AutoStoreとは?高密度保管とロボット走行で倉庫の保管効率とピッキング作業を最適化する自動倉庫システム

専用のビンをグリッド状に隙間なく積み上げ、その上をロボットが走行して自動でピッキング・格納を行う超高密度自動倉庫システム(AS/RS)です。倉庫の保管効率を最大化し、入出庫の速度と正確性を飛躍的に向上させます。

料金モデル
要問い合わせ
対象規模
中堅〜大手向け
対象業界
EC・通販 小売・卸売業 物流・倉庫業 製造業

ロジシフト編集部による最新動向サマリ

  • U.S.M.H(ユナイテッド・スーパーマーケット・ホールディングス)が「カスミみどりの駅前店」に導入し、店舗バックヤードでのネットスーパー向けピッキング自動化とリードタイム短縮を実現しています。
  • 500坪の部品倉庫への導入により、保管効率を従来の最大4倍に向上させ、ピッキング人員を60%削減した実績があります。
  • ソフトバンクロボティクスが2026年稼働予定のSBフレームワークス川崎事業所に提供し、AIピッキングロボットや自律走行搬送ロボット(AMR)と連携した高度な自動化環境を構築しています。
  • 都市部の狭小なマイクロ・フルフィルメント・センター(MFC)において、通路を排除した超高密度格納による空間活用と、作業者の歩行をゼロにするピッキング効率が評価されています。

(ロジシフト掲載10記事をもとに自動生成・2026年7月9日更新)

AutoStoreとは?

AutoStore(オートストア)は、倉庫内の保管空間を極限まで活用し、入出庫作業の自動化と高密度保管を同時に実現する超高密度自動倉庫システム(AS/RS)です。従来の倉庫運用で課題となりやすい「保管スペースの不足」「作業者の移動に伴う歩行工数の増大」「人手不足や誤出荷」を根本から解決します。専用の保管コンテナ(ビン)を格子状のグリッド内に隙間なく積み上げ、その上部を走行するロボットが目的のビンをつり上げて作業ポートまで自動搬送する仕組み(Goods-to-Person)を採用しています。これにより、保管容量を最大化しながら、高速かつ高精度なピッキング運用を可能にします。

主な機能

高密度保管とロボット搬送機能

  • キューブストレージ設計
    専用コンテナ(ビン)を格子状のグリッド構造内に縦横隙間なく積み上げる独自の保管方式です。通路やデッドスペースを排除し、従来の棚保管と比較して省スペース化と保管容量の大幅な拡大を両立させます。
  • ロボットによる自動ピッキング・吊り上げ
    グリッド上部を走行するロボットが、指示されたビンを自動で吊り上げて作業ポートまで搬送します。庫内を作業員が探して歩き回る必要をなくし、作業効率を飛躍的に向上させます。
  • 高機能ロボットラインナップ(R5 Pro等)
    標準的なロボットに加え、マルチシフト稼働や大規模EC運用に適した上位モデルのロボットが用意されており、現場の処理能力や運用頻度に応じた機材選定が可能です。

現場作業を支援するエルゴノミクス・管理機能

  • GTP(Goods-to-Person)ポート機能
    作業者が定位置でピッキング作業を行えるよう、作業ポート(ワークステーション)へ必要なビンが直接届きます。高低差やかがみ込みの少ない「ゴールデンゾーン」での作業環境を構築できます。
  • 照光ガイド(Pick-to-light)連携
    取り出すべき商品の位置や数量を作業ポートの光照射などで直接ガイドできます。新人作業員やパートスタッフでも迷わずに作業でき、ヒューマンエラーによるピッキングミスを防ぎます。
  • シームレスなWMS/ERPシステム連携
    上位の倉庫管理システム(WMS)や基幹システム(ERP)とリアルタイムにデータ連携が可能です。在庫管理や出荷指示の自動化により、リアルタイムでの在庫可視化を実現します。

