ファインストッカーとは?
「ファインストッカー」は、マテハン(マテリアルハンドリング)世界最大手である株式会社ダイフクが提供するケース立体自動倉庫システムです。少量多品種の不定形な製品や部品を「樹脂コンテナ」「段ボールケース」「トレイ」といったケース単位で自動的に入庫、高密度に保管し、迅速に出庫します。高さ方向の上部デッドスペースを極限まで有効活用することで、従来の平面保管に比べて3倍から5倍の保管密度を実現。Goods to Person(品物から人へ)のコンセプトに基づき、作業者が歩き回ることなく定位置でピッキングできる環境を整え、物流・製造現場における人手不足解消や在庫管理の精度向上、省人化といった深刻な課題を解決します。
主な機能・特徴
- アルミ製マストとウレタン車輪による高速・静粛動作
軽量なアルミ製マストと走行音を抑えるウレタン車輪を採用することで、高速走行時でも揺れを抑えた安定した静かな動きを実現しています。これにより、建物の階上スペースへの設置にも柔軟に対応します。 - 極力異常停止させない先進の制御システム
クレーンの稼働を極力止めない独自の制御システムを搭載しています。万一の障害発生時にも迅速な復旧をサポートするモニタリング機能が標準装備されています。 - 従来モデル比15%軽量化による省エネ設計
最新モデルは、従来と比べて約15%の軽量化を遂げ、搭載モーターも小型化されました。稼働にかかる電力消費量を大幅に削減し、ダイフクの「サステナビリティ性能評価」でも環境配慮型製品として認められています。 - 10アイテムの「混載管理」に対応
少量部品やネジなどの金具類を1つのコンテナ内に最大10アイテムまで混載して管理が可能です。収納効率を高めながら同時にピッキングするなどの効率的な運用が実現します。 - 耐冷仕様(冷蔵・冷凍対応)オプション
多品種少量品を取り扱う食品倉庫向けに、マイナス環境下でのピースピッキングを自動化するための耐冷仕様バリエーションを用意しています。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
- 少量多品種の部品・製品を高密度に保管したい企業
機械、電機、金属製品、自動車部品などの製造工場における、生産ラインへの組み立て部品の自動供給や、仕掛品の一時保管、およびサービスパーツの管理に最適です。 - スペースの有効活用とピッキングの高速化を両立したい現場
EC・通販、小売・卸売、食品・医薬品、サービスパーツなどを扱う物流センターで、ケース品の保管や出荷待機商品のバッファとして「必要なものを、必要な時に、必要なだけ」スピーディかつ正確に供給したい現場に向いています。 - 国の補助金を活用して省力化を進めたい企業
ファインストッカーは「中小企業省力化投資補助金」の対象製品として登録実績があるため、公的支援を活用して自動化を推進したい企業にも適しています。
【向いていない企業・現場】
- パレット単位の重量物や、大型製品のみを扱う現場
本製品はコンテナや段ボール、トレイ等のケース単位の保管に特化しています。パレット単位の重量物を保管する場合は、同社のパレット立体自動倉庫「コンパクトシステム」などの別システムを検討したほうがよいでしょう。 - 格納物の荷姿が極めて不安定、またはサイズがバラバラな現場
本製品に格納するには、ある程度定形化・規格化されたコンテナや強度のある箱に品物を収める必要があります。強度不足の段ボールや、不揃いな袋状の荷物をそのまま棚へ格納するような運用には適していません。 - 数ヶ月スパンで頻繁なレイアウト変更を想定している現場
自動倉庫は頑丈なスチール製ラックと固定式のクレーンレールを伴う大型の設備です。設置後の移設や大幅なレイアウト変更は容易ではないため、短期間でオフィスの移転やレイアウト変更が想定される場合は、柔軟性の高い自律走行搬送ロボット(AMR)や移動棚システムの検討をおすすめします。
料金・プラン・導入方法
料金:要問い合わせ
ファインストッカーは、顧客が扱う格納物のサイズや重量、倉庫の設置スペース、必要とする格納量(コンテナ数)、および入出庫スループットの要求レベルに合わせて最適なシステムを提案する個別設計仕様です。そのため、具体的な価格や導入プランについては株式会社ダイフクへの個別見積もり・問い合わせが必須となります。
なお、導入においては「中小企業省力化投資補助金」の対象機器(型式:FS-SD-400BKT等)に指定されているため、一定の要件を満たすことで導入コストの負担を軽減できる可能性があります。
導入事例・実績
- F-LINE株式会社 様(福岡第一物流センター)
九州地区における食品メーカー6社による共同物流・配送拠点において、高頻度・小ロット出荷品を処理するケース自動倉庫として「ファインストッカー」11基(最大保管量2万ケース)を導入。パレタイズ・デパレタイズを行う自動ロボットと連携させることで、人手で行う場合と比べて約20人分の省人化と、重筋労働にあたるケースピッキング作業の負荷軽減に成功しました。 - コマツ 様(栃木工場)
