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Home > サプライチェーン> 【まもなく公募開始】令和8年度 運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金
サプライチェーン 2026年6月19日

【まもなく公募開始】令和8年度 運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金

「燃料費の高騰が止まらず、自社の利益が出ない」
「荷主からScope3の排出量削減を求められているが、投資資金がない」
このような悩みを抱える物流現場のリーダーや経営層は多いはずです。

現在の物流業界では、脱炭素対応と業務効率化を同時に実現することが必須のサバイバル条件となっています。
しかし、自社だけの資金力で対応するには限界があります。

この課題を解決する強力な手段が、「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金(令和8年度)」です。
本補助金を賢く活用すれば、初期投資を抑えつつ、物流効率化と大幅な省エネを推進できます。

本記事では、令和8年の公募予測スケジュールや補助内容を分かりやすく解説します。

「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金」とは何か?

公式サイト(令和8年度):https://pacific-hojo.com/supply-chain/

本事業は、陸上輸送省エネ推進事務局が実施する国の補助金制度です。
トラック輸送をはじめとする運輸部門の省エネ(エネルギー使用の合理化)を目的としています。
また、非化石エネルギー(EV、水素、バイオマスなど)への転換を目指す事業者を支援します。

令和8年度(2026年度)の事業は、令和7年度と同様の枠組みで実施される予定となっているので、今から過去の補助金概要・採択事例を確認し、備えておきましょう。

補助金スペック早見表:補助率・対象経費・申請要件

公式サイト(令和7年度):https://pacific-hojo.com/supply-chain_r7/

まずは実務担当者が最も気になる部分を、令和7年度公募要領から直接抽出して整理しました。

補助率と予算規模

項目 内容
予算総額 約4.55億円(新技術活用サプライチェーン全体輸送効率化・非化石エネルギー転換推進事業の範囲内)
採択件数 7件
補助率 補助対象経費の1/2以内

予算規模から見ると、1件あたり数千万〜1億円規模の事業が対象になることが読み取れます。
それだけに、申請書の完成度が採否を大きく左右します。

補助対象経費の3区分(すべて1/2補助)

本補助金は「ハード単体」では採択されません。
共通システム(情報連携基盤)の構築が必須で、そこに以下の3区分の経費が紐づきます。

区分 対象内容 補助率
①共通システム事業費 発荷主・輸送事業者・着荷主間で輸送情報を連携する共通システムの構築・導入費 1/2以内
②輸送効率化機器事業費 ①の共通システムと情報連携して輸送計画全体を最適化する機器の導入費(TMS・デジタコ等) 1/2以内
③充電・充填インフラ導入費 ①と連携してEVトラック充電・FCVへの充填タイミングを最適化する実証に要する経費 1/2以内

対象外となる主な経費(要注意)

申請時に多くの企業が見落としがちな「対象外経費」です。

  • EV・FCVトラックなどの車両購入費は対象外(機器導入費と混同しないよう注意)
  • 通信費などのランニングコスト
  • 共通システムと連携しないシステム・設備
  • 自社従業員の通常労務費(ただし共通システム開発に要する人件費は計上可)
  • 申請書類の作成費用

申請の必須要件:3者連携スキームが絶対条件

本補助金の最大の特徴が、この申請要件です。

「発荷主・輸送事業者・着荷主のそれぞれ1社以上が参画する連携事業」であること

自社単独では申請できません。
荷主企業・輸送会社・納品先という3者が組んで、サプライチェーン全体で効率化に取り組む事業計画が求められます。
この要件があるため、今から荷主や取引先との対話を始めることが採択への最短ルートです。

なぜ今、この補助金が重要なのか?2026年問題と脱炭素の潮流

物流業界を取り巻く環境は、2026年に大きな転換期を迎えます。
その理由と、本補助金が今すぐ必要とされる背景には、主に以下の3点があります。

改正物流効率化法とCLO選任義務化

2026年度(令和8年度)から、改正物流効率化法が本格稼働します。
一定規模以上の事業者は「特定事業者」に指定されます。
年間取扱量が基準を超える「特定荷主」に対しては、「物流統括管理者(CLO)」の選任が義務化されます。
CLOの役割は、自社およびサプライチェーン全体の物流効率化と脱炭素化を統括することです。
これにより、荷主から物流事業者への「CO2排出量の可視化と削減」の要求がかつてないほど強まります。

