N-Torusとは?日本加工食品卸協会が開発したバース予約・ヤード管理システム

日本加工食品卸協会が会員企業の声を受けて開発したトラック入荷受付・予約システムです。タブレットやスマートフォン、ガラケーにも対応し、バースの入構指示をメールやSMSで柔軟に通知できます。

公式サイト
https://www.ooco.jp/
料金モデル
SaaS(月額)
対象規模
規模問わず
対象業界
小売・卸売業 食品・飲料

N-Torusとは?

N-Torus(エヌ・トーラス)は、一般社団法人日本加工食品卸協会(日食協)が提供する、トラック入荷受付・バース予約システムです。食品物流における長時間待機(荷待ち)問題の解決を目指し、会員企業の声を受けて開発されました。製配販のサプライチェーン全体で同一のシステムを利用することで、ドライバーが納品先ごとに異なるシステムを操作する負担を軽減し、トラックの集中緩和と庫内作業の平準化を実現します。

主な機能・特徴

  • トラックの事前入構予約・受付デジタル化
    カレンダー画面から空き状況を確認し、事前にバースの予約が可能です。到着時の受付も紙の台帳を使わず、タブレットやスマートフォンで完了します。
  • バースの空き状態管理・車両誘導
    待機中のドライバーを順番に呼び出し、空いたバースへ効率的に誘導します。SMS(ショートメッセージ)を活用するため、専用アプリをインストールしていなくても通知を受け取れます。
  • 高齢ドライバーに配慮したガラケー対応
    スマートフォンを持たないドライバーでも利用できるよう、ガラケーからの利用にも一部対応しており、現場のITリテラシーを問わず導入しやすい設計です。
  • 待機時間のデータ蓄積・分析
    車両ごとの待機時間や作業時間を自動で集計し、時間帯別グラフ表示やCSV出力が可能です。現場の生産性改善に向けたデータ分析に活用できます。
  • 食品業界の「標準システム」としての設計
    卸売業者ごとにバラバラなシステムが乱立することを防ぐため、業界標準として統一された画面・機能で提供されており、運送業者やドライバーの操作負担を最小限に抑えます。

こんな企業・現場に向いている/向いていない

【向いている企業・現場】

企業規模を問わず、食品卸売、食品メーカー、小売業の物流センターなど、食品サプライチェーンに関わる企業に最適です。特に、「業界内でシステムを統一し、出入りするドライバーの負担を減らしたい」「手軽かつ低コストでバース管理を始めたい」という課題を持つ物流担当者に向いています。センターごとに多階層倉庫や複数倉庫の管理、構外待機の設定にも対応できるため、柔軟な運用を求める現場にも適しています。

【向いていない企業・現場】

食品業界以外の独自の複雑な商慣習を持つ現場や、特殊な荷姿・車両管理を極度に細かくカスタマイズしたい現場にはミスマッチになる可能性があります。また、高度なWMS(倉庫管理システム)や配送計画システムとの密接なAPI連携など、複雑なシステム環境を前提とする運用スタイルの場合、連携要件によっては他社の汎用的な高機能バース予約システムを検討した方がよいケースがあります。

料金・プラン・導入方法

  • 月額利用料: 1拠点あたり 35,000円(税抜)
  • 初期費用: 日食協非会員の場合、「N-Torus会員」の加入登録料として 50,000円(税抜)が必要です(月額利用料は日食協会員と同額)。
  • 導入方法: 着荷主はPCやタブレットを用意し、運送事業者やドライバーは手持ちのスマートフォンやPCのブラウザ経由でアクセスするため、専用機器の導入なしにスピーディーに利用を開始できます。

導入事例・実績

製配販の各層で導入が進んでおり、三菱食品、日本アクセス、加藤産業、三井食品、伊藤忠食品、ヤマエ久野、トーカンなどの大手食品卸をはじめ、味の素、東洋水産などの食品メーカー、西友などの小売業の物流拠点に導入されています。稼働拠点は全国で数十拠点以上に及んでおり、食品物流の業界標準システムとして着実に実績を積んでいます。

導入前に知っておきたいこと

N-Torusの運用やトラック予約システム全般に関連して、実証事業や導入現場から以下のような課題や注意点が報告されています。

  • 商慣習による予約の難しさ: 発注からトラック出発までのリードタイムが極端に短いケースでは、納品時間が読みづらく、運送会社が事前に予約を取りにくいという取引環境上の課題があります。
  • 運用ルールの徹底が不可欠: 「予約時間より早く到着した車両の待機時間が発生してしまう」「遅れて到着した車両に対するペナルティがない場合、ルールが形骸化する」といった指摘があり、システムを導入するだけでなく、運送会社と協力した現場でのルールづくりが必要です。
  • 口コミやシステムへの不満は限定的: 現時点では公開されたユーザー評価・課題報告は確認できていません。業界標準としてシンプルに作られている分、現場の運用マニュアル整備などでカバーすべき領域がある点に留意してください。

類似ツールとの違い・選び方

同カテゴリのツール(MOVO Berth、ハコベルトラック簿、TruckBerthなど)と比較した際の最大の違いは、N-Torusが「日本加工食品卸協会が主導する食品業界の標準システム」である点です。
多くのSaaSは機能の豊富さや幅広い業界へのカスタマイズ性を強みとしますが、N-Torusは業界内でのシステムの乱立を防ぎ、ドライバーが「どの卸のセンターに行っても同じ画面で操作できる」ことを目指して設計されています。食品関連の物流拠点で、ドライバー目線での統一感と、シンプルな機能による低コスト運用を重視する場合に有力な選択肢となります。

よくある質問(FAQ)

日食協の会員企業でなくても利用できますか?
はい、利用可能です。日食協非会員の企業向けに「N-Torus会員制度」が設けられており、所定の加入登録料を支払うことで、日食協会員と同額の月額料金でシステムを導入できます。
ドライバー側に専用のアプリや機器は必要ですか?
専用のアプリや機器は不要です。ドライバーは手持ちのスマートフォン、タブレット、PCのブラウザから利用でき、呼び出し指示はSMSやメールで受け取ることができます。
複数の倉庫や構外待機所の管理には対応していますか?
はい、対応しています。センターごとに多階層や複数倉庫の管理、構内・構外待機への対応など、現場の実際の運用に合わせた設定が可能です。

参照・出典