INTER STOCKとは?
INTER STOCK(インターストック)は、独自の業務ルールや複雑な出荷基準を抱える中堅・大手企業の倉庫管理・在庫管理における課題を解決する、セミスクラッチ型のクラウド倉庫管理システム(WMS)です。株式会社オンザリンクスが提供するこのシステムは、安定性の高い業務パッケージでありながら、ソースコードとデータベースを100%完全公開しているのが最大の強みです。2025年9月にはWMS業界で初めて生成AIとローコード開発に本格対応し、2025年12月にはデータマッピングや在庫引当設定のノーコード機能を追加しました。ベンダー主導のシステム改修から脱却し、現場が主導権を握って自律的な「カイゼン文化」をデジタル上で回し続けられる物流DX基盤を提供します。
主な機能・特徴
- ソースコードとデータベースの100%完全公開
一般的なWMSとは異なり、システムの設計図であるソースコードとデータベースをユーザー企業へ完全に提供します。これにより特定のシステムベンダーへの依存(ベンダーロックイン)を防ぎ、将来的に自社のIT部門主導でシステム運用やメンテナンス、継続的な機能改修を行える「内製化」を可能にします。 - 生成AI×ローコードによるビジュアル開発環境
ドラッグ&ドロップによる直感的な操作で画面レイアウトや帳票をカスタマイズできるローコード開発ツールを搭載しています。さらに、生成AI対応機能により「先月の出荷実績を倉庫別かつ商品別に抽出して」といった日本語(自然言語)の指示だけで、複雑なSQL(データベース操作)を自動で実行可能。欲しいデータをExcel連携などの操作感ですぐに取り出せます。 - プログラミング不要の「データマッピング機能」(2025年12月追加)
取引先や連携先の外部システムごとに異なるデータ連携形式(CSVやレイアウト形式など)を、ユーザーがシステム画面上でプログラミングを一切使わずに視覚的に紐付けできる機能です。新規の荷主や取引先が増えた際にも、高額な個別開発費や工数を発生させず、迅速な連携開始を実現します。 - ノーコードで設定可能な「在庫引当設定機能」(2025年12月追加)
「先入れ先出し」「賞味期限優先」「指定ロット優先」「取引先別の優先度」といった、製造業や流通業特有の極めて複雑な在庫引当ルールを、現場主導で自由に設定・変更できます。季節変動や取引条件の突発的な変更に対しても、外注開発を挟むことなく現場の判断で即時に引当ポリシーを切り替えられます。 - 独自のデータ処理技術による「100倍の超高速処理」
過去の処理結果をメモリ上に蓄積し、ストレージ(ディスク)へのアクセス回数を極限まで最小化する独自のロジックを実装しています。大量の在庫データ、複雑な複数ロケーションへのピッキングや引当計算においても、従来比最大100倍の処理スピードを実現し、大量出荷時でも動作遅延のないスムーズな現場業務を提供します。 - フリーロケーションおよび高精度ロケーション管理
固定ロケーションとフリーロケーションを用途や商品の回転率に合わせて柔軟に設定可能です。バーコード、QRコード、RFID等による読み取りと連動し、現場スタッフが端末画面に従うだけでスムーズな棚卸・入出庫・ピッキングを行えるため、作業の標準化と属人化解消に直結します。 - 需要連動型在庫分析機能
過去の出荷動向データなどを基に、安全在庫・発注点・発注量を独自のシステムロジックで自動算出する機能です。欠品リスクと過剰在庫の発生を双方から抑制し、倉庫スペースの有効活用やキャッシュフローの改善をサポートします。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
【向いている企業・現場】
- 複雑で特殊な引当・出荷ルールが数多く存在する企業
食品や医薬品、化学・精密機械部品を扱っており、有効期限管理、ロット逆転防止、先入れ先出しの厳格化など、一般的な標準WMSパッケージでは業務フローに合わせられない製造業や卸売業に向いています。 - 自社で物流DX・内製化を推進したいIT部門のある中堅・大手企業
