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Home > 物流用語辞典 > 倉庫・在庫管理> 先入先出(FIFO)

先入先出(FIFO)とは?

この記事の要点
  • キーワードの概要:先入先出(FIFO)とは、先に入荷・仕入れた商品から順番に出荷や消費を行う在庫管理の基本ルールです。食品や医薬品など期限がある商品の品質劣化や廃棄ロスを防ぐために世界中で広く採用されています。
  • 実務への関わり:現場で徹底することにより、古い商品の滞留や賞味期限切れ、逆転出荷といったトラブルを未然に防止します。流動ラックなどの設備やWMS(倉庫管理システム)を活用してヒューマンエラーを防ぎます。
  • トレンド/将来予測:人手不足やEC物流の拡大を背景に、WMSによるロット別自動引当ロジックや、シャトル式ラック・自動倉庫(AS/RS)を活用した先入先出の自動制御技術の導入が加速しています。

先入先出(First-In, First-Out / FIFO)とは、「先に入荷・仕入れたものから順番に先に出荷・消費する」という管理原則および計算手法です。倉庫や物流センターにおける現物の在庫管理はもちろん、企業の決算書を作成する際の棚卸資産評価(会計処理)においても中核となる概念であり、在庫の陳腐化や評価の歪みを防ぐための世界標準的なルールとして広く採用されています。

目次
  • 先入先出(FIFO)の基本概念と後入先出(LIFO)との違い
  • 物流実務における「現物流通」と会計基準における「棚卸資産評価」の定義
  • 【比較表】先入先出(FIFO)と後入先出(LIFO)の特性・適用基準の違い
  • 物流現場で先入先出を徹底するメリットと運用上のデメリット
  • メリット:消費期限・品質劣化・陳腐化に伴う廃棄ロスとクレームの防止
  • デメリット:保管効率の低下・荷繰り作業の増加・作業動線の複雑化
  • 先入先出を実現する保管設備・マテハンの選定基準と特徴
  • 中小型現場向け:流動ラック(傾斜ラック)・パススルー型ネステナーの活用
  • 大規模・高密度保管向け:シャトル式ラック・自動倉庫(AS/RS)による自動制御
  • ヒューマンエラーを防ぐWMS(倉庫管理システム)とロット・期限管理の構築
  • 入出荷スキャンとロケーション管理による「逆転出荷(日付逆転)」の防止
  • 製造ロット・賞味期限・使用期限に応じた出荷自動引当ロジックの設計
  • 【業界別】先入先出の運用ルール策定手順と現場定着チェックリスト
  • 食品・医薬品・アパレル・ECなど業界ごとの管理基準と制約条件
  • 明日から使える「先入先出」定着化のための現場運用チェックリスト

先入先出(FIFO)の基本概念と後入先出(LIFO)との違い

物流実務における「現物流通」と会計基準における「棚卸資産評価」の定義

先入先出(FIFO)を正確に理解するためには、現場オペレーションとしての「現物流通」と、財務諸表作成のための「棚卸資産評価」という2つの視点を区別して捉える必要があります。

1. 物流実務における「現物流通」の先入先出
物流現場における先入先出は、現物の物理的な移動順序を指します。製造年月日や入庫日が古いロットから順にピッキング・出荷する運用であり、主に食品や医薬品、化学品、電子部品などの消費期限管理や品質劣化防止、および製造ロットの逆転出荷(取引先に対して古い製造日の商品を後から納品してしまうトラブル)を防ぐ目的で徹底されます。実務上は、WMS(倉庫管理システム)によるロット管理やロケーション指定、傾斜を利用して手前側から順に取り出せる流動ラックなどの保管設備を活用して実現します。

2. 会計基準における「棚卸資産評価」の先入先出
会計上の先入先出法は、期末に残った在庫(棚卸資産)の金額と売上原価を算出するための仮定計算ルールです。現物の出入庫順序にかかわらず、「先に取得した棚卸資産から順に払出が行われ、期末の棚卸資産は直近に取得したものから構成される」とみなして計算します。これにより、期末在庫の帳簿価格が直近の市場再調達原価に近い金額で貸借対照表(B/S)に計上されるため、企業の財務実態を客観的に表しやすいという特徴を持ちます。

【比較表】先入先出(FIFO)と後入先出(LIFO)の特性・適用基準の違い

先入先出(FIFO)の対比として用いられるのが、後入先出(Last-In, First-Out / LIFO)です。後入先出は「新しく仕入れたものから先に出荷・払出を行う」という考え方ですが、現物流通と会計制度の双方において先入先出とは明確に異なる特性を持ちます。

