Tanaとは?
Tana(タナ)は、スマートフォンを活用して複数メンバー間で在庫・備品情報をリアルタイムに共有・管理できるクラウド型の在庫管理SaaSです。Instoll株式会社が提供しており、大学の研究室で試薬や実験資材を管理する現場のニーズから誕生しました。専用ハンディターミナルを導入することなく、スマートフォンの内蔵カメラでバーコードをスキャンして入出庫や棚卸、保管場所別の数量把握を行えます。Excelや紙の台帳による二重管理や在庫の属人化に悩む中小規模の現場において、低コストかつ手軽にデジタル管理体制を構築する目的で活用されています。
主な機能
現場作業・スキャン機能
- スマートフォンカメラによるバーコードスキャン
iOSおよびAndroid端末の標準カメラをスキャナとして利用し、バーコードを読み取ることで該当アイテムを素早く検索・呼び出せます。専用のバーコードリーダーや高価なハンディ端末を購入する必要がなく、現場の作業員が手持ちの端末で即座に入出庫や確認作業を行えます。 - 11種類のバーコード規格・Tana QR Codeへの対応
一般的なJANコード(EAN)やQRコードをはじめ、計11種類の主要なバーコード規格に対応しています。海外製品の管理に対応できるほか、バーコードがない備品や独自資材にはシステムから「Tana QR Code」を発行・印刷して貼付することでスキャン管理が可能になります。 - 直感的な入庫・出庫・棚卸操作
スマートフォン画面上で数量の増減や移動、棚卸(実在庫とデータ上の員数合わせ)をタップ操作で完結できます。複雑な操作フローを排除した設計となっており、ITツールに不慣れなスタッフやパート・アルバイトでも短時間のレクチャーで現場運用に組み込めます。
在庫構造・履歴管理機能
- 「アイテム」「収納」「在庫」の3層データ管理
管理対象の品目を示す「アイテム」、保管エリアや棚を示す「収納」、どの収納にアイテムが何個あるかを示す「在庫」の3つを組み合わせて管理します。同一品目が複数フロアや別々のキャビネットに分散保管されている場合でも、どこに何個あるかを正確に追跡できます。 - タイムライン・操作履歴の記録
誰がいつ、どのアイテムを何個消費・補充・調整したかの操作ログがタイムライン形式で自動記録されます。持ち出しや補充の履歴が可視化されるため、員数不一致が発生した際の原因究明や持ち出し状況の透明化に寄与します。 - 管理者への変動通知・データバックアップ
アイテムの消費や補充が行われた際に管理者に利用状況が通知される仕組みを備えています。また、データはクラウド環境上で3重にバックアップされ、通信経路は暗号化されているため、端末の紛失や故障時にもデータを保持したまま運用を継続できます。
マルチユーザー・組織運用機能
- 3段階のユーザー権限設定
チームに参加するメンバーに対し、「オーナー(全操作および支払い担当)」「管理者(在庫に関する全操作が可能)」「メンバー(補充・消費・調整が可能)」の3つの権限を個別に割り当てられます。業務範囲に応じた権限分離を行うことで、誤操作によるデータ削除や設定変更を未然に防ぐ運用が可能です。 - 多言語表示(日本語・英語)
UI言語として日本語と英語の切り替えに対応しています。留学生が在籍する大学の研究室や、外国人スタッフ・技能実習生が作業に携わる製造現場・倉庫でも言語の壁を抑えて同一システム上で情報共有を行えます。 - Webブラウザ環境でのデータ参照・編集
スマートフォンアプリだけでなく、PCのWebブラウザ(Google Chrome、Safari)からもログインして利用できます。デスクワーカーや管理者が大画面で在庫一覧の確認やマスタ登録、収納場所の設定をまとめて行うといった分担が可能です。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
少量多品種の資材・備品が複数拠点や保管場所に点在している中小現場
- 紙やExcel台帳の更新が追いつかず、現場での欠品や重複発注が頻発している
スマートフォンカメラでバーコードやQRコードを読み取るだけで入出庫・消費記録が即座に反映されるため、PCを立ち上げる手間なくその場でデータが更新され、リアルタイムな実在庫数の把握と欠品防止につながります。 - 現場スタッフや研究員ごとに保管場所や持ち出し状況の共有ができていない
「アイテム」「収納」「在庫」を紐付けるデータ構造とタイムライン機能により、どの棚・部屋に何が存在し、直近で誰が持ち出したかが可視化され、探す時間や確認の手間を削減できます。 - 外国人スタッフや学生など多様なメンバーが同一フロアで資材を出し入れしている