外部の開発会社に依頼するたびに膨大な改修コストや時間が必要となる現状を問題視しており、ソースコード開示やローコード開発の枠組みを活用して、自社の手でシステムを柔軟にカイゼンし続けたい企業に最適です。 - 複数倉庫を抱え、大量のデータをリアルタイム処理したい3PL・物流事業者
荷主ごとにデータ構造が異なる環境や、ピーク時の大量出荷処理にシステムが耐えられない課題を持つ事業者において、超高速処理技術やデータマッピング機能を活かした一元管理体制の構築が可能です。
【向いていない企業・現場】
- 業務のカスタマイズが不要で、すぐに使えるシンプルなパッケージを求める企業
「システムに現場の業務を合わせられる」「特殊な引当ルールがない」といった現場の場合、セミスクラッチによる要件定義や開発の工数が多く感じられる可能性があります。この場合は、ノンカスタマイズですぐに稼働できる安価な汎用パッケージを検討した方がよいでしょう。 - 社内にITシステム担当者や内製化に協力できるリソースが皆無の企業
「ソースコード開示」や「ローコード/ノーコード」という持ち味は、現場または社内IT人材が自ら手を動かして改善することに価値があります。全てをベンダーに丸投げしたい運用の場合は、自立型WMSである本ツールの効果を活かしにくいため、フルアウトソーシング対応型のシステムの方が適している場合があります。
料金・プラン・導入方法
INTER STOCKの導入費用・利用料金プランは、公式サイトにおいて「個別カスタマイズの内容や稼働する倉庫・導入規模によって変動するため、要問い合わせ」とされています。標準的なSaaS月額利用のほか、オンプレミスや自社AWS環境など、企業の要望に応じたシステム構成での提供も可能です。
見積もり時にあらかじめ整理・確認しておくべきポイントは以下の通りです。
- 初期導入段階でどれだけの独自カスタマイズを必要とするか(ベンダーによる初期アジャイル開発工数)
- 利用するユーザーアカウント数、およびハンディターミナルやスマートデバイスなどの接続端末の予定台数
- 「生成AI対応機能」や「データマッピング機能」など、標準パッケージから拡張して導入したいオプションの有無
- 最低契約期間やサーバーのデータ容量増加に応じた課金の仕組み
導入の流れ・期間
株式会社オンザリンクスが提示する一般的なシステム導入プロセスは、単なる要件定義から始まるウォーターフォール型ではなく、実際に動くプロトタイプを作成しながらPDCAならぬ「DCAP(Do-Check-Action-Plan)サイクル」を素早く回す独自手法を採用しています。一般的な導入の流れは以下の通りです。
- 商談・ご提案(現状診断)
業務課題や現在の業務フローをヒアリング。担当者が実際の物流現場を視察(写真撮影・動画記録など)し、現場診断を実施します。その後、企業の運用シナリオに沿ったデモ画面の提示や、プロトタイプを用いて費用対効果(ROI)を分析します。 - 設計・開発(アジャイル開発・カスタマイズ)
基本パッケージをベースとしつつ、ユーザーとともに画面の見え方や実作業の確認を重ね、使い勝手をアジャイル開発手法で徐々に完成させていきます。データベースと仕様のすり合わせを常に行いながら進行します。 - テスト・教育
操作説明会を開催し、倉庫スタッフが実際にハンディターミナルやシステムに慣れる期間を設けます。実際の運用シナリオに沿った総合的なテストを行い、トラブルなく稼働できるか検証します。 - 導入・サポート
本稼働時にはエンジニアが現地に立ち会い、運用のフォローを実施します。稼働後もリモートメンテナンスや、課題共有のための定例会、技術移転(内製化トレーニング)といったカスタマーサクセスによる支援が継続します。
※なお、仕様確定から稼働までの具体的な導入期間については、個別カスタマイズの複雑さにより変動するため要問い合わせとなっています(実績値としては要件定義から稼働まで約5ヶ月で完結した事例などがあります)。
連携できるシステム・機器
- 基幹・販売管理システム
株式会社オービックビジネスコンサルタント(OBC)の「商蔵奉行」をはじめとする主要なERPや販売管理システムと、SDKやAPIを介したリアルタイムでのデータ連携実績を持っています。 - 連携を効率化するデータマッピング
