港湾脱炭素化の日本式評価基準が海外へ、国際版ガイドライン発行
国土交通省は2026年10月1日、国際荷役調整協会(ICHCA)と共同で、コンテナターミナルにおける脱炭素化の取り組みを評価する「CNP認証」を取りまとめた国際版ガイドラインを発行したと発表しました。日本国内で先行して運用されている評価制度の枠組みを国際的に展開し、認知度向上と海外港湾での活用を目指します。
CNP形成の推進とコンテナターミナル認証制度の歩み
国土交通省では、温室効果ガス削減に配慮した港湾機能の高度化や水素・アンモニア等の受入環境整備を進める「カーボンニュートラルポート(CNP)」の形成を推進しています。その一環として、コンテナターミナルにおける脱炭素化の取り組み状況を可視化し、レベル1からレベル5までの多段階で客観的に評価する「CNP認証(コンテナターミナル)」制度を2025年より運用しています。日本の輸出入貨物の99.6%が港湾を経由しており、臨海部の脱炭素化知見を海外へ展開することが政策課題となっています。
ICHCAと共同発行した国際版ガイドラインの要点
国際版ガイドラインの概要と発行体制は以下の通りです。
- 共同発行主体
- 国土交通省および国際荷役調整協会(ICHCA)。
- ガイドラインはICHCAのウェブサイト上に「BP43」として掲載。
- ガイドラインの主な内容
- 日本の「CNP認証(コンテナターミナル)」の制度概要や評価基準の整理。
- 脱炭素化に向けた取り組み実施状況の客観的評価手法の提示。
- 国際荷役調整協会(ICHCA)の位置づけ
- 貨物の荷役および輸送の効率化、経済性の向上、安全・衛生・環境調和の向上を目的に情報共有やガイドライン作成を行う国際組織。策定されたガイドラインは世界各国で参照されています。
関係する事業者
- 海外航路を運航する外航船社および海運事業者
- 国内外のコンテナターミナルを運営・利用する港湾運送事業者・ターミナルオペレーター
- 国際海上コンテナ輸送を利用する荷主企業および3PL事業者
物流実務への影響
- 荷主企業・3PL事業者
- 日本式評価基準が海外港湾へ普及した場合、国際サプライチェーン全体(Scope 3)における港湾荷役起因の環境負荷について、国内外で一貫した基準に基づいた比較や可視化が進む可能性があります。
- 船社・海運事業者
- 各国港湾の脱炭素化水準が共通の尺度で把握できるようになれば、環境配慮型船舶の寄港先選定やインセンティブ活用の検討材料として役立つことが考えられます。
- 港湾運送事業者・ターミナルオペレーター
- 日本で進められてきた荷役機器の電動化・自動化や省エネの取り組みが国際的な指標として認知されることで、運営拠点の環境優位性を国際的に訴求しやすくなる側面があります。
海外展開の定着と制度見直しに向けた論点
- 今回発行された国際版ガイドラインが、海外主要港湾の管理者や国際機関(IMO等)にどの程度参照・導入されるかは現時点で示されていません。
- 海外展開の進捗に伴い、国内の「CNP認証実施要綱」に基づく評価項目や基準の見直しにどう反映されるかが今後の論点となります。
国内におけるCNP認証ターミナルの広がり
- 国内におけるCNP認証の運用実績
- 日本国内では2025年6月の受付開始以降、2026年8月時点で全国15拠点のコンテナターミナルがCNP認証を取得しています。
- これまでに博多港アイランドシティ(レベル5+)や名古屋港飛島ふ頭南側(レベル4+++)など、荷役機器の電動化・自動化や受入インセンティブ制度を導入したターミナルが高評価を受けています。
よくある質問
Q. 国際版ガイドラインが発行された目的は何ですか?
A. 「CNP認証」の国際的な認知度向上や海外港湾での活用を図ることで、日本国内港湾における脱炭素化の取り組みが適切に評価される環境を整えるとともに、港湾分野の脱炭素化に関する知見を海外へ展開することを目的としています。
Q. 共同発行した「ICHCA(国際荷役調整協会)」とはどのような組織ですか?
A. 貨物の荷役および輸送の効率化、経済性の向上、安全・衛生・環境調和の向上に貢献することを目的に活動している国際組織です。情報共有や各種ガイドラインの作成を行っており、そのガイドラインは世界各国で参照されています。
Q. 評価のベースとなっている国内の「CNP認証」とはどのような制度ですか?
A. コンテナターミナルにおける脱炭素化の取り組み状況を見える化し、レベル1からレベル5までの多段階で客観的に評価する国土交通省の認証制度です。
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出典
- 発表主体: 港湾局産業港湾課 / 発表日: 2026-10-01
- 報道発表資料(PDF)
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