高稼働率と柔軟なモジュール拡張機能

  • 独立コンポーネントによる個別モジュール拡張
    保管ビン、グリッド構造、ロボット台数、作業ポートをそれぞれ個別に後から追加可能です。急激な出荷量の増加や将来の事業拡大に合わせて段階的に拡張できます。
  • 部分メンテナンス対応と高い稼働率
    機器の点検や故障が発生した場合でも、該当するロボットやポートのみを個別メンテナンスでき、システム全体を止めることなく運用を維持できます。
  • ランダム格納による防犯・セキュリティ向上
    システムが自動でビンの位置をランダムに配置し、人間が特定の保管場所を外部から特定できない構造にすることで、盗難や在庫の減失(シュリンク)リスクを低減させます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

向いている企業・現場

#### 1. 既存倉庫の保管スペースが限界に達し、天井高やデッドスペースを活かして収納力を最大化したい企業

  • 保管スペース不足による倉庫の拡張・新設コストを抑えたい
    専用コンテナを隙間なく積み上げる「キューブストレージ」構造により、天井までの垂直空間や従来は通路となっていた死角空間を保管スペースへ変換できます。既存の床面積のまま保管容量を数倍に増やせるため、倉庫移転や外部倉庫の賃借に伴うコスト増加を回避したい現場に適しています。
  • ECや多品種少量品を取り扱い、ピッキング移動の歩行工数が高止まりしている
    目的のビンを作業者の手元までロボットが搬送するGoods-to-Person(GTP)環境を構築します。作業員が広大な庫内を移動する時間を大幅に削ることができ、導入実績でもピッキング作業に必要な人員を従来より大幅に削減できた例があります。
  • 繁忙期と通常期の出荷波動が大きく、需要の変化に応じた柔軟な拡張を行いたい
    ロボット台数や作業ポート、保管ビンを独立して追加できるため、需要に応じた柔軟なスケールアップが可能です。

#### 2. 誤出荷や在庫失念を防止し、作業員の身体的負担を減らしたい企業

  • 正確な在庫管理と盗難・減失リスクの削減を目指したい
    作業者の直接侵入を防ぐ構造とランダム格納制御により、不正アクセスや在庫不一致を防止します。高精度な在庫追跡が可能となり、高精度な運用が証明されることで、年次で全棚を止めて行う手作業の棚卸負担を大きく軽減できます。
  • 重労働や無理な姿勢での作業を解消し、多様な作業員が定着しやすい環境を作りたい
    作業ポートの高さ調節や照光ガイドを組み合わせることで、かがむ・手を伸ばすといった身体的負荷を低減し、作業負荷の少ない安全な職場環境を提供します。

向向いていない企業・現場

#### 1. 専用ビンに入り切らない大型品やパレット単位の保管が中心の現場

  • 大型の機械・家具や長尺物、不形状な重量物をメインで保管したい
    AutoStoreは専用ビンの規格に収まる小・中型商品の保管に最適化されたシステムです。コンテナに入らない特大商品やパレットごとの大型保管が主体の場合は、パレット向けAS/RSなど別の自動化ツールの導入を検討することをお勧めします。

#### 2. 取扱品目や出荷数がごくわずかで、投資回収の長期化が懸念される拠点

  • 初期設備投資を抑えてごく小規模な現場で即座に試したい
    専用のグリッド施工やロボット導入に伴う初期構造構築が必要となるため、取扱規模が非常に小さい倉庫では費用対効果の創出に時間がかかる場合があります。スモールスタートを重視する場合は、既存棚を活用できるAMRやRaaS形式のソーティングシステムなどが候補となります。

