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内航海運と荷主経営層の第4回懇談会、2026年11月に適正な価格交渉推進へ

発表主体: 海事局内航課 発表日: 2026-10-27 最終更新: 2026年10月27日
内航海運と荷主経営層の第4回懇談会、2026年11月に適正な価格交渉推進へ

内航海運と荷主の経営層が集う第4回懇談会で何が話し合われる?

国土交通省海事局は、内航海運業界と荷主業界の経営層(役員クラス)が直接対話する「第4回 内航海運と荷主との連携強化に関する懇談会」を2026年11月4日に開催すると発表しました。今回の会合では、2026年3月に策定された『内航海運における運賃・用船料等算出の「標準的な考え方」』の普及と、これを活用した適正な価格協議の推進について意見交換が行われます。

なぜ内航海運の「標準的な考え方」の定着が急がれるのか

内航海運における「取引環境改善」「生産性向上」「船員の働き方改革」を図る施策を着実に実施するには、運送を担う海運業界だけでなく、運送を委託する荷主業界との緊密な連携が不可欠とされています。

国土交通省は両業界の経営層同士が直接対話する場として2022年(令和4年)3月に本懇談会を立ち上げました。これまでも取引環境の改善に向けた議論を重ねてきましたが、2026年3月に運賃・用船料の算定目安となる手引書『内航海運における運賃・用船料等算出の「標準的な考え方」』が策定されたことを受け、これを実際の取引交渉にどう浸透させていくかが課題となっていました。

第4回懇談会の開催概要と出席メンバー

第4回懇談会の開催要領および構成員は以下のとおりです。

  • 開催概要
    • 日時:2026年(令和8年)11月4日(水)15:30〜16:30
    • 場所:中央合同庁舎3号館8階特別会議室
    • 議題:「標準的な考え方」を活用した価格交渉の推進について 等
    • 公開基準:傍聴不可(冒頭挨拶およびフォトセッションのみ撮影可能)
  • 構成員
    • 荷主業界:日本鉄鋼連盟 物流政策委員会委員長、石油連盟 運輸委員会委員長、石油化学工業協会 物流委員会委員長、セメント協会 輸送専門委員会委員長
    • 内航海運業者:日本内航海運組合総連合会(会長、理事長)、内航大型船輸送海運組合会長、全国海運組合連合会会長、全国内航タンカー海運組合会長、全国内航輸送海運組合会長、全日本内航船主海運組合会長
    • 行政:国土交通省 海事局長、海事局次長、海事局内航課長、海事局船員政策課長
    • 経済団体(オブザーバー):日本経済団体連合会 産業政策本部長、日本商工会議所 地域振興部長

議論の行方に影響を受ける事業者と業界団体

  • 内航海運事業者(オペレーターおよび船舶を貸し渡すオーナー/船主)
  • 荷主企業(内航海運を利用する鉄鋼、石油製品、石油化学製品、セメント等の荷主事業者)
  • 関係経済団体(日本経済団体連合会、日本商工会議所)

内航船社と主要荷主の実務に生じうる変化

  • 内航海運事業者(オペレーター・船主)
    • 2026年3月に策定された「標準的な考え方」に基づき、運航費や船員費、修繕費、減価償却費などの積算原価を示しながら価格交渉を行う素地が整いつつあります。
    • 荷主中枢の役員クラスに対して業界共通の算出基準が共有されることで、これまで難航しがちだった船員人件費や安全運航に必要なコストの適正な転嫁について、交渉の場を持ちやすくなる可能性があります。
  • 荷主企業(産業基礎資材等の発注者)
    • 鉄鋼・石油・化学・セメントの主要荷主4業界の代表が会合に参加しており、調達部門や物流部門における運賃・用船料の決定プロセスにおいて、原価内訳を考慮した適正協議への配慮が求められる方針が示されています。
    • 従来の「総額交渉」中心の商慣行から、個別作業対価(滞船料等)の別建て精算など、透明性の高い契約体系への見直しが検討課題となる可能性があります。

第4回懇談会の開催日程と今後の見通し

  • 2026年11月2日 12:00:報道関係者のカメラ撮り事前申し込み締め切り。
  • 2026年11月4日 15:30〜16:30:第4回「内航海運と荷主との連携強化に関する懇談会」を開催。
  • (国土交通省海事局の別途公表資料によれば)懇談会終了後、配布資料や議事概要が国土交通省の公式ウェブサイト上で順次公開される見通しです。なお、「標準的な考え方」の改定や新たな制度化の具体的な時期は現時点で公表されていません。

今後の実務交渉における3つの焦点

  • 原価内訳の提示と協議の定着度:国土交通省の過去の調査では交渉の約9割が内訳を示さない総額交渉とされており、今回示された「標準的な考え方」に基づいた費目別(運航費・船員費・修繕費等)の価格協議が個別の荷主・事業者間でどこまで浸透するかが焦点となります。
  • 滞船料などの個別料金の別建て化:契約後に発生する停泊や待機(滞船料)などについて、運賃とは切り離して精算する実務慣行が業界内で合意形成されるかどうかも今後の注目点です。
  • 下請・用船取引への波及:荷主と直接契約を結ぶオペレーターだけでなく、船主(オーナー)が受け取る用船料の適正化まで反映される枠組みとなるかは現時点で示されていません。

トラック業界の適正原価制度や船員不足を巡る背景動向

  • 先行するトラック業界の適正運賃の動き:トラック運送業界では、告示制度である「標準的な運賃」が活用されているものの、法的拘束力がないことから収受率の低迷が課題となり、2028年6月までに違反事業者の許可更新拒否を伴う「適正原価」制度へ移行する法改正が進められています。内航海運における「標準的な考え方」は法令上の強制力を持つものではなく、まずは官民連携による自主的な定着が図られている段階です。
  • 内航船員の高齢化と物流維持の危機:国土交通省のデータによると、内航船員の約半数が50歳以上となっており、担い手確保のための労働条件改善や船員育成が喫緊の課題となっています。適正な運賃・用船料の収受は、安定的な船員確保に向けた原資確保の観点からも重要視されています。

よくある質問

Q. 『内航海運における運賃・用船料等算出の「標準的な考え方」』とは何ですか?
A. 国土交通省が令和8年(2026年)3月に策定した手引書です。提供する運航や役務にかかる原価に適正利益を加算するコストベースプライシングに基づき、運航費、船員費、修繕費、減価償却費などの費目構成や算出方法、事後発生する滞船料等を個別料金として別建て設定する体系などを整理しています(国土交通省海事局の公表資料によれば)。

Q. この「標準的な考え方」に法的拘束力や罰則はありますか?
A. 法的拘束力や罰則はありません。法令・通達に基づく遵守義務ではなく、内航海運業界と荷主業界が適正な価格協議を進めるための目安・手引として活用を促す行政施策です。

Q. 今回の懇談会にはどのような業界が参加していますか?
A. 荷主側からは鉄鋼(日本鉄鋼連盟)、石油製品(石油連盟)、石油化学製品(石油化学工業協会)、セメント(セメント協会)の4業界の委員会トップが参加し、海運側からは日本内航海運組合総連合会をはじめとする内航各海運組合の代表が参加しています。またオブザーバーとして経団連や日本商工会議所も加わっています。

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出典

  • 発表主体: 海事局内航課 / 発表日: 2026-10-27
  • 報道発表資料(PDF)
  • 掲載ページ
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