CarriRoとは?
株式会社ZMPが開発・提供する「CarriRo(キャリロ)」は、倉庫や工場、店舗バックヤードにおける搬送作業の負荷軽減と自動化を目的とした物流支援ロボット(AMR/AGV)です。手動操作をアシストするドライブモード、作業員や先行機に自動追従するカルガモモード、路面ランドマークやSLAM技術を活用して無人で走行する自律移動モードを備えています。既存のカゴ台車や6輪カートを牽引できるアタッチメントも豊富で、大規模な設備改修を行うことなく、短期間かつ柔軟に構内搬送の省人化・効率化を進められる点が大きな特徴です。
主な機能
走行・搬送アシスト機能
- ドライブモード(電動アシスト操作)
操作ハンドルに搭載されたジョイスティックを傾けるだけで、最大150kg(高可搬モデルではそれ以上)の重量物を小さな力で軽快に運搬できます。手押し搬送による身体的負荷を大幅に低減し、高齢者や女性をはじめとする多様な現場作業員が無理なく運搬業務に従事できる環境を整えます。 - カルガモモード(自動追従走行)
作業員が身につけた発信機(ビーコン)や先行する親機のCarriRoをセンサーで認識し、一定の距離を保ちながら自動で追従します。1人の作業員が複数台のCarriRoや連結された台車を同時に引き連れてピッキングや仕分けを行えるため、往復歩行の回数を劇的に減らして作業効率を高められます。 - 搭乗オプション(CarriRo Ride)
機体後部に専用の搭乗ステップを連結することで、作業員が乗った状態で長距離の移動や搬送を行えます。広大な物流センターや工場敷地内での移動時間を短縮し、歩行疲労を抑えながら搬送作業をスピーディーに完了させることが可能です。
自律走行・ルートナビゲーション機能
- ランドマーク自律走行
床面に貼られた専用のランドマーク(2次元コード等)を機体底面のカメラで読み取りながら、あらかじめ設定したルートに沿って無人で正確に走行します。床面への大がかりな磁気テープ埋設工事が不要で、シールを貼り替えるだけで簡単に走行ルートの変更や拡張が行えます。 - Hybrid SLAM機能
LiDARセンサーによる空間認識(SLAM)とランドマーク認識を組み合わせることで、目印のない広い空間でも柔軟に自律走行しつつ、停止位置などの精度が必要な箇所では高い位置決め制度を担保します。レイアウト変更が頻繁に発生する現場でもスムーズなルート再設定が可能です。 - 障害物検知・安全停止
機体前後に配置されたレーザーセンサーやバンパーセンサーにより、走行経路上にある障害物や作業員をリアルタイムに検知して減速・自動停止します。人機共存環境において接触事故を未然に防ぎ、安全な構内運行を維持します。
搬送アタッチメント・機器連携機能
- 各種台車牽引アタッチメント
現場で日常的に使用されているカゴ台車、スリムカート(6輪台車)、プラッター台車などをワンタッチで連結・牽引できる各種アタッチメントを用意しています。既存の搬送什器を買い替えることなくそのまま自動搬送に転用できるため、導入初期の設備投資を抑えられます。 - フルオート牽引・離脱機能
機体が指定のステーションに到着した際、自動で台車との連結および切り離しを行うアタッチメントに対応しています。作業員が台車をセット・解除する手間を省き、無人での工程間搬送やバース間移動を完結させることが可能です。 - 外部設備連携(外部入出力・PLC連携)
外部インターフェースを介してシャッター、エレベーター、コンベア、自動ドアなどの構内設備やPLC(プログラマブルロジックコントローラ)と信号をやり取りできます。フロアをまたぐ自動昇降や自動ドアの開閉と連動したシームレスな搬送ラインを構築できます。
統合管理・クラウド連携機能
- クラウド群制御(ROBO-HI連携)
ZMPのロボットマネジメントシステム「ROBO-HI(ロボハイ)」と連携することで、複数台のCarriRoの稼働状況や位置情報をクラウド上で一元管理できます。最適な配車指示やバッテリー残量の遠隔監視、エラー通知をリアルタイムに集約可能です。 - WMS・上位システム連携
倉庫管理システム(WMS)や生産管理システムからの出荷指示データと連動し、作業指示に応じたCarriRoの自動呼び出しや配車スケジュール作成を実行できます。物流データと物理搬送を連動させ、拠点全体の入出庫オペレーションを最適化します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
既存のカゴ車や台車資産を活用し、段階的に搬送を自動化したい企業
