Lexx500とは?
株式会社LexxPlussが開発・提供する「Lexx500」は、物流倉庫や製造工場で多用される既存のカゴ車や6輪カートを無改造のまま牽引・搬送できる自律走行型搬送ロボット(AMR)です。自律走行(AMR)と高精度な軌道走行(AGV)を切り替えられるハイブリッド制御技術を搭載し、作業員との協働や狭い通路での搬送に対応します。人手による台車の長距離搬送負荷を削減し、工程間搬送の省人化を支援します。
主な機能
走行・制御機能
- AMR・AGVハイブリッド走行制御
障害物を自律的に検知して迂回するAMRモードと、設定されたルート上を正確に走行するAGVモードを現場環境に応じて自律的に切り替えます。作業員が頻繁に行き交うエリアでは自律回避を行い、狭路や設備との位置合わせが求められる工程では高精度な軌道走行(停止精度±0.5mm)を行うことで、円滑な搬送ルートを維持できます。 - 小型ボディによる狭路走破・段差対応
本体寸法は707×645×228mm、回転半径380mmとコンパクトな設計となっており、幅の狭い通路でも小回りを利かせた運用が可能です。段差やスロープなどの走行床面環境にも対応し、工場や倉庫内の多様なレイアウト間を安定して走行します。 - 多重センサーによる安全停止
2基のLiDARセンサー、5基の超音波センサー、ビジュアルカメラ(深度カメラ)、バンパー接触センサー、IMU(加速度センサー)などを搭載しています。360度全方位で作業員や障害物を検知し、衝突リスクを検知した際は自動で安全停止または減速を行います。
台車連携・搬送機能
- 台車連結インターフェース「LexxTug」
市販の一般的なカゴ台車や6輪台車を改造することなく自動で連結・切り離し(脱着)できる専用アタッチメントです。最大500kgまでの牽引に対応しており、作業員が都度フック掛けや解除を行う手間を省き、搬送工程を無人化できます。 - 潜り込み牽引・積載搬送
LexxTugを用いたアタッチメント牽引のほか、台車の下に本体が潜り込んで持ち上げる潜り込み牽引方式や、本体上部への直接積載(最大300kg、昇降持ち上げ100kg)にも対応しています。現場で利用している治具や搬送物の形状に合わせた運用形態を選択可能です。
システム・設備連携機能
- 群制御フリートマネジメントシステム「LexxFleet」
最大50台以上のロボットを一元管理できる集中管理ソフトウェアです。フロアマップ上での走行ステータスやバッテリー残量のリアルタイム表示、複数タスクの同時予約・割り当てを実行でき、現場全体の搬送効率を最適化します。 - 設備連携システム「LexxHub」および外部API連携
エレベーター、自動シャッター、コンベア、PLCなどの各種産業設備とI/O連携が可能です。WMS(倉庫管理システム)やMES(製造実行システム)とAPI経由で接続することで、別フロアへの縦移動搬送や前後工程とのシームレスな連動を実現します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
既存のカゴ台車や6輪台車を活用したまま搬送工程を自動化したい物流倉庫・製造現場
- 汎用台車をそのまま使いたいが、専用台車への買い替えコストや置き場変更を避けたい
「LexxTug」アタッチメントを用いることで、現場にある市販のカゴ車や6輪カートを無改造でそのまま自動牽引できます。専用パレットや専用ラックの導入が不要なため、既存のマテリアルフローや什器を維持したまま搬送作業のみを自動化できます。 - 作業員の台車押しによる長距離歩行や身体的負担を減らしたい
最大500kgの重量台車を自動搬送するため、入荷バースから保管エリア、または製造ライン間の長距離移動を作業員が担う必要がなくなります。人手搬送に2時間を要していた現場で時間を4分の1に短縮したケースなど、搬送工数の大幅な削減につながります。
狭い通路や作業員との交差が発生する混流環境で搬送を効率化したい現場
- 通路幅に余裕がなく、従来の大型搬送ロボットや固定ラインが設置できない
横幅64.5cm、回転半径38cmのコンパクトな設計により、人がすれ違うのがやっとの狭い通路でも小回り良く走行可能です。 - 人が行き交う環境でも安全性を確保しながら高精度に設備間へ横付けしたい
AMRの自律回避で人や荷物を避けつつ、工程間や設備前ではAGVモードにより±0.5mm精度の正確な停止・位置合わせが可能です。人とロボットが同一フロアで混在する製造ラインや仕分け拠点に適しています。