英語UIへの標準対応とシンプルなスキャンUIにより、詳細なマニュアル教育を行わなくても直感的に入出庫記録を残せる環境を整備できます。
高額な初期費用をかけずにスモールスタートで在庫管理をデジタル化したい組織
- 専用ハンディターミナルの調達やサーバー構築の予算が確保できない
汎用スマートフォンとWebブラウザだけで稼働し、1名利用は無料、複数人でも月額1人あたり200円(税別)という従量制で開始できるため、初期導入コストを最小限に抑えて立ち上げられます。 - まずは一部の部署や特定資材だけで試験運用を行いたい
少数のアイテムや1つの収納棚から段階的に登録範囲を広げられる設計になっており、現場の定着度合いを見極めながら利用規模を拡張できます。
向いていない企業・現場
大規模倉庫での複雑なWMS機能や高度な自動化を求める現場
- ロット管理、賞味期限管理、ロケーション間移動の自動引当など高度な物流要件がある
Tanaはシンプルなアイテム・収納・在庫の員数管理に特化しているため、出荷指示に基づく高度な引当ロジックやWMS(倉庫管理システム)特有の機能を要する場合は、WMS専用システムや多機能な在庫管理システムの検討が適しています。 - 数万点に及ぶ部品やネジ・副資材を都度スキャンすること自体が現場の負担になる
都度のスマートフォン読み取りが必要なため、手作業のスキャン自体を無くしたい大量の副資材管理においては、重量センサーで自動計測・発注を行うIoT機器などの別アプローチが候補になります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| Tana | スマホカメラでのバーコードスキャンとシンプルな3層構造(アイテム・収納・在庫)管理。多言語対応。 | 1名:無料 スタンダード:200円/月/人(税別) アカデミック:100円/月/人(税別) |
研究室、小規模製造ライン、社内備品や副資材を低コスト・スマホ主体で管理したい企業 |
| zaico | スマホ・タブレット対応のクラウド在庫管理。外部連携(会計・EC・受発注)や複数拠点管理に幅広く対応。 | 月額8,980円(税別)〜 | スマホスキャンを軸にしつつ、会計連携や受発注・納品管理など周辺業務まで連携したい中小企業 |
| スマートマットクラウド | IoT重量計の上に置くだけで実在庫を自動計測。バーコード読み取り不要で残量把握と自動発注が可能。 | 要問い合わせ(機器レンタル+月額SaaS) | ネジ・ボルトなどの細かい部品、液体・粉体、消費スピードの速い消耗品の手動カウントを無くしたい現場 |
| eeeCLOUD | 初期費用無料プランがあり、ロット・賞味期限管理や複数倉庫管理、個別カスタマイズに対応するクラウドシステム。 | Quick版:月額980円/ユーザー〜 Lite版:月額20,000円 Standard版:月額35,000円〜(初期費用0円プランあり) |
標準的な在庫管理に加え、ロット・消費期限の追跡や将来的な機能拡張を見据える製造・卸売企業 |
ツール選定において、管理対象となる物品の性質と入力負荷の許容度が重要な分岐点になります。管理対象が研究資材や社内備品、店舗消耗品などであり、「誰が・どこから持ち出したか」を低コストかつ手軽にスマホで共有したい場合は、初期費用不要で1人月額200円から利用できるTanaが有力な候補になります。
一方で、細かなネジ類や液状原料のように都度のバーコードスキャン自体が作業負担となる物品では、置くだけで員数を自動計測するスマートマットクラウドのようなIoT型システムが適しています。また、販売管理・仕入管理・請求書発行まで一元管理したい場合はflamなどの販売在庫統合システム、ロット追跡や複数倉庫間の移動・受発注との連動を深めたい場合はzaicoやeeeCLOUDを検討すると業務要件を満たしやすくなります。
料金・プラン・導入方法
Tanaはチーム単位でプランを適用する月額従量課金制を採用しています。1名での単独利用であれば機能制限や期間制限なく無料で利用でき、チームメンバーを招待して共同管理を行う段階で有料プランへ移行する体系となっています。
| プラン名 | 月額料金(税別) | 初期費用 | 対象・備考 |
|---|---|---|---|
| 1名利用(無料プラン) | 0円 | 0円 | 単独利用向け。機能制限やトライアル期間なし。 |
| スタンダードプラン | 200円 / メンバー1名 | 0円 | 法人・個人向け。全機能利用可能、メンバー招待・権限管理に対応。 |