- 専用ロボット専用什器への買い替えコストや現場オペレーションの変更負荷が大きい
CarriRoはカゴ台車や6輪カートの牽引アタッチメントが充実しているため、現場で使い慣れた什器をそのまま活用できます。什器の全面刷新や大規模な運用変更を伴わずに導入できるため、現場の混乱を防ぎつつ初期投資を抑えられます。 - いきなり完全無人化するのではなく、人の作業支援から始めて段階的に自動化したい
まずは「ドライブモード」や「カルガモモード」を作業補助として導入し、現場の習熟度やレイアウトの整備状況を見ながら「自律移動モード」へとステップアップできます。現場の受け入れ態勢に合わせて柔軟に自動化のレベルを引き上げることが可能です。 - 手押し搬送による作業負荷が原因で、採用難や定着率の低下に悩んでいる
重量物の運搬をCarriRoが代行・アシストすることで、肉体的な負担を大幅に削減できます。女性やシニア層の作業員でも無理なく搬送業務に従事できるようになり、労働環境の改善と人材確保の間口拡大につながります。
頻繁にレイアウト変更が発生し、大がかりな施設工事を行えない現場
- 季節波動や荷主の変更によって保管エリアや走行動線が定期的に変わる
床面に磁気テープを埋設する固定式AGVとは異なり、CarriRoはランドマークシールやSLAMによるマップ登録で走行ルートを設定します。レイアウト変更が生じても、シールの貼り直しやソフトウェア上でのルート修正のみで迅速に対応できます。 - 賃借物件の倉庫のため、床面の切削や大規模なインフラ工事が禁止されている
床面工事や建屋の改修を必要とせず、機体の搬入とランドマークの貼付のみで運用を開始できます。原状回復義務のある賃貸倉庫や仮設の作業スペースでも導入のハードルが低く抑えられます。
向いていない企業・現場
屋外の悪天候下や未舗装路での建屋間搬送を主目的とする現場
- 風雨にさらされる屋外環境や段差・傾斜の大きい不整地を搬送したい
CarriRo(標準モデル)は屋内平坦路での走行を想定した台車型ロボットであり、雨天対応の防水性やオフロード走破性は備えていません。風雨の当たる屋外や勾配のきつい建屋間道路での搬送には、屋外対応の自動運転EVカート(例:eve autoなど)の検討が適しています。
棚ごと作業者の手元に運ぶGoods-to-Person(GTP)方式の超大規模自動化を目指す現場
- 高層ラックから棚ごとロボットが潜り込んで作業ステーションまで運ぶシステムを構築したい
CarriRoは主に床置きの台車牽引やパレット搬送、工程間移動の自動化を得意としており、専用の棚を頭上に持ち上げて高速で群制御するGTP型システム(例:Geek+やQuicktronなど)とは構造やアプローチが異なります。超高密度保管とピッキングステーション集約を主眼とする場合は、GTP専用AMRの導入が適しています。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| CarriRo | 手動アシスト、自動追従(カルガモ)、自律走行の3モードを搭載。既存台車の牽引に強みがあり、工事不要で段階的な導入が可能。 | 要問い合わせ(5年リース月額プランや購入プラン等あり) | 既存のカゴ台車やカートを活用したい企業、人の作業支援から自律搬送へ段階的に自動化を進めたい現場。 |
| Geek+ | 専用棚を持ち上げて作業者の元へ運ぶGTP(Goods-to-Person)方式やソーティングに特化したAI搭載AMR。 | 要問い合わせ | 大規模なEC倉庫などで、保管効率の最大化とピッキング歩行ゼロの完全ステーション集約化を目指す企業。 |
| Lexx500 | カゴ車や6輪カートの自動搬送に特化したAMR。不整地やスロープ走破性に優れ、高い可搬重量と安全設計を持つ。 | 要問い合わせ | 混流生産の工場や傾斜・段差のある倉庫で、既存カゴ車を自律搬送させたい企業。 |
| eve auto | ヤマハ発動機のEVとAutowareを組み合わせた、屋外および屋内外対応のレベル4無人自動運転搬送サービス。 | 要問い合わせ(サブスクリプション等) | 製造工場や大規模物流拠点の建屋間など、屋外・雨天環境を含めた長距離牽引搬送を無人化したい企業。 |
搬送ロボットを選定する際は、「搬送対象(既存台車/専用棚/パレット)」「走行環境(屋内平坦路/段差・スロープ/屋外建屋間)」「自動化のアプローチ(人の作業支援/完全無人自律搬送/GTP方式)」を明確に区別することが重要です。