比較項目 先入先出(FIFO) 後入先出(LIFO)
現物流通の基本原則 古い在庫から先に出庫・消費する 新しい在庫から先に出庫・消費する
主な適用対象・現場 消費期限・使用期限がある全商材(食品、医薬品、化粧品など) 品質劣化のない積上げ型保管(砂利・鉱物・鋼材などの野積み資材)
現物管理の難易度・保管効率 入庫順のレーン分けや流動ラックが必要になり、保管スペースの工夫が必要 手前から積んで手前から出せるため、荷役動線が短く保管効率を高めやすい
物価上昇時(インフレ)の売上原価 過去の安価な仕入価格が原価となるため、売上原価は小さく計算される 直近の高価な仕入価格が原価となるため、売上原価は大きく計算される
物価上昇時(インフレ)の利益・期末在庫 利益は大きく計上され、期末在庫は時価に近い高値で評価される 利益は圧縮(節税効果)され、期末在庫は過去の低価格のまま残る
日本の会計基準における適用可否 適用可能(主要な評価方法として広く採用) 廃止(2010年4月以降、選択不可)
国際財務報告基準(IFRS)での扱い 認められている(IAS第2号) 禁止

国際財務報告基準(IFRS)および米国会計基準とのコンバージェンスに伴い、企業会計基準委員会(ASBJ)が公表した企業会計基準第9号「棚卸資産の評価に関する会計基準」の改正を経て、日本の会計基準においても2010年4月1日以後開始する事業年度から後入先出法は廃止されました。現物の物理的な物の流れと乖離しやすい点や、意図的な利益操作につながるリスクが排除された結果、企業実務においては先入先出法をはじめとする評価基準が標準となっています。

物流現場で先入先出を徹底するメリットと運用上のデメリット

物流現場における在庫管理の実務において、先入先出(FIFO)の徹底は品質保証の基盤となる一方、運用負荷を引き上げる要因にもなります。入庫順または製造日順に出荷を制御する運用がもたらす現場のプラス効果と、それに伴って発生する運用コストのトレードオフを正確に把握することが重要です。

メリット:消費期限・品質劣化・陳腐化に伴う廃棄ロスとクレームの防止

先入先出を厳格に運用する最大のメリットは、商品の滞留期間を最小限に抑え、品質劣化や陳腐化による廃棄ロスを未然に防ぐ点にあります。

  • 消費期限管理とロット逆転出荷の防止:食品や医薬品、化学品などの商材では、製造日や消費期限ごとのロット管理が欠かせません。先入先出を維持することで、新ロットを先に出荷し古いロットが倉庫内に取り残される「逆転出荷」を防止できます。月間数千SKUの食品を扱う現場では、ロット管理の不徹底による期限切れ廃棄が利益率を直接圧迫するため、入庫ロット順の出荷管理が必須です。
  • 商品陳腐化・経年劣化の抑制:アパレル製品のシーズン落ち(トレンド変化)や、日用品のパッケージリニューアル、工業資材の経年劣化(ゴム・樹脂の硬化や金属の酸化)を防ぎます。長期滞留在庫を減らすことは、期末の棚卸資産評価損(低価法による評価切り下げ)を防ぎ、キャッシュフローを健全に保つ効果があります。
  • BtoC・EC発送における顧客クレームの根絶:EC物流では、リピート購入した顧客に対して「前回届いた商品よりも製造日が古い商品が届く」といったロット逆転によるクレームが発生しやすくなります。先入先出をシステム的に担保することで、商品鮮度に対するエンドユーザーの信頼を維持できます。

デメリット:保管効率の低下・荷繰り作業の増加・作業動線の複雑化

品質面でのメリットが大きい反面、現場オペレーションにおいてはスペース効率や荷役効率の面でデメリットが生じます。

評価項目 先入先出(FIFO)運用の特徴 実務上の影響
保管効率 荷物へのアクセス経路確保のため空間利用率が低下 通路確保のため、同じ坪数での保管可能パレット数が減少
荷役・荷繰り 奥のロット取り出しに伴う荷物の移動(荷繰り)が発生 フォークリフト稼働時間と人件費の増加
ピッキング動線 指定ロットの保管位置に合わせた移動が必要 作業動線が延伸し、1出荷あたりの作業工数が増加

