BL.TRUSTとは?
BL.TRUST(ビーエル・トラスト)は、株式会社東計電算が提供する、企業間における受発注や請求などのデータ交換業務を統合管理・効率化するトータルEDIサービスです。製造業、小売・卸売業、食品・飲料業界などを中心に、取引先ごとに異なる通信手順やデータフォーマットを柔軟に吸収し、自社の基幹システムと円滑に連携させる基盤を提供します。ファイル交換型EDIとWebブラウザ型EDIを兼ね備えており、流通BMSなどの標準プロトコルから従来型のレガシー手順まで幅広く対応します。東計電算の自社データセンターによる24時間365日の運用監視体制のもと、セキュアかつ安定したデータ通信環境を実現することで、企業間取引における手作業の削減と運用負荷の軽減を支援します。
主な機能
BL.TRUSTは、企業間取引で発生する多様な通信プロトコルやデータ仕様の差異を解消するための機能を備えています。主要な機能は以下の4つに分類されます。
マルチプロトコル通信・集配信機能(MCS)
- レガシー手順からインターネットEDIまでの幅広い通信プロトコル対応
従来の固定電話回線・ISDNで利用されてきた全銀手順やJCA手順などのレガシープロトコルをはじめ、流通業界の標準規格である流通BMS(JX手順、ebXML、AS2など)やインターネットベースの通信プロトコルに幅広く対応します。取引先ごとに指定される接続方式が異なっていても、BL.TRUSTを中継することで自社側の設備を個別に増設することなく接続環境を一元化できます。 - 基幹システムとの自動データ集配信連携
取引先から受信した受発注データや出荷・請求データを、自社のERPや販売管理・購買管理システムと直接連携して自動で集配信します。通信処理やファイル送受信をバックグラウンドで自動実行できるため、担当者が手動でファイルをアップロード・ダウンロードする手間や取り込み忘れのリスクを低減します。
フォーマット変換・マッピング機能
- 取引先固有レイアウトの柔軟なトランスレート
取引先ごとに異なるデータの並び順、桁数、コード体系、ファイル形式(CSV、固定長、XMLなど)を、自社基幹システムが要求するデータレイアウトへ相互に変換します。取引先側にシステム改修を求めることなく接続できるため、新規取引の開始や既存取引先とのデータ交換手続きをスムーズに進められます。 - データ不整合を可視化するエラー管理機能
データ送受信時やフォーマット変換処理においてエラーが発生した場合、どのファイルのどの項目で不整合が生じたのかを管理画面上で直感的に確認できます。エラーの原因特定が容易になるため、IT専門知識を持たない実務担当者でも不備の内容を把握し、迅速な修正や再送処理を行える環境を整えられます。
Webブラウザ型EDI機能(B-LC)
- Web受発注・出荷検収ポータル
自社にEDI専用設備や通信回線を持たない中小規模の取引先向けに、Webブラウザ経由で受発注や出荷確認、検収照会を行えるWeb-EDI機能を提供します。取引先側はインターネット環境とブラウザがあれば画面上で発注内容の確認や納品書データの入力・出力が可能となり、紙やFAXで行われていた受発注業務をデジタルへ移行できます。 - 取引先・マスタの一元管理
Web-EDIを利用する取引先のアカウント情報、品目マスタ、単価情報、権限設定などを一括して管理します。取引先ごとに公開する画面や閲覧可能なデータ範囲を制御できるため、サプライチェーン全体でのセキュアな情報共有と取引統制を両立できます。
インフラ・運用監視基盤
- 自社データセンター(Big-Link)での24時間365日運用監視
東計電算が保有・運用するデータセンター基盤上で稼働し、ハードウェアやネットワークの稼働状況を常時監視します。万が一の障害発生時にも迅速な初動対応が行われるため、深夜や休日に稼働する受発注業務でも停止リスクを抑え、安定した取引継続性を確保できます。 - 第三者認証に準拠したセキュリティ管理
情報セキュリティマネジメントシステム(ISMS)やクラウドサービスセキュリティ認証(ISO/IEC 27017)などの国際標準に準拠した堅牢なセキュリティ体制のもとで運用されています。企業間でやり取りされる機密性の高い商取引データや顧客情報を安全に保護します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
取引先ごとに接続プロトコルやデータ仕様が異なり、個別改修の負担が大きい企業
- 取引先によってレガシー手順とインターネットEDIが混在し管理が煩雑化している課題
BL.TRUSTのマルチコネクションサービス(MCS)を活用することで、全銀手順やJCA手順などの従来手順から流通BMS等の最新プロトコルまでを単一基盤で中継・統合できます。接続方式ごとに個別システムを構築・維持する必要がなくなり、通信インフラの運用負荷を大幅に削減できます。 - 取引先ごとのデータ項目やレイアウトの差異により基幹連携に手間がかかる課題
