TOSS-SPとは?
TOSS-SPは、株式会社バイナルが開発・提供する、輸出入業務や販売・購買・在庫管理をシステム上で一元化する通関・貿易管理システムです。ExcelやWordを用いた属人化しやすい貿易書類作成、二重入力、外貨による複雑な原価計算・為替差損益管理といった実務課題を解決します。東京商工リサーチの調査(2026年3月調査)においては「国際物流システム販売実績No.1」を獲得しており、累計販売社数は9,000社を超えています。業種や企業規模を問わず製造業、小売・卸売業、物流・倉庫業などで採用されており、海外現地法人との連携や多通貨・三国間貿易管理にも対応しています。
主な機能
輸出業務・ドキュメント作成機能
- 直感的なドキュメント作成・レイアウト編集
伝票入力画面に加え、実際の帳票印刷イメージを見ながら編集できるドキュメントイメージ画面を搭載しています。INVOICE、PACKING LIST、QUOTATION(見積書)、SHIPPING ADVICEなどの貿易書類をワープロ感覚で作成でき、事前に登録したサイン画像の貼り付けやPDF・Excelへの変換出力が可能です。取引先や国ごとに異なる帳票フォーマットへ柔軟に対応できます。 - 安全保障貿易管理・輸出審査ワークフロー
商品や仕向け先に応じた輸出該非判定や輸出審査の有効期限管理、承認ワークフローをシステム内で実行できます。コンプライアンス順守の強化とともに、税関の事後調査などにも迅速に対応できる体制を構築できます。
輸入業務・原価および為替管理機能
- 輸入諸掛按分と原価自動計算
輸入INVOICE情報と運賃・保険料・関税などの輸入諸経費(諸掛)を一元管理し、円換算した正確な商品原価を自動計算します。案件単位や品目単位での個別原価と利益率を正確に把握できるようになります。 - 外貨債権債務および為替予約管理
外貨ベースでの売掛金・買掛金の管理に対応し、売上・仕入時と決済時の為替レート差から生じる為替差損益を自動算出します。複数の為替予約レートの割り当てやL/C(信用状)の残高・履歴管理にも対応しています。
在庫・購買および外部連携機能
- ロット別在庫管理・三国間貿易対応
国内倉庫だけでなく海外拠点を含めた在庫状況を、ロット別・倉庫別・商品別に管理できます。受注時点での在庫自動引当や予約入力、海外仕入先から得意先へ直接納品する三国間取引の管理もカバーします。 - 基幹システム連携・NACCS連携
汎用データ入出力機能により、SAPをはじめとする既存のERPや会計システムと輸出売上・輸入仕入データを双方向で連携できます。また、NACCSからの輸入許可データ取り込みにより、通関進捗の確認や関税情報の経費登録を自動化します。
こんな企業・現場に向いている/向いていない
向いている企業・現場
煩雑な貿易書類作成や外貨計算による属人化を解消したい企業
- ExcelやWordによる書類作成の属人化
TOSS-SPのドキュメントイメージ入力機能やサイン画像登録機能を活用することで、誰でも標準化されたフォーマットでINVOICEやPACKING LISTを作成できるようになります。担当者ごとの入力ミスや作業工数を削減できます。 - 為替変動や輸入諸掛の計算ミスによる利益把握の遅れ
外貨ベースの債権債務管理と輸入経費の按分自動計算により、為替差損益を含めた案件ごとの正確な粗利益をリアルタイムに把握できます。経営判断に必要な採算データの可視化が実現します。
国内外の複数拠点や三国間取引の一括管理を求める企業
- 海外現地法人や倉庫との在庫・受発注データの分断
ロット別在庫管理機能と多通貨・三国間貿易対応機能を活用することで、国境を越えた取引データや在庫状況を一元管理できます。基幹システムへの二重入力を防ぎ、データ連携の自動化を図れます。
向いていない企業・現場
通関申告書のデータ連携や関税帳簿作成のみに特化した機能を求める企業
- 輸出入実務全体の受発注・在庫・販売管理が不要な場合
TOSS-SPは輸出入の受発注・販売・購買・在庫・為替管理を包括的に網羅する統合パッケージです。NACCSデータの保存や関税帳簿の自動作成といった特定領域のみを軽量に導入したい場合は、機能が特化した単機能ツールのほうが運用コスト・導入負担を抑えられる可能性があります。
類似ツールとの比較
| ツール名 | 特徴 | 料金 | 向いている企業 |
|---|---|---|---|
| TOSS-SP | 輸出入書類作成、原価・為替管理、在庫管理、NACCS連携までを統合した貿易管理システム | 要問い合わせ | 輸出入実務から販売・購買・在庫・為替管理まで一元化したい企業 |
| TradeWaltz | ブロックチェーンを活用し産業横断で貿易関係者間の書類・情報を電子連携するプラットフォーム | 要問い合わせ | 荷主・フォワーダー・銀行・保険会社など複数組織間での書類電子化を推進したい企業 |
| TradeWise | NACCSからの輸出入許可通知情報を自動収集・データベース化し関税帳簿を作成するソリューション | 要問い合わせ | NACCSデータの保全や電子帳簿保存法対応、関税監査対策を主眼とする企業 |
| PORTNeT | 輸出入の契約・分納管理や外貨ベースの売掛・買掛管理など柔軟な設計が可能な貿易業務システム | 要問い合わせ | 自社の業務フローに合わせたカスタマイズや外貨債権債務の厳密な管理を求める企業 |
自社内の貿易実務(書類作成、受注・発注、在庫引当、為替予約、輸入諸掛按分による原価計算)を基幹システムと連携させながら網羅的に効率化したい場合は、TOSS-SPが有力な選択肢になります。