人手と標準的な固定ラックのみに依存して先入先出を徹底しようとすると、保管効率の悪化と作業工数の肥大化という課題に直面します。この課題を解決し、品質維持と荷役効率を両立させるためには、荷物が手前へ自動的にスライドする流動ラックの導入や、WMSによるロケーション・ロットの自動引当といった、保管設備とデジタル技術を組み合わせた仕組み化が実務上の突破口となります。

先入先出を実現する保管設備・マテハンの選定基準と特徴

固定ラックや平置き保管の現場で先入先出(FIFO)を徹底しようとすると、奥にある古いロットを取り出すために手前の荷物を一時移動させる「荷繰り(にぐり)」の工数が発生します。荷繰りを回避しようとして手前の新しい在庫から出庫してしまうと後入先出(LIFO)の状態に陥り、消費期限切れや型落ちによる廃棄ロス、棚卸資産評価損のリスクが高まります。

こうした保管効率の低下や荷繰り工数の増大を物理的に解決するには、倉庫のレイアウトや荷動き(出荷頻度・SKU数)に適合した保管設備およびマテハンの選定が不可欠です。

設備タイプ 適したSKU・荷動き 初期投資水準 先入先出の制御方式
流動ラック(傾斜ラック) 中〜少SKU・中〜高出荷頻度 中(電源不要) 自重スロープによる物理制御
パススルー型ネステナー 少SKU・大量パレット保管 小〜中 一方通行動線による運用制御
シャトル式ラック 少SKU・大量ロット保管 中〜大 台車(シャトル)による機械制御
パレット自動倉庫(AS/RS) 多SKU・高密度保管 大 WMS連動による完全自動制御

中小型現場向け:流動ラック(傾斜ラック)・パススルー型ネステナーの活用

初期投資を抑えつつ電源設備なしで先入先出を担保したい中小型倉庫では、傾斜を利用した流動ラック(フローラック)や、通り抜け構造を持つパススルー型ネステナーが有効です。

1. 流動ラック(傾斜ラック・重力式ラック)
棚に一定の傾斜(勾配1.5〜3度程度)とローラーコンベヤが設置されており、背面の補充通路から投入された荷物が自重で前面のピッキング通路へと滑り降ります。先に入れた荷物が必ず先頭に到達するため、作業員が意識しなくても物理的に先入先出が維持されます。食品や日用品のケースピッキングなど、消費期限管理が厳格で出荷頻度が高いSKUにおいて荷繰り作業をゼロに抑える効果があります。

2. パススルー型ネステナー(前後開口型)
ポータブルラック(ネステナー)を背面合わせにせず、前後両方向からアクセス可能なドライブスルー構造として配置する手法です。背面からパレットを入庫し、前面から出庫する運用動線を固定化することで、通常の段積み保管で発生するLIFO化を防ぎます。

これらの設備を導入する際は通路幅の確保が重要です。補充面とピッキング面を分ける構造上、両側にフォークリフト通路が必要となります。リーチフォークリフト運用であれば約2.7〜3.0m、カウンターバランスフォークリフトであれば約3.5〜4.0mの通路幅を両側に確保する必要があるため、有効保管面積とのバランスを考慮したレイアウト設計を行います。

大規模・高密度保管向け:シャトル式ラック・自動倉庫(AS/RS)による自動制御

天井高が有効活用できる大規模物流センターや、SKU数が多く人手によるロット管理が限界を迎えている現場では、高密度保管と先入先出を両立する自動化マテハンの導入が適しています。

1. シャトル式高密度保管ラック(パレットシャトル)
ラックの各レーン内に自走式のシャトル台車を配置し、パレットの搬送を自動化するシステムです。フォークリフトがラックの奥まで進入する必要がなく、前面の入庫口にパレットを置くだけでシャトルが最深部まで搬送します。出庫時はシャトルが指定パレットを手前まで搬出するため、奥行き方向に10〜20パレット以上連続格納する超高密度レイアウトでも、WMSからの指示により確実に先入先出を実行できます。

2. バケット・パレット自動倉庫(AS/RS)
スタッカークレーンやシャトルが棚間を走行し、荷物の入出庫を自動化する設備です。WMSが入庫日・ロット番号・消費期限情報を一元管理し、ピッキング指示の際に該当する最古ロットのロケーションを自動で呼び出します。これにより、目視確認に起因するロット逆転出荷を完全に排除できます。