強力なフォーマット変換(トランスレート)機能により、取引先固有のデータ形式と自社基幹システムのレイアウトを柔軟に相互マッピングできます。取引先にシステム変更を要求することなく連携できるため、取引先追加時の調整工数を抑制し、スムーズなデータ連携を実現できます。 - データエラー発生時の原因調査に時間がかかり現場の出荷・受発注業務が滞る課題
どの項目でどのようなエラーが発生したかを可視化する管理画面により、業務担当者自身が素早く不備内容を特定して再送処理を行える体制を構築できます。情報システム部門への問い合わせ件数を減らし、業務復旧までのリードタイムを短縮できます。
EDI設備を持たない中小サプライヤーから大手取引先まで幅広く抱える企業
- 小規模な取引先が専用EDI設備を導入できずFAXやメールでの発注処理が残る課題
ファイル交換型のMCSとWebブラウザ型のB-LCを組み合わせて運用することで、専用システムを持つ大手とは自動データ交換を行い、中小の取引先にはWeb画面を提供できます。取引規模や相手先のIT環境に応じた手段を選択できるため、取引先全体の電子化率を高め、受発注に伴う手入力や転記ミスを低減できます。 - 自社サーバーの運用管理や夜間・休日の障害対応にリソースを割けない課題
東計電算の自社データセンターで稼働するSaaSモデルを採用しているため、サーバー保守やOSアップデート、24時間365日の死活監視をベンダー側に任せられます。自社専任のインフラ運用要員を確保することなく、安全性の高いEDI基盤を継続稼働させることが可能です。
向いていない企業・現場
アカウント発行後すぐに自社のみで即日設定を完結させたい企業
- 導入時のSI(システムインテグレーション)や個別マッピング構築を挟まず完全セルフで即時稼働させたい場合
BL.TRUSTは取引先ごとのフォーマット変換や業務要件を詳細にすり合わせて構築するサービスであり、導入プロセスにおいて仕様定義や接続テストの工程が発生します。完全ノーコードでアカウント開設後すぐに利用を開始できるセルフ型のSaaSを求めている場合は、導入リードタイムの面で適合しない可能性があります。
数社程度の限定的な取引先とシンプルなWeb受発注のみを行いたい小規模事業者
- プロトコル変換や基幹システム連携を必要とせず単機能な受発注画面だけを求める場合
BL.TRUSTは中堅〜大手企業が抱える多様な通信手順や複雑なデータ変換、基幹連携をトータルで統合することに強みを持つサービスです。接続先がごく少数で、複雑なデータ変換や基幹連携を必要としない場合は、機能がシンプルな特化型受発注ツールや無料・低価格帯のWeb-EDIサービスを検討した方が費用対効果を高めやすい場合があります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| BL.TRUST | ファイル交換型(MCS)とWeb型(B-LC)を統合。自社データセンターでの24時間監視と柔軟なマッピング対応が強み。 | 要問い合わせ | 中堅〜大手企業、多様な接続手順や取引先ごとの個別フォーマット変換をワンストップで委託・統合したい企業。 |
| JFT/SaaS | マルチプロトコルに対応したクラウド型EDI。業界VANや国内外企業との接続実績が豊富で24時間365日の運用サポートを提供。 | 要問い合わせ | 通信手順の集約を主目的とし、業界VAN連携や広範な通信プロトコル対応をクラウドで安定運用したい企業。 |
| スマクラ | 大規模な商取引データを支えるクラウド型企業間取引プラットフォーム。金融EDIや電子帳簿保存法対応など機能群が充実。 | 要問い合わせ | 大手流通・小売業など、大量の取引トランザクションを処理し、業界標準に準拠した総合取引基盤を求める企業。 |
| EDI-Master Cloud | クラウドネイティブなEDIサービス。国内外の標準プロトコル対応に加え、基幹システム連携やジョブフロー機能が充実。 | 要問い合わせ | 既存の自社業務フローやジョブ管理と密接に連携させ、柔軟なEDIワークフローをクラウド上で構築したい企業。 |
BL.TRUSTは、ファイル交換型EDIとWebブラウザ型EDIを同一基盤上で組み合わせて導入できる点や、東計電算のデータセンターインフラと一体化した手厚い運用監視・フォーマット変換支援を受けられる点が特徴です。取引先ごとのデータレイアウトの差異を細かく吸収し、自社基幹システムに合わせたインテグレーションを行いたい場合に適しています。
一方で、大規模な流通チェーンとの接続実績や業界VAN連携基盤としての知名度・実績を最重視する場合は「スマクラ」や「JFT/SaaS」、ジョブフロー管理を含めた柔軟な連携設定を自社主導でクラウド構築したい場合は「EDI-Master Cloud」が有力な比較候補となります。自社が求める接続先数、トランザクション量、フォーマット変換の委託範囲に応じて選定することが推奨されます。
料金・プラン・導入方法
BL.TRUSTの利用料金は、接続する取引先数、利用するプロトコル種類、データ送受信量、フォーマット変換(マッピング)の定義数、Web-EDIの利用有無などに応じた個別見積もりとなっており、公式サイト上での定額プラン・価格一覧は公開されていません(要問い合わせ)。