生産組立ラインサイドへのタイムリーな部品供給と効率的な生産体制の実現を目指し、最大7,904ケースを格納できるファインストッカーを導入。ラック側面をピッキング間口にして、プロジェクションマッピング技術による視覚的なピッキング指示を組み合わせたポカヨケ(誤ピッキング防止)システムを構築。結果として作業者の歩行距離を大幅に削減し、ピッキングミスをほぼゼロにする劇的な効果を上げています。 - Connectwell Industries 様(インド)
2万品を超える多種多様なSKU(最小管理単位)を管理するため、オーダーメイドのケース自動倉庫(ファインストッカー)を導入。高さ方向のスペースを有効活用することで、既存スペースにおける保管量が80%増加。時間あたり600ケースを超える高い入出庫能力を達成し、顧客ニーズへスピーディに対応できる物流基盤を確立しました。
導入前に知っておきたいこと
ファインストッカーをはじめとするバケット型・ケース立体自動倉庫を導入する際は、以下のリスクや注意点をあらかじめ把握しておく必要があります。
- 物理的な停止(ジャム・搬送エラー)への備え
物理的なスタッカークレーンが高速でケースを移載するため、強度の低い段ボールの変形や、コンテナからの荷物のはみ出しがあると、センサー感知や移載エラー(ジャム)が発生し、システムが停止する原因となります。運用時は保管用のコンテナや段ボールケースの規格・品質管理を適切に行う必要があります。 - 定期的なメンテナンスコストの発生
稼働を維持するためには、経年劣化する消耗部品の交換や定期点検、コンピュータ管理システムの保守などのメンテナンス(予防保全・事後保全)が不可欠であり、それに伴う毎年のランニングコストを織り込んでおく必要があります。 - 一度設置するとレイアウト変更が困難なこと
建物内に鉄製の立体ラックを固定しクレーンを配備する構造であるため、将来的な稼働後のシステム規模の拡張や配置変更、移設には多大なコストと工期が必要になります。中長期的な事業展開や取扱物量の予測に基づいた、慎重な初期設計が求められます。
類似ツールとの違い・選び方
ケース品の自動保管システムには、ファインストッカーのような「スタッカークレーン式ケース自動倉庫」のほか、各層に配置された搬送台車が高速で往復する「シャトル型(ダイフクのシャトルラックMなど)」や、保管棚自体が移動する「移動棚型」などがあります。
- 保管密度とコストのバランスで選ぶ
シャトル型自動倉庫は入出庫能力が極めて高い一方で、各層にシャトル台車を配置するため導入コストが高額になりがちです。対して、ファインストッカーは1台のスタッカークレーンが複数の棚をカバーするため、設備コストを抑えつつ高さスペースを活用して高密度な保管・仕分けを実現できる、最もスタンダードで導入しやすいシステムとなっています。 - 圧倒的なアフターサポート力
他社製品(村田機械やオカムラ等)のケース自動倉庫と比較した際、ダイフクの強みは「24時間365日の保守体制」と「全国54カ所のサービス拠点」にあります。万が一のシステムトラブルや設備停止が大きな損失に直結する大企業や、稼働を止められない基幹倉庫において、この極めて充実したサポート体制がダイフクのシステムが選ばれ続ける大きな要因となっています。
よくある質問(FAQ)
- 格納できる荷物のサイズや重さに制限はありますか?
- コンテナ、段ボール、トレイ等のケース単位に対応しており、標準的なモデルケースでは、最大積載質量が1コンテナあたり30kg(平均約20kg)となっています。荷物のサイズや形状、強度に合わせて最適なシステム仕様を個別に設計・提案することが可能です。
- 冷蔵や冷凍環境でも利用できますか?
- はい。多品種少量品を取り扱う食品倉庫等でのピースピッキングを効率化するため、耐冷仕様(冷蔵・冷凍対応)のオプションをご用意しています。
- 導入にあたって、どのような補助金が使えますか?
- ファインストッカーは「中小企業省力化投資補助金」の省力化製品(カテゴリ:自動倉庫)として登録実績がございます。補助金を活用することで、賃上げ等の一定要件を満たした場合、最大1500万円(補助率1/2以下)などの補助を受けることができます。要件や対象モデルの詳細は問い合わせの際にご相談ください。
- システム障害などトラブルが起きた際の保守体制はどうなっていますか?
- 万が一の障害発生時に迅速な原因特定と復旧を手助けする「モニタリング機能」を標準装備しています。さらに、ダイフクでは全国54カ所にカスタマーステーション(サービス拠点)を構え、24時間365日の予防保全・迅速な駆けつけ復旧に対応しています。