類似ツールとの比較

ツール名 特徴 料金 向いている企業
AutoStore 専用コンテナを格子状に隙間なく積み上げる超高密度自動倉庫システム。天井空間を極限まで活用可能。 要問い合わせ 保管密度の最大化と省スペースでの高精度ピッキングを実現したい中堅〜大手企業
Skypod ラック間を3次元に自律走行するロボットを活用した立体型自動倉庫システム。柔軟な拡張性を保持。 要問い合わせ 天井高をフル活用しつつロボットやラックをフレキシブルに追加・変更したい企業
MujinOS 産業用ロボットやAMRを統合制御する知能ロボットコントローラおよびOS。高度な3D画像認識に対応。 要問い合わせ 既存のロボットやパレタイズなどの複雑な作業をティーチングレスで自動化したい現場
Rapyuta ASRS クラウドロボティクスプラットフォームを活用したモジュール式自動倉庫・協働ロボットシステム。 要問い合わせ 既存倉庫環境に柔軟に組み込み、複数台のロボット連携でプロセスを最適化したい企業

保管スペースの効率化を第一に考え、既存の倉庫床面積を増やさずに最大限の収納力を持たせたい場合には、AutoStoreが有力な選択肢となります。空間を一切無駄にしない「キューブストレージ」の特性により、同一面積あたりの保管効率において顕著な強みを発揮します。

一方で、保管する商品が大型で専用コンテナに格納できない場合や、ラック内の立体的な走行経路をロボット自体が自由に上り下りする柔軟性を求める場合は、Skypodのような3次元走行型AS/RSが検討候補に挙げられます。また、保管工程の完全自動倉庫構築ではなく、パレタイズ作業やロボットアームの知能化を図りたい場合にはMujinOS、初期の配置替えやレイアウト変更の柔軟性を優先したい場合はRapyuta ASRSやt-Sortなどのシステムとの選択検討が推奨されます。

料金・プラン・導入方法

AutoStoreの導入料金・機器構成費用は、公式発表において「要問い合わせ」となっています。倉庫の設置面積、設置するグリッドの段数、必要な保管ビンの総数、稼働させるロボットの台数、作業ポートの形式および構成によって全体の費用が大きく変動するためです。

導入時の見積もり検討においては、以下の確認ポイントを整理することが推奨されます。

  • 設備全体の構成要件
    グリッド施工面積、ビンの総数、設置ポート数、初期導入するロボット台数などのハードウェア規模。
  • システム構築および上位連携費用
    自社WMS/ERPとのインターフェース開発費、WCS(倉庫制御システム)構築費、運用シミュレーション検証費用。
  • TCO(総保有コスト)の算出
    稼働後の電力使用量、パーツ交換や点検等の保守・点検契約(SLA)の内容、オンプレミスまたはクラウドサーバー運用維持費。

導入の流れ・期間

一般的な導入プロセスは、現状分析から設計・稼働調整まで段階的に進められます。

  • 1. 問い合わせ・課題のヒアリング
    現在の倉庫仕様、取扱SKU数、出荷波動、将来の成長予測などをヒアリングします。
  • 2. データシミュレーション・3Dレイアウト設計
    実際の運用データを元にした稼働シミュレーション(実効スループットの算出)を行い、機械的理論値に頼らない現実的な処理能力を評価した上でレイアウトを設計します。
  • 3. 見積もり・正式契約
    必要コンポーネント(グリッド、ビン、ロボット、ポート)の構成およびソフトウェア設計を確定させ、契約を行います。
  • 4. 設置施工・システム構築
    標準化・モジュール化された軽量なパーツを使用するため、注文確定から約12週間程度で機器の設置施工および品質テストまでが完了する迅速な導入プロセスが用意されています。
  • 5. テスト・運用立ち上げ(ランプアップ)
    既存のWMS/ERPとのデータ連携テストを行い、作業員へのトレーニングを経て本稼働へと移行します。