導入検討時の見積もりや商談においては、以下のポイントを確認することが推奨されます。
- 初期費用の内訳
通信回線接続設定費、データフォーマット変換・マッピング定義構築費、基幹システム連携テスト支援費などが含まれるか。 - 月額費用の課金体系
基本月額費用に加え、接続先企業数(接続ID数)に応じた従量課金や、データ送受信量(トランザクション数・ファイル容量)による追加課金があるか。 - 保守・運用監視の範囲
24時間365日のデータセンター監視体制、障害発生時の通知・復旧対応、取引先追加時のマッピング変更にかかる保守サポート費用。 - 契約期間・解約条件
最低利用期間の設定や、解約時のデータ移行・バックアップ対応の条件。
導入の流れ・期間
BL.TRUSTの一般的な導入の流れは以下の通りです(具体的な導入期間は取引先数やマッピング要件により異なるため要問い合わせ)。
- 問い合わせ・ヒアリング
東計電算の担当窓口へ連絡し、自社の取引先状況(社数、接続方式、取引データ種別)、利用中の基幹システム、EDI移行の背景・課題を伝えます。 - 要件定義・接続方式の選定
取引先ごとの接続手順(流通BMS、全銀、JCA、Web-EDI等)やデータレイアウトを整理し、MCS(ファイル交換)とB-LC(Webブラウザ型)の組み合わせ構成を設計します。 - 見積もり・契約
定義された要件に基づき初期構築費用および月額利用料の見積もりが提示され、内容合意のうえで契約を締結します。 - マッピング設計・システム構築
ヒアリングシートやフォーマット定義書に基づき、東計電算側でデータ変換ルール(マッピング)の定義や通信環境の構築を実施します。自社基幹システムとの連携インターフェースを整備します。 - 接続テスト・運用検証
取引先各社および自社基幹システムとの間でテストデータを送受信し、通信の疎通確認やフォーマット変換の正確性を検証します。エラー発生時のリカバリ手順も確認します。 - 本番稼働・運用開始
テスト完了後、本番環境へ切り替えて実運用を開始します。稼働後は東計電算のデータセンターによる運用監視体制のもとで運用されます。
導入事例・実績
BL.TRUSTの公開導入事例は現時点では確認できていません。最新情報や自社と同業種(製造業、小売・卸売業、食品・飲料等)での導入実績については、公式サイトをご確認ください。
導入前に知っておきたいこと
BL.TRUSTを検討する際には、製品の特性や運用設計に関して以下の点に留意する必要があります。
- 初期導入時の「すり合わせ・マッピング定義」工程の確保
BL.TRUSTは取引先ごとの多様なフォーマットを吸収する柔軟性を持つ反面、導入時には取引先ごとの項目定義や変換ルールを細かくすり合わせるシステムインテグレーション(SI)的な工程が発生します。設定のみで即日動くセルフ型ツールとは異なるため、導入プロジェクトには仕様確認とデータ検証のための十分な期間とリソースを確保することが重要です。 - 本番稼働前の入念なテスト実施
取引先ごとのデータ仕様や運用ルールの考慮不足があると、稼働初期にフォーマット不整合などの通信・取込トラブルが発生するリスクがあります。特にレガシーEDIからの切り替えや新規取引先の接続時には、例外パターンを含めた接続テストを関係各社と綿密に実施することが推奨されます。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンやタブレット端末から利用できますか?
- Webブラウザ型EDI(B-LC)機能はインターネット経由でアクセス可能なWebベースの仕組みですが、詳細な推奨動作環境(モバイル端末・タブレット対応状況や対象ブラウザ)については事前に東計電算へご確認ください。
- 無料トライアルやデモ環境は提供されていますか?
- 公式サイト上では無料トライアルの常設提供は明記されていません。検討段階でのデモ画面の確認や接続検証の可否については、個別相談時に東計電算の担当窓口へ問い合わせることを推奨します。
- 2024年の固定電話回線(INSネット)サービス終了(ディジタル通信モード終了)への対応は可能ですか?
- はい、BL.TRUSTは流通BMS(JX手順、ebXML、AS2等)をはじめとするインターネットEDIに対応しており、レガシー回線からの移行先として活用できます。
- どのようなサポート・監視体制が用意されていますか?
- 東計電算が運営する自社データセンター(Big-Link)において、24時間365日のシステム運用監視体制が提供されています。障害発生時の検知やインフラ安定稼働のためのサポートが受けられます。
- 契約期間や解約条件はどのようになっていますか?
- 最低契約期間や解約通知の期限などの契約条件は公表されていません。見積もり取得時および契約締結前の段階で担当窓口にご確認ください。
- 既存の自社基幹システム(ERP・販売管理システム)との連携は可能ですか?
- はい、BL.TRUSTのデータ集配信機能(MCS)を通じて、受信データの自動取り込みや送信データの自動集配信が可能です。連携ファイルのレイアウト変換もマッピング機能で対応できます。