LogiPullとは?
LogiPull(ロジプル)は、物流施設や工場におけるトラックの構内混雑と荷待ち時間を削減するために開発されたクラウド型バース予約・ヤード管理システムです。株式会社シーイーシーが提供しており、Webブラウザからのバース予約受付をはじめ、車番認識カメラやETCを用いた車両入退管理、デジタルサイネージやSMSによる自動呼び出し・誘導まで、構内車両の流れを一元管理します。WMS(倉庫管理システム)やAGV(無人搬送車)とのシステム連携にも幅広く対応しており、予約枠の可視化にとどまらず、庫内作業の事前準備や自動化までを含めた物流現場全体の省人化と業務効率化を実現します。
主な機能
LogiPullの機能は、Webでの事前予約から現地での車両制御、さらに庫内マテハン機器とのデータ連携まで多岐にわたります。主な機能を3つのカテゴリに分けて紹介します。
バース予約・受付・実績管理機能
- Webバース予約・スケジュール可視化
荷主や運送会社、倉庫事業者がWebブラウザ上でトラックバースの空き状況をリアルタイムに確認し、仮予約および確定予約を行える機能です。事前予約制を導入することで車両の来場時間を分散させ、特定時間帯の構内混雑や荷待ち時間の発生を抑えます。 - タブレット受付・作業実績自動記録
ドライバーが到着時に現地タブレット端末へ車両情報や作業内容を入力することで、受付業務をペーパーレス化・電子化します。また、バースへの着床から積み降ろし完了までの実績時間を精度高く記録・集計でき、物流効率化法対応で求められる荷役・荷待ち時間の可視化を実現します。
車両入退・自動誘導機能
- 車番認識カメラ・ETCによる入退場自動化
構内ゲートに車番認識カメラやETCアンテナを設置し、事前予約情報と来場車両を照合してゲートを自動制御する機能です。ドライバーの降車や受付作業を無くし、構内へのスムーズな進入を可能にすることでゲート周りの渋滞を解消します。 - マルチチャネル車両呼び出し・自動誘導
電光掲示板(デジタルサイネージ)や自動音声電話、SMS(ショートメッセージ)を活用して、待機所のドライバーへ着床すべきバース番号を自動で通知・誘導する機能です。誘導員の巡回作業を不要にし、非対面での円滑な車両誘導を実現します。
外部システム・マテハン連携機能
- AGV(無人搬送車)・マテハン機器連携
トラックの到着実績や予約情報と連動し、バース周辺のAGVや自動搬送システムへ出庫・搬送指示を自動発信する機能です。トラック到着と同時に荷物の搬送を開始できる体制を整え、荷降ろし・積込み前後における待機時間を削減します。 - WMS・動態管理システム連携
WMS(倉庫管理システム)との連携により、予約された荷物の入荷・出荷準備状況を倉庫側とリアルタイムで共有できます。また、GPS動態管理サービス(DoCoMAP等)との連携によって走行中トラックの位置情報や到着予測時間を把握し、遅延時のスケジュール自動調整などに活かせます。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
構内ゲートの受付や誘導作業による人件費・現地負担を削減したい大規模拠点
- 誘導員や受付スタッフの手作業による業務負担と人員確保の難しさ
LogiPullの車番認識カメラ連携や電光掲示板・SMS自動呼び出し機能を活用することで、ドライバーの入場受付からバース誘導までを無人化・省人化できます。誘導員の現地巡回やトランシーバー連絡を削減し、夜間や混雑帯でもスムーズな構内管理体制を構築できます。成田国際空港の貨物地区などの大型物流施設においても、一連の入退場・誘導業務の効率化成果が挙げられています。 - 時間帯ごとの車両集中に伴う構内混雑と近隣道路での待機発生
Web予約機能によって時間帯別の入荷・出荷枠を管理し、車両の来場時間を平準化します。構内入口での待ち渋滞や近隣道路での路上駐車を回避し、近隣環境への配慮と安全性の向上を両立できます。
単なる予約管理だけでなく、AGVやWMSなど庫内作業と連動した自動化を目指す企業
- 予約システムを導入しても庫内作業の準備が追いつかず荷待ちが解消されない
WMS連携やAGV自動連携機能を導入することで、車両到着に合わせて庫内から荷物を自動搬送する仕組みを構築できます。事前に予約された車両の作業準備をシステム主導で完結させ、バース着床後すぐに荷役を開始できるようになるため、構内全体の作業効率を大幅に高められます。三菱電機ロジスティクスなどの導入現場でも、前後の庫内工程と連動させることで運用破綻を防いでいます。 - 荷役時間や荷待ち時間の実態データを正確に集計・分析したい
バース実績管理機能により、到着・受付・着床・積み降ろし完了までの各工程時間を自動記録します。手書き日報の集計作業を削減し、法改正対応に必要な作業実績データを正確に蓄積・分析できます。