CarriRoは、現場で使われているカゴ台車や6輪カートをそのまま牽引でき、作業員を追従するカルガモモードから自律走行まで段階的に活用できる点が最大の強みです。床面工事を行わずにスモールスタートし、現場の運用に合わせて柔軟に台数や用途を広げたい場合に最適な選択肢となります。
一方で、保管効率を高めてピッキングエリアに作業員を固定するGTP型の大規模倉庫を新設する場合はGeek+などの棚搬送AMRが適しており、屋外の建屋間をまたぐ重量物搬送を行いたい場合はeve autoなどの屋外対応モビリティが有力な検討対象となります。
料金・プラン・導入方法
CarriRoの導入費用は、選択する機体モデル(追従機能のみのFD、自律移動モデルのAD、重量版のAD+、牽引特化モデル等)、導入台数、各種牽引アタッチメントや管理クラウド(ROBO-HI)の契約構成によって変動するため、個別見積もり(要問い合わせ)となっています。
過去に公表された参考リースプランの例としては、以下のような体系が提示されています(※時期やモデル改定によって異なるため最新情報は要確認)。
- CarriRo FD(追従モデル)
5年リース 月額34,000円(税別)〜 / 台 - CarriRo AD(自律移動モデル)
5年リース 月額52,000円(税別)〜 / 台 - CarriRo AD+(重量版自律移動モデル)
5年リース 月額58,400円(税別)〜 / 台(台車タイプ)
※上記リース料金のほか、本体の一括購入(買取プラン)や、短期利用向けのレンタルプラン(オリックス・レンテック等の提携先経由など)が用意されています。また、台車間連結アタッチメントや各種牽引金具はオプションとして別途費用が発生します。
見積もり取得時には、以下のポイントを確認・整理しておくことが推奨されます。
- 契約形態の選択
長期運用を前提とした購入(一括償却・資産計上)か、初期投資を平準化する5年リース、または短期検証用のレンタルか。 - 必要オプションとアタッチメント
牽引する台車(カゴ台車、スリムカート等)の仕様に合致したアタッチメント費用や、予備バッテリー・充電器の必要台数。 - 保守サポート・クラウド利用料
定期点検やオンサイト修理対応を含む保守契約の内容、および複数台制御クラウド(ROBO-HI)の月額利用料の有無。
導入の流れ・期間
CarriRoを現場へ導入する際の標準的なステップは以下の通りです。具体的な納期や導入期間は機体の在庫状況や走行ルートの規模によって異なるため、問い合わせ時に確認が必要です。
- 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトのフォームより問い合わせを行い、搬送対象物(荷物の重量・サイズ・使用台車の種類)、搬送ルートの距離、床面環境(材質・段差・傾斜)、現場の課題をヒアリングします。 - デモ・現地実機検証(PoC)
ZMPのショールーム(CarriRoイノベーションセンター等)での実機見学や、実際の現場環境に機体を持ち込んでの走行テストを実施します。旋回半径、センサー検知、牽引時の挙動、路面状態との相性を確認します。 - 仕様確定・見積もり・契約
導入モデル、台数、アタッチメント、クラウド連携の有無を決定し、購入またはリースの契約を締結します。 - 機体納品・ルート設定
機体が納品された後、走行ルートに沿ってランドマークシールを貼付し、タブレットや機体操作で走行マップ・動作パラメータを登録します。大がかりな工事を伴わないため、設定作業自体は短期間で完了します。 - 作業員トレーニング・本稼働
現場のオペレーターに向けてジョイスティック操作、ビーコン操作、自律走行の起動手順、緊急停止ボタンの位置などの安全教育を実施し、本稼働へ移行します。
導入事例・実績
CarriRoは物流センター、製造工場、流通・小売店舗など、累計250社以上への納入実績があります。公式プレスリリースおよび信頼できるメディアで公開されている主な事例は以下の通りです。
- ヤマト運輸株式会社
ロールボックスパレット(カゴ車)の搬送自動化を目的に導入。従来はカゴ車を運んだ後に作業員が手ぶらで戻る片道歩行のムダが発生していましたが、CarriRoで置き換えることで搬送作業の省人化と歩行ロスの削減を実現しました。また、機体が走行することで構内の搬送ルートが明確化され、安全な作業導線の整備にもつながっています。 - 株式会社LIXILビバ(東松山物流センター)
出荷仕分けソーターから出荷バースまでの自動搬送に自律モデル「CarriRo AD」5台、コンテナ洗浄用の搬送に追従モデル「CarriRo FD」1台の計6台を導入。作業員自らが走行ルートを設計・改善できる運用体制を構築し、搬送業務において直近で20〜30%の人員削減(省人化)効果を達成しました。 - 水野産業株式会社(関東物流センター)
