元: 関東運輸局
- 文書番号: 記載なし / 発出日: 令和8年9月10日
- 一般貨物自動車運送事業者に対する事業停止及び輸送施設の使用停止処分について(PDF)
- 掲載ページ
- 報道発表
免責
本記事は一般的な情報提供を目的としたものであり、法的助言ではありません。個別の対応については行政機関の公式情報をご確認のうえ、必要に応じて専門家にご相談ください。