燃料費高騰と原油供給の脆弱性

日本のエネルギー事情は、中東依存度が高く、極めて不安定です。
原油輸入量の減少や円安に伴い、軽油価格の高止まりが常態化しています。
コスト削減は、企業の生存に関わる最重要課題です。
補助金をテコにエネルギー効率を最適化することは、強力なコスト防衛策となります。

サプライチェーン全体で問われるScope3対応

グローバルな取引を行う荷主企業にとって、サプライチェーン全体の排出量(Scope3)削減は必須です。
自社が利用する運送会社が環境配慮型であるかどうかは、委託先選定の絶対条件になりつつあります。
本補助金を活用して早期に省エネ・脱炭素体制を構築することは、他社に対する圧倒的な競争優位性になります。

参考記事: 脱炭素経営とは?物流現場の課題から実践ロードマップまで徹底解説

参考記事: 排出量可視化完全ガイド|基礎知識からScope3算定・ツール選びまで

補助金活用がもたらす具体的なメリットと効果

本補助金を活用してエネルギー使用の合理化を進めることで、企業は大きな変化を得られます。
定量的・定性的な観点からメリットを整理します。

定量的なメリット:財務コストの劇的圧縮

最も直接的な効果は、省エネ機器やシステムの導入に伴う初期投資の削減です。
補助金の適用により、自己負担額を大幅に抑えて最新テクノロジーを現場へ実装できます。

また、導入後のランニングコスト(軽油代や電気代)も大幅に削減されます。
例えば、ルート最適化システム(TMS)を導入した場合、走行距離が短縮されます。
結果として、年間の燃料費が劇的に圧縮されます。

定性的なメリット:企業価値と競争力の向上

環境対応への姿勢を対外的に示すことで、荷主企業からの評価が高まります。
「この会社に委託すればScope3削減実績を提示できる」という価値を提供できます。
これは、価格競争に巻き込まれない「グリーンプレミアム(付加価値)」の獲得に繋がります。

また、最新の省エネ車両やデジタルツールの導入は、現場ドライバーの業務負担を軽減します。
労働環境の改善は、深刻なドライバー不足対策にも直結します。

参考記事: 国交省の令和8年物流脱炭素化事業!水素・バイオマス導入3要件と次世代戦略

丸紅ロジも活用!採択事例とベストプラクティスから学ぶ導入の鍵

本補助金は、過去に多くの大手・中堅3PL事業者に活用されてきました。
その代表例が、丸紅ロジスティクス株式会社などの採択事例です。
ここでは、過去の事例と「令和6年度採択事例ベストプラクティス集」から、申請を成功に導くポイントを解説します。

事例に見る「システム連携」の重要性

過去に採択された事業の多くは、単に低燃費車を導入するだけではありません。
「動的運行管理システム」や「配送ルート最適化アルゴリズム」などのITツールを導入しています。

車両の走行データや積載効率を可視化し、無駄な走行(空車回送)を極限まで減らす取り組みです。
国が評価するのは、「ハード(車両・設備)とソフト(システム)が一体となった合理化」です。

ベストプラクティス集から学ぶ失敗しない3つのステップ

補助金の採択を勝ち取り、確実に効果を出すための導入手順を整理します。

1. 現状のエネルギー使用データの棚卸し

まずは自社の現状を把握する必要があります。
「どのルートで、どの車両が、どの程度エネルギーを消費しているか」をデータ化します。
デジタルタコグラフや燃費データの収集が最初の1歩です。

2. 複数企業での連携スキーム構築

本補助金では、自社単独の取り組みだけでなく、荷主や協力会社を巻き込んだプロジェクトが高く評価されます。
他社と積載スペースをシェアする「共同配送」は、積載効率を飛躍的に高めます。

3. 信頼できるソリューションベンダーの早期選定

公募開始から締め切りまではタイトになる可能性があります。
要件定義や見積もりの準備には時間がかかります。
実績が豊富で、補助金申請の支援体制が整っているシステムベンダーやディーラーを、早急に巻き込むことが成功の鉄則です。