2025年12月リリースの「データマッピング機能」により、取引先指定のシステムや異なるファイルレイアウトを持つWMS・基幹システムとも、ノーコードで簡単にデータ構造を紐付けてデータ共有できます。 - 現場作業用ハードウェア・機器
無線ハンディターミナルをはじめ、スマートフォン、タブレット、バーコードリーダー、QRコード、RFIDデバイスとの連携に対応しています。用途に合わせた各種ラベルプリンターや、自動倉庫などのマテハン機器とも柔軟に接続可能です。
導入事例・実績
- 株式会社マルヨシ(3PL物流事業)
顧客(荷主)が増えるたびに個別でWMSをコピー増殖させてシステム運用していたため、システムの不具合改修や、全社的な物流データの一元化による経営判断が困難という大きな課題を抱えていました。そこで、他社製品10社以上を比較した結果、ソースコードの完全開示と内製化支援を提示する「INTER STOCK」を採用。開発経験ゼロの社内体制から自社内製化での開発体制を構築し、システムを一本化。蓄積した技術力を基盤に、同業他社の物流DXを支援するためのソフトウェア子会社を設立するまでの業態変革を実現しました。 - 米屋株式会社(食品製造)
自動倉庫を稼働させていたものの、入出庫オペレーションが複雑で、熟練のスタッフしか扱えない「作業の属人化」が深刻でした。INTER STOCKを導入したことで、現場のオペレーションが標準化・簡素化され、経験の浅いスタッフでも正確な管理が行えるようになりました。適正な在庫削減と出荷の効率化が同時に進み、導入前に約1,100枚あった保管パレットを600〜700枚まで削減することに成功しました。 - 株式会社愛進堂(オフィス家具・OA機器等販売)
創業以来抱えていた「アナログな在庫管理による不正確さ・非効率さ」を解消するため、在庫改善プロジェクトの一環として導入。メインの販売管理システム「商蔵奉行」とのOBC社提供SDKを利用したリアルタイムの双方向データ連携を実現。仕入商品の詳細な追跡やリアルタイムでの在庫の可視化を達成し、物流担当者の作業負荷を大幅に軽減しました。
導入前に知っておきたいこと
ユーザー企業の口コミや導入企業の振り返りにおいて、検討段階で認識しておくべき以下の点や課題が指摘されています。
- 基本の標準機能自体に他社WMSとの劇的な差は少ない
導入事例の中には「単純に機能面だけで比較すると、他社の一般的なWMSパッケージと大きな差があるわけではない」という正直な感想も寄せられています。本システムの価値は、機能の数そのものよりも、「完全なデータベース・ソース公開」「セミスクラッチ対応」という開発スタイルの圧倒的な柔軟性にこそあります。既存機能だけで業務が過不足なく回る現場では、このシステム本来のメリットを体感しにくい可能性があります。 - 社内の推進リーダーシップとカイゼン意欲が必要
ローコード開発や生成AI、ノーコード引当設定などは優れた拡張性をもたらしますが、これらを活用して自らシステムをアップデートしていこうとする現場の積極的な「カイゼン意欲」や「IT理解力」がない場合、持ち味が宝の持ち腐れとなってしまう懸念があります。ITリテラシー向上に向けて、ベンダーが提供する内製化支援トレーニングを主体的に受け入れる覚悟が必要です。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| INTER STOCK | ソースコード完全公開のセミスクラッチ型。生成AI×ローコードで内製化を支援、複雑な引当や複数倉庫管理が得意。 | 要問い合わせ | 独自の業務ルールが多く、将来的に自社でシステム改善を主導したい中堅〜大手企業 |
| zaico | スマホやタブレットで手軽にQR・バーコードをスキャンして入出庫や棚卸、AI画像認識にも対応するクラウド型在庫管理。 | スタータープラン:月額8,980円(税別)〜 ※ベーシック・プロプランあり | 低コストかつ手軽に、スマホを活用して正確な実在庫をチームで共有したい小規模〜中堅企業 |
| スマートマットクラウド | IoT重量計の上にモノを載せるだけで、自動で重さを計測して実在庫をリアルタイムに可視化。発注自動化にも対応。 | 要問い合わせ(デバイス台数とプランによる見積) | ネジなどの細かい部品、副資材、液体など「バーコードスキャンや手動カウントが極めて困難なモノ」を抱える現場 |
