第14回日韓運輸ハイレベル協議で何が話し合われたか?
国土交通省は2026年9月9日、韓国・ソウルで9月3日に開催された「第14回日韓運輸ハイレベル協議」の結果を公表しました。日韓の次官級が出席し、運輸分野のカーボンニュートラルや交通政策に加え、物流分野では「国際物流の多元化・強靱化に係る実証輸送調査」「物流産業でのAI技術の活用」「シャーシの日韓両国の相互通行等」について意見交換が行われました。次回協議は日本で開催することで合意しています。
日韓運輸ハイレベル協議の経緯と位置づけ
日韓運輸ハイレベル協議は、運輸分野における共通課題について国土交通省と韓国・国土交通部との間で次官級による政策対話を行う枠組みです。1999年10月の日韓閣僚懇談会で開催が合意され、2000年3月以来、日韓両国で交互に開催されています。総合物流施策大綱などでも、東アジア地域の国際物流ネットワーク強靱化に向けた二国間政策対話の重要な枠組みとして位置づけられています。
協議の開催概要と物流関連の主要議題
第14回協議の開催概要および議題の詳細は以下のとおりです。
- 開催概要
- 日時:2026年9月3日(木)
- 場所:韓国・ソウル
- 日本側出席者:鶴田 浩久 国土交通審議官 他
- 韓国側出席者:パク・ジェスン 国土交通部交通物流室長 他
- 主な議題と意見交換内容
- 運輸分野におけるカーボンニュートラル:日韓両国の環境政策や現況に関する情報共有。
- 高齢者・障害者等に対する交通政策:バリアフリー・移動円滑化に関する施策の共有。
- 主要な物流政策:日本側から「国際物流の多元化・強靱化に係る実証輸送調査について」、韓国側から「物流産業でのAI技術の活用について」それぞれ紹介。
- 実践的な物流政策:港湾での貨物積み替えを行わずに効率的な輸送を可能にする「シャーシの日韓両国の相互通行等」についての議論。
関係する国際物流事業者と荷主企業
- 国際物流事業者・フォワーダー:日韓間輸送や第三国向けの中継ルートを扱う事業者。
- 海運・フェリー・RO-RO船事業者:日韓航路で車両航送やシャーシ輸送を手がける運航会社。
- 日韓サプライチェーンを持つ荷主企業:自動車部品や電子部材など、日韓拠点間でシームレスな輸送を必要とする製造業等。
- 物流DX・AI関連ベンダー:物流現場の自動化や配車最適化技術の開発・提供を行う企業。
国際輸送・サプライチェーン実務への影響
- 国際フォワーダー・海運事業者
- 日本側が紹介した国際物流の多元化・強靱化実証輸送調査や、韓国側が紹介した物流産業におけるAI技術の活用事例など、先進的な取り組みの共有が進められました。国際的な地政学リスクが継続する中、中継ルートの多様化やデジタル技術を活用した業務効率化の方向性を把握する契機となりますが、本協議は政策対話であり直ちに運航基準や手続きが変更されるものではありません。
- 輸出入荷主企業(製造業等)
- 港湾での積み替え(バンニング・デバンニング)を省略してリードタイム短縮と貨物損傷リスク低減を図る「シャーシ相互通行」が議題として継続して扱われており、日韓サプライチェーンの効率化を支える枠組みが政策レベルで維持されています。
次回協議の開催と今後の見通し
- 次回協議(第15回)は日本国内で開催することで合意されました。
- (調査フェーズの国土交通省公表資料によれば)「国際物流の多元化・強靱化に係る実証輸送」は2025年12月から2026年3月にかけて複数ルートの実証調査が実施されており、今後の政策展開への反映が注視されます。ただし、シャーシ相互通行の対象拡充やAI活用の二国間連携に関する具体的なスケジュールは本文資料では公表されていません。
シャーシ相互通行の進展とAI活用の焦点
- シャーシ相互通行の適用拡大に向けた動向:博多〜釜山、下関〜釜山などで先行導入されてきたシャーシ相互通行制度について、対象港湾や適用品目、運用ルールの改善・拡充に向けた具体的な進展があるのかが今後の焦点となります。
- 日韓間における物流AI・デジタル技術連携:韓国側から紹介されたAI技術の活用事例が、将来的に輸出入手続きの連携や港湾・物流データの共有といった実務レベルの協力に進展するかは現時点で示されていません。
日韓シャーシ相互通行と国際物流実証の関連動向
- 日韓シャーシ相互通行制度の概要:貨物を積載したシャーシ(被牽引車)をRO-RO船やフェリーに載せ、相手国港湾到着後は荷物を積み替えることなく現地のトラクターで目的地まで直行輸送する仕組みです。2012年の日中韓物流大臣会合での合意を経て、ダブルナンバー付与などの特例措置により下関〜釜山、博多〜釜山間などで運用されてきました。
- 国際物流の多元化・強靱化実証輸送事業:地政学リスクや国際海運の混乱を踏まえ、国土交通省が代替ルート(中国経由鉄道ルート、中東迂回ルート等)を開拓・検証するために実施している支援事業です。
よくある質問
Q. 日韓運輸ハイレベル協議とはどのような枠組みですか?
A. 運輸分野における共通課題について、日本の国土交通省と韓国の国土交通部との間で次官級による政策対話を行う枠組みです。1999年の日韓閣僚懇談会での合意に基づき、2000年3月から両国交互に開催されています。
Q. 今回の協議で物流分野についてはどのような内容が話し合われましたか?
A. 日本側から「国際物流の多元化・強靱化に係る実証輸送調査」、韓国側から「物流産業でのAI技術の活用」が紹介されたほか、「シャーシの日韓両国の相互通行等」の実践的な物流政策について意見交換が行われました。
Q. 次回の協議はいつどこで開催されますか?
A. 次回協議は日本国内で開催することで合意されましたが、具体的な開催日程は発表資料に記載されていません。
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出典
- 発表主体: 国土交通省 / 発表日: 2026-09-09
- 日本と韓国で運輸分野における政策対話を実施(PDF)
- 掲載ページ