自動化設備を選定する際は、梁下有効高が10m以上確保できるか、床耐荷重が平米あたり2.5t〜5t以上あるかといった建屋スペックを確認したうえで、入出荷波動に応じた時間あたり処理能力(スループット)を計算してシステムを設計します。

ヒューマンエラーを防ぐWMS(倉庫管理システム)とロット・期限管理の構築

先入先出(FIFO)を作業者の目視確認や経験則に頼って運用すると、見落としによる日付逆転や取り違えといったヒューマンエラーを根絶できません。物理的な保管設備を整えても、ピッキング時の判断を作業者任せにしていれば逆転出荷のリスクが残ります。確実な先入先出を実現するには、WMSを活用して入出荷から保管に至るプロセスをデジタル制御し、人の判断を介さず機械的に処理できる体制を構築する必要があります。

入出荷スキャンとロケーション管理による「逆転出荷(日付逆転)」の防止

入荷から出荷までの各工程でバーコードやQRコード(GS1-128など)をハンディターミナルでスキャンする運用を標準化することで、誤ピッキングや逆転出荷を物理的に遮断できます。

管理工程 作業内容 WMSの制御機能 防止できるエラー
入荷・格納 バーコード・ロット・期限情報の読み取りと棚入れ ロット情報とロケーションの自動紐付け、混載禁止チェック 誤格納、期限情報の入力ミス
保管・移動 リザーブエリアからピッキングエリアへの補充 古いロットを優先補充するタスク自動発行 補充時の先後逆転、棚奥の滞留
出荷・検品 出荷指示ロケーションでの現品スキャン 引当ロット以外のスキャン時に画面ロック・警告 逆転出荷、ロット誤認出荷

ロケーション管理においては、ピッキングエリアに「固定ロケーション」、リザーブ(保管)エリアに「フリーロケーション」を適用する併用ルールが実務的です。同一棚番への複数ロット混在をシステム上で禁止(1ロケーション1ロット管理)することで、格納時の取り違えを根本から防ぎます。

製造ロット・賞味期限・使用期限に応じた出荷自動引当ロジックの設計

先入先出をシステム上で完結させる中核となるのが、WMSの「出荷自動引当ロジック」です。受注データが取り込まれた際、在庫の中からどのロットを出荷するかをWMSが自動計算し、作業者には決定されたロケーションとロットのみをピッキング指示として出力します。

食品や医薬品、化学品など厳密な品質保持が求められる現場では、「入庫日」ではなく「賞味期限日」または「製造日」を基準とした引当ロジックを設定します。これにより、後から入荷した商品であっても賞味期限が先に来る在庫が存在する場合、期限が近い方を優先して引き当てることが可能です。

さらに、取引先ごとの納品基準に合わせたパラメーターをWMSに組み込むことで、出荷基準を自動制御します。

  • 1/3ルール(残存賞味期限基準): 製造日から賞味期限までの期間を3等分し、最初の1/3を経過した商品の納品を制限する商慣習です。納品先マスタごとに「賞味期限残日数◯日以上」の条件を登録し、条件を満たすロットのみを引当対象にします。
  • 納品日付逆転防止ロジック: 「前回納品したロットの賞味期限よりも、古い(または同日の)賞味期限を持つロットは納品できない」という取引先制限に対応し、納品先別の出荷履歴を参照して前回出荷ロット以降の日付を持つ在庫から自動引当を行います。

自動引当ロジックを確立することで、日々の出荷作業から属人的な判断を排除し、万一の製品回収(リコール)時にも迅速なロットトレースが可能となります。

【業界別】先入先出の運用ルール策定手順と現場定着チェックリスト

先入先出(FIFO)の基本原則は「古い在庫から先に出荷する」ことですが、取り扱う商材の特性や商慣習によって優先すべき基準は異なります。業界ごとの制約条件を理解したうえで現場運用ルールを策定します。