| flam | 販売・仕入・在庫を一元管理できるクラウド販売管理システム。キーボード特化の超高速な反応速度、ロットのトレース管理が強み。 | STANDARDプラン:月額9,800円(税込10,780円)〜 ※他プランあり | 日常的な伝票処理が多く、販売から在庫まで一括してスピーディーに管理したい卸売・製造業 |
上記のように、各在庫管理ツール・WMSは解決する領域やターゲットが全く異なります。
自社独自の複雑なピッキング・引当基準(賞味期限の厳格な管理や配送先別ルールなど)があり、市販のパッケージでは機能が不適合になりやすい中堅〜大手企業が、自社主導の自立型WMSを構築したい場合は、INTER STOCKが強力な候補になります。自社に合わせてシステムが自在に変形する強みがあるため、初期の開発投資を惜しまず中長期の物流DXを進めたい現場向きです。
これに対し、多額の初期費用や設計にかける時間を回避し、現場のスマートデバイスを使って今日明日からエクセル管理を脱却したい小規模から中堅の組織であれば、スモールスタート可能なzaicoを検討する方が理にかなっています。また、そもそも現場で「在庫をスキャンする手間や棚卸の作業そのものをゼロにしたい」という場合は、乗せるだけで重さ検知ができるスマートマットクラウドが最有力です。さらに、倉庫内の管理にとどまらず、見積、受注、請求、仕入、ロット追跡といった「一連の商取引と在庫の一元管理」の最適化を急ぐ場合は、flamを第一候補にするのがスムーズです。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォンやタブレットでも作業できますか?専用のハンディターミナルは必須ですか?
- スマートフォンやタブレットなどの汎用スマートデバイスを現場端末として利用することも可能です。ブラウザを介して柔軟な画面操作ができるため、必ずしも高額な専用ハンディターミナルを初期から導入しなくとも在庫確認や入出庫業務を開始できます。要件に合わせて最適なハードウェアを選択できます。
- 導入前に無料トライアルやデモ画面を試すことはできますか?
- 導入前にはオンザリンクスの専門スタッフによる現場の状況診断、および運用シナリオに合わせたデモが実施されます。アジャイル型の「プロトタイプ作成」によって実際に近い使い勝手を確認しながら要件を詰められるため、詳細な進め方は個別相談時に確認することをおすすめします。
- 生成AI機能を利用する場合、プログラミングやSQLの知識は本当に不要ですか?
- はい、不要です。「INTER STOCK」の生成AI機能は日本語での自然言語解析を実装しているため、「特定の倉庫における特定商品の出荷履歴を見せて」などと日常会話のような指示文を打ち込むだけで、システムが自動的に適切なデータベース処理を施してグラフ化やExcelデータ出力を行います。
- 複数倉庫や、複数荷主を抱える3PLの在庫管理にも対応していますか?
- 対応しています。本社や工場、離れた外部倉庫を含めた全拠点の在庫状況をクラウド上で一元的にリアルタイム管理できます。また、荷主ごとに異なるデータ形式を受け取ってスムーズにシステム処理できる「データマッピング機能」などのオプションも用意されており、複雑な複数荷主管理を効率化します。
- サポート体制や、システムの引き継ぎはどのように行われますか?
- オンザリンクスでは独自の「内製化支援サービス」を提供しており、導入後も単なるシステムの保守対応にとどまらず、ユーザー企業自らがローコードや公開ソースを触って改善を続けられるようにするための技術トレーニングや段階的なノウハウ移転を行っています。
- 契約期間や解約時の条件、初期費用等の明細はどうなっていますか?
- クライアントごとに異なるセミスクラッチ提供モデルであるため、最低契約期間、初期費用および解約時の違約金などの契約条件は完全に案件別の個別見積もりとなります。詳細を把握するには、事前に公式窓口へ問い合わせのうえ要件を提示して確認する必要があります。