一方で、自社内の基幹業務管理よりも船会社・フォワーダー・金融機関などの外部取引先との貿易文書電子化・プラットフォーム連携を最優先する場合はTradeWaltz、通関許可情報の自動収集や関税帳簿の整備など税関対応・電帳法対応に絞って導入したい場合はTradeWiseを検討するなど、業務課題の優先度に応じた選定が推奨されます。
料金・プラン・導入方法
TOSS-SPの利用料金は公式には明示されておらず、要問い合わせとなっています。オンプレミス環境での構築やクラウド環境での導入形態があり、利用するモジュール(輸出・輸入・販売・在庫等)や利用ライセンス数、外部システム連携の要件に応じて個別に見積もりが提示されます。
導入を検討する際は、以下のポイントを事前に確認することをおすすめします。
- 課金単位とライセンス体系
利用ユーザー数(ユーザーライセンス)または同時接続台数によるライセンス形態の違い - 初期費用と追加モジュールの有無
基本モジュールの導入費用に加え、ERP連携インターフェースやNACCS連携オプションなどの構築費用 - 運用・保守サポート体制
法改正対応やバージョンアップ、問い合わせ対応を含む年間保守費用の条件
導入の流れ・期間
TOSS-SPを導入する際の標準的なフローは以下の通りです。
- 問い合わせ・ヒアリング
現状の輸出入業務フロー、課題、連携対象となる基幹システムなどの要件をヒアリングします。 - 製品デモ・要件整理
システム画面を用いたデモンストレーションを行い、必要モジュールやカスタマイズの有無を整理します。 - 見積もり・契約
システム構成、ライセンス数、導入支援内容に基づいた見積もりが提示され、契約を締結します。 - 環境構築・データ移行・初期設定
マスターデータの登録、帳票レイアウトの調整、既存システムとの連携設定を実施します。 - 運用テスト・トレーニング・本稼働
ユーザー向け操作教育や並行運用テストを経て、本稼働(カットオーバー)を迎えます。
具体的な導入期間はシステム規模やカスタマイズ要件によって異なるため、要問い合わせとなります。既存パッケージの標準機能を主体とする場合は短期間での立ち上げが可能なケースもありますが、ERP連携や多拠点展開を行う場合は数ヶ月程度のプロジェクト期間を見込むのが一般的です。
導入事例・実績
TOSSシリーズは製造業、食品、化学、総合商社など多様な業界の大手企業に導入されています。
- 大手商社
輸出入貿易管理システムTOSS-SPの大幅刷新とクラウド化を実施し、ASEAN諸国の現地法人や国内倉庫を含む85名規模で本格稼働を達成。国内外の情報連携強化と業務効率化を実現しています。 - 大手繊維商社
TOSS-SPを150ライセンス導入し、バイヤーとの成約からドキュメント作成、船積、通関、入出金管理までをトータルでシステム化。業務標準化を実現しています。 - 大手総合化学メーカー
輸出貿易業務管理システムとしてTOSS-SPを採用し、輸出船積書類作成の自動化と業務データの一元管理によるDXを推進しています。 - 大手エンジンメーカー
輸出貿易業務管理システムとして同時55台体制で稼働させ、複数部門にまたがる貿易業務の統合と簡素化を実現しています。 - 主要な導入企業
サッポロビール株式会社、住友ゴム工業株式会社、双日ロジスティクス株式会社、三井食品株式会社、象印マホービン株式会社、タキヒヨー株式会社などの導入実績が公開されています。
導入前に知っておきたいこと
TOSS-SPの導入を検討する際は、以下の実務的ポイントに留意する必要があります。
- 業務フローとパッケージ適合度の事前精査
TOSS-SPは多機能なパッケージである一方、企業独自の商習慣や特殊な帳票レイアウトをどこまで標準機能でカバーできるか、追加カスタマイズが必要かどうかの見極めが重要です。 - クライアントの利用環境・インフラ要件
オンプレミス導入やクラウド導入など複数の形態が用意されているため、自社のセキュリティポリシーやクライアント端末のOS・ネットワーク要件を事前に確認しておく必要があります。 - 基幹システムとの連携範囲の設計
社内ERPや会計システムとどの項目(受注、売上、仕入、在庫)をどのタイミングで連携させるかについて、社内IT部門やベンダーを交えた事前のデータ定義が運用の成否を左右します。
よくある質問(FAQ)
- TOSS-SPはどのような企業規模・業種で利用されていますか?
- 中堅・中小企業から大手商社、製造メーカー、卸売業者まで企業規模を問わず幅広く利用されています。取り扱い商材も食品、機械、化学品、繊維、エネルギーなど多岐にわたります。
- 既存のERPや会計システムとの連携は可能ですか?
- 汎用データ入出力機能を標準装備しており、SAPをはじめとする各種基幹システムや会計ソフトとの売上・仕入・原価データの連動実績が多数あります。
- 無料トライアルやデモ画面の確認はできますか?
- 個別のシステム紹介セミナーや訪問・オンラインによる製品デモンストレーションが提供されています。詳細な検証環境の提供可否についてはベンダーへのお問い合わせが必要です。
- 三国間貿易や外貨決済にも対応していますか?
- 標準で多通貨管理および三国間取引の受発注・在庫・入出金管理に対応しています。海外仕入先から直接海外得意先へ納品するフローも一元管理可能です。
- 導入後のサポート体制はどのようになっていますか?
- 保守サポート契約を通じて、法改正や税制改正に伴うアップデート対応や問い合わせ窓口が提供されています。