導入事例・実績

AutoStoreは国内・海外を問わず、EC・流通・製造・医療など幅広い業界の中堅〜大手企業で多数導入されています。

  • 株式会社虎の穴(とらのあなロジスティクスセンター)
    EC事業の拡大に伴い物流拠点を移転・新設した際、倉庫床面積の約40%削減を目標として導入。高さ5.5mの空間を有効活用した高密度保管を実現し、ピッキング効率は導入前の1時間当たり平均60明細から最大100明細まで向上。24時間安定した出荷能力を獲得しました。
  • オオサキメディカル株式会社(中日本物流センター)
    多品種多ロット化が進む医療用品の保管・出荷拠点にて導入。保管効率が6倍、生産性が4倍に向上し、GS1-128バーコードを活用した個装バラ単位でのロット使用期限トレーサビリティ管理とピッキング省人化を実現しました。
  • ティーツーケー株式会社(岡山県 発送代行サービス)
    既存倉庫の有効活用と人手不足解消を目的に導入。従来約900坪を要していた保管スペースをわずか250坪にまで圧縮。ピッキング人数を13〜15名体制から3〜4名体制へ劇的に省人化し、リードタイムの短縮を果たしました。
  • 東亜ディーケーケー株式会社(埼玉事業所)
    各種計測機器の多品種少量部品や消耗品を管理する物流拠点に導入。限られた設置スペースを活用した省スペース・高密度保管により、製造現場への円滑な部品供給と在庫管理の最適化を実現しています。

導入前に知っておきたいこと

AutoStoreを検討するにあたり、以下の技術的特徴や注意事項を把握しておくことが重要です。

  • 商品の形状と重量制限
    専用ビン内に収まらない大型商品、極端な重量物、特殊な形状の物品は格納できません。全在庫のうちどの範囲をAutoStore内に保管し、どの範囲を一般棚やパレットラックに残すかの棚割り選別(スロット割り当て)が必要です。
  • ビンの整理制御(デギング動作)
    複数段積み重ねられたビンのうち下部に位置する商品を取り出す場合、上部のビンを一時的に別の位置に退避させる動作(デギング)が発生します。高頻度で出荷されるAランク商品を上部に配置するアルゴリズム管理が重要になります。
  • 床面および施工要件の確認
    高密度でコンテナを積み上げる構造上、設置場所の床面水平度や耐荷重要件を満たしているか事前の確認が必要です。建築構造によっては床面の補強工事や平滑化作業が発生するケースがあります。

よくある質問(FAQ)

既存の自社WMS(倉庫管理システム)と連携して運用できますか?
はい、可能です。AutoStoreは既存のWMSや基幹システム(ERP)と連携して制御する構成が一般的であり、WCS(倉庫制御システム)やAPIインターフェースを介してスムーズに入出庫指示やリアルタイムな在庫データの同期を行えます。
導入前の動作確認やシミュレーションは可能ですか?
可能です。AutoStoreでは設計段階において、過去の実際の出荷データに基づいたライブデータシミュレーションを実施します。機械のカタログ上の最大速度ではなく、実運用に即した実効スループットの事前検証が可能です。
稼働後のサポートや障害発生時の対応はどうなっていますか?
正規インテグレーションパートナーおよびベンダーによる24時間・365日のサポート体制やSLA(サービスレベル合意)が提供されています。また、単一のロボットに不具合が生じても、その機体を待避線へ退避させれば他のロボットでシステム全体の稼働を継続できる信頼性の高い構造となっています。
システムの設置・テストにはどのくらいの期間がかかりますか?
標準化された軽量パーツで構成されているため、最終的な発注確定から施工・QAテスト完了まで通常約12週間程度で完了できる仕様となっています(※実際の工期は建屋の状態や設計規模により変動します)。
導入後にロボットやコンテナを追加・拡張することは容易ですか?
非常に容易です。ビジネスの成長やピーク時期の物量増に合わせて、ロボットの増台、グリッドの拡張、ビンの追加、作業ポートの増設を独立して柔軟に行うことができます。
冷蔵や冷凍環境などの特殊な温度帯に対応していますか?
冷蔵環境(チルドゾーン)での稼働実績があるほか、冷凍食品やヘルスケア商品の保管に特化した専用ソリューションも提供されています。対応可能な温度帯条件については個別にお問合せください。

参照・出典

他の自動倉庫・倉庫自動化システムと比較する

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自動倉庫・倉庫自動化システム比較12選