向いていない企業・現場
ハードウェア設置やシステム構築を行わず、初期コストを最小限に抑えたい小規模拠点
- ハード連携や個別開発に対応したシステム構造によるコスト過多
LogiPullはカメラ連携やマテハン機器連携、個別カスタマイズに対応する高度な拡張性を特徴としています。ハードウェア機器の設置を行わず、単一拠点でシンプルなWeb予約のみを低予算で手軽に導入したい場合、機能が過剰となり費用対効果を得にくくなる可能性があります。初期費用を抑えられる単体SaaS製品を比較検討することが推奨されます。
既に多くの取引先が導入している汎用プラットフォームをそのまま使いたい企業
- 自社専用システムへ運送会社やドライバーを呼び込む運用調整の手間
国内で豊富な登録ユーザー数を抱える他社SaaS(MOVO Berth等)と比較すると、運送会社側が既に共通アカウントを所有している確率が高いサービスの方が、取引先への初期展開や説明コストを抑えられる場合があります。自社独自の予約環境への登録・利用依頼に手間をかけたくない場合は、業界共通シェアの高いツールの選定が適しているケースがあります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| LogiPull | バース予約に加え、カメラ・サイネージによる自動誘導やAGV・WMS連携に強み | Liteプラン:初期330,000円〜、月額66,000円〜(通常プランは要問い合わせ) | 構内自動化やハードウェア・WMS連携を重視する中堅・大手企業 |
| MOVO Berth | 国内シェアNo.1のクラウド型バース予約システム。豊富な運送会社ネットワークを保有 | 要問い合わせ | 取引先運送会社への浸透の早さや業界標準の使いやすさを重視する企業 |
| トラック簿 | 倉庫指定・配車マン・ドライバー予約の3方式に対応し、ハコベルが提供 | 月額30,000円〜(1拠点目初期費用0円) | 配車計画との親和性やワンストップでの受付・実績分析を求める企業 |
| ヤード管理システム | 日立ソリューションズ・クリエイトが提供。構内動線や作業人員の効率管理に特化 | 要問い合わせ | 複雑なヤード動線や現場人員の配置最適化を課題とする大規模施設 |
ツール選定時の判断基準として、運送会社の利用しやすさや既存のアカウント基盤の広さを第一に優先する場合は、国内シェアNo.1の実績を持つ「MOVO Berth」が有力な選択肢となります。運送会社側が既にアカウントを所有しているケースが多く、導入初期の利用定着ハードルを下げやすいメリットがあります。
一方で、単なるWeb予約の枠組みを超えて、車番認識カメラによるゲート制御や電光掲示板による無人誘導、さらには庫内のAGV(無人搬送車)やWMSと連携させた高度な物流自動化を推進したい場合は、「LogiPull」が強力な候補となります。シーイーシーの持つハードウェア制御・システムインテグレーション技術を活かしたトータルソリューションが提供されるため、自社拠点の構内オペレーションに合わせた最適化が可能です。
料金・プラン・導入方法
LogiPullでは、タブレット端末を活用して手軽に導入できる「LogiPull-Lite」から、現地カメラ・サイネージ設置やシステム連携に対応する通常プランまで幅広く用意されています。
| プラン | 初期導入費用 | 月額利用費用 | 備考 |
|---|---|---|---|
| LogiPull-Lite | 330,000円(税込)〜 | 66,000円(税込)〜 | タブレット端末を中心に「予約・受付・誘導・実績管理」の基本機能をシンプルに開始できるプラン |
| 通常・機能拡張プラン | 要問い合わせ | 要問い合わせ | 車番認識カメラ、ETC、電光掲示板等のハード機器連携やWMS/AGV連携、オンプレミス構築に対応 |
通常プランや個別カスタマイズを行う際の見積もり時には、以下のポイントを確認することが推奨されます。
- 初期費用に含まれる内訳の確認
アカウント発行費や初期設定費のほか、車番認識カメラ・電光掲示板・ETCアンテナ等のハードウェア機器代金や現地工事費が含まれるかを確認します。 - 月額利用料の課金体系の確認
拠点数、バース数、利用ユーザー数、自動呼び出しの件数など、どのような単位で従量課金や月額固定費が設定されているかを提示してもらいます。 - 個別カスタマイズ・マテハン連携開発費の算出
既存のWMSやAGV、トラックスケール等の社内設備とシステム連携を行う場合の受託開発費用および維持保守費用を明示させます。
導入の流れ・期間
LogiPullを導入する際の標準的なステップは以下の通りです。
- 問い合わせ・オンライン相談
公式サイトのフォームから問い合わせを行い、現状の物流課題(トラック待機時間、受付業務の手間など)や対象拠点の規模(バース数・来場車両台数)を伝えます。 - ヒアリング・デモ実演