参考記事: モーダルシフト完全ガイド|導入メリットと補助金・成功事例まで徹底解説

よくある質問(FAQ):申請前に確認すべき重要ポイント

公募要領に記載のFAQから、実務担当者が特に確認すべき項目を抜粋・整理しました。

申請要件に関するQ&A

Q. 発荷主と輸送事業者の2者で申請できますか?
A. できません。発荷主・輸送事業者・着荷主のそれぞれ1社以上が参画する3者以上の連携事業であることが必須要件です。

Q. 発荷主と着荷主が資本関係にある(グループ会社同士)でも申請できますか?
A. 高輸送効率化実証事業では、発荷主と着荷主が資本的関係会社でないことを要件としています。ただし②充電・充填タイミング最適化実証事業では、資本関係がある場合も申請可能です。

Q. 海運・鉄道事業者も共同申請者になれますか?
A. なれます。トラックから船舶・鉄道に輸送を切り替える計画であれば、船舶運航事業者や鉄道運送事業者も輸送事業者として共同申請者に含められます。

Q. 採択後に共同申請者を増やしたり変更したりできますか?
A. 同一年度内での追加・変更・脱退はできません。複数年度事業の場合、次年度の継続採択のタイミングで事業者を追加することは可能です。

補助対象経費に関するQ&A

Q. すでに導入済みのシステムを共通システムとの連携に対応するよう改修する場合、その費用は対象になりますか?
A. 改修により付加される機能が本事業の取り組みに必要不可欠である場合に限り、対象となる可能性があります。個別の判断が必要なため、事務局へ事前確認を推奨します。

Q. EVトラックの車両購入費は対象ですか?
A. 対象外です。EVトラック・FCVトラック等の車両購入費は補助対象外となります。充電・充填インフラ導入費は対象です。

Q. 共通システム利用に伴う通信費は対象ですか?
A. 対象外です。設計・開発費は対象となりますが、通信費などのランニングコストは補助対象外となります。

Q. 共同申請者間でシステムや機器を調達する場合も利益排除が必要ですか?
A. 必要です。共同申請者間での調達にも利益排除の考え方が適用され、原価をもって補助対象経費に計上する必要があります。

審査・採択に関するQ&A

Q. エネルギー消費削減率が高ければ採択されやすいですか?
A. 削減率だけで採択が決まるわけではありません。採択は有識者による選定委員会での総合評価です。削減率が高くても他の審査基準を満たしていなければ不採択となる可能性があります。事業の汎用性・連携の独自性なども評価対象です。

Q. 地方自治体の企業誘致補助金と同時申請できますか?
A. 申請予定の補助金が国庫を財源としていなければ、補助対象経費を超えない範囲で同時申請が可能な場合があります。詳細は事務局へ直接お問い合わせください(問い合わせ先:supply_hojokin@07.pacific-hojo.jp)。

まとめ:明日から意識し、動き出すべき最初のアクション

令和8年度の「運輸部門エネルギー使用合理化・非化石エネルギー転換推進事業費補助金」は、物流のサバイバル時代を生き抜くためのカンフル剤です。
公募想定はこれまでの傾向から6月下旬から10月末となる可能性が高いですが、公式発表の後あらためて当サイトでも記事化予定です。

精緻な事業計画を練り上げるには、今からの準備が必要です。
明日から現場のリーダーや経営層が取り組むべきアクションを提示します。

  • 自社の車両管理台帳と過去の燃費データを整理し、可視化する。
  • 荷主企業との間で、脱炭素に向けた共同配送や効率化プロジェクトの対話を開始する。
  • 陸上輸送省エネ推進事務局や関係省庁の最新情報を定期的に確認する。

環境対策はコストではありません。
他社に先駆けて取り組むことで、未来の利益を守るための「最強の競争力」へと自社をアップデートしましょう。

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監修者プロフィール
松本 章

松本 章

大手コンサルティングファームにてSCM(サプライチェーン・マネジメント)改善に従事。 その後、物流系スタートアップの経営メンバーとして事業運営に携わり、業界の課題解決を目指してLogiShiftを立ち上げ。 現在は物流DXメディア「LogiShift」を運営し、現場のリアルとテクノロジーを融合させた視点から情報発信を行っている。

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