向いていない企業・現場
屋外や建屋間の舗装されていない路面での自動搬送を主目的とする企業
- 風雨にさらされる屋外敷地や大きな凹凸のある路面での長距離搬送を行いたい
Lexx500は屋内の平坦な工場・倉庫内での走行を主眼に設計された屋内型AMRです。防滴・防塵性能が求められる雨天時の屋外走行や、舗装状態の粗い建屋間搬送には適していません。このような用途には、屋外対応の自動運転EV車両(eve autoなど)を検討する必要があります。
GTP(棚搬送)方式による大規模なピッキング専用エリアの構築を目指す現場
- 専用ラックごと保管効率を最大化し、ピッキング作業ステーションに商品を集中供給したい
Lexx500はカゴ車やカートの工程間牽引・移動に強みを持つロボットです。超高密度な専用棚搬送やソーター連動による小口ピッキング特化型のGTP(Goods-to-Person)システムを求める場合は、Geek+やQuicktronのような棚搬送・ソーティング特化型ソリューションの方が適しています。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| Lexx500 | AMR/AGVハイブリッド走行、既存カゴ台車・6輪台車の無改造牽引(LexxTug)、狭路対応 | 要問い合わせ | 既存のカゴ車やカートを活かし、屋内工程間搬送や混流現場を自動化したい企業 |
| Geek+ | GTP(棚搬送)、ピッキング、ソーティングに特化した豊富なロボットラインナップとAI群制御 | 要問い合わせ | 大規模EC倉庫や多品種小口ピッキングの保管効率とピッキング生産性を高めたい企業 |
| Quicktron | 棚搬送(GTP)およびパレット搬送に対応し、AIアルゴリズムによる高密度保管・経路最適化を実現 | 要問い合わせ | パレットや専用ラックを用いた大規模倉庫の自動化・保管効率向上を目指す企業 |
| eve auto | ヤマハ発動機のEVカートと自動運転OSを融合し、雨天・夜間・段差など屋外建屋間搬送に対応 | 要問い合わせ | 製造工場敷地内や物流拠点における屋外・建屋間の無人搬送を自動化したい企業 |
搬送ロボットの選定においては、「何を」「どこで」「どのような形態で」運ぶかが重要な判断基準となります。Lexx500は、物流倉庫や製造現場で日常的に使用されているカゴ台車や6輪台車を、改造することなく自動牽引できる点が大きな強みです。現場の運用ルールや什器を大きく変更せず、通路が狭い環境や人とロボットが混在する工程間搬送を自動化したい場合に適しています。
一方で、EC倉庫のように棚ごと作業者の手元へ運ぶGTP方式で保管効率とピッキング速度を最大化したい場合は、Geek+やQuicktronのような棚搬送型AMRが適した選択肢となります。また、工場敷地内の別棟間など、雨天時を含む屋外や未舗装路の搬送を自動化したい場合は、屋外レベル4自動運転に対応したeve autoの検討が推奨されます。
料金・プラン・導入方法
Lexx500の利用料金は、導入台数、搬送ルートの設計規模、オプション(「LexxTug」「LexxHub」などの治具や設備連携インターフェース)の有無、保守サポートプランによって変動するため、公式には個別見積もり(要問い合わせ)となっています。
見積もりや検討の際は、以下の点を確認することが推奨されます。
- ハードウェア・ソフトウェアの契約形態
ロボット本体および充電ステーションの買い取りか、フリート管理ソフトウェア(LexxFleet)のライセンス形態(月額・年額サブスクリプション等)か。 - オプション治具・設備工事費用
カゴ台車用牽引アタッチメント(LexxTug)の数量や、エレベーター・自動ドア等との設備連携(LexxHub)に伴う現場施工・インターフェース開発費用の有無。 - 保守・サポート体制
遠隔監視やソフトウェア更新、ハードウェアの定期点検・現地出張修理などの保守範囲と費用。
導入の流れ・期間
Lexx500の導入は、一般的なAMRソリューションと同様に現場調査から段階的に進められます(具体的な導入期間は拠点規模や台数により異なるため要問い合わせです)。
- 1. 問い合わせ・ヒアリング
公式サイトまたは代理店経由で問い合わせを行い、現状の搬送工程、使用している台車の種類、搬送重量、レイアウト図面などの要件をヒアリングします。 - 2. 現場調査・PoC(実証実験)/ デモ