実際の管理画面や各種機能のデモを確認しつつ、自社の構内レイアウトや現場運用フローに合わせた活用方法について打ち合わせを行います。 - 要件定義・システム設計・見積もり
ハードウェア(カメラ・電光掲示板等)の設置有無やWMS・AGVとの連携要件を明確にし、構成に応じた費用・スケジュールの見積もりが提示されます。 - 契約・初期設定・機器設置工事
契約締結後、クラウド環境の初期設定やマスタ登録を実施します。ハードウェア連携を行う場合は現地での工事および調整作業が進められます。 - 運用テスト・稼働開始
運送会社や現場スタッフへの操作説明を行い、テスト運用を経て本格的な稼働を開始します。
なお、LogiPullの具体的な導入期間については、選択するプラン(Liteプランか通常プランか)やハードウェア工事・カスタマイズ開発の有無によって大きく異なるため、問い合わせ時に直接確認する必要があります。
導入事例・実績
LogiPullは製造業や物流事業者、インフラ施設など多様な現場で導入されています。公式情報で確認できる導入事例は以下の通りです。
- 成田国際空港株式会社
成田空港貨物地区において、トラックの入場・受付・呼び出し・バース管理の一連業務にLogiPullを導入。構内混雑の緩和とスムーズな車両誘導を実現しています。 - 株式会社JALカーゴサービス
国際貨物上屋における受付状況の可視化と車両誘導機能の導入により、来場トラックの待機解消および業務フローの改善を達成しています。 - MDロジス株式会社
バース予約情報と連動した車両誘導システムを構築し、構内誘導員の省人化と安全な車両動線の確保に成功しています。 - 三菱電機ロジスティクス株式会社
先進物流拠点である広畑グローバルロジスティクスセンター等において、増産に伴う物流計画の破綻を防ぐべくLogiPullを採用。各種機器やデータ連携を活用し効率的な倉庫運営を行っています。 - ヤマゼンロジスティクス株式会社
物流センターでのバース管理およびトラック待機時間の短縮に向けLogiPullを活用しています。
導入前に知っておきたいこと
現時点では、LogiPullに関する公開されたユーザーからの否定的な評価や不満・トラブル等の課題報告は確認できていません。ただし、導入を検討するにあたっては以下の実務的なポイントに注意が必要です。
- ハードウェア工事を伴う場合の導入準備期間と施工調整
車番認識カメラやETCアンテナ、電光掲示板などを設置する通常プランを選択する場合、機器の手配や現地での設置・配線工事が発生します。現場の稼働を止めずに施工するためのスケジュール調整が必要です。 - 他システム(WMS・AGVなど)とのデータ連携に関する仕様確認
WMSや自動搬送ロボット(AGV)等と連携させる場合、データフォーマットや通信タイミングなどの詳細な仕様すり合わせが必要となります。事前に自社のIT担当部署やシステムベンダーを交えた調整を行うことが円滑な導入のカギとなります。
よくある質問(FAQ)
- トラックドライバーは事前にスマホアプリをインストールする必要がありますか?
- いいえ、専用アプリのインストールは原則不要です。ドライバーや運送会社はWebブラウザからバース予約を行えます。また、来場時の受付も現場に設置されたタブレット端末や車番認識カメラを用いて行われます。
- クラウド型だけでなくオンプレミス環境での導入にも対応していますか?
- はい、LogiPullは標準のクラウド型のほか、自社ネットワーク環境やセキュリティ要件に応じたオンプレミス型での提供にも対応しています。
- 車番認識カメラや電光掲示板などのハードウェアを使わずに利用できますか?
- はい、利用可能です。ハードウェアを設置せず、タブレット端末やPCブラウザのみで「予約・受付・誘導・実績管理」を行える「LogiPull-Lite」プランが用意されており、初期費用を抑えて手軽に開始できます。
- WMS(倉庫管理システム)やAGV(無人搬送車)とのシステム連携は可能ですか?
- はい、可能です。API連携や個別カスタマイズによってWMSやAGV、GPS動態管理システム(DoCoMAP等)とのデータ連携に対応しており、トラック到着に合わせた荷準備や自動搬送を実現できます。
- 検討段階でデモ画面の確認や個別の相談を受けることはできますか?
- はい、株式会社シーイーシーではオンラインでの相談会や製品デモの申し込みを受け付けています。自社の物流課題や現行の現場運用に合わせた活用方法について個別に相談が可能です。
- 最低契約期間や途中の解約条件はどのようになっていますか?
- 契約期間や解約条件の詳細については公式Webサイト上に明記されていないため、導入検討時に株式会社シーイーシーへ直接確認することをおすすめします。