| アカデミックプラン | 100円 / メンバー1名 | 0円 | 大学生、専門学校生、教育機関の教職員対象の割引プラン。 |
有料プランの支払いは主要なクレジットカード(Stripe決済によるトークン管理)に対応しています。契約期間の縛りはなく、チーム設定画面からいつでも有料プランへのアップグレードや無料プランへのダウングレードが可能です。
導入の流れ・期間
- アカウント登録(即日)
iOS端末(App Store)またはAndroid端末(Google Play)から「Tana」アプリをダウンロードし、Googleアカウントでサインインして初期登録を行います。Webブラウザからも利用可能です。 - データ登録・セットアップ
管理場所となる「収納」を作成し、管理対象の「アイテム」を登録します。既存のバーコードをカメラで読み取って紐付けるか、バーコードのない物品にはTana QR Codeを印刷して貼付します。アイテムと収納を紐付け、初期の在庫数量を入力します。 - チームメンバーの招待と権限設定
必要に応じてチーム設定からメンバーをメール等で招待し、管理者やメンバーなどの権限を割り当てます(2名以上の共同管理には有料プランのカード登録が必要です)。 - 現場運用開始
専用機器の工事やサーバー構築が不要なため、登録作業が完了した資材から即日で現場運用を開始できます。管理アイテム数が多い場合は、最も消費頻度の高い品目から順次移行することが公式ガイドでも推奨されています。具体的な全社展開の所要期間は管理点数に応じて変動します。
導入事例・実績
Tanaの公開導入事例(具体的な企業名や定量的な導入効果数値を明記した事例)は現時点では確認できていません。最新情報や活用事例の公開状況については公式サイトをご確認ください。
導入前に知っておきたいこと
- Googleアカウントによるログインが前提
TanaのサインアップおよびログインにはGoogleアカウントが必要です。自社でGoogle Workspace等のGoogle環境を利用していない場合や、社内セキュリティ規定でGoogleアカウントの利用が制限されている組織では、運用の可否を事前確認しておく必要があります。 - 高度な物流処理・他システム連携の制約
REST APIの存在は案内されているものの、仕様や接続方法は一般公開されておらず個別問い合わせ対応となっています。基幹システム(ERP)やECカートとの自動連携、高度な出荷ピッキングリスト自動生成などの機能を求める場合は、標準機能の範囲で要件を満たせるか検証が必要です。 - 都度スキャンの運用ルール定着が必要
スマートフォンによるスキャン操作自体は簡便ですが、「モノを持ち出す・補充する際に必ずスキャンする」という現場ルールが徹底されないと、データと実在庫の乖離が発生します。導入初期に現場担当者への周知やルール付けを行うことが不可欠です。
よくある質問(FAQ)
- スマートフォン以外の端末やWebブラウザでも使えますか?
- 利用可能です。iOS(iOS 10以降のiPhone/iPad)およびAndroid(Android 8.0以降のスマートフォン/タブレット)向けアプリに加え、PCのWebブラウザ(Google Chrome、MacOS Safariの最新版)から管理画面を操作できます。
- 無料トライアルや無料プランはありますか?
- 1名での利用であれば、機能制限や利用期間の制限なく無料で継続利用できます。複数メンバーで共同管理を行う場合は、月額200円/人(税別)のスタンダードプラン(教育機関向けは月額100円/人)へのアップグレードが必要です。
- バーコードが付いていない自社備品や資材も管理できますか?
- 管理可能です。Tanaアプリから固有の「Tana QR Code」を生成・印刷し、備品や収納棚に貼り付けることで、バーコードのない品目でもカメラから読み取って管理できるようになります。
- 外部システムとのAPI連携は可能ですか?
- REST APIが用意されていますが、接続仕様などは一般公開されていません。自社システムとのデータ連携を希望する場合は、提供元のサポート窓口(support@tana.app)への個別相談が必要です。
- 契約期間の縛りや解約金はありますか?
- 月額課金制となっており、アプリ内のチーム設定画面からいつでも無料プランへのダウングレードが可能です。最低契約期間や解約手数料に関する公式の制限は明記されていません。
- サポート体制や問い合わせ窓口はどのようになっていますか?
- サポートメール窓口(support@tana.app)および公式サイト上のフィードバックフォームが用意されています。