食品・医薬品・アパレル・ECなど業界ごとの管理基準と制約条件

業界 管理基準・優先ルール 現場の制約・留意点 推奨されるシステム・設備対応
食品・飲料 賞味期限・消費期限、「1/3ルール(納品期限)」の遵守 日付の逆転出荷は納品拒否やペナルティに直結する 消費期限管理機能を持つWMS、流動ラックによる物理的FIFO
医薬品・医療機器 製造番号(ロット番号)、有効期限、厳格なトレーサビリティ ロットの混在保管が禁止され、回収時の追跡性が求められる ロット管理と完全連動した固定ロケーション管理、バーコード照合
アパレル・日用品 シーズン区分、製造年月、長期滞留(経年劣化)防止 保管効率を優先するあまり奥の古い在庫が滞留しやすい WMSによる入庫日管理、フリーロケーションでの入庫日引当
EC発送代行(多品種少量) 入庫日基準のFIFO、SKUごとの個別期限管理 多品種少量のため、目視判別による作業遅延と誤ピッキングのリスクが高い ハンディターミナルによるロケーション・ロット自動指示

月間数万件の食品を扱うチルド物流センターなどでは、入庫日が新しくても賞味期限が古い商品が納品されるケースが存在します。このような現場では「入庫日基準のFIFO」ではなく「賞味期限基準のFIFO(FEFO:First Expired, First Out)」をWMSの引当ロジックとして設定し、期限の近い順から自動引当を行います。

明日から使える「先入先出」定着化のための現場運用チェックリスト

先入先出の形骸化を防ぐには、現場作業者が直感的に判断できる表示ルールと、標準作業手順書(SOP)に基づく定期監査が必要です。

現場の見える化施策としては、以下の運用が有効です。

  • 月別カラーテープ・識別ラベルの導入: 入庫月ごとに色分けしたラベル(例:奇数月=青、偶数月=黄)をパレットやオリコンの前面に貼付し、古い在庫が手前に配置されているか視覚的に確認できるようにします。
  • 左から右・上から下への充填ルール: 平置き保管やパレットラックにおいて、補充時は「右側(奥)」に入れ、ピッキング時は「左側(手前)」から取るという動線ルールを床面ライン等で明示します。
  • SOPへの例外処理の明記: 「納品先から特定の製造ロットを指定された場合」や「箱破損品の処置手順」など、先入先出を崩さざるを得ない例外手順を標準作業手順書に明記し、作業員の独自判断による出荷を防ぎます。

現場の定着度を確認・維持するため、以下の監査チェックリストを活用して月次の巡回点検を実施します。

監査項目 チェックポイント 判定(良 / 要改善)
保管・ロケーション 同一間口内で古いロットが奥や下段に隠れていないか 良 / 要改善
現品表示・識別 入庫日・賞味期限の識別ラベルが通路側から視認できる位置にあるか 良 / 要改善
ピッキング動線 WMSのピッキング指示が賞味期限・入庫日の古い順に発行されているか 良 / 要改善
設備・マテハン 流動ラックや傾斜棚のローラーが正常に作動し、荷詰まりが起きていないか 良 / 要改善
滞留・棚卸監査 定期棚卸時に設定基準を超える長期滞留在庫が発見されていないか 良 / 要改善

表示の視覚化とWMSのシステム制御を組み合わせ、作業者の熟練度に依存しない先入先出の仕組みを現場へ定着させることが、品質保証と業務効率化を両立させる基盤となります。

よくある質問(FAQ)

Q. 先入先出(FIFO)とは何ですか?

A. 先に入荷・仕入れた商品から順番に出荷・消費する在庫管理および会計処理の原則です。英語の「First-In, First-Out」の頭文字をとってFIFO(ファイフォ)とも呼ばれます。物流現場では古い在庫の長期滞留を防ぎ、消費期限切れや品質劣化による廃棄ロスを最小限に抑えるための標準的な管理手法として広く採用されています。

Q. 先入先出(FIFO)と後入先出(LIFO)の違いは何ですか?

A. 入出荷の優先順位が逆になります。先入先出(FIFO)が「古い在庫から先に出す」のに対し、後入先出(LIFO)は「新しく入った在庫から先に出す」手法です。先入先出は食品・医薬品など期限管理が重要な現場に適し、在庫の陳腐化を防ぎます。一方、後入先出は手前の荷物から搬出できるため荷繰り作業を減らせますが、古い在庫が滞留しやすい欠点があります。

Q. 物流現場で先入先出を導入するメリット・デメリットは何ですか?

A. メリットは、消費期限切れや商品の陳腐化による廃棄ロス・クレームを防止し、品質を均一に保てる点です。一方のデメリットは、古い在庫を取り出すための荷繰り作業の増加や、作業動線の複雑化、保管効率の低下が挙げられます。これらを解決するため、現場では流動ラックなどの保管設備やWMS(倉庫管理システム)を活用するのが一般的です。

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