導入予定エリアの通路幅、床面状態、段差、エレベーター等の設備環境を確認し、実機による走行デモや検証を行います。 - 3. 要件定義・見積もり・契約
搬送ルート、台数、システム連携仕様(WMS連携やLexxHub連携)を確定し、契約を締結します。 - 4. 環境構築・マップ作成・試運転
ロボット本体の納入、フロアマップの作成・登録、LexxFleetの初期設定、設備との通信接続テストを実施します。 - 5. 本稼働・運用支援
現場オペレーターへの操作レクチャーを行い、実運用を開始します。稼働後は遠隔監視や保守サポートによるフォローが行われます。
導入事例・実績
三桜工業株式会社
ブレーキ配管などを手掛ける自動車部品メーカーの三桜工業株式会社では、製造拠点(三重県鈴鹿市・滋賀県甲賀市)において自律走行搬送ロボット「Lexx500」および設備連携ソリューション「LexxHub」を導入しました。製造工程における工程間搬送を自動化し、製造現場における省人化を実現しています。
イオンネクスト株式会社
イオンのネット専用スーパー「Green Beans」を運営するイオンネクスト株式会社は、2026年開設予定の大型物流拠点「八王子顧客フルフィルメントセンター(八王子CFC)」において、Lexx500およびカゴ台車・6輪台車自動搬送ソリューション「LexxTug」の導入を決定しました。従来、冷蔵帯の台車搬送で課題となっていた乗車員のアサインや教育工数、接触リスクを解消し、搬送無人化によって供給能力の向上を図っています。
佐川急便株式会社
佐川急便の大規模中継拠点「Xフロンティア」において、自動仕分け機で搬送できない不定形荷物の搬送に導入されています。24時間稼働で人と荷物が行き交う混流環境下において、接触を防ぎながら自律搬送を行う役割を担っています。
導入前に知っておきたいこと
公開されている製品仕様や現場特性から、検討時に留意すべきポイントとして以下の点が挙げられます。
- 台車形状・フレーム寸法の適合確認
LexxTugを用いた台車の無改造牽引は一般的な規格のカゴ車・6輪台車に対応していますが、台車下部のフレーム寸法や高さ(端部高さ175〜250mm等)に規定の仕様条件があります。現場で使用している既存台車の寸法が適合するか事前の確認が必要です。 - ネットワーク環境の整備
LexxFleetによるフリート管理やリアルタイム制御を行うため、走行エリア全体で安定したWi-Fi(IEEE 802.11a/b/g/n等)通信環境の構築が前提となります。通信の死角がある場合はアクセスポイントの増設などの対策が求められます。 - 飛び出し等の死角に対する運用ルールの整備
複数の安全センサーを搭載し障害物検知時は自動停止しますが、死角からの急な作業員の飛び出しなどに対しては限界があるため、現場での走行レーン周知や安全ルールの併用が推奨されます。
よくある質問(FAQ)
- 既存のカゴ台車をそのまま牽引できますか?改造は必要ですか?
- 専用インターフェース「LexxTug」を使用することで、市販の一般的なカゴ台車や6輪台車を改造なしで牽引可能です。台車の連結および切り離しも自動で行われます(対応可能な台車寸法などの詳細条件は事前の確認が必要です)。
- 走行エリアにWi-Fi環境は必須ですか?
- はい。Lexx500本体と運行管理システム「LexxFleet」間の通信や複数台の群制御を行うため、Wi-Fi環境(IEEE 802.11a/b/g/n)が必要です。
- 1台のみの小規模導入は可能ですか?
- 可能です。Lexx500は1台から導入・運用を開始でき、現場の稼働状況や拡張計画に合わせて運用台数を順次増やすことができます。
- エレベーターや自動ドアと連動してフロア間を移動できますか?
- 設備連携システム「LexxHub」を導入することで、エレベーター、自動シャッター、コンベアなどの外部設備とI/O連携し、フロアをまたいだ自動搬送が可能です。
- 導入前の実機デモや現場での走行確認は可能ですか?
- 公式サイトや取扱代理店等を通じて問い合わせることで、現場環境のヒアリングや実機デモの相談が可能です。
- 保守やトラブル時のサポート体制はどうなっていますか?
- ソフトウェア面での遠隔サポートやトラブルシューティング体制が提供されているほか、ハードウェアの定期点検や出張修理サービスが用意されています(詳細は問い合わせが必要です)。