ピッキング時の作業動線が都度変わり、既存のロングカートと連結して運搬できる柔軟性が評価されて導入。「カルガモモード」により複数カートを一度に牽引することで、作業員の負荷軽減と前方視界確保による安全性向上を達成。さらに本体荷台への大型商品の同時積載により、運搬生産性の向上を実現しました。 - 豊通物流株式会社
通路幅に制約があり固定式AGVの導入が難しかった物流センターにおいて、コンパクトで汎用性の高いCarriRoを導入。重心が低く安定した走行性能と簡単な操作性により、重量物の運搬負荷が大幅に軽減され、女性作業員でも無理なく搬送業務を担当できるようになりました。 - 株式会社OSPアドバンス(工場)
ラベル・シール加工工場の工程間搬送に導入。大型AGVでは作業スペースを圧迫する懸念があった中、コンパクトな機体サイズと将来的な自律移動への拡張性、安全センサー機能が評価されました。作業現場においてCarriRo 2台あたり2名の省人化を目標とした運用検証が行われています。
導入前に知っておきたいこと
CarriRoを導入するにあたり、現場環境や運用面で事前に確認・注意しておくべきポイントがあります。
- 路面状態・段差・傾斜への配慮
屋内平坦路での走行を基本としているため、路面の大きな凹凸、グレーチング(溝蓋)、油や水濡れによるスリップ、急勾配のスロープがある場所では走行安定性が低下したり停止したりする場合があります。事前に走行ルートの床面状態を十分にチェックしておく必要があります。 - ランドマークシールの摩耗とメンテナンス
自律移動モードでランドマーク方式を採用する場合、床面のシールがフォークリフトの通過や激しい台車の擦れで摩耗・剥離・汚損すると、機体がランドマークを読み取れずに停止することがあります。定期的なシールの状態確認や保護テープの活用、予備シールの貼り替え運用をあらかじめ決めておくことが重要です。 - 自律走行ルート上の人・フォークリフトとの混在動線
CarriRoは障害物を検知すると安全に停止しますが、人が頻繁に横切る場所やフォークリフトと動線が重複するエリアでは、一時停止が頻発して想定通りの搬送タクトタイムが出ない場合があります。自律走行用レーンの区分けや通行ルールの策定など、現場動線の交通整理が求められます。
よくある質問(FAQ)
- 操作はスマートフォンやタブレットで行えますか?
- 自律走行のルート設定や機体の各種パラメータ設定、稼働状況の確認には専用のタブレットアプリケーション等を使用します。また、現場での手動操作は機体ハンドルのジョイスティックで行い、追従走行は作業者が携帯するビーコン発信機と機体のボタン操作で直感的に開始できます。
- 導入前に実機を使ったデモや現地での試乗・走行検証は可能ですか?
- 可能です。ZMPのショールーム等での実機デモンストレーションのほか、実際の倉庫や工場環境に機体を持ち込んでの走行検証・PoC(概念実証)や、提携レンタル会社を通じた短期レンタルによる現場テストに対応しています。
- 既存の自社台車(カゴ台車や平台車)をそのまま牽引できますか?
- 可能です。CarriRoには標準的なカゴ台車、スリムカート(6輪台車)、プラッター台車などを連結するための専用牽引アタッチメントがラインナップされています。既存什器に大きな加工を加えることなく接続して搬送を自動化できます。
- バッテリーの稼働時間と充電時間はどのくらいですか?
- 標準的な仕様では、約2時間半の充電で約8時間の連続稼働が可能です(※積載重量や走行頻度、使用環境により変動します)。また、バッテリー交換式に対応しているため、予備バッテリーを用意することで24時間連続稼働の現場でも機体を止めることなく運用を継続できます。
- トラブル発生時のサポート体制や保守はどうなっていますか?
- メーカーおよび販売パートナーによる技術サポート窓口が提供されています。定期点検や故障時のオンサイト修理、代替機対応などを含む保守プランが用意されており、契約時に現場の稼働体制に合わせたプランを選択できます。
- 契約期間や解約条件にはどのような規定がありますか?
- 一括購入(買い取り)の場合は契約期間の縛りはありませんが、リース契約(例:5年リース等)を利用する場合は原則としてリース期間中の途中解約はできません。短期間の利用や季節変動に対応したい場合は、短期レンタルプランの利用が推奨されます。詳細な条件は契約時に見積もり窓口へご確認ください。